「OC116Z 猛者SPL」のコンセプト | ぎっちょ31  

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久しぶりの「猛者SPL」

 

「猛者SPL」のコンセプトはショートバイトもできるだけ弾かせず乗せたい

 

もう何度かブログに書きましたが

生まれたきっかけは

メーターオーバーのヒラスがバンバンアタってるのに磯を貸し切りで使えた当時

当時、ザウラーのオレ、青物定番の「BR110」を使ったって、とてもじゃないが捕れないので

当時、GT遠征用の「GT-Ex10」や「GBR86」を持参しましたが、ガンッ!と強烈なショックが来るだけで、なかなかノリませんでした

まだ「GT-Ex10」はマシでしたが「GBR86」はダメでした

だから、石鯛竿に石鯛リールのまんまで行きました

石鯛竿は穂先がしなやかに入ってくれますからね

コレがなかなかイイのです

 

だから、のちに「竿屋」になったので

「石鯛竿のようなティップが入りやすいルアーロッドが1本あってもイイ」

そう思って生まれたのが「OC116HH」でした

 

しかし、「市販化」すると100人の手に渡れば100通りの使い方をされます

ほかの「OC106HH」などに比べると、折るユーザーさんの割合が高かったのです

 

原因は解ってます

そもそもが、石鯛竿のようにティップを細くして、しなやかで入りやすいティップにした竿です

これまでの他の青物竿と、なんら使い手が竿に合わせたアクションをしない限り、折れやすくなるのは明確です

 

たとえば「キャスト時」

先径が3.2mmや3.6mmもある青物系のヘビーロッドを振る動作と

バットパワーは変わらずとも先径が石鯛竿に近い2.4mmの「猛者SPL」ではルアーの「乗せ方」というものがあります

100g以上のルアーでもフツーに振れますが、それは「乗せ方」をその竿なりにアングラーがアクションしたら・・・のハナシです

手首回してルアーを打ち出すようなファーストアクション気味のルアーロッドの投げ方をすると、ルアーのウェイトがまだベリーに乗る前にティップでコネくられて・・・パンッ!とティップ部がイキます

竿にはそれぞれその竿に合わせた扱い方というのがあり、それはアングラーがやらなきゃならないことです

 

あとは、いつも言う「ランディング時」

いつも言う「魚との距離が近い時ほど注意が必要」の典型が「ランディング時」

アングラーが、知らず知らずに竿におかしな角度で負荷を乗せてるのが原因です

これは石鯛竿でも一緒ですが

たとえば「猛者SPL」はGTでも使えるバットパワーのある竿だから・・・が頭の中にある人が失敗するパターン

GTも捕れる竿だから・・・と、アジの開きくらいのサイズのネリゴ(カンパチの幼魚)など竿の操作には何一つ問題はないと思ってるパターンです

たとえ40kgのGTをフツーに捕れる「猛者SPL」でも、400gのネリゴをブリ上げ(抜きあげ)て、雑に魚を手元でキャッチ・・・たった400gの重さでは、アングラーの目が行ってないティップでは、400gの重さでティップしか曲がってません、そしてその負荷の方向は竿の足元直下、ようは「お辞儀」してる状態、言い換えると「し」の字になってる状態、ラインの残し方が足りずに抜きあげたあと魚を手でキャッチしたあとすこし「寄せる」動作も加われば、ティップではさらに「し」の字が深くなります

そんな時に・・・パンッ!とティップ部が折れます

石鯛でも3kgの石鯛を抜きあげるときはベリー(胴)に負荷が乗ってるのでそうそう折れません、しかし同じ3kgでも竿が立ちすぎれば竿の負荷の移行がしずらく#2(穂持ち)に負荷が掛かるような扱い方をすると「穂持ち」が折れます

さらに3kgを抜きあげられる竿でも500gのサンバソウでも先程書いたように、どこに負荷が掛かってるかを意識できないと500gのサンバソウでも竿は折れます(その際には当然ながらたった500gの負荷ですから、折れるのは穂先です)

 

だから、大体、「どんな折れ方をしたか」で

なんとなく「どーゆー使い方をしていたか!?」が想像がつくということです

 

そんなワケで、当初「OC116HH猛者SPL」は他の「OC106HH」などの定番ロッドに比べると修理依頼の確率が高かったのです

このあたりが「市販化」の難しさです

1人の人間が使うならたとえ問題無しであっても、じゃあ市販化して1,000人が使うと問題が発生します

これは多かれ少なかれ避けられないことなので、じゃあ「どこで納得させるか」です

 

「猛者SPL」の場合は

ティップ径を上げて、ティップを他の竿たちに近づけ、破損のトラブルを軽減しようという対策にでました

その結果が、後半~現在まで発売している「OC116Z猛者SPL」です(表示が「Z」になったやつ「HH」表示の竿でも数本は「Z」ブランクのケースがあったかと記憶)

本来なら本末転倒なんですがね

できりゃ「初期ティップ」のほうが「猛者SPL」のコンセプトでした

しかし、折る人が多い(多いと言えば語弊がありますが、他の竿より多い)ので、折れにくいティップにアレンジ変更したため、簡単に言うと「OC106HH」(穂先径3.2mm)に近いベクトルに進んだ・・・ということです

 

ハジキを抑えた「石鯛竿のような青物ロッド」からは少しだけ外れてしまいましたが

そのぶん、「折りました」という修理依頼は減りました

 

このあたりも「モノヅクリ」の難しさですね

かならず1,000人が1,000人満足するようなモノは世の中にはありません

 

人間だって、「あいつは好き」だけど「こいつは大嫌い」など

万人に好かれるような人は居ません

好きという人も居れば、アンチも居ます

 

釣竿も

「この竿イイね~~~!」というユーザーも居れば

「なんじゃこの竿、使いモンにならん!」というユーザーも居ます

 

モノヅクリをしてる側も

「どっかで納得させる」ポイントを作らなきゃ、終わらないハナシになってしまいます

 

初期ほどのティップな無いにしても「OC106HH」(定番ロッド)に比べたら、追従する入りティップなので「ハジキ」軽減につながる「猛者SPL」

今回は兵庫県へ納品

常連さんで今回「3本同時オーダー」という豪快なお金の使い方をされた方です

 

今回、こんだけ長文でイロイロ説明したけど

写真で見ると、やっぱティップは細いでしょ?(GTにも使える竿とは思えないティップ径)

バットの2ガイドのみ「MN(オーシャン)ガイド」(逆付け)、ほか「KWガイド」で

大口径「#16トップ」仕様

 

「フルピンスト無し」(▲4,000円スタート)のシンプルなデザイン
 

追加ロゴ「陰陽」と「FULLPOWER」

「ブラックバック塗装」と「艶消しロゴ仕上げ」

 

Fグリップも「遠征対応」の「バントラインスペシャル14インチ(約)(ロゴつなげ調整長)」

傷つきにくい「ラバー仕上げ」

 

今回、リールシートは「持込」にて(アシストナット仕様)

もちろんRグリップも「ラバー仕上げ」

セパレート間は「深緑ラップバック」+「追加ロゴ」+「艶消しロゴ仕上げ」

 

見た目はコテコテのハデな「カスタムロッド」みたいな見た目ではありませんが

ココに1,000円、アソコに1,000円と、そこそこあちこち乗っかってます

 

OC116Z猛者Special(スタンダード):68,000円

 フルピンスト無し:▲4,000円

 リールシート持込:▲1,500円

 オプションオーダー:16,500円

合計:79,000円(税別)