今度は、はっきり私の名を呼ぶ声が聞こえた。
「だ、だれ?」
「……驚かせてごめんね。みやびちゃん、君の頬にしばらく住まわせてもらうことになった…イボだよ」
「い、イボ!?」
「そう、君の右頬に昨日から出来たイボだよ。今日はごめんね。ボクのせいでいじめられてしまって…」
しばらく沈黙に包まれた。というよりも頭の中にクエスチョンが無数にあふれ次の言葉が見つからなかった。
私は、母のいるキッチンにいこうと立ち上がろうとした瞬間
「行かないで、もう少しお話しようよ。ボクは鏡を通してじゃないと会話出来ないんだ」
私は、その言葉に強迫観念に似た感情を抱き、再び鏡台の前に腰掛けた。
「ありがとう」
心拍数が上がっているのが分かる。
私は一つ息をして意を決して話しかけてみた。
「ほ、本当にこのイボなの…?」
「そう本当に君の右頬にあるイボだよ。急にイボが話しても信用できないのも無理ないよね。」
「なんで、イボが話せるの…?」
「話せると言ってもボクの声はみやびちゃんにしか届かないんだ。しかも鏡越しでないと話すことはできない。あ、みやびちゃん、タマシイには階級があるって知ってる?」
「タマシイ?カイキュウ?って?」
「この世の生きとし、生ける物のにはタマシイが宿っているのはわかるでしょ?動物だって魚だって昆虫だって、そしてボクみたいにイボだってそうさ。あらゆる生き物にはタマシイが宿ってるのさ。でもタマシイ自身が望んだ、生き物に宿ることはできないんだ。タマシイも訓練に訓練を重ね、階級を挙げてなりたい生き物を目指すんだ。でも大半のタマシイは人間に宿るために訓練してるんだけどね…」
「人間に?」
「そうさ、人間は階級の中でも一番上の第一等級なんだよ。タマシイはみんな人間に宿るべく第一等級を目指しているんだ。寿命も他の生物に比べれば長いし、それに人間は絶対的な支配力を持っている。だからみやびちゃんの体に宿っているタマシイは訓練に訓練を重ねた優秀なタマシイなんだ。」
「私のカラダ?タマシイ?ユウシュウ?」
私の体に宿るタマシイなんて考えたことなかった。
私は私でしかないと思っていたし、タマシイどうのこうのなんてオカルトな霊界マニアが語る一種の都市伝説にしか過ぎないと思っていた。
「イボに宿るって…、あなたは何等級のタマシイなの?」
「ボクなんかまだまだ第98等級のひよっこタマシイさ。」
「きゅ、98等級?人間までまだまだじゃない?」
「そうさ、僕らタマシイの訓練は100等級から始まるんだ。でもねこのくらいの等級は潜伏期間も短いのばっかなんだ。今回のイボも長くて2週間くらいだろうね」
さっきまで怯えてたのが、ウソのようにいつの間にかイボとの話にのめり込んでいた。
「2週間…。前は?その前のえーっと99等級は?なんの体に宿ったの?それと100等級は?」
「それは分からないんだ。みやびちゃんだって前世の記憶がないのと一緒で、僕らも前の記憶はリセットされてしまうんだ。でもうわさによると100等級は爪っていう噂だけど…」
「つ、爪!!」
「まあ噂だけどねー」
ふと鏡に映っている私の顔を見てみると、目は丸く、口は半開きになっていた。
あまりにも突然すぎて、そしてあまりにも信じがたくて。
「ねぇ、ボクに名前付けてよ」
「え!?な、名前?」
「そう、名前!少なくても2週間はいる予定だから名前が欲しいんだ」
私はふと、今朝の母とのやり取りを思い出す。
「あんたもそのイボに名前でも付けたら?好きになるかもよ!」
「もう馬鹿にしないでよ!!」
好きになるかもよ!すきになるかもよ!スキニナルカモヨ!
「クリスティン…」
「え?なに?」
「クリスティンなんてどう?」
「クリスティン?なんかちょっと女の子ぽい名前だな…」
「いいじゃない!クリスティンで決まり!」
「分かったよ」
「みやび、ご飯できたよ!」
1階から母の声が聞こえた。
「じゃあ決まり!ご飯食べてくるね、クリスティン!」
そういって鏡台を立ち、階段を下りた。
「だ、だれ?」
「……驚かせてごめんね。みやびちゃん、君の頬にしばらく住まわせてもらうことになった…イボだよ」
「い、イボ!?」
「そう、君の右頬に昨日から出来たイボだよ。今日はごめんね。ボクのせいでいじめられてしまって…」
しばらく沈黙に包まれた。というよりも頭の中にクエスチョンが無数にあふれ次の言葉が見つからなかった。
私は、母のいるキッチンにいこうと立ち上がろうとした瞬間
「行かないで、もう少しお話しようよ。ボクは鏡を通してじゃないと会話出来ないんだ」
私は、その言葉に強迫観念に似た感情を抱き、再び鏡台の前に腰掛けた。
「ありがとう」
心拍数が上がっているのが分かる。
私は一つ息をして意を決して話しかけてみた。
「ほ、本当にこのイボなの…?」
「そう本当に君の右頬にあるイボだよ。急にイボが話しても信用できないのも無理ないよね。」
「なんで、イボが話せるの…?」
「話せると言ってもボクの声はみやびちゃんにしか届かないんだ。しかも鏡越しでないと話すことはできない。あ、みやびちゃん、タマシイには階級があるって知ってる?」
「タマシイ?カイキュウ?って?」
「この世の生きとし、生ける物のにはタマシイが宿っているのはわかるでしょ?動物だって魚だって昆虫だって、そしてボクみたいにイボだってそうさ。あらゆる生き物にはタマシイが宿ってるのさ。でもタマシイ自身が望んだ、生き物に宿ることはできないんだ。タマシイも訓練に訓練を重ね、階級を挙げてなりたい生き物を目指すんだ。でも大半のタマシイは人間に宿るために訓練してるんだけどね…」
「人間に?」
「そうさ、人間は階級の中でも一番上の第一等級なんだよ。タマシイはみんな人間に宿るべく第一等級を目指しているんだ。寿命も他の生物に比べれば長いし、それに人間は絶対的な支配力を持っている。だからみやびちゃんの体に宿っているタマシイは訓練に訓練を重ねた優秀なタマシイなんだ。」
「私のカラダ?タマシイ?ユウシュウ?」
私の体に宿るタマシイなんて考えたことなかった。
私は私でしかないと思っていたし、タマシイどうのこうのなんてオカルトな霊界マニアが語る一種の都市伝説にしか過ぎないと思っていた。
「イボに宿るって…、あなたは何等級のタマシイなの?」
「ボクなんかまだまだ第98等級のひよっこタマシイさ。」
「きゅ、98等級?人間までまだまだじゃない?」
「そうさ、僕らタマシイの訓練は100等級から始まるんだ。でもねこのくらいの等級は潜伏期間も短いのばっかなんだ。今回のイボも長くて2週間くらいだろうね」
さっきまで怯えてたのが、ウソのようにいつの間にかイボとの話にのめり込んでいた。
「2週間…。前は?その前のえーっと99等級は?なんの体に宿ったの?それと100等級は?」
「それは分からないんだ。みやびちゃんだって前世の記憶がないのと一緒で、僕らも前の記憶はリセットされてしまうんだ。でもうわさによると100等級は爪っていう噂だけど…」
「つ、爪!!」
「まあ噂だけどねー」
ふと鏡に映っている私の顔を見てみると、目は丸く、口は半開きになっていた。
あまりにも突然すぎて、そしてあまりにも信じがたくて。
「ねぇ、ボクに名前付けてよ」
「え!?な、名前?」
「そう、名前!少なくても2週間はいる予定だから名前が欲しいんだ」
私はふと、今朝の母とのやり取りを思い出す。
「あんたもそのイボに名前でも付けたら?好きになるかもよ!」
「もう馬鹿にしないでよ!!」
好きになるかもよ!すきになるかもよ!スキニナルカモヨ!
「クリスティン…」
「え?なに?」
「クリスティンなんてどう?」
「クリスティン?なんかちょっと女の子ぽい名前だな…」
「いいじゃない!クリスティンで決まり!」
「分かったよ」
「みやび、ご飯できたよ!」
1階から母の声が聞こえた。
「じゃあ決まり!ご飯食べてくるね、クリスティン!」
そういって鏡台を立ち、階段を下りた。