読書感想になります。
「枯木ワンダーランド」
前半は、枯木を利用する生物たちの話。
後半は、温暖化対策など生木や枯木の炭素貯留の話です。
枯木を利用する生物といったら・・・やっぱキノコですよね!
この著者、信州大学の応用キノコ研を出てます。
そのため、木材腐朽菌に限らず、菌根菌の話題も出てきますよ。
面白いな〜と思ったのが・・・
菌類同士の競争の話。
生きている葉っぱの中にいる菌類。病原菌もありますが、何も害をなさない菌類も・・・しかし、落葉すると、あっという間に落葉の中の栄養を消費。そして分解しにくいリグニンを残して胞子を飛ばして去っていく。その後は、土壌中から別の菌類が枯葉を占領。
小さな葉っぱの中の菌類遷移というドラマ。各菌種の生き様の違いについて面白く紹介してくれてます。
そういう意味では、菌従属ランと菌類の関係。
キノコの先生って、擬人化が好きなのか?
著者とは別の年長の先生が書いた擬人化ネタを引用し紹介してましたが、めちゃ面白かった!
山賊が押し入った先で、もてなされて良い機嫌になってたら、実は吸血鬼でした!みたいなオチ。山賊がナラタケで、吸血鬼がランですね、はい。
それを、この本の著者が、植物ホルモンや、菌類と従属栄養植物の間で渡される物質を引き合いとして出してくるので、それがまた面白いんですよ。
他にも著者自身がヒラタケの生態を、このナラタケとランの擬人化話の二番煎じではありますが、擬人化して書いてるのでオススメ!
白色腐朽菌の生態や枯木の中での菌類同士の競争を面白おかしく擬人化してます。
ちなみに、この本で、褐色腐朽菌と白色腐朽菌の違いを改めて知ることに。
リグニンを分解しない方が褐色腐朽菌。
で、分解能力がある方、要は白色腐朽菌の方が進化したグループだと今まで私は思ってました。逆なのね! 分解しにくいリグニンは分解しないで、分解しやすい栄養だけ、ちゃっかり利用しちゃうのが褐色腐朽菌であるらしい。目から鱗でした。
色々と大学で学んだ頃とは違ってきてるわ。新しい本だと。
後半は、枯木の利用方法。
薪として火に焼べちゃったら、もしくはゴミとして燃やしてしまったら、結局、石油と同じですよ!って話です。
キノコに分解させる方が、分解もゆっくり進むし、炭素を貯めてくれる。
それと、木造住宅。本当は30年程度で建て替えでは勿体無いって話も。薪など燃料に比べれば家具や住宅の方がマシではありますが・・・そういう意味では、大阪万博の木造建築物。あれ、万博が終わってすぐにゴミしちゃったら、環境に全然優しくないやん? 数十年は保管してくれないと、めちゃ矛盾した万博になりかねないと本を読んでて思いました。別に本に万博については書いてませんけど、要はそういうことだよね。
話は変わるけど・・・
ロロくんの帽子を見た、下の子。
「キノコ被ってる!」と発言。
ノートルダムを知らん下の子からすると、結局、あの帽子はキノコと同じらしい(汗)。
先日は、ルークの生誕祭、お疲れ様でした!