読書感想になります。
「クマが樹に登ると クマから始まる森のつながり」
以前、感想を載せた「アーバンベア」は、北大クマ研からクマを追いかける研究をスタートした人が著者。
こちらは北大ではなく、本州の大学出身の著者で、クマはヒグマではなくツキノワグマになります。
そして本の内容も、人間との接点ではなく、あくまで「森のつながり」。森の中のクマの生き様に関する話になります。
本の最初の部分。著者の学部生時代が、他人事に思えない話が多々・・・
英語が苦手、卒論も過去の研究者の真似でいいや〜。過去の研究と調査地点が違うだけでも新知見という意義はあるしね。ただ、ひたすらクマを追いかけることが出来たらそれで本望・・・
うんうん、私もそれに近かった!私の場合は、研究対象はクマじゃなかったけど。
で、私の場合は、そこで終わっちゃったんだよね。私が研究職を経験できたのは、研究職を希望して採用されたわけではなく、たまたま異動で試験場になっただけだから。
一方で、著者の場合は、修士を修了して就職までは私とほぼ同じ。
でも、その先・・・クマや森への、要は研究対象への情熱が、私より大きかった。
就職して数年後にもう一度大学院の試験を受けて、博士課程から再スタート。英語の論文も国際誌に投稿し、博士課程を修了。ちなみに、この本を出した段階では大学講師ですが、今は教授職で他にもクマの本を書いてます。それらも後ほど読みたいと思ってるところです。
ちなみに本の内容の核に当たる部分。クマに関する研究紹介は・・・
まあ、クマの研究は、まずは痕跡調査ですよね? 要は糞を集める!
最後まで排泄物の話ばっかです。
でも、奥が深いですよ? 排泄物。
最初の学部生時代は、ただ、排泄物を調べて、この地域のクマさんはこんなものを食べてました、おしまい!だったのが・・・
大学院以降、種子散布にクマは貢献しているのか?
さらに博士課程以降は、クマの排泄物に集まる小動物や昆虫たち。
データを得るための撮影の苦労話も。今はデジカメですが、著者の大学院生時代はフィルム。自動撮影だとフィルムを使い切ると、その先、撮影できません。それをどう防ぐか? 当時のデータを得るための創意工夫が偲ばれます。
また、クマ牧場に設置させてもらったカメラから得られた動画と延々睨めっこ。いつ排泄するのか時間のチェック。こりゃ大変だわ。
クマの食べっぷりも想像できて面白いです。
木に登って、枝を手繰り寄せて、口に咥えて果実を食べたら、果実が無くなった枝を下にポイ。
ロロくんと熊先輩、好きな食べ物で被る部分を、互いに話したらどうなるか面白そう。
ロロくんは上品に食べるだろうけど、熊先輩は豪快に食べてそうだな〜とか。
ドングリが不作だと、液果の利用が増えるとか。
著者が主に実験に使っていたのは、ヤマザクラの仲間でしたが・・・
そういえば、サルナシも食べるのよね、クマさん。
で、サルナシってキウイの仲間やん?
キウイといえば、マタタビと近縁。
熊先輩に、マタタビ騒動を起こしてもらおうと思ってバカ話を書いたな〜
懐かしい思い出です。
被害者:虎先輩・黒豹先輩・レオナ
こちらの5話です。
下ネタ、おバカ話。
当時は、マタタビとレオナの話は、これを書く前に、いくつか読み漁ったんですよ。
左右どちらも。モブレオとかマレレオとか、レオ監とか。
私は群衆劇にしたかったんで、レオナがマタタビに振り回されて終わりにはしたくなかったんだよね。
それとなくテーマも入れたかった。虎先輩がキメセクが嫌いとかさ。
結果、熊先輩が後始末する羽目になるわけで。熊先輩の自業自得な話。
魔法使いの弟子みたいな教訓話は好きなんだよね。
追記)
以下は個人的メモ
こちらはヒグマ
以下は長野のツキノワグマ