「土俵」<永久保存版> | ぎっちょ31  

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蒼き時代より共に生きる

テーマを「本業(戯言)」にするか「影機」にするか迷ったけど

影機のネタを通じて「本業」釣竿や魚釣りのことも話そうという流れなのでテーマは「本業(戯言)」にて・・・

 

 

性能を引き上げよう!

そんなチューニング好きなクルマ好きのハナシに

一般人が(オレらも一般人ではあるけど)ハナシに割り込んでくることがよくある

「アレやコレをして500馬力」

「なんや、そがん車に金使うて、違法改造して(最近は合法改造も多いんだが)ようやく500馬力か!?オレのレクサスはな~んもせんかて420馬力あるぞ」

 

いやいやいや・・・同じ「土俵」に乗せんなよ

その世界を趣味にしてる者からしたら、そう思います

 

アンタのデッカいレクサスは

オレらと同じ「土俵」なら420馬力出てね~し・・・

 

アンタのレクサスは「カタログ値」

 

カタログ値280馬力のRB26GT-Rをダイナパックに掛けてみたら

こんなコトがフツーにあるのです

 

エンジン出力が420馬力と謳う

メーカー公表の「カタログ値」が420馬力をそのまんまタイヤまで伝えてるかとゆ~と

そ~ではありません「損失馬力(ロス馬力)」

 

フライホイールの後にはギヤがたくさん入ったミッションもあります

大きく重いペラシャもあります

デフもあります、ドラシャもあります、ハブを介してタイヤ

そのタイヤが回って走っているのです

 

もっと言えば

エアコンの動力もエンジンから取ってますし

ラヂエーターの冷却ファンなどもエンジン出力から取ってます

非力な軽自動車なんかは坂道登ってる途中でエアコンのスイッチを入れたら

明らかに、走りが落ちるのを感じる経験をした人も多いと思います

それだけエンジンパワーを食われているのです

 

一般的な会話

話す相手も「カタログ値」、自分のハナシも「カタログ値」ならまだイイですが

改造して「実馬力」タイヤが路面に伝えるパワーとして計測してる話相手に

そこに「カタログ値」で入ってくるのはお門違い

そこを解った上ならイイんですがね

 

これまでの記事でも

ウチのZのパワーは公表しませんでしたが

ざっくり言うと700オーバーあたりから燃料がカツカツ気味になったそうです

 

ここでまた

「な~んや、そんだけやって800出らんとや。オレのフルチューンRは以前〇ート〇ックスで計測してもらったら800出たぞ」

たとえチューニングカーが好きな者どうしの中でもそんなハナシを割り込ませてくる者もいます

 

いやいやいや、土俵が同じとは限らんぞ

 

バックスがどんな測定してるか知らんが

大概はチャラ車小僧相手の商売

大概「係数」アリじゃなかろ~か!?

 

「係数」???

 

オレも工業高校出たワケじゃないし、自動車整備士でもないし、プロのチューナーでもない

ただ数十年、チューンドマシンが好きでユーザーとして関わってきた知識ですのでツッコミどころもあるかもしれませんが

大雑把に説明するなら、まあ概要くらいは伝わるかと思います

 

今回、セッティング中に使ったダイナパックは

車軸に計測器をセットします

カタログ値などのエンジン出力はエンジンベンチなどで、エンジンのフライホイールで計測します

先述したように、その後にはいろんなパワーが失われるものがくっついてるのに・・・

 

そこで土俵を同じに近づけるとゆ~か、エンジン出力を「推定」するとゆ~か

ダイナパックには「tcf」(トラクションファクター)という設定があります

ここに係数を入れるワケです

 

ローラー式はクラッチを切って惰性で回した分を損失馬力として乗せたり・・・

 

このあたりはチューナーそれぞれの考え方(どんな世界も一緒ですね、釣竿屋でもその竿師竿師によって考え方があります)で異なります

あとは、客に喜んでもらったほうがイイに決まってるのでおかしな係数すら入れるおかしなショップも存在します

 

このあたりも車業界だけのハナシではなくどんな業界にもあるハナシ

釣り業界でも(以前記事にしましたね)

某社ロッドには「ドラグ13kgの表示」(印刷すりゃ~済むハナシ)

こんなんで13kgを支えられるワケがない!!

 

ウチの「外道SPL」(5kg表示)の竿よりショボいブランク

(じゃあ、ウチの外道SPLは6kgや7kg掛けたら壊れるのか!?と言ったら壊れません)

 

コレと同じよ~~~に

車業界にも「客を喜ばせる」ことを目当てに「故意に数字をイジる」ショップもあります

 

先述したようにエンジンで発生した出力はいろんなもんで失われます

そこで「係数」

失われた出力が1割や2割くらいあったとするもの

多分一般的には、係数入れてるショップは「1.1~1.2」くらいの範囲で係数を入れてると思います

聞いたトコによると「1.4」まで入れられるらしい

いやいやいや、これだと単純に「4割増」ということです

「係数ゼロ」のショップで400馬力のクルマを「係数1.4」を入力したショップで計り直してもらうと・・・560馬力とまったく異なった数字になります

 

そのあたりも理解してないお客は「〇〇店で計ったら400馬力しか出らんくてヘタクソショップやったばい!〇〇で計り直してもらったら560馬力出た!ウレシー!オレのシル〇アは最速ばい!」

となるよね

 

多分「1.15」(15%ほど失われたとする)を入力するショップが多いと思う(4WD車だともうちょい入力するショップもあるみたい)

 

車A:322.2馬力

 

車B:335.1馬力

車B:「ヤッター!オレのクルマのほうが速い!!オマエんとは(車A)出らんやったな~!ワッハハ!」

いやいやいや、アンタのはtcf「1.15」掛かってるし・・・

じゃあ、車A(係数ゼロ)をアンタと同じ係数入れたら「370.5馬力」

アンタのクルマよりパワー出てるってことぢゃんか

 

まあね、こんな「数字」のハナシでクルマを語るのもそもそもナンセンスな部分もありますが

「数字」で語る場合は、できるだけ同じ土俵にするのが本筋

 

アングラーA:「GT30kgを捕った!!ウレシー!」

アングラーB:「な~んや、オレは40kgまで捕っとるばい!」

アングラーC:「な~~~んや、オレは50kgまで捕っとるぞ!!」

 

 

アングラーA・・・「磯での単独ファイト&単独捕り込み」

アングラーB・・・「海底フラットの堤防GT、捕り込みは仲間ワイワイやりながら2~3人がかりで落としダモ入れ&引き揚げ」

アングラーB・・・「ボートGT、魚が掛かれば船長が船ごと深場まで引きずり出し、捕り込みも接待釣りのごとく殿様釣り」

同じ土俵じゃないでしょ!?

多分ボートで50kgのGTを捕れた人間でも、アングラーAの状況でやると多分30kgを捕れない

ボートから30kgのGTを捕った女性アングラーでも磯では10kgのGTも捕れるかど~かアヤシイもの

それだけ、土俵が違う

 

以前、ちょっと書いた

筋トレ師A:「オレはベンチ100kg」

筋トレ師B:「オレは120kg」

筋トレ師C:「オレは150kg」

ベンチマシンもイロイロあるし、上げ方もイロイロ(腕立て伏せなんかの回数競争だってズルするようなやりかたするやつ居るでしょ!?)

同じ土俵と言うには少々ムリがある

なので、オレも「〇〇〇kg上げます」と具体的な数字を言わなくなりました(ざっくり3桁以上やってます、の〇〇〇kgくらいの表現にとどめてます)

人によってどんなマシンでどんな上げ方してるかわからんしね

 

ちなみに、今回のオレのZはセッティング途中で714.275馬力

このあたりで燃料がカツカツになってきたそうです

 

「な~~んや!RB26ば、あんだけイジっとって、700馬力や、オレのGT-Rは800オーバーぞ!」

そう言う彼のGT-Rには係数が1.2とかそれ以上を入力したショップの計測かもしれない

 

少しでも「同じ土俵に近づけてハナシ」をするとして

じゃあFR車の一般的係数「1.15(15%ほどの損失馬力があったとしてのエンジン出力)」を入力すると・・・820馬力

係数1.12でも800馬力に届く

それをセッティング中&MAXブースト手前で発生してる・・・とゆ~こと

 

まあ、実際のトコ、エンジンがひとりで走ってるワケではなく、タイヤが回って走ってんだから

「係数ゼロ」でオレはイイんだけどね

単に数字上げたきゃウワベならいくらでもやれる

実走とかは抜いて「数字的」なことだけで言うと・・・係数1.15での800馬力じゃなく、係数ゼロで800オーバーを目標にしてたからね

多分、燃料足りたら届いていたハズ

やっぱ、昔みたく800オーバー狙いにはかつてあったフルチューンRB26定番1,000ccインジェクターを使わんといかんのやな(今は1,000ccは製廃なので1,150cc・・・ストリートマシン&日常を考えたらマトモに使えんやろ)

 

係数ゼロ800馬力を「1.15」係数だと920馬力になる・・・

カタログ値のデッカいレクサス乗ったお金持ちオヤジとできるだけ同じくハナシをするなら「じゃあ、オレの昭和の骨董車は920馬力」と言ったっておかしくない

 

どんな世界にも「チャラ客を喜ばせるための小細工(とゆ~とまた誤解な部分も出るが)」や「異なる土俵を一緒くたに語ってる自分」になかなか気づいてない者は多い