病棟八景(8)その2 | 食道がんと闘います

食道がんと闘います

65歳食道がんサバイバー。
初発は2013年、ステージ3aリンパ節に転移。
手術で切除し抗がん剤治療。
しばらく無事でしたが2016年に肺転移、切除手術。
以来、異常なし。
定年退職後、大学で医療系を学び卒業、再度就職するも3か月で解雇、その後開業するも2年で廃業。

まずひとつ訂正しておきます。

前回のブログでご紹介しましたAさんをお歳は60歳くらいと書いておりましたが、実際には70歳でした。

 

さて今日はもうおひとかたの同室の患者さん、Bさんです。

たぶんお歳は75歳くらいで、お歳のせいもあるのでしょう、ご自身の状況をよくおわかりでない様子です。

検査入院とのことでした。

で、何の検査かというと気管支内視鏡というのでしょうか、私はやったことがないのですが、気管支から肺の方まで内視鏡を入れて生検のために組織を採ってくるというやつですね。

その検査の説明のために医師が病室までお越しになり、説明をされました。

これも聞きたいわけではないんですけどイヤでも耳に入ってくるわけでして。

実はその医師というのは私の担当医でありまして、しっかりとした先生でいらっしゃることはわかっているのですが、どうも会話がちぐはぐです。

生検していますので結果が分かるのはしばらく先のことになるわけですが、Bさんはその辺りがわかっていません。

医師が「今日の検査は無事に終わりました」と言っているだけなのですが、どうやら検査の結果、悪いところはなかったと早合点しているようです。

医師が次の週に頭部のMRIを撮りたいといっているのを「それはやらないとだめか」と聞き返し、医師が「やらないと治療方針が立てられない、次のステップに進めない」と返しているのですが、どうもよくわかっていないようです。

さらに医師が「手術とか放射線とか、治療自体もしないという可能性もあるので」と説明するのですがやはり要領を得ません。

話しの内容からすると肺がんが疑われていることは確実でしょう。

医師は次回の診察には家族を帯同するように話していました。

なんとか医師がMRIの同意書を取って帰った後、昨日のAさんがやってきて、なんとこう言ったのでした。

「なんでもなくてよかったね」