原作は、第69回小学館児童出版文化賞受賞の同名小説。

 

 

 

 

正直に言えば、ドラマとしては細部が粗い気がする。

物語自体は、とてもあたたかく、優しい視線でおおわれている。

 

 

原作を読んでいないので何ともいえないが、きっとさらに豊かなお話なのだろう。

 

 

ただ、田中喜市を演じる岸部一徳さんが途轍もなく良い。

その佇まい、仕草、話し方、…etc、味わい深い。

 

 

(ネタバレ含みます。御注意を!)

 

 

軍国少年として育ち、日本の勝利を信じ込まされ、挙句の果て、父も兄も戦死、母も妹も空襲で亡くし、敗戦の後、焼け爛れた脚を引きずり、70年以上もただ一人で生きてきた田中喜市老人。

 

後半、戦争の語り部として子どもたちに訥々と語りかける姿には惹き込まれた。

 

 

 

「友情」が沁みる。

 

 

 

私の祖父(父が養子なので血はつながっていないが)は軍人だった。

帳場には恰幅のいい軍服姿の写真が飾ってあり、私が物心ついたときにはもう寡黙な爺さんになっていた。

夕方の大相撲放送のときは私はいつも彼の膝の上。

そういえば粒あんの大福が好物だった。

 

あの頃(昭和40年代)、もうチョコバナナなんてあったのか。

因みに私は、まだ一度も食べたことがない。

今から若い友だちなんてできるやろか( ̄▽ ̄;)