そこでPET-CTを撮りましたが、胸部や頚部、鎖骨部にはFDGの集積はなく、矢印部分の上部小腸、空腸に3か所集積がありました。CEAの上昇と併せて、これは空腸への血行性転移か、、と思われました。肺癌の転移は肺野、脳、骨、肝臓などが有名ですが、空腸や副腎、膵臓なども稀にあり、逆に小腸の転移性腫瘍を見たら原発は腎臓か肺を考えるのが通例です。放射線科の読影前でしたので、バルン内視鏡で小腸精査、腫瘍が見つかれば原発巣が制御されているから手術で腫瘍を摘出し、キイトルーダはPD(病勢進行)と判断2nd lineへの移行、おそらくはドセタキセル+ラムシルマブか、、、と自分では思っていました。

ところが、放射線科の読影は、空腸は生理的集積で病的集積なしとの判断でした。確かに、PET-CTを経験された方はお判りでしょうが、FDGを注射してから1時間ほど安静にします。あれは、筋肉を使うとそこにブドウ糖、すなわちFDGが集積し疑陽性となるため運動を制限します。小腸も蠕動運動の激しい臓器で確かに生理的集積が起こる臓器で、もうひとつは私はメトホルミンを服用していますが、メトホルミンは腸管にFDGを放出する作用があります。それゆえ、生理的集積と判断されたようです。

後からみれば、これは本物でおそらくは空腸に複数の血行性転移巣があったのだと思いますが、結果は明らかな異常はないとのことでキイトルーダ単独治療継続となりました。ミスジャッジだったのですが、この判断ミスが結果的には良い方向に向かうことになりました。もちろん、手術して2nd lineへ行っていた方が良い結果だったかもしれませんが、殺細胞性抗がん剤を避けたい自分としては、このミスジャッジがよかったと思っています。世の中、何が幸いするかわからないものです。