架空の山間の村「恋尾」を舞台に、過疎化が進む暮らしとそこに生きる人々の心の動きが美しい自然の移ろいとともに描かれる。
第50回カンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を史上最年少受賞。

(ネタバレ含みます。御注意!)
切ないくらいに懐かしい映像。
光はもちろん、影すらもあたたかい。
萌える山々に抱かれて暮らす人々の表情は美しい。
それを丁寧に写しとったフイルムは愛おしさに溢れ、心に滲みこんでくる。
しかし、素晴らしい自然に抱かれながらも山間の集落の暮らしは厳しい。
期待された鉄道新線の計画も中断し、村は高齢化、過疎化が進む。
田原孝三(國村隼さん)の存在感が素晴らしい。
泰代(神村泰代さん)、栄介(柴田浩太郎さん)、幸子(和泉幸子さん)も味わいのある佇まいが物語に溶け込んでいて秀逸。
みちる(尾野真千子さん)から目が離せない。
田原家とそこに関わる人々の暮らしや、言葉は少ないが、たくさんの心の動きを細やかに掬い上げていて、美しくも寂しく切ない詩を眺めているような映画で感動した。
地元の中学校の下駄箱を掃除中だったという尾野真千子さんが凄いのか、それを見つけて抜擢した河瀨直美さんが凄いのか、これこそ神の御業かも( ̄▽ ̄;)