以前から一度生で聴きたいと思っていた「鼓童」。自分の住んでいる近所でライブをすると知り、この機会を逃す手はないとばかり行ってきました。
鼓童は佐渡島を拠点に活動する和太鼓グループ。国内では鬼太鼓座などと並んで有名グループなのでその名前を耳にした事は多いかもしれない。ただその活動が特異なのは伝統的なスタイルに捕らわれる事無く、貪欲にいろんなものを取り入れていること。そして、それでもなおかつ佐渡島に拠点を置き続けるこだわり。
僕の鼓童との出会いはドラムをよく叩いてた頃でドラムマガジンか何かで彼らのCDのレビューを見たからだろうと思う。それをきっかけに彼らのCDを手にした。今まで聴いたものとはもちろん異質なものではあったけれど、それでも基礎知識がなくとも聴きやすいアルバムだった。
『いぶき』
日本にもこんな素晴らしい打楽器があるのだと言う事を再認識させられた。
今日のライブも全く初めてだったのでとにかく全てが新鮮だった。オープニング前に観客席側からメンバーが2人出てきて会場を和ませる。暖かい雰囲気で始まるのかと思いきや始めから力漲る曲と演奏。最初から圧倒されてしまった。
笛と声、鳴り物が入る以外はもちろん全部太鼓で展開される。大小数々の種類の太鼓で彩り鮮やかな世界が広がっていく。打楽器だけでこんな風に聴かせられるって凄いことだ。メロディを奏でる楽器が無いのに、れっきした音楽になっている。
演奏は時に静かにしなやかに、時に勇壮かつ大胆に繰り広げられる。ただどんなに力強く叩いていても、演奏には繊細を感じる。これが実は日本の音楽の真髄なのかもしれないと感じた。
あとは当たり前なのかもしれないが太鼓の音の大きさに圧倒された。生音なのにこれだけ迫りくる感覚はかつて味わった事が無い。
派手な舞台演出があるわけではないけれど、2時間あまりのステージはあっという間に終わってしまった。それくらい時間を感じないライブだった。こんな事ならもっとはやく来ておけばよかったと思った。年末の大阪での公演にも是非足を運びたい。