石鯛カップの70cmオーバー記念の「竿券」を補助券として記念ロッドの製作
せっかく記念に作る竿
希望はありませんでしたが「慧眼505Hボロン」のロゴがワンオフロゴになってます
最後に「five」がついてるでしょ
作り始めるまでそんな意識はありませんでしたが
実際作り始めてロゴ入れの前の段階になった頃に通常のロゴ「Sigh for seventy」(70を思い焦がれる)ではおかしいな・・・と感じました
せっかくの記念ロッドのワンオフ品、ロゴも変更しようというアイデアがオレの頭に浮かびました
だって、70cmオーバーは達成してんのに「70を思い焦がれる」なんて、ちょっと合ってないでしょ?
じゃあ、キリよく「eighty(80)」でもイイんですよ
実際に釣人が捕ったとされるサイズでも80は存在するし、網などに入ったとごく稀に「やっぱ居るんだな」と幻の存在は確認できます
しかしね・・・、だからと言って、そこを「80」ってしちゃうと「大風呂敷を広げる」ようなダサさがあるでしょ?
「大風呂敷を広げる」の意味をネットに打ち込むと
「現実に合わないような大袈裟なことを言ったり、計画すること」
「できそうもない話をする」
「実力に見合わないことをおおっぴらに言う」
世の中の釣師やアングラーにはそんなダサいヤツもいっぱいいるし、そういうヤツだからこそその己のダサさに気づいてすらいない
ダサいヤツゆえに気づいてすらないのです
いやさ、口で言うだけなら何でも言えるよ
言ったって法律に触れるようなもんじゃない、好き勝手に言えばイイが
そこにはダサさが生まれます
己の経験値&自己記録はやっと60cmを越した、そんで65cmの壁すら突破してすらいない者が「70cmオーバーを捕るのが夢です!」と公言する
いや、何度も言うけど、言うのは勝手だよ
しかし、それを言ってる己のダサさに気づいていない
まあ、釣りの世界にも「マグレアタリ」や「宝くじ」があって
昨日今日に釣りを始めて、右も左もわからんままにエサ付けて海に放りこんでみたら70cmオーバーが釣れた・・・なんて世の中広いし、全国各地でたくさんの人がそうやって竿を振ると、中には宝くじに当たるような人も現れます
しかしね、普通は順番にやっつけて行くのがセオリーですし、苦労し悩んだりしながら自己記録も伸ばしていくほうが、思い上がったヘンチクリンな釣師が出来上がったりしない
60cmはなんとかやっつけたが65cmはまだ捕ったことがない者は「目標は65cmを超すこと」とか「目標は60台後半」と言うのは解る気がする、「現実味」も考えてね
そんで「68cm」や「69cm」という「くっそー、もうチョイやったやんか」というサイズを何枚か捕りながら「70になかなか届かない悔しさ」も経験する
そして、ある日、70cmを超す老成魚との出会いが来る
すると、人によっては「大事なハズの自己記録魚」のハズなのに
あろうことか、手から放し、ふたたび自然界に帰す(この時は回収の船まで生かしておいて船で採寸&計量したのちにリリースしたようです)
なかなかできることじゃないよ
だから
ウチの竿を使っていただいてるすべて皆さんにも「同じことをやれ!」なんて言いません
千載一遇の70cmオーバーです「持ち帰りたい」と思ったら、そうやってその魚の命を終わらせてもけっしてバチは当たらないでしょう
でもね、何度かブログには書いたように「70を思い焦がれて」、69cmだの68cmだのと「もうチョイ」を何枚も捕ってもなかなか「70」というは来ない、そんな経験をした者ならなおさら、70に届いてない魚までオールキープするのは己が目指してるベクトルと逆行する行為を普段はやりながらも「70を捕りたい」と口にしてるワケだから、69.9cmまでは持ち帰らずにリリースしなさい・・・とオレは思う(「世界の丸橋」と呼ばれた丸橋さんも昔から同じことを言われていた)
70を思い焦がれる者が、69cmをそこで命を取ったら、その魚は来年には70cmになる個体かもしれない
己の普段の行為は、70オーバーまで育って行く個体を針に掛かったらすべて命を取って持ち帰ってる者が「70を捕りたい」って矛盾する行為だろ
7kgという、幻の重量さえ、いとも簡単に手から放した
かくいう私も7kgにはいまだに届いていない
「6.9kg」の時は周囲からも「もう7kgでイイじゃないっすか」とも言われた
しかし、それをやると「その他大勢の石鯛師」と変わらんくなる
「69.5cmが70.0cmの魚拓として自己記録として永遠に残されたりする」
わざわざ、自分で汚す・・・
この「6.9kg」を「6.9kg」と書いたから、ほかの魚のサイズまですべて真実なんだろうな・・・と思うよね?
逆に一度でも「6.9kgだった魚を7.0kgと書いて残したら、ほかのサバ読んでない魚すらサバ読んでる」としか人は見てくれない
余談が増えたが
彼もオレが「客として失うかも」と思いながらも、ウチの竿のテスト段階から多少なり関わり、ライジャケにもウチの看板背負うからには「コレじゃダメだ」と諭した
2~3年前までは彼はこんな釣りをしていた
そして、何枚釣ろうが何枚釣ろうが「70」というサイズに巡り合わなかった
この写真でも判るように、これだけの釣果を叩き出せるのでヘタッピなワケではないのです
でも4kgオーバーだろうと、2kgの小型石鯛であろうと、こうやってすべて色あせて死んでしまった個体を自慢気に写真撮って自己満足
そんな彼に
普段の行為と夢が逆行してる(矛盾)ことを説いた
ウチから「離れていくかもな」と思ったが、ウチのライジャケも着るというし「慧眼505Hボロンプロト」も渡していたので、ウチだって「看板」がある
こうやって、ブログでエラソーに書いても、背中に影竿と入ったライジャケを来た者が
こんな釣りをしてるのを、そこいらの釣場で見かけたら、なんて思う
特にアンチなら尚更ね
「なーーんや、口ばっかやっか。エラソーなこと言うわりに関係者はネコソギ君やん」くらい言うだろう
もう、目に見えてる
だから、彼が「離れるかもな」とは思ったが、言わないワケにはいかないので言った
すると彼は「何枚釣っても配り先があるんです。仕事のつきあい先なんかもいくらもあったりしますから」と言った
オレは「そんな付き合い先に魚を持って行くなら、釣った魚じゃなく魚屋で買った魚を持って行け。70を欲しがってる者のする行為じゃない。オマエ自身も片っ端から70に育つ可能性を秘めた個体をネコソギ潰す行為をしていながら「いつかは70」はおかしい。逆にオールキープしたいんならそんな崇高な夢は捨てろ」
一言一句覚えてないが、こんなようなことを彼には説いた
「職業漁師」ではない、「崇高な趣味としての釣り」をするのなら考えないといけない部分だと思ったからね
彼とその1~2年後にメシを食いながら話したが
「よく離れんやったな」とか
「理解してくれんやろとも思ったし、もし理解してくれたとしても60や65をリリースするようになることはあっても70オーバーまで手から放すなんて、オマエの中で何があった?」と疑問すらぶつけた
すると「山田さんから言われて自分なりにイロイロと見つめ直した、考えた」らしい
それで、「言われるからやってる」ではなく、彼の心の何がが変わって、今のような釣りを「言われずともやる」ようになったのだと思う
6kgの石鯛もリリースした時の顔
この顔は「山田さんに言われるから仕方なしで」でやってる顔ではない
そもそも「言われるから仕方なし」なら72cmなんて「どう言われようが」と手から放すなんてできないハズ
彼の中の何かが変わったからです
今では「付き合いのある若い衆にも少しでも浸透していけばよかですけどね」と言って
その「背中」を見せ続けている
あれほど何十枚、何百枚捕ろうが「遠かった」70cmに届く個体を
意識を変えたら2022年中に2枚も捕った
そして、計測後に2枚とも海に返した
漁師の網や、ほかの釣人に釣られてないなら、きっと今も海の中で生きている
こんな行いで釣りをやってる彼なら「次は75オーバー(70台の後半)を見てみたい、捕ってみたい」
そう口走ったって、なんか「粋」に思えて来ないか?
オレが
「オールキープで自慢して回る」者がどんなに逆立ちしたって、リリースの心がある者には敵わない・・・と言うのはそんなトコにある
そんな彼の竿に「Sigh for seventy five」と特別ロゴが入ってると
「five」が黙っていても歴史を語るのです
「five」が72cmすら手から放した者の真実味のある夢を語るのです
「seventy five」が「大風呂敷」ではないことを語るのです
オレはさ「仕事がらみもあって」と逃げ口上を叩くが
「74cm」をファクトリーのオブジェとしてキープした
そんな「明日の75cmを潰した」者が言うのもなんだが
オレも次に見てみたいのは「70台後半」を見てみたい
それくらい言うだけのリリースはやってきたつもりだ
「80」とは言わん、そんなサイズ死ぬまでだって「生きた魚体」を見ることはまず無いだろう
でも「70台後半」は「ひょっとしたら」と思える
まして74cmまで捕ったら、あと自己記録を伸ばすなら75cmしかない
たぶん、ムリだろうがね・・・
彼にも似たような思いがあるかもしれない
でも、彼のほうが説得力あるな
72cmの命を取ってないからね
今回の竿はいろいろとチョットしたトコが「特別仕様」に作られてます
またこんなことを書くと
昨日今日その釣りを始めたような者や、まだやったことすら無い者までも「ココをこんな感じにできますか?」とやったこともない空想の設計図を持って「できませんか?」と相談に来たりするのがこれまででしたが、ブログで露骨に書いてるのでそんな空想くんは来なくなりましたが、それなりの経験値と実績がある人が「どうにかできませんか?」にはもちろん耳は傾けます
やるかorやらないかは私の一存になりますがね
今回の竿は、常に「手持ち」でやってる彼なので(たぶんオレ以上に手に持ってるんじゃないかな、オレは可能性を感じる時くらいしか集中できんし、しません)
Fグリップの握りが気になるんでしょうな
通常よりも「長く」&「先のほうを少し太く」という別誂
「極細テーパースムージング」の要領で製作していますが
先のほうは「極細」ではなく、ブランクに一重コルクを巻いて嵩上げしています
そして、通常モデルと同じように「裏面凸凹」をその嵩上げ上に施工
オーダーは「フルピンスト無し」でしたので「フルピンスト無し」で製作しましたが
グリップエンドに白い二本線の「認識帯」だけはオーダーに無い施工をしました
あと、注文書どおりに製作してないのがもう一点(まあ、記念ロゴはオーダーが無くとも記念竿なのでロゴ入れしますが)
ガイドは「下巻き:黒」を選択していました
なんでそんな選択するかな!?と思いました
彼はプロトの「慧眼505Hボロン」も使ってるのです
その竿なんか「下巻きは無い」「上巻きもエポキシで盛ってもいない糸を固めただけ」
巻き幅もガイドの足が固定できれば、なんの問題もないので「ショートラップ」
これで、なんの問題もなく使えるのです
そんで、その後に分解してみても、よく言われる「下巻きはガイドの足がブランクを傷つけないために」などと言いますが
外してもキズついてるのを見たことはありません(スピニングのように吊るしで取り付け、足のスパンも長いと多少は影響でることもあるかな、くらいなもん)
「下巻き」はこんな風に「色を変えたり」したい場合の「デザイン性」で入れるものとオレは認識してます
オレの竿の場合も「下巻きは白を巻いてるよう」に見えてしまってますが
私の竿も「下巻きは巻いてません」
下巻きの部分は「白に塗装」してるので、下巻き無しです
利点は「そもそも不要」・「軽量化(というよりムダという意識)」・「上巻きもムダ巻きせずともいい(ショートラップ気味にできる)」など
下巻きをすると、ガイドの足の先から更にちょっと先まで下巻きを巻きます、そしてその下巻きの糸の糸目が消えるほどエポキシを盛ります、当然ながらその場所のブランク径よりもあきらかに太くもなります、その上に更に上巻きを巻いてその上巻きの糸も糸目が消える、足の凸のエッジが消えるくらいエポキシを盛るのでムダな太さになるのもありますが、それよりも下巻きの更に先から上巻きは巻き始める必要があるので、上巻きの巻き幅は「長く」なります(超ショートラップはできなくなります)
本来は「ガイドを留める」のが役目の「上巻き」ですから「ガイドの足先」から巻いてあればOKなワケです(超ショートラップ)
こんなふうにね
これより長く巻いてる部分は「ただブランクに糸を巻いてる」だけということになります
いつも言う、運動する時は「薄着」のほうがイイというあのハナシです
誰もベンチコートを着たような姿で運動はしないハズです
だから「デザイン的に下巻きが欲しい」という場合は下巻きはしなきゃいけませんが
彼の場合は「下巻き:黒」「上巻き:黒」「フルピンスト無し」「フル艶消し」なら下巻きを巻いてようがいまいが、ミテクレは一緒です
たぶん巻いてるか巻いてないかすらわからないと思います
キズも付かんと言ってるのだよ
なんで「同じ色の下巻き」をマークシート塗るかな・・・と思いましたが
まあ、彼もそんなトコがあるので、強制的に「下巻き無し」で製作しました
だって「ムダ」やもん
コレなら「意味がある」んだよ
「デザイン」という意味でね
ハッキリ言うと、下巻きを巻くor巻かないで「じゃあ、目をつぶって竿を渡されてどっちが下巻きがある竿でしょう?」なんて問われたら、区別なんてできやしませんが「デザイン性を求めないのであればムダ」なのです
彼はほとんど竿受けに竿を置かないでしょうが
それでも、エサの付け替えや、その他のタイミングで竿受けに置くこともあるでしょう
「置き竿」のように竿が舞い込んでガブるまで竿受けに置いて竿は竿受けに押し付けられる・・・ような使い方をするとRグリップはすぐに変形するので「保護カーボンパイプ&デコリング×2枚」は入れたほうがベターかと思いますが
「手持ち」で竿受けの上で負荷が掛からない置き方でも、永く使ってればRグリップの変形は出るかと思います
じゃあ、カーボンパイプを介すればまったくケアの必要は無いかというとそうじゃなく
カーボンパイプのクリア塗装などが竿受けとの干渉で剥がれたりすることでしょう
そのあたりも使い手側のケア次第かと思います
特に前受けの部分などは液体ラバーなどを2~3回コーティングしたりと工夫されてご使用ください
今回の彼の「慧眼505H BORON-TUNED Sigh for seventy five」は
Fグリップ延長によりガイドセッティングなどもワンオフリセッティングしています
慧眼505H BORON-TUNED Sigh for seventy five」(ワンオフ)
スタンダード:157,000円(石鯛カップ景品120,000円券使用)
蛍光カラー穂先:2,000円
フル艶消し仕上:10,000円
フル下巻き無し:▲4,000円
フルピンスト無し:▲4,000円
ほかオプション計:13,000円
合計:174,000円(税込み:191,400円)