ピレリ 2012年F1タイヤ解説 | Ghost Riponの屋形(やかた)

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ピレリ2012年F1タイヤ 詳細解説
http://blog.livedoor.jp/markzu/archives/51811571.html
ピレリは、2012年F1ワールドチャンピオンシップ用のスリック・タイヤをすべて変更し、ウェット・タイヤの改良バージョンを導入した。変更されないのはインターメディエイト・タイヤのみである。

チームが要求した2012年タイヤの特徴は、昨年からの期待に沿ったものである。つまり、1レースあたり少なくとも2回のピットストップと幅広い作戦があり、面白い競争をもたらすタイヤである。2012年のピレリ・タイヤの新デザインは、吹きつけ排気に関するFIAの規約変更を考慮に入れている。

タイヤが角ばる: 今年最大の変更は、新しい輪郭の導入である。2012年に使用されるタイヤは、摩耗率を改善するために、非常に重要なタイヤ「ショルダー」が角ばった輪郭を持つ。フロントとリアの新しい輪郭は、接地面を通じて負荷の配分がより均一になるよう設計された。タイヤ表面全体の温度を均一化するこの変更は、接地面が広くなっても、ブリスタリングおよびタイヤ摩耗の拡大リスクを低減するために設計された。これによって、タイヤが最高性能で作動する時間が延長されるが、走行可能な周回数におけるタイヤの耐久性は影響しない。新タイヤは、FIAが導入した最新の規約変更による空力学的ダウンフォースの減少を補うために、リアのグリップが増加するよう設計された。

タイヤが軟らかくなる: ピレリは、2012年チャンピオンシップに、輪郭だけ変更されたスーパーソフトを除いて、一新したコンパウンドを導入する。目的は、異なるコンパウンド間の差を低減することである。2011年シーズンを通じて、各レースにおいて異なるタイヤ間で1周当たり1.2秒から1.8秒の差があった。今年の目標は、その差を1秒未満、つまり、平均0.6~0.8秒に短縮することである。

概して、2012年タイヤは昨年のタイヤに比べ、軟らかく保守的ではない。チームがタイヤの性能と挙動をすばやく理解したことで、2011年後半はさらに極端なソリューションを採用してグリップを増加させることが可能になった。これらの特徴と、異なるコンパウンド間のラップタイム差の短縮および独特の摩耗曲線のため、チームはレースの間各種の作戦を採用することができる。

ドライはP Zero、ウェットはチントゥラート: 2012年のイノベーションには、タイヤの新しい名称と新しい色も含まれる。2種類のウェットウェザー・コンパウンドはチントゥラートの名称を採用し、青いマークのフル・ウェットと、緑のマークのインターメディエイである。4種類のスリック・コンパウンドは、昨年と同様P Zeroの名称と色を継続する。ハードは銀色、ミディアムは白、ソフトは黄色、スーパーソフトは赤である。P Zeroもチントゥラートも側壁のマークを大きくしたので、観客も識別しやすくなる。


スリック・タイヤ
スリックとして知られるドライウェザー・タイヤは、ブロックあるいはチャンネルのないトレッドパターンという特徴がある。コンパウンドは、スーパーソフト、ソフト、ミディアム、ハードの4種類である。異なるコンパウンドのおかげで、アスファルトのタイプ、コーナーの数と厳しさ、ストレートでのトップスピードなど、幅広いサーキットに適している。これによって、チームは各種の作戦を利用することができる。

P Zeroレッド(市街地サーキット向けスーパーソフト): 4種のスリック・タイヤのうち、これは2011年シーズンから変更されなかった唯一のタイヤである。特に万能で、滑りやすいアスファルトと水平負荷の少ない特徴を持つ、低速で曲がりくねったサーキットにおいて、高い性能を発揮する。これは市街地サーキット、あるいは半恒久的施設に理想的なコンパウンドである。

P Zeroイエロー(軟らかく、ブリスタリングが少ない): 新しいソフト・タイヤは、タイヤ摩耗の少ないサーキットに向いている。高レベルのグリップと激しい摩耗のため、比較的寿命が短く、チームはピットストップ作戦での選択肢が増え、接戦をもたらす。2011年のソフト・タイヤに比べ、新ソフト・タイヤは温度耐性が高いので、ブリスタリングのリスクが低い。昨年のアブダビGPのフリー走行中に初めてテストされたこのソフト・タイヤは、新しいミディアム・タイヤとともに、2012年最もよく使用されるタイヤになるだろう。この組み合わせは柔軟性が高く、ウォームアップ時間も短い。

P Zeroホワイト(あらゆるコンディションに適したミディアム・タイヤ): この非常に万能なタイヤは、あらゆる種類のトラック・コンディション、特にアスファルトやサーキットの特徴が変動する場合に、順応性が高い。新しいミディアム・タイヤは、高温あるいは路面の粗いサーキットでは「オプション」タイヤとして、タイヤへの要求があまり厳しくないトラックでは「プライム」タイヤとして使われる。このタイヤは昨年のドイツGPのフリー走行でテストされ、アブダビの若手ドライバー・テストでも使用された。

P Zeroシルバー(硬いが柔軟性がないわけではない): 新しいハード・タイヤは、最高の耐久性と最低の劣化を保証し、最も極端なコンディションに対して最適の耐性を示す。しかし、昨年のタイヤほど硬くない。これはロングランに理想的であるが、ウォームアップに時間がかかる。また、粗いアスファルト、高い水平負荷、高温のサーキットに適している。新しいハード・タイヤはピレリのテスト・ドライバー、ルーカス・ディ・グラッシがバルセロナ・サーキットでテストしているが、新タイヤのなかでレギュラー・ドライバーが一度も経験していない唯一のコンパウンドである。


ウェットウェザー・タイヤ
トレッドパターンに溝があるウェットウェザー・タイヤは、フルウェットとインターメディエイトの2種類に分類される。フルウェット・タイヤは、トレッドパターンの深い溝で簡単に見分けることができ、濡れた路面から水を排出する。インターメディエイトは、あまり深くないうねがあり、湿ったあるいは少し濡れた路面用、不安定な気象コンディション用に設計されている。

チントゥラート・ブルー(フルウェット): 2種類のウェット・タイヤのうち、フルウェットのみが、2011年バージョンから大きく変わった。変更されたのはリア・タイヤで、アクアプレーニングの場合の水はけを最適化し、正確なドライビングを保証するために異なる輪郭が採用された。乗用車用と同様の深い溝があるこのウェット・タイヤは、時速300kmでは1秒あたり60リットルの水を排除するよう設計されている。これはもっと低速で1秒間に約10リットルの水を排除する乗用車の6倍以上に相当する。

チントゥラート・グリーン(小雨用のインターメディエイト): カナダGPなどのように特に厳しいレースなど2011年シーズンを通じてこのタイヤが素晴らしい性能を発揮したあと、ピレリのエンジニアは、インターメディエイト・タイヤを変更しないことを決めた。フルウェット・タイヤに比べて浅い溝のおかげで、インターメディエイトはあまり多くの水を排除しないため、パフォーマンスを損なうことなく、ウェットあるいは乾きつつあるアスファルトに対して理想的な選択肢である。

ピレリ 2012年F1タイヤ解説
http://www.youtube.com/watch?v=OdLphF_Wi98
ピレリ F1タイヤ ヒストリー
http://www.youtube.com/watch?v=RamYSz02sqE