日本において性転換手術(現在の性別適合手術)は、1969年ブルーボーイ事件にて執刀医有罪の結果を受けて以来、長く暗黒時代がつづいていた。
そこを打開したのは、1996年の埼玉医科大学倫理委員会答申であり、1997年日本精神神経学会・性同一性障害に関する特別委員会が発表した「性同一性障害に関する答申と提言」、ブルーボーイ事件の判決文をカバーした性同一性障害の診断基準、治療のガイドラインだった。
医療的解決がはかられたなら、次に問題になるのは当然、社会的、法的取扱いである。
2003年関係各位の尽力によって、日本において画期的な法律が議員立法で成立する。
―― 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 ――
以下、文献紹介
○南野 知惠子(監修)『解説 性同一性障害者特別取扱特例法』日本加除出版、2004年9月
性同一性障害について病理的・医学的・社会的側面をはじめ、その法律解説、Q&A等「性同一性障害者性別取扱特例法」に関する主要資料を網羅したテキスト。立法に対する各界からの意見、地方自治体の取組事例、性同一性障害者の問題にかかわる判決(戸籍の性別記載の訂正関係、ブルーボーイ事件関係)、第2版ガイドライン、IDC-10, DSM-Ⅳ-TRによるGIDの分類・診断基準等収録。
*ガイドライン2版、ブルーボーイ事件判決文も資料として掲載あり
購入当時、ざっと目は通したと思うのですが、約10年振りに読むと新しい発見が。。ちょっと・・・読み込まなければいけなさそうです。(正直、そんな文献ばかりですよね。奥が深いですm(_ _ )m
○針間克己、大島俊之、野宮亜紀、虎井まさ衛、上川あや(編著)
『性同一性障害と戸籍 (プロブレムQ&A) 増補改訂版』緑風出版、2013年2月
性同一性障害者の願いで戸籍上の性を変更することを認める特例法が、2004年から施行された。本書は、精神科医や弁護士などの専門家と当事者が「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」をやさしく解説、具体的な戸籍の性別変更手続き、戸籍変更後の問題、そして同法の問題点などをQ&Aで答える。
*増補改訂版では、2008年、2013年の特例法改正を踏まえ内容を刷新し、最新情報も加えた。
緑風出版のプロブレムQ&Aシリーズ。こちらも一読必至
○川政司、針間 克己、南野 知惠子 (編著)
『性同一性障害の医療と法 ――医療・看護・法律・教育・行政関係者が知っておきたい課題と対応』メディカ出版、2013年2月

性同一性障害者性別取扱特例法制定ならびに改正法成立に貢献した元参議院議員の南野知惠子氏を筆頭に、医療・看護・法律・教育・行政の各領域最先端の執筆陣により、現状と課題および対応について網羅している。専門職者にとっての指南書。
未読ですが、気になる本。
少し高めの専門書はすぐに絶版になるので、すでにネット通販で取り寄せ済みだったりします。笑
自分自身の考察をまとめたら、この夏にでもゆっくり読もうかな。。(*´Д`)
行政を取り込んでいる点が画期的だと思います。φ(.. )
サブタイトルに医療・看護・法律・教育・行政関係者が知っておきたい、とあるようですが、NPOや当事者支援活動を志向される方もぜひ![]()
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