私は趣味でバイオリンを弾きますが(今はもう5年ほど弾いていませんが)、なんとか楽譜を読んでかろうじて音を出しているという程度なので、楽典とかはさっぱりわかりません。
好きな音楽のジャンルはクラシック、ジャズとボサノバを少々というところで、今どきの若い人が聞いている音楽とやらはどれも同じに聞こえてしまいます。
もっとも子どもに言わせれば昭和の歌謡曲はどれを聞いても全部同じに聞こえてしまうと言われてしまうわけですが。
これまでに何度かブラームスの1番については書いてきました。
これは私にとっては唯一無二の存在で、これに比肩するものはありません。
それはそれとして、それ以外に普通に好きな曲というものはもちろんあります。
サン=サーンス交響曲第3番もそのひとつで、まあまあ知られた曲、ご存知の方も少なくないと思います。
いつかオケで弾いてみたい曲ではありますし、なんでもバイオリンパートはそれほど難易度が高くないとも聞きます。
しかし私には絶対にできない理由があります。
この曲、しばしば「オルガンつき」と称されます。
サン=サーンスはオルガンの名手でもあったらしく、交響曲にオルガンを組み込んでしまったわけですね。
ここでいうオルガンとは、幼稚園で「むすんでひらいて」を伴奏したりするオルガンではなく、パイプオルガンです。
東京都内でもパイプオルガンを備えたホールは、さて、いくつあるでしょうか。
東京芸術劇場、すみだトリフォニー、オペラシティ、サントリーホール、NHKホール、そういったところしか思い出せないのですが、いずれも2000人級の大ホールです。
私がかつて参加させていただいていたアマチュアオケの演奏会で、観客数が250人だったということがありました。
私が入れるようなオケではとてもそんな集客はできません、仮に2000人級のホールに250人しかお客さんが入らなかったとしたらこれは結構悲惨な状況です。
また2000人級の大ホールを借りようと思ったらそれなりにお金がかかります。
パイプオルガンの使用料とかもあるでしょうし、出演料をお支払いしてソロのオルガニストをお迎えしなければなりません。
またこの曲は楽器の編成もベートーベンやドボルザークのようなわけにはいきません。
例えばフルートだってオーボエだって3管必要ですし、なんとピアノまで入ります。
私が入れてもらえるようなそもそも降り番のないアマチュアオケだったらとんでもない数のエキストラを集めなければ演奏できません。
当然、お金もかかりますし。
なので、無理。
多くの交響曲は第1楽章、第2楽章、第3楽章、第4楽章という構成が多いのですが、この曲は第1楽章第1部、第2部、第2楽章第1部、第2部という構成となっています。
普通の構成と何が違うのか、よくわかりません。
第1楽章第2部はスローテンポですし、第2楽章第1部はスケルツォ風ですし、第2楽章第2部はいかにもフィナーレといった感じですし。
強いて言えば、第2楽章の第1部と第2部の間は絶妙のタイミングがあるとは思いますが。
有名なところでいえば、やはりパイプオルガンが荘厳に響きわたる第2楽章第2部だろうと思いますが、この第2楽章第2部の開始して間もなくのピアノの連弾が一度聴くとなかなか耳から離れないメロディだと思います。
なんと申しましょうか、空からきらきらとしたものが降ってくるようなイメージです。
この交響曲は昔からそれなりに人ぞ知る曲であったと思うのですが、一躍その名を広めたのはかの安藤美姫さんがフリー演技の曲に採用されたことであったと思います。
調べてみたら2008年頃とありました。
安藤美姫さんの全盛期を飾った曲ではありました。