ウチのオリジナルロッドが
津軽海峡を渡るまではしばらくかかりましたが
一旦、渡ってからは時々海峡を渡ります
今回も遠くは北海道へ!!
「OC116Z猛者SPL」です
表記がちょっと変わってますね
すでに「OC130」シリーズでは使いましたが
「HH」の次に「Z」にしました、さらにスペックを引き上げたアレンジをRを加えて「ZR」としました
今回の「116」も「HH」からちょっと変更したので「Z」にしました
ま、簡単に考える人は「あ~、影竿オーナーはZ乗ってるから表示をZにしてんだろ」と言われそうですが
一般的には「HH」とかHの数とか「XH」とかX付けたりとかで強さとゆ~か硬さとゆ~かスペック表現してますよね
なんかヨソと一緒じゃツマンナイので「Z」にしました
それこそ「影竿が乗ってるフェアレディZ」のように「Z」は「アルファベット最後の文字=究極の」だとか、船舶信号旗「Z旗」(日本海軍のみ特別な意味合いで使用、それをアメリカ市場殴り込みの和製スポーツカーの成功をZ旗に込めたとも言われる)
そんなこんなで「ゼロ」などもいろんな業界で人気の商標登録のワードと同じように
「Z」も「究極」などというイメージなどでよく使われるワードですね
「フェアレディZ」、「マジンガーZ」、「モモクロZ」、「ナイシトールZ」、「あさじげZ」・・・などなど
先の「OC130」もそうしたので、今回の「OC116」も「Z」にしました
何をしたかというと
ちょっとブランク設計のアレンジを変更しました
ざっくり、何をどうしたか!?って~と
ティップのアレンジ変更です
これまでもテストしてきた中でもティップトラブルは出なかったのですが
「猛者SPL」はハイパワーロッドには他に無いような独特の極細ティップにして
ショートバイト気味のアタリでも弾きを少なくしティップが追従するアクションにしています
私が昔、当時のルアーロッドでヘビーなものはロクに曲がりましないガチガチ竿ばかりだった中、売ってる青物用と謳うルアーロッドではまったくパワー不足、かといって当時のGTロッドを使うとガツンと来るばかりでノリが悪い、そんな中で石鯛竿でルアーを引いて大型ヒラスを釣った際に思いのほか良かったので「そんなルアー竿があってもイイ」というコンセプトで生まれたのが「OC116HH猛者スペシャル」でした
ようは「石鯛竿のようなハジキの少ないティップに、掛けてからは魚に負けないバットパワーを併せ持つ」こと
その結果
「ハジキ」だけではなく、使用ルアーウェイトも大物竿なのにワイドレンジ(シーバスルアーからGTルアー並まで)という副産物も生みました
どっちかって~と「AR911RS」も似たような設計なので同じような「要領」というか「コツ」というか
使う者がそのあたりは理解していないとよろしくないちょっと特殊な竿です
テスト中もトラブルは出なかったんですが
やはり、リリースして、いろんな方の手に渡ると・・・トラブルも出ることがあるんですね
以前から、何度か似たようなことをブログに書きましたが、そのあたりが「竿を作る」、「設計を決める」にあたってムズカシイところ
現状がイイ具合の調子を出してるのに「市販」&「不特定多数の使用」を考え、設計を変える・・・イイ具合の調子が出ていたブランクの特性が変わる
こんなことはよくあることです
だから、それを崩したくない場合は
その竿のページやブログなどでも終始、竿の特徴&特性をお客さんに伝えます
しかしね、それでもトラブルは「ゼロ」にはならないもんなのです
「116猛者」もそんな中のひとつ
「フツーは無い」ような竿なワケです、当然ながらそれに伴う「理解」や「使用」が使い手には要求されます
普通に売ってる青物竿とまったく同じような「使い方」をしたらマズイことも中にはあるのです
ここ数年はほとんど出ませんでしたが
「猛者」発売からしばらくは時々「ティップ折れました」という修理依頼が来ました
そのほとんどが「キャスト折れ」
これは「乗せ方」がよろしくない場合に起こります
一般的に無いようなイカ竿並みに絞ったティップのハイパワー竿
投げるモンによって、竿への「乗せ方」があります
シーバスルアー程度を投げる時は小手先で投げるようなやり方でも「効いてる」のはティップなので投げられますし、またそのような乗せ方のほうが打ち出ししやすいでしょう
変わって大型ヒラス狙いなどで100g近辺のルアーを放る時には、シーバスルアーが効いていた部分よりも元側に効かせて(いわば「乗せて」)投げる必要性があります
またそれをせずにどんなルアーも同じ投げ方をすれば、この竿はもちろん折れます
GTロッドで穂先がイカ竿並の竿が他にありますか??普通は細くても先径3.2mm程度、太けりゃ4mm近くあるはずです
特殊設計は特殊設計なりの理解が使い手側にも必要ということです
一般的に売ってる、たとえば100gくらいまで投げられますよと謳うルアー竿を買って来て、全身全力のフルキャストから手首のスナップ程度でルアーウェイトを竿に乗せてのキャスト、一人のアングラーでもいろんな投げ方はするでしょう
4mmの竿は大概、どんな人間がどんな癖でどんな投げ方をしてもマージンはそれなりにあるのが普通(中にはそれすら無いメーカーの竿もありますが)
ティップがイカ竿並みの特殊設計の竿は、100gのルアーを手首の返し程度の小手先キャストなどした場合は「乗る」タイミングが無く、ティップしか反応しないまま振られると・・・そりゃあティップに負担が掛かります
実家に居た頃
デカい石鯛などを釣ってきたりすると、当然ながら釣りの「つ」の字も知らないウチのお袋が
「あがん細い竿やとに、折れんて、強かとね~~!」
よく言ってました
いやいや、穂先で受け止めたら瞬殺、一瞬で折れるでしょ
「負荷の度合い」によって「効いてる」部分が異なるから、1.8mmの極細ティップでも折れないのです
ファイトしてる時は1.8mmなんてなんも「効いてない」ラインと一直線で、15mmや20mm近いようなバットが効いています
「猛者SPL」にしても一緒です
「え~~、2.2mmなんて細いティップで10kgや20kgの大型ヒラスだの、GTだの大丈夫か~!?」
「え~~、2.2mmなんて細いティップで100gオーバーのルアーなんて、ホントにまともに投げられんのか~!?」
何も知らんバカアングラーはそんなことも言うでしょう
じゃあ、先径1.6mmの極細石鯛はエギ程度しか投げられんのか??200gオーバーのGTルアーすら普通にキャストできます
「胴」に乗ってるからね!
これを「小手先」で投げたと想像してみましょう、投げたことない人が想像しても「穂先折るな」と容易に想像つくハズです
「猛者SPL」はそんな竿です
でも、やはり市販となると
折れるんですな
だから、簡単に言うと「ティップを少し強度を上げました」
当然ながら以前の「HH」のほうがティップの反応は早いですし、しなやかです
ようは、ちょっとくらいおかしな投げ方しても少しは踏ん張るようにアレンジを変更しました
当然ながら「以前出ていたようなティップフィールは消えます」が、じゃあどっちを選ぶ??ってなると
多少、フィールは望むトコから消えても不特定多数が使っても以前の設計よりトラブルが出にくいモノ・・・コッチをどうしても選ぶのが「不特定多数に売るためのモノ」
10人に売って、10人すべてが特性など理解して適正な使い方をすれば最初の設計でイイワケです
でも「売りモン」だとなかなかそうはいきません
多少おかしなことされてもマージンがあるようなことも考えないといけません、たとえそのために「ベストフィールが出ていた設計でも変える」必要性もあるということです
「市販」となるとそういった面もあるのです
言い換えれば「理想ばかりでカタチになってもダメ、使うのはオレ一人じゃない、そのための調整も加わる」ってこと
ティップ設計を変更して「HH」から「Z」へ表示も変更しましたが
逆を言えば、以前より雑に・・・とゆ~か、おかしな「乗せ方」をしても破損のトラブルは軽減されたということです
安心して!?(笑)・・・お使いください
キャストだろうが
ファイトだろうが
「乗せ方」(負荷の乗せ方)があります
「どこが効いてるか」は釣り人の意識にある必要があります
以前、ウチの斥候500Hを買ってくれたお客さんが1kg半くらいのガキを釣ったら折れましたとのことで穂先を預かった際に
「なんもしとらんとですけどね~」とおっしゃってましたが、折れる=折れるようなことをした、ということです
なんも悪かことしとらん、で竿はそうそう折れません(ジャンクロッドでない限り)
1kg半程度のガキを釣り上げて「ココが折れる」ってことは・・・「ココが効いていた」ってコト
ここが「効く」ってことは穂先しか曲がってなく、元側に負荷の移行がしにくい「竿が立ちすぎてた」ってこと
特に、穂先を硬くして感度を上げた斥候だと、簡単に言うと「曲がりにくい」・・・一般的な市販竿にはちょっと無いような特殊なアレンジをした竿です
その竿に軽い1.5kg程度のモノをぶら下げて竿が真上に立つような状況になれば穂先から近いとこで「し」の字でオジギしたようになります
小さい魚=普通より強烈な竿を使ってるから折れるハズがない=なんもヘンなことはしてない
になるんでしょうね
1kg半程度のガキをブリ上げる、魚が小さいほど竿は壊れないと思ってるので雑な操作をする、小さい魚はブリ上げた動作のまんま魚を手元まで持って来ることも多い・・・一般的な石鯛竿ならある程度の「曲がりやすさ」があるので1.5kgの魚をぶら下げても簡単に言うなら「穂先(#1)」ではなく「穂持ち(#2)」が効いて(そこが曲がって支えてるってこと)ることが多い
でも特殊な斥候では穂先の先っちょ部分がわずかに曲がったような状況、となる
想像したって、折れやすい状況だよね
今回のブログ記事のような内容は
使う側(お客さん)にとっても勉強になるから、保存版にしていつでも読めるくらいにしたいんだが、なかなかムズいよね
今回からのリリースから「猛者のドラグ表示」も以前の9kgから10kgに変更しました
「え?じゃあバットパワーも上げたの??」
いえいえ、変更したのはティップのみです、バットは以前と一緒です
そもそも、以前の「9kg」ってのが、簡単に言うとテキトーなのです
「テキトー」と言うとなんかイメージ悪いですが
「OC106HH」と差をつけて「使いやすさ」のイメージなどで少しだけ表示を落としただけです、だって結構お客さん側ってドラグ表示=ハイパワーの基準にしてるでしょ??
10kgドラグの竿より12kg、15kg、はたまた20kgと表示された竿のほうが「強い!」、「大物用」、「頼りがいある」などといったイメージあるでしょ?
「OC106HH」はスタンダード的な大型ヒラス~GT併用ですので
それよりヒラス寄りをお客さんにイメージしてもらうために「OC106HH」より若干表示を落として「9kg」にしただけです
じゃあ10kg掛けたら折れるのか??って~とまったく大丈夫です、逆にバットは「OC106HH」よりも太いのでドラグも表示するなら「OC106HH」よりも上げてもイイくらいです
でもね、ウチの竿ってドラグ数値が高くても「10kg」なんだよね
「HHH-GTO」だろうが「ZR」だろうが、それ以上を表記した竿はありません
じゃあ、ヨソのメーカーでは12kgや15kgや20kg表示もあるからヨソの竿のほうが強いんだ!・・・ってこともありません
10kg以上掛けても大丈夫でも、ウチの竿は10kgとしか表示してないだけです
ドラグ表示なんて10kgも書いてりゃ十分です
「数字の客寄せパンダ」的に表示数字ばっか上げたりしたって、大事なのは「中身」
15kgと表示して7kgで弾け飛ぶよりも、10kgと表示してて15kg掛けても壊れないほうがカッコイイとも思うしね
オレの「カッコイイ論」(笑)
「影竿」のスタンスを表したような今回の記事、ホント「保存版」にしたいんだが(笑)
まあ、解ってくれて使ってくれてるご贔屓さんも多いとは思ってます
ガワタン(外側)ばっかカッコつけたってね~
是非、北海道で活躍させてください!遠い所からのご贔屓あざすm(_ _)m