病棟内を歩く(2) | 食道がんと闘います

食道がんと闘います

66歳食道がんサバイバー。
初発は2013年、ステージ3aリンパ節に転移。
手術で切除し抗がん剤治療。
しばらく無事でしたが2016年に肺転移、切除手術。
以来、異常なし。
定年退職後、大学で医療系を学び卒業、再度就職するも3か月で解雇、その後開業するも2年で廃業。

ナースステーションを1周回るのにおよそ1分かかります。

30周すると30分弱といったところです、もちろんその日の体調にもよりますが。

入院してから次第に結核からくる倦怠感も薄れ、歩くスピードが徐々に増していったのは間違いありません。

また結核治療に手ごたえを感じ始めた2か月ほどのところで突然、倦怠感がぶり返して歩くのが辛くなり、検査してみたらなんと結核に合併してアスペルギルスを発症していた、ということも記憶に残るところです。

 

歩き始めた頃はそういった余裕がありませんでしたが、少し慣れてくると音楽を聴きながら歩くようになりました。

パジャマのポケットにスマートフォンをしのばせ、Youtube から音楽を取っていました。

始めはサン・サーンス「アルジェリア組曲」の「フランス軍の行進」を聴きながら、音楽に合わせて「イチ、ニー、イチ、ニー」と歩いていたのですが、そこはサン・サーンスの作曲になるもの、なかなか歩調を合わせることが難しい箇所もあり、次第にもっと単純な曲を選ぶようになりました。

さらにいちにちに5回に分けて歩いていたことから時間帯に分けて曲を変えるようになっていきました。

最終形はこんな感じです。

 

・朝食前20周:「君が代行進曲」

 

・朝食後30周:マーチ曲のオムニバス

 「双頭の鷲の旗の下に」とか「クワイ川マーチ」とか「ワシントンポスト」とか。

 

・昼食後30周:「怪獣大戦争マーチ」

 かなり以前に書いたことがありますが、私がここ一番というときによく聴く曲です。

 伊福部昭ここにあり、という曲ですね。

 

・夕食前30周:「陸軍分列行進曲」

 自衛隊が今でも使っている曲のようです。

 力が湧いてきます。

 落ち込みそうな心に喝をいれるのにはいい曲だと思います。

 

・夕食後30周:1964年東京オリンピックの入場行進曲

 朝ドラ「エール」でも出ていたと思います。

 2020年の東京大会では閉会式に使われたのだそうですね、知らなかった。

 

上記以外にも「サンダーバード」のテーマ曲、ドイツ陸軍の「パンツァーリート」、日本陸軍の「歩兵の本領」なども試してみましたが、最後はこの選曲に落ち着きました。

 

腕を振って足を上げて歩くものですから、どうしてもこういった行進曲調のものが増えてしまうのはしかたのないところです。