細田守監督の『サマーウォーズ』（脚本/奥寺佐渡子 ２００９）は大好きな作品。
今回も、細田守監督の込めた想いはとても伝わってきた。
ただ、肝心の”物語”が、やや粗い。
すずの背景はある程度描きこまれているが、その輪郭が淡く共感を弱めてはいないか。
優しく包んでくれている父親とのわだかまりも、分かりづらいし、竜へのシンパシーは理解できても、彼への想いの中身も少しもどかしい。
さらに、あの程度の情報を手がかりに初めての大東京で、彼と出会うのも無理があるし、あの虐待を繰り返す父親との関係は、普通に考えれば、高校生の少女の手には負えない。
折角の感動的なシーンを支える心理的紐帯が、少しか細い気が(；・∀・)
それでも、仮想空間”U”を含めた圧巻の映像美。
特に”クジラ”の登場には感動！
更に、中村佳穂さんの素晴らしい歌声と、豊かな音楽は十分に堪能できる。