読書感想になります。

 

「アーバン・ベア となりのヒグマと向き合う」

 

前半は、著者がヒグマを追いかけ始めた北大時代〜研究生活の話。

そしてヒグマの生態や調査方法の紹介。

 

後半にかけて、ヒグマの生態と絡めて、農地や札幌市街地に出てくるヒグマの現状と、さらに終盤は北海道の対策や、本州のツキノワグマでの対策紹介や、行政や市民との連携と、今後の提案といった内容になります。

 

私も高校時代の生物部の先輩で、北大のクマ研に入った人がいて、どうも、もしかするとその先輩と北大にいた時期が被るんでは?この著者は?・・・私の年齢もバレますな(汗)。

いずれにせよ、何処か他人事には思えない。先輩がクマ研に所属してた頃のヒグマ個体数とか、ヒグマを取り巻く当時の現状って、こんな実態があったのか?と。昔に思いを馳せてしまいます。

 

ビックリしたのが、1990年代まで、明治からのヒグマ=害獣・人類の敵という扱いで、徹底的に駆除されてきた歴史。

そりゃ、明治時代の開拓時代は、ヒグマによる悲惨な事故が多発してたから。マタギが片っ端から駆除してった時代であるのも分かる。アイヌのような共存とは違いますから。アイヌだって、人身事故を起こしたヒグマはウェンカムイ扱いで駆除ですからね。

特に春グマ駆除という駆除方法。これはマタギのやり方と思いますが、冬眠明けのヒグマを駆除しまくる。これで個体数激減してしまったようです。

明治の思想で21世紀に入る直前まで駆除しまくってたというのは目が点状態。

 

北大クマ研の歴史にも少し書かれていました。

クマ研は1970年代に発足したとか。

70年代より前となると・・・公害や環境問題が叫ばれ始めた時期ですよね。ただやみくもに駆除しまくるのは、どうなの?というのとは別に、単なる動物愛護ではなく、科学的にヒグマを明らかにしていこうという意図があったとか。

先輩も素手でヒグマの糞を掴んだ!とか、卒業生として高校の部活に顔を出した時に部活日記に書いてたなあ・・・

 

ヒグマの農作物被害や、札幌市街地出没に関しては、ヒグマの生態と絡めて説明。

成獣オスは奥山。子連れメスと若グマが農作物を荒らしてるようです。

これはオスによる子殺しを避けるためという、ヒグマの都合もあります。無情な世界ですが仕方ないとも言えるわけで。

若いオスも力を持ったオスと同所的な共存は出来ません。

 

さらには、ヒグマの奥山と人里でドーナツ化現象が起きていないのか危惧。このドーナツ化・・・奥山が空白で人里に個体数が多くなっているのはないか? まだ、個体群分布に関しては、はっきりした数値化できていない模様ですが、明らかになった生態から見えてきたのは、その可能性が捨てきれないという点。

 

そして昔の春グマ駆除と今の駆除方法の違いが、個体群推移にどう影響してくるのか?

要は、今の駆除方法は、箱ワナです。

目撃情報を元に、ワナを設置。ワナにかかったヒグマを銃殺。

 

ワナによる駆除では、クマも学習する機会がないと著者も指摘。

良くも悪くも、クマに対するお仕置きや警告的な意味を持たせることが出来ない。ワナにかかる=死・・・ですからね。

本州のツキノワグマでは箱ワナにかかったクマにお仕置き放獣はやってるんですよ。それも紹介されてました。

 

後半は行政との連携や、個人の対応など。

自助、共助、公助について。

これ、著者はコロナ対策にも例えてたのが、お!?と目新しい観点。

 

ある意味、クマを殺すな💢と苦情を入れる過剰動物愛護の人たち・・・反ワクが多いんじゃないか?と思ったりもするんですけど。

 

病院やワクチンが公助や共助なら、3密回避やマスクは自助に相当するわけで。

クマ対策なら、出没情報の配信や駆除が公助、ゴミ対策やクマ生態に関する知識やクマを見かけた時の対応など勉強が自助。

共助は電気柵など・・・

ある意味、ゴミ漁りするカラス対策と同じかと思うんですけど?

札幌の市民は他人事にしないで!裏山で越冬し子育てしてるクマがいますよ!ジョギングやサイクリングする際にも山歩きと同じくらい警戒して!という話。

 

そうそう、地震など災害対策にも共通すると例えてましたね。

訓練は無駄!とか主張する陰謀論者もいますが・・・

知識のある無しでは、全然、違うんでは?とも思うんですけど。

 

何もしないで共存なんて、アイヌ以前ですよ。

コロナも同じことが言えるんでは? 反ワク反マスク、消毒・手洗い拒否は運頼みで、祈祷の世界に近い。カルトや新興宗教だなと改めて思う。

 

 

 

 

ちなみに、著者は害獣と化したヒグマに対し、ウェンカムイというアイヌの悪神という言葉を常用してました。

 

ある意味、可哀想ではあるのよね。

力のあるオス熊から奥山を追い出され、というか逃れて、人里で人間に被害を出す。

ウェンカムイは鬼滅の刃なら鬼みたいな存在。

ウェンカムイになってしまったヒグマと共存は無理で、始末するしかない。

 

そうならないよう予防的に人間側で出来ることは何か?

 

ドンクリを山に撒いても、力のあるクマに独占されるか、もしくは人間の臭いがついたドングリの影響で人里へ行っちゃう危険も。そんな助けてあげようなんて意識は、全くもって思い上がりも良いところ。

クマの生態についてよく勉強しよう!それを元に対策を!それが、人間にもクマにも、適当な距離感を置いてトラブルを防げるって話です。

 

 

 

うちのバルーはいつもニコニコしてるけど・・・

キレると怖い設定ではあるのよね。レオナと虎先輩が喧嘩勃発した時に止められるのは熊先輩だけ。

そして虎先輩のオバブロで沈静化させたのも熊先輩。

 

 

 

 

 

追記)

 

こっちの本の感想にも載せましたけど・・・

 

 

ヤマネコはゴキを結構食べてるらしいんですよね。排泄物の調査から。

一方で、クマは蟻が多い。

 

で、クマさんは、ヤマネコのように動き回る獲物を追いかけて仕留めるというハンティングはあまりしません。まあ、でもゼロではないよ?

 

 

 

こちらの動画はツキノワグマですけども。

 

で、クマが食べる昆虫はアリが大多数を占めるとか。

座り込んでのんびり食べるのには、アリが最適なのかな?とも思うし。

また、季節によって、何を食べているのかクマの排泄物から知ることができます。

冬眠明けは芽吹いたばかりの野草。夏にかけてアリが混じってきます。

そして秋はドングリなど。

 

 

なお、餌不足のシーズンは、肉食に走るらしいんですけど、多くは死肉漁りです。

北海道のヒグマの場合、エゾシカが増え過ぎ問題で駆除され死体がそのまま放置されてたりすると、そこにヒグマが来ちゃうとか。

サケやマスを食べるクマのイメージもありますが、今、北海道でサケが遡上する川は少数。無論、餌が少ないシーズンは、昔は川魚に頼ってたのだろうなと思います。

 

 

追記2)

 

読書感想と違うけど、クマのネタだから載せておこ。

 

 

 

ティガーも参戦するらしい(汗)。

 

 

 

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27でフナね。

フナというと・・・ツイステグリムの「フナッ!」という叫び声を思い浮かべちゃう。

 

 

追記3)

 

リアルタイムにこんな記事があったので載せておこう。

 

 

シカやイノシシと同じ扱いになるそうな。

シカやイノシシも根絶対象ではないからね? この辺、勘違いしてる人が多そうな気もする。