敗戦後、GHQ占領下の日本、吉田茂の側近として奔走した白洲次郎を軸に、終戦から憲法制定、独立に至る日米の駆け引き、その歴史の裏側を描く。

 

 

 

 

第二次世界大戦のみならず、有史以来幾多の苦難の歴史の果てに、ようやく享受している平和らしきものに包まれて育った私に語れることは限られている。

 

そういった歴史の多くの記録や、映画、ドラマ、舞台による数多の表現を冷静に等しい位置から俯瞰することはそんなに簡単ではない。

 

それぞれの育った環境、受けた教育、その思想や信条によって考え方も様々だろう。

 

 

現在放送されている連続TV小説『あんぱん』(脚本/中園ミホ NHK)でも、時期こそ違うが戦時下の人々の様々な感情のあり方が描かれていてあちこちに感情が揺さぶられてしまう。

 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

さて、映画の話。

 

白洲次郎(浅野忠信さん)や吉田茂(小林薫さん)が、敗戦後母国のためにGHQと粘り強く交渉した話は今までも数多の作品で何度も取り上げられ有名だが、ふたりの個人的な交流を軸に史実を再構築し、日本の未来を見据えたラストが印象的。

 

 

宮沢りえさん、柄本明さん、石橋蓮司さん、松重豊さん、伊武雅刀さん、佐野史郎さん、渡辺大さん、大鶴義丹さん、青木崇高さん、浅田美代子さん、梅宮万紗子さん、野間口徹さん、奥田瑛二さんなど、キャストも豪華絢爛。

 

 

この時代から俯瞰すれば、その経緯に相当の瑕疵があるとはいえ、敗けたこの国が懸念されていた理不尽過ぎる民衆の蹂躙にも塗れず、体裁上は一定の礼を備えた敗戦処遇に対して、戦時中並みの思考回路で感情的に抵抗する閣僚や役人たちにこそ違和感を覚えてしまう。

その全てを肯定する気はないが、米国の思惑とはいえ、象徴天皇制が残され、東西ドイツ分断に比べれば、復興に向けた国の体裁が残されたことに意味はあるだろう。

 

 

ラスト、波打ち際で戯れるふたりの目線の先に今の日本があるm(__)m