読書感想になります。
「きのこの下には死体が眠る」
ちょっと古い本です。
東日本大震災より前の本。
そのため、きのこや生物学に関する情報も、やや古め。
最初の、きのこの基礎的な知識に関する紹介も、そんな感じです。古い科学本は今とは違うことを言ってることも多々ありますので、その辺は、この本を読んで鵜呑みにしないで、あ〜この頃は、こうだったんだね、という感じで読むと良いかも。
この本が出た頃に、ちょうど、明らかになった毒キノコの話題が載ってます。
スギヒラタケなんですけど、古い図鑑では食用になってます。
言われている。
— Sukuna (@SukunaBikona7) October 2, 2023
潜伏期間が長いと1ヶ月くらいあるので、それまで気付かれなかったのではないかと。
その毒成分を特定した論文が出たのはつい先月。https://t.co/33Hpvgk6in
🔗論文リンクhttps://t.co/9eCbfLu26t
— EARLの医学ツイート (@EARL_med_tw) September 9, 2023
現在、スギヒラタケは食用としないように通達されています。
スギヒラタケは食べないで!
農林水産省https://t.co/w1XvfXOAEk
スギヒラタケ食中毒…
潜伏期間が長いんですよね。
それと脳症を報告するようになってから、どうも感染症による脳症ではないぞこれ?という事案が上がってきた結果、キノコだった!という話。
本では、他の本でも紹介されていた1核菌糸トラップに近い内容も。
キノコは見た目は似てても、実は別種というも多く、私が大学時代の頃からそういった報告が増えてきました。
胞子から発芽した菌系は単相(n)。その菌系を使って、交配実験をして複相(2n)になったら同種。交配できないなら別種ということになります。
今はDNAで調べれば1発ですけど、それより前は、地道な培養による研究が主体でした。
後半あたりからキノコ好きには面白い内容になっていきます。
菌従属栄養植物の出番もあり。
服菌類が、色々な分類群の寄せ集めなカオスグループと明らかになったのも、この頃。
最後の方は先生の研究の紹介。
それと、先生の疑問に思う視点が面白いな〜と思ったのが・・・
内生菌根はジャングルなど赤道付近、菌類の種類は少なく、それを利用する樹種は多い。
外生菌根は、赤道から遠い温帯より寒い地域、菌類の種類は多く、それを利用する樹種は少ない。種数は数ない一方で大森林を築く。
この内生菌根と外生菌根の逆転現象、どうしてそうなっているのか? 今も、明らかになっていないことは多いと思います。
死体とか物騒なタイトルですけど、要は、アンモニア菌やら、窒素肥料などのぶっかけ試験の話になります。
無論、動物の死体を置いた試験もあり。