読書感想になります。

 

「森を食べる植物 腐生植物の知られざる世界」

 

少し古めの本です。

今は、「菌従属栄養植物」という呼び名が普通かと思いますが、当時は、腐生植物と呼ばれていました。

 

この本にもランとナラタケの関係も載ってますね。この関係は、かなり古くから研究者に知られていたので、この本にも説明があります。

前半は、そんな植物と菌類との関係など、従属栄養植物たちの生態に関して、ザっと説明。当時は不明なことも多かったようで、「菌根の世界」ほど詳細な研究紹介はありません。卒論や研究室を決めてない大学生向きというよりかは、これから大学に進学する中高生向きな本かと思います。

 

しかし、「菌根の世界」よりも、詳しく書かれている内容があります!

それは、フィールドワークに関する内容。

 

こういう植物は、ナラタケなどのキノコの下で森を支配するくらいの菌糸束を持つ大きな菌類を相方にしていない種類は、小さい種類が多いです。

そうなると、見つけるのが大変。

めっちゃ小さい種類になると、植物屋よりも陸貝屋の方が見つける目を持ってるとか。

要は、落ち葉をめくったら、咲いてた!なんて種類も。背が低いだけでなく、花の大きさも1cm未満。

昆虫なら、5mm以下でも動き回るから目に入るけど、きのこや花は動きませんから、小さい種類を見つけ出すのは大変そうです。

 

そもそも、ナラタケを相手にするランも、発芽の際には、別の菌類を相方にするとか。

ある程度大きく成長しないと、暴れ馬なナラタケを制御することは難しいのかも?という話。どのようにして寄生する相手を成長に合わせて乗り換えるのか?そのメカニズムは今も分かってないんじゃないかな。

 

 

 
 
 

 

論文に関する話題も、生理生態よりは分類に関する話題が多いですね。

あと、著者が植物学雑誌の論文の審査員になって査読をお願いされたら、その論文が自分が新種記載しようとしてた種類で先を越された!なんて話も。

これ、「白い巨塔」みたいな陰謀渦巻く世界が科学業界にも蔓延してたら、その論文は掲載拒否で、もみ消されるでしょ? そんなことしませんよ。きちんと受理したそうですよ?

反論文の人が思うような世界が展開されてるわけではないことは、この本からも分かりますよ。

 

 

以下は余談というか個人的メモ

 

 

放送してくれるかな?

今度は見逃したくないぞ〜!

 

 

オバブロキノコvs粘菌!

 

ちなみに、真っ黒く溶けるタイプのキノコを相手にする菌従属栄養植物もあるそうですよ〜

なんか、それこそ、ツイステの二次創作キノコシリーズに描けないかな〜とか考え中。