出雲奪回作戦前編

時は2000年5月頃に進む。
千葉県にある帝国陸軍習志野駐屯地の南條中将の執務室から始まる。
何か大規模な作戦が発動されるのか南條中将と秘書官の七瀬は忙しく調整作業を行っていた。

そんな中で南條中将は執務室で斯衛、厳密には斑鳩からの使いとして、真木舞香中佐が来ていた。
舞香中佐「お忙しいところ失礼しますわ中将。先日の件、大変感謝しております。」

南條中将「いえいえ舞香さん、貴方方も娘さんの沙奈江少佐も、私と戦隊にとってはかけがえのない存在です。
さて、出雲作戦でしたな。貴方の口から詳細は聞かせて頂けると言う事で良いですかな?。」



舞香中佐「勿論ですわ。斑鳩閣下から任されておりますので、お話させて頂きますわね。」
そうして、執務室にて戦隊と斯衛軍部隊による作戦の詳細が話された。

舞香との話後、南條は香月へ通信を繋げる。
南條中将「やぁ香月博士。耳に入れて欲しい話、作戦があってね。」

横浜基地の施設が完成に近いのがうれしいのか機嫌が良さそうな夕呼。
香月副司令「なによ、楽しそうに話しかけてきて、気味が悪いわね。あ、うちの伊隅達は貸せないわよ。」
と、最初からピリャリと言いたいことは言っておく。

南條中将「おや残念。これから戦隊と斯衛部隊の合同作戦があるから、それの共有だよ。
情報共有不足で不測の事態が起こるのは避けたいからね。」
香月の言う事を聞いてないのか、はたまたあえて無視しているのか、どこ吹く風で話す南條。

香月副司令「何が『おや残念』よ、そんなこと全然思ってないくせに。
ほんと、たぬきオヤジよね。
あ、もうじじいかしら。あまりにも孫を可愛がるデレデレなおじいちゃんにしか見えないけど」
と嫌味なのか、からかってる。

だが、斯衛の言葉には反応する。
香月副司令「日本帝国軍が動くのね、しかも斯衛軍主体の作戦ね。戦隊を一度戻して欲しいと。」
とズバリ見抜く。

南條中将「その通りさ。あぁ、事実だから否定しないさ。」

香月副司令「うちは戦隊を作戦参加のために一時的にお返しするで良いのかしら。
その他できることがあれば国連軍として支援するわよ。作戦内容を聞きたいわね。」

南條中将「あぁ、勿論話そう。国連軍は、支援をお願いしたい。」

香月副司令「了解よ。で、何をして欲しいの?」

南條中将「戦術機の武装と弾薬、そちらの方の根回しも頼みたい。」

作戦概要を聞きちょっとピクっとなる。
香月副司令「、、、武装と弾薬ね、それは大丈夫よ。しかしこの作戦目標遠くない?
出雲?しかも前線司令部(HQ)は岡山?こんなんで、ちゃんと成功するの。

出雲からは高級司令部がある京都まで350Kmもの距離よ。
あんたは舞鶴?海軍と共同するならそこが良さそうだけど。」
と作戦に不安を感じとる。

暗い顔をする夕呼。
香月副司令「、、、よほど斯衛は自信がある作戦のようね。
でも、今武御雷がようやく量産にこぎつけたとは言え、
まだそこまで前線に配備が追い付いてないと聞いているわよ。
戦隊を無事返してあげなさいよ。
そのままこき使ってやるんだから。」
とツンデレのように言う。

南條中将「勿論だ、死なせるつもりはない。彼女らはこの先必要だからな。」

香月副司令「そうね、私にとってもよ。研究が捗るわ。
で、戦隊は全員なの?工兵戦術機部隊?とか真木少佐とかも連れて行くの?」

南條中将「メインは斯衛だとは言え、戦隊の価値を示す機会なのは変わらない。
大々的に斯衛軍に戦隊の価値を示す為にも、なるべく全機出撃させる予定だ。
真木少佐は言わずもがなだ、彼女は斯衛軍からの出向で、先行型の武御雷を使っているんだ。
出ないわけにいかないだろう。」

南條中将「彼女が活躍したらしたで、斯衛からの要請が強くなるだろうな。
佐渡島での復帰戦以降、斯衛軍から再三真木沙奈江少佐の斯衛軍復帰を求められてるが、
本人が容赦なくその要請蹴ってるからね。
おかげで、斯衛側から色々と愚痴やら何やら聞かされて飯が更に不味くなるよ。全く。」

香月副司令「まあ、全力出撃よね。解ったわ。こちらとしては特に問題ないわ。
今は戦隊とは連携演習ぐらいなので。その先ね。必要なのは。
そうね、それは言われたら愚痴りたくなるわね。ご愁傷様。
、、、一つだけ言っておきたいことがあるわ。」
と横向きで顔だけ画面に向けていた夕呼はきっちり正面を向く。

南條中将「何かな?」

香月司令「、、、あまり姉妹に能力を使わせない事ね。
この前のうちの食堂でのうちの衛士とのいざこざで姉の方が倒れかけて
私が直接処置したけど、あれは半分は人間よ。生態的には作り物のまがい者だけど。
脳が追い付いて来てない。だから脳溢血に近い状態だったわ。
あまり危険な事はさせない方がいい。この先同じことが起これば
それこそ命の保証はできないわ。自我もなくなるかもしれないわ。」
と言う。

南條中将「...あぁ、私も能力の使いすぎは行けないとては尽くして来たが、結局2人は使ってしまう。
情けない限りだよ、叔父失格だな。」

香月副司令「、、、まあ仕方ないと言えばしかたないのかもしれないけど。このご時世。
叔父失格はないと思うわよ。あの姉妹があんたを見ている視線をみてそう思うわ。」
と答える。

南條中将「なら良いんだがな...さて、ついでだけどそのまま戦隊長に作戦を伝えてくれ。
私が行くなどよりも確実に早いし、準備も早く始められるからな。」

香月副司令「了解したわ。この後作戦の前準備等あると思うので、一時的に私の配下から外すわ。
好きに使ってちょうだい。でも任務が終わったら私の配下に戻すわよ。こき使うから。」

南條中将「いや、創設から支援している私の方が配下と言っても良いんだがね...。
まぁ今の所そうだから否定する気はないが。
私は別件で出雲作戦だけを見るわけにはいかなくなったからな...。」

恭次郎が司令部に行かない事を聞き顔を曇らせる夕呼。
香月副司令「またまた、この狸おやじが何をいってるの。
あんたが暗躍してるから姉妹が、戦隊が活躍できるのに。
しかし、、、この作戦いかに斯衛とは言え、さすがにきついと思うわ。
あんたが、司令部に居なければ何かあったら敗退するかもしれない。
戦隊をちゃんと帰らせてあげなさいよね。
でないと、私が好き勝手にこきつかえなくなるじゃない。」

南條中将「そうしたいんだが、反抗作戦の裏で色々やらかそうと言う不届者もいるみたいでね。
陸軍は私の管轄、戦隊に牙が向いてしまうのだけは避けなければならんからな...。」

香月副司令「、、、確かに帝国陸軍で不穏な気配があるわね。
そいつらが決起する恐れがあることをこちらでもつかんでいるわ。
何かあったら横浜基地に来なさい。匿ってあげるわよ。
今までのよしみで。それならあんたもこき使える。」
と冗談を交えて言う。

南條中将「ははは、最悪そうしようかとは思うよ。まぁ先ずは打てる手を打つさ。
出雲作戦は任せるよ、早めに片付けて来る。」

香月副司令「解ったわ。さっさと片付けて戦隊の支援をなさい。
私もできるだけこの基地の補給物資を戦隊に貸してあげるように手配しておくから。」

南條中将「それではな。」
そうして通信は切れた。

香月副司令「、、、まずは補給物資の手配をして、これは貸しにして後で返してもらう。
さて、戦隊の首脳メンバーを呼ぶか。」
と周りにいる香月副司令付きのオペレーターに声をかけ、手配と戦隊のメンバーを呼び出す。

すぐに出頭する4名(亜美戦隊長と橘副官、真木少佐、上月副官)
亜美戦隊長が香月副司令に頭~、中と敬礼の号令をかけて
真木少佐達も併せて敬礼する。

香月副司令「敬礼は不要よ。私嫌いなの。狸おやじから指令が来たわよ。
あんた達戦隊は一時的に私の指揮下から離れて斯衛主体の作戦である出雲奪還作戦に
出撃してもらう。一緒にこの基地の補給物資と弾薬を狸おやじに頼まれたから持って行っていいわよ。
あとはこの作戦指令書を見て頂戴。ちゃんと帰ってきなさいよ。解散。」
と電子データを橘副官に送り作戦に興味が無いのか他の作業で指令室より出ていく。

亜美は会釈式の敬礼を行い退出を見送り真木を見る。



真木少佐「ついに斯衛との合同作戦か...アタシも斯衛なのになんか変な感じだな。」
そう言いながら、真木は頭を掻く。



上月副官「出向と言う扱いですが、我々は斯衛ではなく第零独立強襲戦隊ですからね。」


真木少佐「そうだね、もしかしたら恭子に会えるからもしれないな。」

上月副官「少佐、崇宰様に失礼のない様にして下さい。周りの目もありますから。」

亜美戦隊長「いま、送られてきた内容をまとめた橘副官に作戦概要をざっと見せてもらいましたが、、、。。
これはちょっと不安を感じます。確かに斯衛は強い。一騎当千の方々ばかりです。
ですが、この時期にしかもまだ大阪以降先の九州よりの出雲地方とは。
もちろん私も行きたいです。両親の、せめて遺骨を回収したいので。
ですが、、、」
と何か嫌な感じがするのか一瞬うつむき。

亜美戦隊長「、、、ここでは国連軍の方々に聞こえてしまうので、戦隊の会議室で作戦概要の詳細確認等を
行いましょう。紫音、独立機械化工兵戦術機中隊の丸芽特務大尉と畑中副官、空挺輸送機部隊の葉吹大尉を至急呼んで。
詳細を詰めましょう。」
と国連軍側の司令室を出る。

真木少佐「何...?あぁ、そうしよう。」

戦隊の会議室にて詳細を確認する亜美達。
亜美戦隊長「この作戦どう思います。どうやら真木中佐殿が例のお方からの指示で南條中将あてに
来たみたいですが。。
私たちは側面支援?それは良いのですが。。。」

真木少佐「アタシと上月は強制出撃だな、それで問題は何かあるかい?」

亜美戦隊長「、、、前線司令部と最前線の出雲との距離が離れすぎです。
しかもまだ西日本を完全制圧もしていないはずです。
しかも、、高級司令部の京都から350kmも先ですよ。
舞鶴に海軍部隊もいますが、それも遠い。
これ、前線と司令部が分断されたら、戦線が崩壊してしまいます。
何かあったら、補給も受けられません。斯衛の上層部はどうしてこんな無茶を。
確かに出雲のBETA群の拠点を潰すのは必要ですが、後方との分断されてしまう事をどう考えているのでしょうか。」

真木少佐「...正気じゃないねこりゃあ。確実に補給を蔑ろにしてる、大した抵抗がないとたかを括っているのか。
斯衛衛士の腕と武御雷の性能を信じている自信もありそうだな、大陸と九州・中国地方での地獄の撤退戦を知らないと見たよ」

上月副官「慢心、でしょうか?斯衛がまさかそんな...」

亜美の話を聞き、重く見る真木と斯衛に慢心があるのかと不安に駆られる上月。


亜美戦隊長「確かに武御雷は強い。斯衛の衛士も強い。ですが、武御雷は1ケ月の生産量はまだ少ないはず。
前線にはまだそんなに配備されていないのでは。。真木さん、今一度可能であれば舞香中佐殿に意見具申を
お願いしたいです。もう作戦は決まっていて厳しいかと思いますが。。」

真木の話を聞きつつ。
亜美戦隊長「真木さん、独立機械化工兵戦術機中隊は今回防衛用に使いましょう。
前線での爆破等ではなく、補給物資と弾薬を多数積載してもらって。何かあったら斯衛にも融通しましょう。
空挺輸送機部隊は我々を送ったのちは後方の完全に安全な場所で待機。
何かあれば我々以外も構わない、空輸して後退してください。」

葉吹大尉「承知しましたわ。できることをやりましょう。」



独立機械化工兵戦術機中隊の丸芽特務大尉と副官の畑中中尉も同意する。
丸芽特務大尉「、、、これは厳しい戦いになりそうですな。しこたま補給物資と弾薬を積み込みます。」


畑中中尉「承知しました。工兵戦術機中隊は今回は補給部隊として動きます。」



亜美戦隊長「申し訳ない、それでいいでしょうか真木さん。ちなみに、真木さん達はだれか連れて行きますか?
第四支援小隊出しましょうか?」
と言う。

真木少佐「あぁ、一度お袋...舞香中佐に意見具申してみる。流石に2機じゃあキツイからね、お願いするよ。
だけど、正面から殴りに行く係は悪いがアタシにやらせてくれ。頼む。」

亜美戦隊長「はい、意見具申お願いします。了解です。
第四支援小隊を真木さんの小隊に付けますね。
正面はお任せします。私の戦隊本部小隊は真木さんの後ろから支援、状況に応じて両翼にも回るか他の斯衛の支援を行います。
右翼に第一中隊、左翼に第二中隊、少し後方に第五砲撃小隊の陣形で行きましょう。
良いですか?」

真木少佐「問題ないね。」

亜美戦隊長「解りました。ではその形で。私達戦隊は、この斯衛部隊の側面支援みたいですね。
この方は確か明星作戦でお会いした方でしょうか?」

真木少佐「あぁ!アタシの同期の桜、五摂政家 崇宰家の崇宰恭子だよ。
身分は違うけど、親友と呼べるのは後にも先にも恭子だけさ。」

亜美戦隊長「なるほど、同期の桜良いですよね。私も紫音と西が居ます。
二人が居ればこの上なく良い戦いがです。同期っていいですよね。」
とにっこり微笑む。

真木少佐「あぁ、良いもんさ。やっと話す機会が出来そうだよ。」

亜美戦隊長「良いですね。これは俄然やる気が出ると言う物ですが。。
まあ私たちもやることをやるように西達に展開して、当日までに演習で
対応しましょう。」

真木少佐「そうだね、任せる。アタシは中佐に意見具申をしてくるよ。」
そう言って、会議室を後にした。

舞香中佐「はい...あら沙奈江。どうしたのかしら?」

真木少佐「ようお袋。要件は分かってんだろ?。」

真木は母 舞香に連絡し、短くそれだけ言う。

舞香中佐「作戦での意見具申って訳ね、悪いけど覆せないわ。
私もあの作戦概要を見て、技術者としてだけど直ぐに具申したわ。
だけど、閣下も斯衛軍全体の勢いを完全に抑え切れなかったみたい。
無理にでも抑えることは出来るみたいだけど、色々と軍内部で亀裂が入る恐れがあるって言っていたわ。ごめんね沙奈江。」

真木少佐「良いさお袋、ハナから無理だとは思っていたさ...一つだけ聞きたいんだけどよ、

前線に行く斯衛部隊の衛士達を捨て駒にする。なんてのはない、よな...?」
舞香の言葉を聞き、内心募った不安を抑えられずそう真木は言った。

舞香中佐「あんな作戦だけど、少なくとも捨て駒扱いはしないわ。

もしそうなる様な時の為に、第零独立強襲戦隊が召集されたのでしょうね。」

真木少佐「なるほど、前線部隊のケツ拭きって訳か...あぁ、任せておいてくれお袋。」

舞香中佐「じゃあ、お願いね?真木沙奈江少佐。」

真木少佐「勿論であります、真木舞香中佐。」
そうして連絡を切る。

真木が母親と話している間、亜美は一度解散させて戦隊長室にて南條中将に連絡をとる。
亜美戦隊長「斯衛の出雲作戦計画案について意見具申があります。
今お時間ございますでしょうか?」

南條中将「時間はあるが...戦隊長、言わなくても分かるだろう?」
亜美の言葉に南條はいつもより重く口を開く。

亜美戦隊長「(やはり、と言うか南條叔父様がここまで口を濁すなら、もう決定は覆すことは
できないのか。ならば。。)
、、、承知いたしました。だた一言だけ。この作戦、失敗しますよ。
ですが南條叔父様が行けと仰るなら行きます、どこであろうとも。
両親もそう言うでしょう。」
と恭二郎の目を見据えて言う。
それは最後まで味方を戦線を護ってみせると言う決意を目線で伝える。

南條中将「私から伝える命令はただ一つだ...多くの戦友を守り、無事に帰還せよ。
1人も欠ける事は許さん。」
南條も亜美の目を見てそう言った。

南條中将「第零独立強襲戦隊の、役目を果たして来なさい。」

亜美戦隊長「、、、できる限りの事は致します。それが両親の願いでもありました。
ですが、戦隊で最後に帰還するのは私です。
指揮官は攻撃時は先頭に、後退時は最後にです。これだけは変えられません。
ですから全員は、、、いえ、失礼いたしました。(敬礼。」
と逃げるように通信を切る。

南條中将「こう言う時に、何か励ましの言葉を贈れない所が叔父失格の証だな...。」
そう1人愚痴る南條。

戦隊長室にて亜美は頭を抱えていた。
亜美戦隊長「(、、、やってしまった。せっかく南條叔父様が気をつかってくれているのに。
私は、、、。いやもうやってしまったことは仕方ない。任務を完遂すべく動くしかない。)
紫音、真木少佐と上月副官、西少佐と甲本大尉、それに丸芽特務大尉と畑中中尉、葉吹大尉、落合副長を会議室に呼んで。
これから出雲奪還作戦での戦隊の内容を説明するわ。それから作戦実行の近くまでに演習を重ねて攻勢も防衛戦も
できるようにできる限りやれることをしよう。」

紫音は、亜美の苦悩を見て、微笑み答える。
橘副官「、、、承知いたしました。大丈夫ですよ今回は、真木少佐殿達もいますからね。
戦隊全員で戦線を支えましょう。できる限りのことを想定して訓練しましょう。」



亜美戦隊長「そうね、そうしましょう。」
と紫音は戦隊首脳部メンバーに通達し、再度会議室に集まる。

真木少佐「中佐に連絡したけど、無理だったよ。そっちは...無理だったみたいだね。」

亜美戦隊長「、、、南條中将にも意見具申しようとしましたが、さすがに斯衛の作戦に
口を出すことはできなかったみたいです。政治で動いてます今回の作戦。
帝国陸軍の1部隊である私たちにどこまでできるか果たして解りません。
ですが、できることはしたい。なので攻勢作戦内容だけでなく、
何かあったときの防衛戦も考えて動きたいです。
できますか皆。我々は最悪味方の、斯衛の撤退時の対応を優先で動きます。」
と全員を見て話す亜美。

真木少佐「アタシ達戦隊の創設理由ってそうだろ?誰かが誰かの逃げ道を確保しなきゃならないんだ、
アタシ達がその役目をやらないで一体誰がやるんだってさ。」

西少佐「亜美、私はお前について行くさ。やりたいように命令を出せ。
その通りに動くさ。」
と片目の女男爵は不敵な笑みを浮かべて答える。



凜大尉「もちろんよ。もうあの中国地方防衛戦のような悲惨な戦いをしたくないわ。
私は今度こそ仲間を護りたい。」
と凜も答える。



葉吹大尉「戦隊長のやりたいことをどうぞ行ってください。私たちはそれを支援いたしますわ。」
とにっこり笑い答える葉吹。

丸芽特務大尉「もちろんだ。戦隊長。我々も九州の防衛戦では仲間を失った。
もうあんな思いは嫌だ。だが覚悟を決めた兵(つわもの)は、窮地にあっては無敵となる。
やれるさ、この戦隊ならな。」

畑中中尉「大きくでましたね、大尉。見栄を張るのも大概にした方がよろしいかと
普段なら言っていましたが……、今ばかりは私もその見栄に乗りましょう。」 

真木少佐「つー訳だ戦隊長、指示をしな。アタシ達の為せる事を、為しに行こうじゃねぇか!」

亜美戦隊長「皆さん、、、有難うございます。では詳細を詰めて、後日全体に任務を伝えましょう。」
こうして亜美達は防衛戦を含めての出雲奪回作戦の戦隊の行動計画を立て後日作戦に参加する
戦隊隊員を大きな会議室へ集め、作戦概要を説明する。

亜美戦隊長「以上が、作戦内容となる。今回は斯衛部隊による、出雲地方の奪還作戦だ。
我々は、斯衛部隊の側面支援を第一に攻勢をかける。なお、HQは岡山に置くことと決定されている。」

ざわつく会議室内。
亜美戦隊長「、、、質問は随時受け付ける、だが、作戦はもう決まっていて我々には覆す権限はない。
前線でできることをするしかない。万が一に備えて今回は撤退戦と防衛戦のプランも想定した。
こちらもよく読み込むように。」
と言う。

奈美に小声で声をかける。
ゴースト准尉「(、、、京都から350㎞ぐらいありますよね。これ、補給やら後方の警戒やら大丈夫なんでしょうか、
さすがに斯衛といえどもこれはきついのでは。それぐらい余裕なのでしょうか斯衛にとっては)。」



奈美准尉「(さすがにそこまでの余裕は斯衛にあるとは思えません。それに西日本と九州地方も
まだ奪回できてない状態で。。これは確かに成功すれば西日本の橋頭堡になりえます。
ですが、、南條中将でも意見具申は出来なかったらしいので上の方で政治で動いてるかもしれません。)」



後ろでその小声の話を聞いていた洸騎は珍しく人前でしかめっ面になる。
八島准尉「(、、、まったくまたお上の都合で、これか。これはひと悶着どころでないことが
現場で起こりそうだな。。)」
と小声で愚痴っていた。



奈月中尉「な、なんですかこの作戦!斯衛の前線部隊が私達がいないと孤立しているのと同じです!
これじゃあ捨て駒と変わらないじゃないですか!」



奈月は声を荒げ、真木と亜美に強い目線を向ける。

真木少佐「アタシだって、納得出来ないさ。だが南條のオヤジさんも匙投げてる。
ならば、アタシ達はどれだけ斯衛部隊の損失を減らすかを考えるべきだ。」

真木は冷静に返した。

奈月中尉「ですが...!」

珍しく、武子が間に入る。
西少佐「、、、そこまでだ。亜美達もそこは解っている。解っていてどうしようもないんだ。
うちも上層部につてはあって、情報は得ているが、どうにもならなかった。
だから、前線でできる事をするしかない。
、、、こんなんだから上層部に行きたくないのは認めるがな。」
とボソッと最後のは言う。

凜もなだめる。
凜大尉「こういう上層部の命令は覆らないわ。それは九州と西日本、京都で散々味わったわ。
だから、現場で変えていきましょう。ね?奈月中尉。」

奈月中尉「...分かり、ました。」
血が出るほどに手を握りしめながら奈月は言う。

その表情を見て、手を優しく握りしめる洸騎。
八島准尉「、、、奈月さん、私たちにしかできないことをしましょう。
これは我々にしかできません。斯衛の方は、上からの柵があります。
だから前線でできる事をするべきです。我ら戦隊の思いを作戦にしましょう。
そこは戦隊長達も考えてくれてますよ。」

奈月中尉「洸騎さん...はい...」

八島准尉「うん、まずは自分の体を労わらないと。
それではまず自身を追い込んでしまいますよ。奈美准尉頼みます。」

奈月の手に包帯を巻きながら話す奈美。
奈美准尉「もう、あの頃の思いを誰にもさせたくないと思いますが、
だから現場で変えるしかないのかも。だから絶対生き残らないと。
それに斯衛の方々も支援しないと。」 
とその表情は晴れていない。

ゴースト准尉「(、、、やはり俺でも何かまずいと思うぐらいだ。奈美さん何か解っているな。)」
と奈美の目を見て考える。

真木少佐「ゴースト!なんて顔をしてるんだい!
んなシケタ面を今しても何も変わらなねぇよ?」
強くゴーストの背中を叩く。

ゴーストはしまった顔に出ていたかと思い、小声で真木に言う。
ゴースト准尉「イテ、まったく。、、、申し訳ありません。そうですね。
しかし何かしら起こりえると考えた方がいいかもしれません。
あの奈美さんの表情をされる時は何かしら悪いことが起きる気がします。」

ゴースト准尉「そこを含めての何か対策考えた方が良い気がします。」

真木少佐「そうだな。亜美、なんか良い案はないか?」

亜美戦隊長「、、、そうですね。戦隊の補給ポイントと申請しておいて撤退戦の補給場所と拠点防衛用地点を構築しますかね。
ではどうでしょうか。工兵戦術機部隊可能ですか?」

真木少佐「確かに、本部とかなり離れているし前線用の補給地点と防衛陣地は必要だな。
良い案じゃないか。」

丸芽特務大尉「むろん、我が部隊にお任せを。陣地構築はお手の物だ。
補給場所に構築しよう中尉できるな。」

畑中副官「もちろんですよ。万が一の時は頑強に粘れる陣地構築を策定いたします。」

真木少佐「決まりだな。工兵隊は戦隊長の案通り、補給及び防衛陣地を構築。
陣地構築出来次第、砲撃部隊を展開して斯衛部隊への支援砲撃を敢行。
んで、第一・ニ中隊は側面からくるBETA群の処理、って所だな。」

亜美戦隊長「はい、それで行きましょう。
真木さん率いる遊撃分隊は独立して動いて頂いて構いません。
必要があれば戦隊の各小隊を引き抜いて率いてください。
その権限を付けておきます。」

真木少佐「あぁ、任せな!」

こうして部隊全員に通達され、演習を経て作戦計画に齟齬がないように進めて行った。
作戦実行一週間前、あわただしく戦隊は動いていた。
最後の打ち合わせで支援する斯衛部隊と最終的な打ち合わせを行うため、
該当斯衛基地へ亜美と真木達は向かった。

真木少佐「(これから起きる作戦は、アタシからみても無茶苦茶だ。
亜美と奈美が又しに行くような真似はしないで欲しいけど...最悪、アタシが盾にでも...)」

その心の声を聴き亜美は首を振ってこたえる。
亜美戦隊長「(、、、それはできません。奈美も同じ考えですよ。
生きるも死ぬも一緒です。盾になって欲しくないです。
その思いだけで十分です。私は戦隊長としてやるべきことをします。
奈美も電子戦術オペレーターとして考えてます。何か考えていることが
この前の会議の様子では何か有りそうですが。)」
と手を握って答える。

亜美の心の声を聞き真木は、
真木少佐「(そうか...アンタ達が幸せならアタシは...いや、そんな考えはよそうか。)」
そう思った。

真木は九州防衛戦で生き残ってから、整備班長になり、そして戦隊の副戦隊長となった今でも、

自身の生きる意味と言う物を見出せているのかと自問自答していた。
真木少佐「(...こればかりはアタシ自身が答えを出さなきゃならない。今回の作戦で何か見つけられれば良いが。)」
 

真木は思った。
戦隊の中で人一倍誰かの支えになろうと翻弄し続けていた。また、同時に一番多くの衛士を始めとした

戦友を失う所を見てきてそう思った。しかしその反面、真木の心は疲弊し続けていた。

亜美は真木の心内を再度知り、また奈美の想いから、何かこの作戦の結末に不安を覚えるのであった。
しかし、真木さんだけは護りたいと、せっかくこうして知り合えてここまで支えてくれた方だ。
私たちにとっての生きる意味でもあると思った。

亜美「、、、真木さん。やりたい事今回やっていただいて構いませんよ。
私たち姉妹は真木さんに本当に助けられました。だから良いのですよ。
護りたいこの思いに斯衛も陸軍もありません。
私の命令に従わなくても大丈夫です。私はそれを咎めません。」
と真木の目を見て答える。

真木少佐「...気持ちだけ受け取っておくよ。
アタシのやりたいことか、やりたいことって何だっけな...。」
そんな事を言い、遠くを見つめる真木。

なにか真木のつぶやきに違和感を覚える亜美。
奈美が何か不安を感じてる事がこれなのかと思うが奈美が心を閉ざしてしまっていて結論は出なかった。

亜美は気まずく無言になり、ちょうど斯衛の基地に到着した。

会議室へ通された亜美達。
そこへ二人の斯衛衛士が来て、敬礼し席に座り話す。
崇宰恭子大尉と篁唯依中尉であった。

崇宰大尉「久しぶりだな、沙奈江。いや、真木少佐殿とお呼びするべきか。」
少し、茶化すように久々に会う同期の桜である戦友に声をかける。

真木少佐「やめてくれよ恭子。アタシ達の間に敬語は不要だろう?
それに、少佐の階級は戦隊にいるからだ。斯衛に戻れば一介の大尉だよ。
それとも、アタシこそアンタ...貴方様を恭子様とお呼びした方が良いと思いますが?」
と逆に崇宰を茶化す。

やれやれと思う恭子。
崇宰大尉「、、、貴様、その言い方似合わないぞ。いまさらそんな呼び方されてもな、と
失礼した。早雲少佐殿。以前お会いした斯衛軍第16斯衛大隊所属の崇宰恭子です。
今回はよろしく頼みます。
こちらは私の副官を兼ねている篁唯依中尉です。
今回、作戦の側面支援助かります。詳細を確認いたしましょう。」

篁中尉「同じく斯衛軍第16斯衛大隊所属の篁唯依です。
宜しくお願い致します。
生真面目に敬礼して答える。

亜美戦隊長「丁寧なご紹介有難うございます。
今回はよろしくお願いいたします。」
と真木との茶化し合いをほほえましく思い答える。

真木少佐「だろ?だからいつもの感じで頼むぜ。
篁中尉か、アタシは真木沙奈江。斯衛から戦隊に出向した色物衛士、とだけ覚えていれば良い。
聞いたよ、帝都で壮絶な目にあったってね...。」
いつもの様に笑って、自己紹介をする真木。

篁中尉「、、、はい。帝都では色々ありました。真木少佐殿も、、色々有ったことは
聞いております。宜しくお願い致します。」
と一瞬顔を曇らせるがそれ以上は言わずに答える。

真木少佐「あぁ、宜しくな。(軽く彼女の戦歴を見たが、初陣で小隊全滅を経験したんだ...あぁもなるか。)」
無視意識に真木は篁に優しく微笑んでいた。

亜美も心の中の想いが聞こえてああ、この方もかと思った。確か奈月中尉とゴースト准尉の当時の報告で
少し聞いたが、あの後かなりの地獄を見た事を戦歴で知った。
ここで話すことではないと思い話さなかったが。

こうして両部隊は綿密に最終打ち合わせを行った。
そして打ち合わせ後、見送りする崇宰大尉。

その帰り際に真木は口を開いた。

真木少佐「なぁ恭子。止める気はねぇが、本当に良いのか?
強襲戦隊の少佐ではなく、アンタの親友としてだ。
アタシはまだまだ恭子と語りたい事や、共に色々やりたい事もある...この作戦、恭子自身は良いのか?」
それとなく聞こうとしたが、何か胸騒ぎがしたのか、包み隠せなかった。

一瞬困った顔をした崇宰大尉。
崇宰大尉「、、、良くは無い。だが、斯衛として武家としては命令には従うしかない。
我々は、。もっと上の政治的な話し合いでこうなっている。だから何も言えない。」
少し同期の親友の言葉に答えるが多くは言えないようだ。

真木少佐「そうか...アタシ達はアンタらの援護が主任務だ。

必要なら直ぐに呼んでくれ、恭子の為ならすっ飛んで行くからよ!」
真木は不安を吹き飛ばす様にそう言った。

だが、心の中の不安は飛ばなかった。

その言葉に驚き苦笑する。
崇宰大尉「まったく、お前はいつもそうだ。だが、今回はありがたくそうしてもらうとしよう。
部下たちも護らなくてはいけない立場だからな。」
と答える。

真木少佐「恭子、死ぬなよ。再会が靖国なんてゴメンだからな。」

その言葉には答えず、振り向かずに基地内に戻る崇宰大尉。

察していた亜美は少し離れたところで待っていたが戻り真木に声をかける。
亜美戦隊長「、、、やはり斯衛内でもなにやらありそうですね。
何とか作戦が成功すればいいですが。」
と小声で話す。

真木少佐「そうだね...アタシ達に出来る事をしよう。」
真木もその場を後にするが、その背中は物悲しく感じられた。

亜美は思った。いつも心強い、大きな背中が小さく見え、
そして悲しそうな感じがして何か不安が高まるのであった。

時は少し戻り亜美達が斯衛の基地についたころの戦隊基地内。
ゴーストが奈美の部屋のドアを叩いてる。
ゴースト准尉「奈美さん、大丈夫?一人で悩んでも仕方ない。みんなで考えましょう。
何かいい案があるはずです。(汗。」
ドアは開かない。自室なら安全か。しばらく一人にさせた方がいいのか。
と迷いつつ、衛士待機室に行く。

そこには奈月と洸騎が居た。
こちらはこちらで、洸騎が奈月を慰めていた。

そこにゴーストがしかめっ面で二人の正面に座る。

ゴースト准尉「、、、この作戦こんなので大丈夫なのか。。。俺は投げ出したくなってきた。」
と珍しく本気のような冗談を言っている。

奈月中尉「分からないよ...どう考えても無謀な作戦にしか思えない...。」
奈月はそう呟く。

八島准尉「そしてお上は責任はとらないだろうな。失敗したら現場の指揮官に全て押し付けて。。。
だがそうはさせない。玉砕なんぞさせてたるか。兵隊は消耗品ではない。
?ゴーストどうした。奈美准尉は。 さっきのあの表情はとても悲しそうだった。何か思いつめてなければいいのだけど。」

ゴースト准尉「、、、悩んでる。俺じゃだめだ。
ふさぎこんでる。肝心な時に何もできない。歯痒い。
奈月さん、お願いできますか。自分は無力です。」
と頭を下げて頼み込む。

奈月中尉「私...私、なんかで良いのかな...。」

ゴースト准尉「申し訳ない。自分では、、無理なようです。
今、真木さんも戦隊長もいない。ここは奈月さん、お姉さんの言葉なら響くと思いますよ。
それでダメなら無理かもしれない。止められない。この負の流れは。。」
と愕然として言う。

奈月中尉「...分かった。そこまで言うなら行ってくる。」
自身もそれが出来るのかと思いながら奈月は、足取り重くなれど奈美の部屋へ向かった。

奈月が去って二人は話す。
八島准尉「、、、奈月さんも奈美さんもこの状態はまずいな。
傷のなめ合いでもいいから何とか元気になって欲しい。」

ゴースト准尉「そうだな。。。クソ、不甲斐ない。」
と机にこぶしを叩きつけるゴースト。

奈月はどうすればよいか解らないまま答えが出ないまま、奈美の自室に着く。

奈月中尉「奈美、いるんでしょ?此処を開けてくれないかな?」
だが反応は無かった。

奈月中尉「...私にも話せないことって事なのかな?
いや、それで合っていると思うよ。私もどうしたら良いのかの答えは無い。
自分自身の答えを見出せて無いのに、貴方にどうこう言う資格なんてない...いっそのこと、

此処で自分の頭を銃で撃ち抜いたら、楽になれるかも知れないね。」
扉にもたれ掛かりながら、自身のホルスターから拳銃を引き抜いてそう呟く。

扉が開く。
泣きながら奈月に飛びつく奈美。
奈美准尉「いや、いや。奈月お姉ちゃん。それだけはやめてください。
私そんなことになったら生きてられない。うわあああああ。」
と大泣きする。

奈月中尉「本当は何か励ませれば良いけど、今の私にはそんな気の利いた言葉は言えない。
実際、こうでもしなければ奈美は出てこなかった...私の答えはやっぱり...」
大泣きをする奈美を半端無視する形で、奈月は言葉を紡いでいた。

奈美准尉「奈月お姉ちゃんが死ぬなら私も死にます。
生きていても仕方ない。それに何か、何が起こるか解らないのですが、
どうしようもないことが起こる気がします。それが何なのか
何も解らないのです。私は、、私は大好きな奈月お姉ちゃんを真木さんを助けたいのに。」
と崩れて座り込み泣き続ける。

奈月中尉「...少なくとも此処で泣いている暇はないんじゃないかな?
それで何かが変わるわけでもないんだから。」
奈月はそう呟くが、それ以外に自身に言える事はないと思い。ゆっくりとその場を離れようとする。

待って、待って奈月お姉ちゃん。と言いかけて手を奈月の腕を取ろうとしたが奈美は自分でもどうすればいいの解らず
その手を下してうなだれる。

そこにすっと現れる菅中尉。
右手で奈月の頬を叩く。
サングラスに隠れてその表情は見えない。が、悲しそうな顔つきであった。

菅中尉「まったくもう二人とも不器用なんだから。
奈月中尉、あなた義理とは言えお姉ちゃんなんでしょう?ならしてあげることは1つ。抱きしめてあげればいいのよ。
それに奈美准尉、貴方はもっと他人を頼りなさい。奈月中尉やゴースト准尉が居るのだから。
そうして一人で全て背負っていくつもり?そんなことしてたらあなた潰れるわよ。」
と優しく諭す。

奈月中尉「菅さん...私は...(言われなくてもそうはして来た。
それでも背負い込む奈美を見て、私は、もうどうして良いか分からないよ...)」
菅の言葉に奈月は顔を下に向ける。

小声で話す嘉代子。
菅中尉「、、、それでもね。良いのよ。あなたも悩んでることは解るわ。
それでも二人でいれば気持ちも落ち着くものよ。
貴方の励ましが奈美准尉の心を落ち着かせられるわよ。
これは私の母親としてのカンだけど。
貴方しかいないわ。お願い、二人で歩んでちょうだい。」
と言う。

そしてサングラスを外して悲しそうな顔でさらに伝える。
菅中尉「、、、私は娘達と最期に仲たがいをしたまま悔やんだまま別れたの。
そんなことさせたくない。だからちゃんと話し合って欲しいのよ。」
と言う。

奈月中尉「...奈美、おいで。」
菅からの言葉に応える様に、奈月は奈美に声を掛けて、両手を広げた。

奈美はその奈月の胸に飛び込む。
奈美准尉「、、、ごめんなさい。私またどうしていいのか解らなくなってしまって。ごめんなさい。
亜美姉さんと私、おそらく真木さんに嫌われます。この作戦の結末は解りませんが、、何かが。
どうすれば。」
泣きながら謝る奈美。

奈月中尉「それを探すのが私達のやるべき事だと思うよ。
答えが一つだとは限らないから。」

奈美准尉「、、、そうですね。変えたいです。変わりたいです。」

それを優しく微笑んで見守っている嘉代子。
菅中尉「そうよ、奈月中尉の言う通り。
そして、そこの角で様子を見ている二人の男の子、出てきなさいよ。
皆で探しましょう。」
と少し先の通路の角から心配そうにしてばつが悪そうにしている
洸騎とゴーストが出てくる。

奈月中尉「...とりあえず、ゴーストさん何か言う事はある?」

ゴーストに対して奈月はそう言う。

ゴーストはばつが悪そうに奈月の前に出てきて頭を下げる。
ゴースト准尉「奈月さんに押し付けて、申し訳ないです。」

ゴースト准尉「その上で、今の話を聞いていると。。現場で何かできることがあればいいですが。
できる事あるかどうか。」
とどうすればいいのか解らない二人であった。

困惑している二人に謝る奈美。
奈美准尉「、、、申し訳ありません。私にも今回は正確に見えてないのです。
曖昧な内容で。。一緒に皆さん探してもらえますか。」
と奈月たちを見て言う。

奈月中尉「勿論、抱え込むよりずっと良いよ。」

奈美准尉「奈月お姉ちゃん、、、有難うございます。大好きです。」
と泣き笑いをする。

奈月中尉「そこの2人も、ちゃんとしてね?」

ゴースト准尉「できることを探してみます。」

八島准尉「解りました。

(??前から思ったが奈月さんは何を言っているのか。自分には言えないことがあるのは解るが、、、

3人は知ってるような気がするが)」
と少し疑問に感じた。

ゴースト准尉「(、、、と言ってこの状態でできる事って、何かあったら盾になるぐらいしか。
探すしかないのだけども。。)」

そしてできる事を考えたが答えが出るわけでもなかった。

夜、明日の作戦決行の為戦術機の最終調整も終わり、全員が寝静まった頃。

真木は、横浜基地近くにある木の下でタバコを吸っていた。
真木少佐「...大事な作戦前だってのに、なんで寝れないんだ。しかもあんな縁起が無い悪夢を見るなんて。」

真木は明日の作戦で、恭子が目の前でBETAに食われ、そして自分自身に全てを否定されると言う悪夢を見てしまい、

寝れずにいた。

そこに心配した亜美が来る。
亜美戦隊長「真木さん、どうされたのですか。」

真木少佐「亜美か、嫌な夢を見てね...。」

そう言い始め、悪夢の内容を喋った。

真木少佐「奈美の夢見もこんな感じなのかね。」

亜美戦隊長「、、、そうですね。奈美の夢見と似ていますね。
ですが、、変えるために準備をしました。変えたいです。」
と真木を抱きしめる。

真木少佐「そう、だね...アタシが諦めたらダメなのは分かってる。でも、大陸でも九州でも、アタシは何も守れちゃいない。」

首を振る亜美。
亜美戦隊長「そんな事ありません。私達は少なくとも助けてもらいましたし、

奈月もそう、皆助けてもらったから今が有るのですよ。
奈美だって真木さんが居るから生きて行ける。」
と答える。

真木少佐「そう、だね。」
それでも真木は、親友を失う喪失感を恐れていた。

亜美戦隊長「恐れは解ります。私も両親を失いました。ですが、今回は支援が出来ます。
ですから全力出撃です。」
と答える。

真木少佐「あぁ、ありがとう。」
真木は静かに伝えた。

こうして夜は更けていった。

出撃4時間前。亜美は戦隊長室で考え込んでいた。
亜美戦隊長「(、、、最悪の事を考えて編成を変えるか。
私が直接奈美と警戒機で動けば、ゴースト准尉を機動編成で行ける。それなら色々対応できるはず)」

その思考を解っていた副官の紫音はため息をついて言う。
橘副官「、、、亜美、それをやったらゴースト准尉悲しみますよ。
それでも、やりますよね。その表情なら。」
と困った顔をしている。

亜美戦隊長「、、、そうね。だけどそれが一番いいと思う。
私は指揮に専念したいから。これが一番いいと思う。
紫音、整備ハンガーに行くわよ。」

しかたないなと思いつつも従う紫音。
橘副官「、、、仕方ありませんね。お供します。」
と二人で整備ハンガーに行く。

整備ハンガーにて。
出撃前の機体整備でバタバタしてる整備兵たち。

その整備兵達に紫音が声をかける。
橘副官「戦隊長入ります。整備班長もしくは副長お願いします。」

迎えたのは真木だった。
真木少佐「どうした?今はアタシに代わって落合が現場監督をしてるよ。」
整備班達の姿を遠目に見つめる真木。その目は、何か決意した意思を感じさせる。

真木が出てきたのを見て紫音は亜美の後ろに下がる。
決意した真木を見つめて亜美が言う。
亜美戦隊長「(この決意を無駄にさせたくない。できることをしたい)
真木さん、すみません。全力出撃前の整備班が忙しい時に。私の機体とゴースト准尉の機体の個人設定をそれぞれ
私とゴースト准尉のを追加で入れてください。機体変更をかけます。これは戦隊長命令です。」
とすまなさそうに普段は言わない事を言う。

真木はその言葉を聞き、静かに口を開く。
真木少佐「...佐渡島の時みたいなことをする気かい?
なら整備班長としても、副戦隊長としてもその命令は聞けないね。説明を求めるよ。」
断固として説明を要求した。

やはりそうなるかと思いつつも本心を言う。
亜美戦隊長「私は今回指揮に専念します。だからゴースト准尉には機動戦で第二中隊で甲本大尉と奈月中尉で動いて

欲しいと思いました。
それが一番いいかと思いました。だからです。決して佐渡島のようなことはしません。
ただし『指揮官は攻める時は先頭、後退する時は最後』だけは譲れません。だからこうした方が良いと。
それでは駄目ですが?」
とこちらも決意を交えて答える。

真木少佐「指揮官は攻める時は先頭、後退時は最後尾ってのは同意だが...佐渡島のような事はしないと言う言葉は、

すまないが信用出来ない。
納得できる様に、アタシを説得してみな。」

佐渡島の一件が出た影響か、簡単に飲み込んではくれない。

亜美戦隊長「第六警戒小隊は機動戦ができません。それならば本来の編成とは変わってしまいますが、
私が指揮を執りつつ警戒機で支援するのが良いかと、奈美と違う意味での連携が取れるので。


それにゴースト准尉の持ち味は元々機動戦ですから。甲本大尉と奈月中尉について行けるのを加味するとそれが良いかと。
いざと言う時に遊撃分隊の支援にも回せます。ある意味第二遊撃分隊として使いたいと思いましたので。


それに警戒機では好き勝手できませんので佐渡島のようなことはできません。奈美も後ろに控えているので。
これでもダメですか。」

真木少佐「...なるほど、佐渡島の時みたいな考えは無いみたいだし、
アタシの考えも何となく当たっていた訳か、落合!出来てるかい!。」

亜美の説明を静かに聞き、大声で落合を呼ぶ。
声に反応して落合が駆けつけた。



落合副長「はい!ゴースト准尉に回す、戦隊長専用機の高機動用機体は準備できてます!
警戒機も、片手間ですが後1時間でできる予定です。」

真木少佐「上出来だ副長、いや落合代理。
警戒機の方はアタシが代わる、数人人員を寄越してくれ。」

落合副長「了解です!。」


真木少佐「てな訳だ、他に質問は?」

少しほっとして笑みを浮かべて答える。
亜美戦隊長「はい、これ以上真木さんに怒られるのは嫌ですから。
それに、今回は嫌な予感がします。奈美も何か感じているので。


そのための保険です。有難うございます。
特に質問はありません。宜しくお願い致します。」
と頭を二人に下げてお願いする亜美。

紫音は思った。
橘副官「(、、、内容は解るが、これをゴースト准尉が素直に受け入れるのか。
私ならいや、亜美の判断に間違いはないはずだ。これは命令するしかないか。)」
と顔色を変えず真木と亜美の二人を見ていた。

真木少佐「何か...か...何も起きない訳無いとは思うけどね...。」
そう呟きながら警戒機へと真木は向かう。

紫音に出撃前準備をさせつつ、真木について行き警戒機に必要な設定を施そうとして言う。
亜美戦隊長「、、、ですね。あと今回、奈美には1度だけ私の命令以外での独断先行行動を許すようにしようと思ってます。
何か本人も解っていないですが緊急で必要な事があると思うので。」
とこれも真木には言っておいた。

真木少佐「大丈夫なのかい?過保護過ぎるとは思うけど、あの子に何か起きるかも知れないじゃないか...。」

亜美は嬉しそうに微笑む。
亜美戦隊長「有難うございます。その過保護、うれしいですよ。その『何か』の為に私が警戒機に乗り込むのもあります。
ある意味それも保険をかけてます。私が居れば何とかできるかと。絶対ではありませんが。。。
ゴースト准尉には悪いと思ってますが。指揮官として、姉として今回はそう判断しました。」
と手を動かしながら答える。

真木少佐「そうかい...亜美。アンタを信じるよ。今までも、そしてこれからも。」

亜美戦隊長「うれしいです。はい、私を信じてください。」
亜美は真木の言葉が嬉しく佐渡島のようなことはもう絶対にしないと固く心に誓った。

こうして出撃準備が整い戦隊の衛士が整備ハンガーに集まる。
そして亜美と真木の二人と橘、上月の両副官が前に出て訓示を始める。
亜美戦隊長「これより戦隊は斯衛の出雲奪回作戦の側面支援として全力出撃する。
今回は斯衛の支援だ。全て支援につぎ込む。また万が一の場合は遅延戦闘を展開するので
そのつもりで。

 

全員生きて戻るぞ。作戦内容は一部修正があるが基本変更なし。真木さんから何かありますか?」
と多くは言わずに真木に振る。

ゴースト准尉「(?、一部修正?戦隊長がこんな濁し方したことあったか。何だろう。何か引っかかる。)」
といぶかしがる。

真木少佐「アタシからも特には無いが、戦隊長。アタシの呼び方はさん付けじゃなくて副戦隊長じゃないのかい?」
と意地悪に言う。

一瞬ボッと顔を真っ赤にするがすぐに普段の顔色に戻して言う。
亜美戦隊長「あ、申し訳ありません。訂正。副戦隊長失礼した。ではカカレ。」
と言って逃げ出して機体の方に移動する。。

そして、ゴーストが奈美を誘い警戒機に乗り込もうとした時に
その後ろ姿に声をかける。

亜美戦隊長「あ、待て、ゴースト准尉。貴官には今回臨時で第六警戒小隊より外す。
私の機体を使って第二中隊の甲本大尉指揮下に組み込む。

代わりに私が警戒機のフォワードを務める。これはすでに決定事項だ。」

ゴーストがその言葉に振り返り唖然とする。
何かあると思ったがこれかと。
ゴースト准尉「!、復唱できかねます。直前でこの通達は。」

奈美もびっくりして亜美を見つめる。

真木少佐「悪いがゴースト、アタシもコレには納得している。今回は単独で乗って貰うよ。」

ゴースト准尉「(戦隊長だけじゃない、副戦隊長の真木さんもか。これは覆せない。
俺はお役御免か。。なら。。)、、、了解致しました。」

ゴーストの想いを聞き慌てる奈美。
奈美准尉「違います。違うんです。そういう事ではなくて、私も今知りましたが。
亜美姉さ、いえ。戦隊長は今回の作戦を考え抜いての結果だと思います。」
とゴーストの手を握りしてめて言う。

それを静かに見ていた上月が口を開いた。
上月大尉「戦隊長、副戦隊長。お二人とも言葉足らず過ぎます。
ちゃんと説明しないから、ゴースト准尉が自分はお役ごめんだと勘違いしているじゃないですか。」
助け舟を出した。

そこに紫音も言う。
橘副官「ほら、戦隊長言った通りではないですか。ちゃんと説明してあげましょうよ。
納得できればちゃんとゴースト准尉は従ってくれますよ。」
と言う。

亜美戦隊長「うん、そうだよな紫音。上月副官そうですよね。
ゴースト准尉、お役御免では無いよ。これからも奈美を護って欲しいのは変わらない。
今回は私が指揮に専念したいから。だからこうした。
それにこの方が、ゴースト准尉も動きやすいだろう。機動戦でかき回して警戒機を護って欲しい。
そこは変わらない。第二中隊は完全に機動戦で対応して欲しい、だから私の機体を預ける。
納得して欲しい。」
と伝える。

真木少佐「と言う訳だ、アタシも言葉足らずだったな、すまんゴースト准尉。」

二人に言われて良かったと思いつつ、こんな直前の配置換えをされるとは何かあり得るなと考える。
ゴースト准尉「、、、復唱致します。

ゴースト准尉は第六警戒小隊より第二中隊の甲本大尉殿指揮下にて機動戦闘に従事致します。
戦隊長の機体、謹んでお借りします。機動戦で機体を壊しても知りませんからね。」
と言う。

真木少佐「まかせろ、その為の整備班だ。」

真木の言葉に気合を入れるため、両手で頬を叩くゴースト。
ゴースト准尉「有難うございます。では全力で対応致します(敬礼。」
と奈美を一瞬見つめて戦隊長の機体に乗り込む。

ゴースト准尉「ゴースト1よりブラックキャット1、2へ。指揮下に入ります。
宜しくお願い致します。」
と手早く機体を操作する。さすが戦隊長の機体。これなら久々の機動戦だが無茶ができそうだと思いつつ。

凜大尉「ブラックキャット1よりゴースト1。直前でびっくりしたが。了解よ。
こき使ってあげるからそのつもりで。」
と言う。

奈月中尉「ブラックキャット2よりゴースト1へ、しっかり着いてきてね。
置いてかれても振り向かないかも知れないからね。」

ゴースト准尉「了解です。久々の機動戦ですがこの機体ならやれます。
どうぞこき使ってください。ちゃんとついて行きますよ。」
と二人に答える。

それを聞いていた亜美は
亜美戦隊長「(良かった。納得してくれてちゃんと動いてくれそう。上月さんのお言葉は毎回ありがたい事ね。)」
と思いつつ。


亜美戦隊長 「では、戦隊全力出撃、行きます。」
と言う。
前編END
 

橿原静子整備兵お持ち帰り編

西武子が小さい頃、父親に連れられて本家のおじい様に会いに行った。
本家のおじい様は男爵で軍人で騎兵出身の方だったらしくすらっとして素敵な方だった。
遠縁とはいえ、孫が可愛いのかよく遊んでくれた。

そのおじい様はよく外国の方にバロン西と呼ばれていた。
聞くと、1932年のロサンゼルスオリンピックで馬術障害飛越競技での金メダルを獲得したとの事だった。
愛馬のウラヌスはとても大きく激しい性格で
それを乗りこなしているおじい様はとってもかっこよく
騎兵時代のおじい様の写真にもよく一緒に写っていた。

そしてある時、ふとおじい様がウラヌスに乗ってみるかと言われて一緒に乗らせてもらった。
周りはウラヌスが暴れると思ったが、おとなしくしているのでびっくりしていた。
ウラヌスを上から見るのは新鮮で楽しかった。
何度か乗せてもらったが、その後ウラヌスは旅立ってしまった。

武子が高校を卒業する頃、久々におじい様に呼ばれた。
卒業祝いに馬を送ってくれると言う事だった。

おじい様はいつもの軍服で愛用の乗馬用の鞭と靴で待っていた。
好きな馬を選ぶとよいと言われてみると、ウラヌスに似た大きな馬が居た。
直感的にこの子が欲しいと思った。
そしておじい様に伝えると、にっこり笑い、その子はハイヌス。ウラヌスの孫で気性は同じく激しいらしい
誰にも乗りこなせてないが武子が乗りこなせるのならいいよと言ってくれた。

武子はハイヌスに駆け寄り優しく頭をなでる。周りの者は蹴られるぞと遠巻きに見ていたが、
そのままハイヌスに乗り周りを駆け回る。
おじい様は優しそうに二人を見守っている、二人は私たちのように良い相棒になると。

こうしてハイヌスは武子の愛馬となり、現在に至る。
そして、、、

現在2001年3月頃。
とある日戦隊の首脳部会議にて陸軍内での衛士訓練施設への衛士教官の臨時講師派遣をする話が
出ていた。
亜美戦隊長「、、、と言う事で南條中将から連絡がありました。誰を派遣しましょうか。」



真木整備班長や上月副官、落合代理、橘副官、西少佐、甲本大尉、第一第二小隊の副官、東野中尉と奈月中尉、葉吹大尉、コントコンビの2人(藤田中尉と槇村中尉)と工兵の丸芽特務大尉もいる。

そこに武子が名乗りを上げる。
西少佐「、、、はいはい、私が志願するよ。
近場の基地ならハイヌスをたまには乗ってあげないといけないから乗っていくよ。」
とニヤソとしながら言う。



東野中尉「、、、(# ゚Д゚)このロリコン女男爵。絶対物色しに行くんでしょう?」
とあきれてジト目で言う。



真木班長「物色だなこりゃ。」


落合副長「物色ですね、可哀想に。」



砂原整備兵「捨て猫拾う感覚でスカウトしてくるんすか〜?」

菊間整備兵「スカウトするなら、是非OS関係に強い整備兵を所望しますよ。
(戦隊が恨まれる遠因にもなっているから、やめて欲しいんだがな...)」

真木と砂原は呆れ、落合は哀れみ、菊間は皮肉を込めて言った。

凜大尉「、、、ほどほどにしときなさいよ。つまみ食いしてきたら怒りますからね。」



奈月中尉「止めても無駄ですね...迷惑をかけて来ないでくださいよ?」



葉吹大尉「西少佐殿?あまり人様の趣味にとやかく言いませんけど、、、
あまり若い子を毒牙にかけるのは可哀そうですわよ。」



藤田中尉「槙村、賭けるか?西少佐が今度は誰を引っ掛けてくるか。
俺は、輸送機の副長にするね。」



槙村中尉「お前が欲しいだけだろうが、ったく。」

みんなそれぞれ言いたいことを言われている。

困った顔をする亜美。
亜美戦隊長「、、、西あのなあ。解っていると思うが、まあいいか本人乗る気だし。」
やれやれな顔をして言う。

戦隊長のお墨付き?をもらい喜ぶ武子。
西少佐「真木殿それは酷いですぞ。ちゃんと優秀な衛士の卵を持ち帰りしてきますぞ。
うちも若い子いた方がいいでしょう。増員しないと。

甲本殿酷いなあ。つまみ食いじゃない、私は本気なんだ。

あら、落合ちゃんと奈月ちゃんは絶対止める派だと思ったけど
捨て猫言うな、砂原殿。カワ(・∀・)イイ!!子をスカウトするだけだ。
菊間殿、うーん整備はあまり解らんよ。
葉吹殿お母さんみたいなこと言わないでくださいよ。。

ええ、コントコンビは賭けの対象か。じゃあ私は自分に賭ける」
とそれぞれ答える。

真木班長「だからだよ、このポンコツ男爵芋女。
行くならさっさと行ってこいや。」
と、完全に呆れていた。
と、真木に追い立てられるように出される武子。

亜美戦隊長「真木さん、、、いくら何でも追い立てては可哀そうでは。
まあ、影縫少尉みたいな子を一本釣りしてくるかもしれませんから、悪くは無いとは思いますが。。」
とやれやれと思いながら言う。

真木班長「だからだよ。余りにも他所から引き抜いてきたら、色々恨みを買われるよ?」

亜美戦隊長「、、、そうですね。しかも落合整備兵や藤田中尉の件もありますからね。
あまり派手には動かれると困りますけど、まあ衛士候補生ならまだこの時期配属も決まってないですし
まだ大丈夫だと思いますが、、まさか戦術機整備兵まで手は。あ、(汗
行かせたのはまずかったかも。。」
何か予感がするのか頭を抱える亜美。

真木班長「はぁ...また波乱が起きるな。」

亜美は暗い顔をして言う。
亜美戦隊長「ああ、また南條中将から苦情が。。。」
とちょっと絶望しつつも、頼もしくも思うのであった。

少し時間がたち、制服を騎兵の男爵用の仕立てのいい制服に着替え、エルメス製の乗馬ブーツに乗馬用の鞭を手に
戦隊基地内のハイヌス達軍馬が居る厩舎へ行く。

馬が何頭かいる、その中で
西少佐「やあ、君、元気にしてたかね?久しぶり。ごめんね。忙しくて。
今日からしばらく近くの基地で衛士の卵を訓練しに行くから一緒に行こう。」
と言うと、ハイヌスは嬉しそうに武子を見つめる。

こうして戦隊基地を出る。
出るときにぶつぶつ言いながら基地正門を通るもんだから衛兵がぎょっとしている。
西少佐「まったく真木殿は酷い。私はポンコツ男爵芋女ではない。」
と衛兵が敬礼してるのを答礼して出ていく。

静子は訓練施設の基地の横にある草原のベンチで一人座り、戦術機のOSの基本動作等の改修が出来ないかと
色々プログラムをいじってみたりしていた。
普段同僚にはどんくさいとか、ミスが多いと言われて孤立していることが多いが、
それはそもそもオートバイの町工場のお爺ちゃんを手伝って整備をしていたことで戦術機の基本構成から
あまり解っていなかったからで仕方のないことではあった。人手が足りないということでなぜか回された。

休憩中、一人でプログラムの構成や衛士の要望に応える内容を作ることが日課であった。
衛士の方々は帰ってきてほしいから。と思い、同僚から何か嫌味を言われても耐えて、
何も言わずに作業をこなす。そんな毎日であった。
いつものように一人でベンチに座り、虐められてたので涙を流しながら携帯端末を見ながら作業を行っていると、、
急に左ほほをベロっと舐められる。
橿原整備兵「ヒヤァ~。びっくりした。」



ブヒヒと声が聞こえる。

??「君、大丈夫?ごめんね、ハイヌス、君駄目だよ。」
と左上から声が聞こえる。

振り返ると、、戦術機の衛士微章を付けた少佐の方が馬に乗っている。どうやらその馬に舐められたようだ。

武子がハイヌスより降りて、携帯端末をのぞき込む。
西少佐「私、西武子。君、ここの戦術機の整備兵、何してるの。(うん?なんだ。OSに関する改善提案?)
これ、、出来るの?。」

アワアワしながら答える。
橿原整備兵「私、橿原静子です。戦術機の新兵の整備兵です。誰もできないと言ってますし、
机上での計算ですけど、、、出来るかは試してみないと解りません。」
と自信が無さげに答える。


西少佐「ふーん、すごいね。もっと教えてよ。」
と気さくに静子に話して聞きまくる。

その日以降、、静子をそれとなく見守っていつつ、衛士の卵たちの訓練に率先して自分が先頭になり一緒に訓練内容を
ケロリとしながらこなし、脱落気味の子を励ましながらどうすれば付いていけるのか
手取り、足取りw指導を行っていたが、休憩時間中にハイネスを遊ばせるために
草原スペースで乗馬をしていた。

西少佐「うん、君、楽しいか?そうかそうか。最近忙しかったからなあ。ごめんね」
と武子はハイヌスに話しかけ頭をなでる。
嬉しそうにヒヒィーンと目を細めてハイヌスは答える。

と、草原を走っていると何か聞こえる。

橿原整備兵「申し訳ありません、すぐに直します。」
泣きながら謝っている。
何か小さくなりながら泣きながら謝っているのが聞こえる。

整備兵A「腕が良いからって調子乗ってんじゃねぇだろうな!」

整備兵B「そうそう、良い気に乗るなよ!」

橿原整備兵「ですからそんなこと無いです。町工場でバイクしか修理したこと無いので
そんなこと思ってないです。お願いですから教えてください。」
とひたすら恐縮している。

整備兵A「んな事言って本当の事を喋ろうとしないなんて、ふざけてんのか!それでバイク修理だと!」

整備兵B「いい所の出なんだろ?ゲロっちまえよ!」

と二人のガラの悪い整備兵が静子に絡んでいる。

そこに武子とハイヌスが来て整備兵Bをハイヌスが前足で蹴り飛ばす。

橿原整備兵「あ、西教官。」

武子が二人を睨みつけて低い声で言う。
西少佐「君、そんなバッチイゴミを蹴ったら汚くなるよ。特に心がね。」
と言いハイヌスから降りる。

整備兵A「な、なんだよ!少佐だからって許されるのか!」

武子は言う。
西少佐「かわいい子をいじめるのは許さないよ。
それに、君たちちゃんと教えてるかな。整備のスキルは見て盗めって。
うちの真木殿や落合ちゃん達ならそんなこと言わないし、
虐めたりしない。
少佐だから許されるとか関係ない。文句があるなら私、西武子に言いなさい。
あ?一人では無理?整備班長でもお仲間を呼んでくればいいじゃない。
私を倒したいならいつでもその喧嘩いつでも買うぞ。
文句があるなら第零独立強襲戦隊の西までいつでも来なさい。」
と言い放つ。

整備班長「おい!そこで何をって、西少佐殿!
こ、これは...ウチのものがご迷惑をお掛けしました!」

その場を発見した、整備兵Aの整備班長が即座に謝罪をする。

西少佐「、、、整備班長殿、私は階級や男爵の立場として脅したくはない
だか、これはいささか度を越えているのではないか。
私に非があるのなら補填は西家でする。
だから言い分を聞こう。無いならこの子は私が頂く。」
と静かに切れながらいう。

びっくりする静子。
橿原整備兵「それは、わわ、私は。」
どうしていいのか解らずおどおどしている。

整備班長「いえ、私の監督不届きが招いた責任でしょう。少佐は悪くありません、彼女の身柄が条件と言うわけですね。
分かりました、ここにいると彼女に良くないです。彼女を、宜しくお願いします。」
深々と頭を下げた。

整備兵A「んな!そんな事言って良いんすか!」

整備班長「貴様ともう1人が変な嫉妬心で、彼女をいびっていたのにか!それを今まで気付けなかった私自身が不甲斐なさ過ぎる!」

武子はまさかここまで相手側が譲歩してくるとは思ってなかったのでスンとテンションが下がったが言う。
西少佐「解った。私が責任を持つ。そいつらの後始末を頼む。」

ともう整備兵AとBには目もくれず静子の前で足を着いて静子の手をとり言う。
西少佐「で、君はどうしたいのかな。私がもらい受けてもいいのかな。君がどうしたいかそれが聞きたい」
とプロポーズするように言う。

整備班長「ありがとうございます。と言う訳だ、貴様らの処分は後日伝える。」

整備兵A「そ、そんな...」

整備兵B「...チッ」

整備班長「貴様ら!その態度はなんだ!」

武子はその態度に再度言う。

西少佐「、、、納得がいかないのならいつでも相手をしよう。
西武子と言う個人で。いつでもよいぞ。夜寝込みを襲っても。
この片目のようになっても文句は言えないようにしてやるがな。」
と眼帯を外しぞっとする顔をして整備兵AとBに言う。

南條中将「騒がしいと思えば、また君か西少佐。」



西の背後から、戦隊の後援者である南條が現れた。

あきれる武子。
西少佐「まったく、高級将校殿がこんな新兵教育施設に。
そんなに私がやらかすと思われましたか。
亜美に、戦隊長は許可はいただいている。
それにこの子は私がもらい受ける。でいいんだよな。」
と静子を壁ドンしながら言う。

橿原整備兵「いや、そのあの(真っ赤になりながら)はい、不束者ですがお願いします。」

南條中将「全く...コレで引き抜いたのが優秀だから怒れん...。」
そうため息を吐く。

西少佐「私は人の見る目は自信がある。中将殿、この子はOS系に特化してますよ。
例の計画に良いのでは。それに真木殿の元であれば、必ず化けますよ。」
と言う。

南條中将「身内だから良いものを余り人目がある所に言うのは感心しないな。
確かに、OS関係は欲しかった人材だ。」

西少佐「有難うございます。ではこの子は私が責任をもって西家で育てますので、
それに人目があるところでほめるべきことはすべきです。」
と言いつつハイヌスに乗り静子に手を差し伸べお姫様抱っこして乗っける。

周りには西の教え子達も騒ぎを駆けつけ、キャーキャー言ってる。

南條中将「はぁ、やはり一喝するべきだったかな。」
武子のパフォーマンスに頭を抱える南條。

恭二郎の愚痴にもなんのそのの武子。
西少佐「では中将殿。あとはお任せします。君たち、、、ちゃんと生き残って歴戦の衛士になるんだぞ。
ではさらばだ。(敬礼。」
と静子を乗せたまま訓練兵を鼓舞してハイヌスを走らせ戦隊に帰っていく。

南條中将「...と言う訳だ、解散だ。ほら早よしなさい!」

ちぇー、西教官かっこよくて、親しみがあってよかったのにこのおっさん酷いなあ。
いいなあ静子ちゃんと言う声が聞こえたとか。

南條中将「誰がおっさんじゃい...来なきゃ良かったかな。」
ため息しか出ない恭二郎であった。

そして武子はそのまま戦隊の整備ハンガーにハイヌスに乗ったまま行く。
整備ハンガーに馬ごと乗りこむ。

真木班長「あぁ、やっぱり連れて来たか。落合、ここ任せるわ。」

落合副長「了解です。」

真木班長「おい西!アンタまた拾って来たのかい?野良猫を拾ってくる感覚で連れてくるなっての!」

静子を下ろしながら武子は答える。
西少佐「真木殿、野良猫ではありません、橿原整備兵ですよ。この子は逸材ですよ。
いらないのなら、私が西家で責任をもって育てます。」
と言っていると、演習から戻ってきた工兵部隊の撃震が整備ハンガーに帰ってきた。

いつもの二番変速装置の減速ギアが悲鳴を上げている。
はっと静子はその音に気が付き携帯端末を操作している。

真木班長「おい、何を...落合。今帰って来た撃震、異音が聞こえなかったか?」

落合副長「異音ですか?」

静子が真木に声を掛けようとしていたが、、、
橿原整備兵「あの、、、」
言いかけて止める。

武子がそれを見て言う。
西少佐「何か言いたいことがあるなら言っていいんだよ。ここでは皆優しいし、技術もある。
でしょ真木殿。」
と言う。

真木班長「あぁ、今分かったのは異音だけだ。嬢ちゃん、気づいた事ははっきり言いな。」

迷ったが意を決して言う。
橿原整備兵「あの、その。あの撃震の両腕の異音ですが、二番変速装置の減速ギアに負荷がかかり過ぎて
悲鳴を上げています。ソフトウェア改修で2割ほど稼働が上げられます。」
と携帯端末で素早く計算してソフトウェアの改修提案をする。
横で武子が(`・∀・´)エッヘン!!すごいだろうと言う顔をしている。

真木班長「...へっ、良いじゃねか。着任早々だが、アンタをOS開発・改良担当に抜擢するよ。
アンタのやりたいようにやりな、先ずは今提案したのから初めてくれ。
菊間!」

そう呼ばれて、戦隊整備班の菊間が現れる。
菊間整備兵「お呼びで...なるほど、本当に連れて来たんですね。大方私に付いてOS関係の仕事をさせるで良いですか?」

真木班長「話が早くて助かる。整備兵としての基礎知識はアタシと落合で叩き込んでおく、そっちは任せたよ。」

菊間整備兵「了解致しました。」
そう言いながら、菊間は西を呆れ顔で見る。

ニチャ~としながら武子は言う。
西少佐「ほら、菊間殿お望みの優秀な子を連れてきましぞ。
ちゃんと優しく指導してあげてくだされ。
無理なら私の添い寝要員で西家で預かりますからそのつもりで。」

真っ赤になりながら答える。
橿原整備兵「あの、その宜しくお願い致します。
西教官のおそばに居れるのならそれでもいいですが。」
とまんざらでもない顔で答える。

菊間整備兵「あぁ、それはやめといた方がいいですよ。彼女ロリコンですので。」

真木班長「大丈夫だ、アタシ達が一端の整備兵にしてやるよ。」

橿原整備兵「それでも、良いです。宜しくお願い致します。」
と頭を下げる。

丸芽特務大尉が機体から降りてくる。
丸芽特務大尉「真木さん、まただ。二番変速装置の減速ギアが少し動かしただけでこれだ。

戦隊での整備のお陰で稼働率は上がってはいるがどうしても安定しない。何とかならんでしょうか。」



畑中副官「肝心な時にこれが起きると致命的です。できれば改修が出来るといいのですが。」



秋村特務少尉「下手すると工兵武装の扱いが雑になってドカンをやらかしそうで。。
前から思っていましたが、、ほんとこれだけは致命傷。」



君原少尉「うん、怖いよね~。今までよくやれてたよねうちら。」
とそれぞれ言う。



真木班長「あぁ、丁度その問題を解決できる人材が来たよ。ほら挨拶しな。」

橿原整備兵「あの、その。ただいまをもって西教官に異動で連れてきてもらいました。
橿原静子です。宜しくお願い致します。」
と頭を下げる。

丸芽特務大尉「今?まったく西少佐殿やっぱりお持ち帰りしたのですね。
独立機械化工兵戦術機部隊の丸芽、畑中、秋村、君原だ。宜しく頼む。」

畑中副官「また~、東野中尉に折檻されちゃいますよ。宜しくお願いしますね。」

秋村特務少尉「あ、東野中尉殿来たよ~。宜しく。」

君原少尉「あ、むちゃんここれ怒ってますな。よろよろ。」
と言いたい放題言っている。

真木班長「そういえばアタシ達の紹介もまだだったな。アタシは第零独立強襲戦隊整備班長兼、副戦隊長の真木沙奈江少佐だ。」

落合副長「戦隊整備班副長、落合美之です。元は富士教導団の整備兵でした。」

菊間整備兵「戦隊整備班、OS開発担当の菊間道永だ。ここには居ないが兵装開発担当の砂原と私、真木の姉御は斯衛軍からの出向だ。宜しく。」

橿原整備兵「有難うございます。宜しくお願い致します。」
と言ってると東野中尉がえらい勢いでおでこに怒りマークを付けていつものコンボで西を蹴り倒して四方固めをする。

東野中尉「このロリコン芋女男爵(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)
だからあれほど添い寝要員を連れてくるなと言っているのに、どうして西先輩は私を見てくれないのですか。」

武子は痛そうにしながらも喜んでニヤソとなっている。
西少佐「あだた。痛いって。だってだって、可哀そうだったし、可愛いからね。これはお持ち帰りしないと。」

橿原整備兵「西教官は悪くないのです。だから赦してあげてください。」
オロオロしながら答える。



東野が怒りながら西を折檻している。
東野中尉「貴方は悪くない、これは西先輩の日頃の行い関連の説教です。」
と絞め落とそうとしてる。

西少佐「ギブ、ほんとにギブ。私が悪かった~。から」
とほんとに落ちそうになっていた。

落合副長「ともかく、ウチに頼もしい新人が入って来て良かったです。正直言って、ソフトウェア関係は芳しくありませんでしたから。」

菊間整備兵「うーむ、パソコン関係は得意分野の筈なんですがね。耳が痛いですよ。
(彼女は大丈夫だとは思うが、裏取りはしておこうかな。コレで変な経歴隠してましたなんてのはごめんです。)」

真木班長「いやぁ大手柄だよ!あのロリコン女男爵は良いとして、他の奴らにアンタの事を紹介しなきゃな!」

武子の事はだれも相手にしてなかったw

亜美が紫音を連れて整備ハンガーに来る。

橘副官「戦隊長入ります。」

亜美戦隊長「に~し~。(# ゚Д゚)あなたそろそろ自重しなさい。家にも一杯養って居る子いるんだから。
まあ、ちゃんと教育して、立派に育ててるからこれ以上は言わないけど。」
とやれやれと思いながら言う。

そんな亜美の苦情に対しても武子はなんのその
西少佐「大丈夫、ちゃんと手取り足取り教えてるから。皆素敵な女性に育つよ。
そんなに構ってほしいなら、綾子もうちに来れば添い寝要員に、ぐぎゃぱ(◎_◎;)」

本気で絞め落とされた武子。
こうして橿原整備兵が戦隊にお持ち帰り、もといい着任したのであった。
END

菊間整備兵「失礼します。例の件、報告に上がりました。」

亜美が戦隊長室の執務机で待っていた。

亜美戦隊長「斯衛の諜報員なのに申し訳ありません。
ちょっと最近奈美の身の回りに色々ありましたから。
で、結果はどうでしょうか。」
真剣な表情で何かあるのかと緊張する。

菊間整備兵「結論から言いますと、何もありませんでした。何処のスパイであるのも、身分を隠している高貴な出身でも無い。
本当に平凡一般家庭出身ですね。失礼、少し前にどう菅中尉は私のブラフ入り情報を見抜けるかの予想を立ててましてね。」
と冗談?を挟みながら言う。

菊間整備兵「戦隊の防諜は、菅中尉殿がメインで行いますからね。アレくらいのイタズラを見抜けないと心配になります。
スキルアップの為の教材を渡していると思って欲しいですよ。」

亜美は少し表情を崩して言う。
亜美戦隊長「そう、ですか。私もそう思います。が心を隠されてると解らないこともありますからね。
あまり菅中尉をいじめないであげてくださいね。
私も、、、政治的な話や諜報的な事はしたくありません。情報は必要ですが。
奈美を護ってあげなければいけないですから。」
とクギをさす。

菊間整備兵「そこら辺はご安心を。私の"飼い主"からも強く言われておりますので。
少なくとも、政治劇と諜報活動からは無縁にする様に務めさせて頂いてますよ。」

その言葉に嘘はないと感じて答える亜美。
亜美戦隊長「私は、、、両親と同じく軍人として生きて死にたい。
しかし奈美はそうではない。政治的にも諜報にも巻き込ませたくはない。
菊間整備兵や菅中尉に押し付けるのは違うが宜しくお願い致します。」
と立ち上がり頭を下げる。

菊間整備兵「私の様な飼い犬に頭を下げないでください。
今は協力関係が上層部で出来てますし、そう簡単に崩れませんよ。
まぁ、任せてください。丁度整備兵としての後釜は来ましたしね。」

その寂しそうな心の内を聞いた亜美は
亜美戦隊長「、、、飼い犬?そんなことは関係ありません。職種に上下はありません。
菊間さんと言う一個人に私は頭を下げたのです。当然のことです。
それに、、貴方は真木さん率いる整備部隊の1員です。この先もずうっと私にとってはそうです。
だからずうっと戦隊に在籍枠はありますよ。」
と答える。

菊間整備兵「嬉しい事を言ってくれますね。
ですが、私は彼の方の飼い犬である事には変わりありません。
余り肩入れするのは、やめておいた方が良いですよ?」

首を横に振る亜美。
亜美戦隊長「私は飼い犬の1諜報員に言っているわけではありません。
菊間整備兵に言ってるのです。
信じています。と話はここまでです。
ご苦労様でした。下がって良いです。」

菊間整備兵「分かりました、失礼します。」
そう言って戦隊長室から出て行く。

菊間整備兵「菊間道永...その名も私にとっては諜報活動の為の仮面にすぎませんよ。
その様な人間は、この場所が無くなった途端に存在しなくなりますからね...。」
そんな事を呟き、廊下の奥へ歩き去る。

その呟きが聞こえた亜美。
亜美戦隊長「、、、存在は無くならない。裏か表かそれが裏返る事もある。
私達もそう。だからこのままであれば良いけど。」
と呟き執務に戻るのであった。

2001年12.5クーデターに先駆けにある関東の駐屯地の会議室にて
クーデター派の尉官衛士A「、、、明星作戦での戦隊を見たか、あれは邪魔になる。」
クーデター派の尉官衛士B「、、、おそらく戦隊長を暗殺すれば、戦隊は崩壊する。殺るなら今がいいと思う。」
クーデター派の尉官衛士C「あの方はそれを許可してくれている。だがやつらの協力者を散らさなければ、、」
クーデター派の尉官衛士D「そうだな、方々に協力要請をして南條中将と三芳中将は切り離して出張でもしてもらう。」
と密かに話していた。

その話をしていた翌日頃、習志野駐屯地の南條中将の執務室にて。

南條中将「...舐められた物だ、気付いていないとでも?」
報告書から顔を上げ、七瀬と菅を見る南條。



七瀬秘書官「えぇ、ですが決定的な情報ではありません。此処で察知された動きをすれば、派閥争いにも支障が出るでしょう。」



南條中将「他の派閥の愚か者共に戦隊を潰される訳には行かんか...菅中尉、今の所戦隊に不審人物は紛れてないかな?

菊間君以外で。」

菅中尉「はい、不審者は菊間整備兵以外いません。、、、戦隊の防諜は今の所機能しています。

しかし本当に戦隊長を暗殺すると。
強引すぎます。しかも戦隊長は今まで、日本のために、民間人を第一に考えて行動してきました。
それを。酷い。」
と、娘を思う親の顔をして答える。



静かに怒りを抱きながらも、呆れた表情をしている南條。
南條中将「気に食わないんだろうな。彼女達がどれだけ国の為、民のために行動しようと所詮は
外の人間だと、日本人と認めようとしない...私はそんな頭の硬い奴に反吐がでるよ。
菊間君は彼なりに動いているし、何かあれば副戦隊長と共に動いて良いと許可はだしてある。
少なくとも、戦隊が瓦解する事は絶対にない。」

七瀬秘書官「それで中将、考えはお有りですか?」

南條中将「それに関しては...っと、来たな隆文。」

直後、執務室に三芳が入って来た。

三芳中将「入るぞ、恭次郎。何やら嫌な情報を得ている。そっちの持っている情報を確認したい。
明後日、俺と貴様は出張だと言う命令が。なぜ同時に命令を。」
といつもにまして厳しい顔をして入ってくる。



南條中将「隆文、ついにクーデター派の連中は亜美に手を出すつもりだ。
しかも我々に手を出されないよう、遠くに追いやる為に出張と言う事だ。
全くご苦労な事だよ、私を出し抜こうなんて。私が陸軍の古狸なんて言われてる事知らないのかな?」

カラカラと笑う南條に、呆れる七瀬と菅。
七瀬秘書官「言われているかいないかと言うなら、言われてはいるとは思いますが...。」

七瀬に同意するように答える嘉代子。
菅中尉「、、、言われてるとは思いますがもっと違うような気がしますわ。ま、まあ南條中将の配下になれて良かった。
それは思いますが。」
と苦笑しながら、答える。

三芳中将「、、、やはりそうか。うちの警務隊でもその情報を得ている。なめた連中どもだ。あの姉妹に手を出すつもりとは。
しかし上からの命令だ。行かなくてはいかん。そこをどうするかだが。」

南條中将「そのための防諜だよ。菅中尉、恐らく奈美准尉が夢見で戦隊長暗殺を見て行動を起こすだろう。
君は副戦隊長の真木少佐と基地に残る部隊員、そして菊間君とで戦隊長暗殺計画を全力で阻止してくれ。
私と隆文、三芳中将は敵を欺く為にも出張しなければならん。
捕縛人員は整備班の新しい班員と偽って、戦隊に派遣しておこう。
同じ戦隊員で仲間でも、菊間君はあくまで斯衛だ。菅中尉、君を頼りにしている。」

三芳中将「、、、そうか奈美ちゃんか。あの子は優しすぎる。それなら動くな。間違いなく亜美ちゃんのために。
うん、その通りだ。出張はするが、警務隊を一部出す。隠密用で制服組ではないから、その整備班に含めてくれ。
手配しておく。」
と二人の姉妹を心配しつつも出来る事を話す隆文。

菅中尉「、、、承知しました。あの姉妹に手を出させませんわ。
もう、二度も娘のような子を失いたくないです。ですから。」
こうして亜美戦隊長の暗殺計画阻止に動く南條中将たちであった。

そしてその後国連軍、横浜基地に場面は移る。
南條中将と三芳中将及び戦隊の戦術機部隊の上層部はそれぞれ、陸軍部隊の上級司令部との会議、
あるいは演習でその日は戦隊は手すき状態であった。
留守を任された真木副戦隊長と直轄の独立機械化工兵中隊と戦術機部隊では
第三防衛小隊から第六警戒小隊が基地で待機している。

真夜中2時ごろ奈美はうなされていた。亜美が、緊急招集の会議で暗殺される場面が見える。
銃声が聞こえ撃たれて亜美を護る橘副官も亜美を庇う形で凶弾に倒れている。
そこで目を覚ます。嫌な夢見を見て冷汗が出ている。
クラっとしたが、服を脱いでシャワーを浴びて意識を戻す。



それから不在で誰もいない戦隊長室へ入る奈美。
奈美は悩んだ末に髪をバッサリ斬り落としロッカーを開けて亜美の制服を拝借する。
そして今回はクーデター派との衝突を避けるためにあえて軍刀を置いて行った亜美。
それを拝借する。
そしてゴーストに連絡し訳を話し戦隊長室へ来てもらう。



慌ててゴーストが来る。驚くゴースト。髪型を同じにすると亜美戦隊長にそっくりだ。さすが姉妹。。。
(ただし、背丈は違うので軍用のシークレットブーツを履いてごまかしている。)
ゴースト准尉「ああ、髪までバッサリ切って。、、、決意は固いのですね。奈美さん。」


奈美准尉「はい、亜美姉さんを今失ったら戦隊は崩壊します。そんなことさせません。
それにいつも私は亜美姉さんに護られる。だから。。。」



ゴースト「、、、そうですか。バレるかどうか秘密を知らない方々に反応を見てもらうのと護衛兵として仕込みがしたいので
工兵部隊の待機室へ行きましょう。それと真木さんにも相談しないと。」
と即す。

奈美准尉「そうですね。真木さんと約束しましたから。これ以上裏切るような事はしたくありません。」

菊間整備兵「おやおや、それなら何か行動を起こす前に姉御に相談するべきだと思いますよ?」
背後から声がしたので、2人は振り向くと後ろから菊間が音もなく、戦隊長室に入って来ていた。

菊間整備兵「それにしても、流石は奈美さん。双子なだけあってかなり似てますが、髪型と身長はどうにも出来なかったですね。」
そう言って眼鏡を外し、メガネ拭きを取り出して拭き始める。

びっくりする二人。
奈美准尉「、、、菊間さん。そうですね。髪型はそれらしくしましたがそれに身長はどうにもなりませんでした。
だから軍用ブーツで底上げしました。時間があまりないので仕込みをしてから真木さんにはこの後お話しします。
だから、止めないでください。お願いです。亜美姉さんを助けたいのです。」

菊間は、メガネを掛け直しニヤリとする。
菊間整備兵「...やはりクーデター派による亜美戦隊長暗殺計画は本物でしたか...。
南條中将と私、ついでに菅さんも掴んでいた情報ですが何分未確定な情報でした。ですが、貴方がそう判断したのならそれは本当でしょう。
既に菅さんを使いっ走りにして、姉御と上月さんを呼んでます。奈美さんが変装して、1人工兵隊と話すよりも良いと思いますよ?」

ゴースト准尉「(さすが。。やるなあ、、しかし菅中尉殿をパシリにするとか。。あとでお仕置きされるかも)。」

奈美准尉「、、、そこまでもう動いて頂いていたのですね。有難うございます。菊間さんに委ねます。お願いします。」
と頭を下げる。

菊間整備兵「何、本来なら私と菅さん、南條中将閣下が貴方達に知られる前に済ませる事案でしたからね。
貴方達は、BETAの戦いだけして欲しかったですよ...。」

そんな中で、菅に連れられ真木と上月が入って来た。
真木少佐「菊間、菅から聞いたよ。亜美の暗殺計画があるんだって?アタシも混ぜな、そんなの絶対阻止してみせるからよ。」



上月副官「少佐落ち着いて下さい。菅さんから聞きましたが、先ずは奈美さんに話しを聞きましょう。お話して頂けますよね?」
亜美の暗殺計画だと聞き、少し興奮しているのを抑えながら上月は奈美に話しを聞く。



振り返り泣きそうになりながら真木に抱き着く。
階級章や髪型が変わっているのを見て驚く真木。

奈美准尉「夢見で見えました。明日朝緊急招集会議で亜美姉さんと橘副官が早く帰ってきます。
そのあとクーデター派の基地で暗殺されるようです。私絶対にそんなことさせたくない。
小さいころからずうっと護ってくれた優しい亜美姉さん。私が、今回は護ります。」
と決意を話す。

真木少佐「全く、いつの間にアタシと同じ階級になったんだい?任せときな、その為の副戦隊長のアタシさ。」

奈美准尉「、、、ごめんなさい。後でいかようにも処分は受けます。でも今は私は早雲亜美戦隊長です。」
と泣くのをぐっとこらえてまるで亜美のようにキリっとした表情と声を出す。

菅は奈美の髪型を見て。
菅中尉「ああもう、素敵な髪をここまでして。そこまでして戦隊長を護りたいのね。
もう、それをする前に皆に相談しましょうね?私にとって、貴方たちは娘同然だと思ってるのよ。
つらかったでしょう、髪もバッサリ切ってしまって。。」
と寄り添う。

真木少佐「全く似合ってるじゃないか。怒りはしないよ、安心しな。」

奈美准尉「お二人とも有難うございます。具体的にはどうしましょうか。。
一応この後工兵部隊の所でまずは私が亜美姉さんに見えるか、確認してあと工兵部隊の方たちにも協力してもらおうと
思ってました。そのうえで真木さんに相談しようと考えてました。

真木さんと一緒に行ければそれが一番いいのですが、さすがに斯衛の方と一緒では警戒されます。
だからゴーストさんと二人で行きます。
だから真木さんには工兵部隊と共に基地近くで待機してもらって事が起きたら、
事前に南條中将と三芳中将と協力して憲兵隊と共に突入して欲しいです。」
と言う。

真木少佐「分かったよ、アタシもそれに賛成だ。だが行くなら、菅も連れて行った方がいい。そうだろ?」
菊間の方を向いて真木は言う。

菊間整備兵「そうですね、菅さんは変装して奈美さんとゴーストさんと共に行って下さい。
私は裏方に回りますので、間に合えば私も変装して近くで見てますよ。」

菊間整備兵「あぁ、そうだ。道具は私が用意しますし私も手伝いますので、奈美さんは亜美戦隊長に完全に変装しましょうか。」

菅中尉「もちろんよ、私も奈美准尉を護りたい。奈美准尉を完璧に変装しましょう。」

奈美准尉「よ、よろしくお願いします。」
作戦に同意してもらえてホッとした奈美。

真木少佐「決まったね。奈美の変装が終わり次第、工兵部隊のところに行くよ。その時は、上月も来な。」
上月副官「了解しました。」

こうして皆にああでもない、こうでもないと奈美を亜美に仕立て上げた。
奈美准尉「これが、私ですが?本当に亜美姉さん見たい。。。」
と先ほどとは違い完全に亜美に見えた。

ゴースト准尉「(すごいな。これは完全に化けたな。。メイクがすごい。。)」

奈美准尉「時間ももうあまりありません、では行きますか。真木さん、上月副官さんついて来てください。
ゴーストさんも。」
と言う。

真木少佐「了解だ奈美、いや亜美戦隊長。」

上月副官「了解です戦隊長。」

ゴースト准尉「戦隊長殿承知いたしました。」

そして工兵部隊の待機室へ。
ゴーストは渋い顔をして、声をかける。
ゴースト准尉「早雲戦隊長入ります。よろしいでありますか?」

真木少佐「ゴースト、何渋い顔してんだい。邪魔するよ工兵共、仕事の時間だ。」
構い無しに真木がズカズカと入ろうとする。

丸芽特務大尉「ハッ、どうぞお入りください。」


畑中副官「隊長、戦隊長は出張から戻られたところでしょう。あまりふざけないようにしてくださいよ。」


丸芽特務大尉「俺が自分からふざけたことはないんだが。」
秋村特務少尉「隊長、冗談が過ぎるのではないでしょうかね。」


君原少尉「そうだな、秋村に同意します。」


丸芽特務大尉「ええ……?。」
畑中副官「ほらほら、さっさとドアを開けましょうよ。」
丸芽特務大尉「すみません戦隊長殿。」

中々開かないドアに、痺れを切らした真木は
真木少佐「ええい、なにいつまでチンタラしてんだい!開けないなら、こっちから入るよ!」
そう言ってドアを蹴り開ける。

慌てふためいて整列して亜美(奈美)達を迎える工兵たち。

丸芽特務大尉「失礼しました。真木少佐殿もいらっしゃったのですね。」
とふと亜美を見る丸芽

丸芽特務大尉「戦隊長……殿……ですかね?」

真木少佐「へぇ、アタシといる戦隊長を疑うと?戦隊長は今戻ったばかりだ、覇気がないのは疲れてるからだ。納得しな工兵ども。」
上月副官「少佐、流石に高圧的では?」

真木少佐「ん?いつもこんな感じだろ?」

亜美(奈美)は笑顔でにっこり笑い。
亜美戦隊長(奈美准尉)「まあ、まあ。真木さん。ちょっと疲れてて。そうよ、お忙しいところ、申し訳ない。
少し相談があるのだがお人払いを頼めるか。」


(丸芽は違和感を覚えた、戦隊長?なのか、あと確か出張は確か明日の朝戻ってくると言っていたような)
丸芽特務大尉「……あ、ああ。秋村、君原両名、少し外してくれ。必要があれば君らにも伝達する。

……十中八九そうなる気もするが」
秋村特務少尉、君原少尉「わかりました」

秋村特務少尉、君原少尉の二人が隣の控室へ退出した。
聞き耳を立てていない事をゴーストは確認して亜美(奈美)の後ろに控える。

真木少佐「丸芽特務大尉、アンタら工兵に戦隊長から特別な任務がある。耳かっぽじって良く聞きな。」

亜美戦隊長(奈美准尉)「急ではあるが、明日関東近辺の陸軍部隊との防衛戦での打ち合わせが入った。その間また不在となるが
その間の基地防衛を真木副戦隊長と引き続き連携してほしい。何か質問はありますか?」
と話す。

丸芽特務大尉「(戦隊長、どこか雰囲気が変わったな)戦隊長、あなた髪でも切りました?」

ドキッとする奈美。バレてしまってるのかと思ったが丸芽の心が聞こえたが疑問に少し思ったようだ。
ゴーストは渋い顔をしている(これでバレてるならこの話はどだい無理だ。)

亜美戦隊長(奈美准尉)「あら?目ざといわね。出張前に少し整えたのよ。いつもと同じよ。」
と答える。
畑中副官「隊長、多分化粧品が変わった程度でしょう。」
丸芽特務大尉「なるほど。まあこれは俺の気の所為ですかね。」
畑中副官「覚悟が決まった顔をしていらっしゃいますし。」

真木少佐「まるで戦隊長がイメチェンしちゃいけないみたいな言い方だな丸芽、何かあるなら素直にいいな。
変なしこりがあるままじゃ連携なんてとれりゃしないよ。」

丸芽「いえいえ、そんなことはないですよ。(何だろうやはりここまで真木少佐殿が言うのは何かあるのか?)。 」
とちょっと不審がる。

さすがに困っている丸芽を見てと
奈美はさすが畑中副官さん、するどい。確かに化粧品は亜美姉さんと違うのを忘れていて気が付かなかったと思い

それははぐらかす様に答える。
亜美戦隊長(奈美准尉)「はい、国連軍の部隊と共同で帝都東京を守備、それに攻勢作戦もあり得ますからねこれから。
覚悟は決めました。と、話がそれましたね。それ以外に何かありますか?

なければ明日に備える準備をするのに執務室へ戻りますが。」

丸芽特務大尉「ご武運を。(勘違いだなこれは)」

真木少佐「あぁ、じゃあな工兵ども。思う所があるなら隠さず言ってくれよ?」
真木も退出する。

亜美戦隊長(奈美准尉)「有難うございます。では戦隊長室に戻りますね。」
と敬礼して退出しようとする。


そこでゴーストが声をかける。
ゴースト准尉「戦隊長殿、少し丸芽特務大尉殿と工兵隊用の武装の話をしたいです。

後で戦隊長室へ向かいますのでお願いします。」

亜美戦隊長(奈美准尉)「??解りました。待ってるわ。では。」
と奈美は退室した。

上月副官「真木少佐、私も整備班の事務方として彼らの話しを聞いて来ます。先に戦隊長と戻って下さい。」
退室した直後、そう言って戻ろうとする上月。

真木少佐「どうしたんだ?まぁ良いよ、行ってきな。」

こうして亜美(奈美)と真木は戦隊長室へ戻る。
途中、衛兵や戦隊の一般隊員に声をかけられるが、バレてはいなさそうだった。

戦隊長室へ戻り、キリっとした表情から優しいいつもの顔つきに戻る。
奈美准尉「真木さん、戦隊の一般隊員と工兵部隊の方々の反応の範囲でこれくらいなら、

他部隊の方なら大丈夫かと思われますが。
私があとは亜美姉さんをどこまで演じられるかですが。。」
と話す。

真木少佐「まぁ、亜美は普段他所部隊員の時は基本硬いから大丈夫じゃないか?
丸芽め、仕切りなしに奈美に違和感を持っていたね、最後は勘違いで落ち着いたみたいだけど。」
徐にタバコを吸い始める真木。

奈美准尉「、、そうですね。ちょっとバレてしまったかと、焦りました。
あ、真木さんそろそろ会議招集メールが届くはずです。こんなことに巻き込んで申し訳ないのですが。。
副戦隊長の権限で端末のメール操作させていただけますか。。」
と恐縮して言う奈美。

真木少佐「勿論、アタシが許可するよ。安心しな、何があってもアタシが責任取るさ。」
タバコを咥えながら、和かに笑う。

奈美准尉「有難うございます、、、やはり来てます。ではこれを返信して、
??そう言えばゴーストさんは工兵の方と何を話したかったのでしょうか、
それに上月副官さんもなぜ戻ったのでしょうか?。」
と疑問を真木に話しながらメールを確認して関東のとある駐屯地からの緊急帝都戦略防衛会議依頼の
メールを受信したことを受け、さらに端末で連絡が来たので詳細はメールにて返信した。これより向かいますと答える。
そしてその2通のメールを消去する。

真木は奈美の言葉を考えると、一つの考えが浮かんだ。
真木少佐「まさか、さっきの奈美の変装話してるんじゃないだろうね...。」

奈美准尉「、、、そのことは良いと思うのですよ。仲間ですし。ただそれ以外に何かしようとしているのかも。」
と心配そうに話す。奈美であった。

そして工兵部隊の部屋へ戻る。
許可を貰い、上月は戻った。ドアの前で盗み聞きをする。

さすがに上月副官の気配は察知できず、話すゴースト。
ゴースト准尉「、、、ここからは2日程度極秘の話になりますが相談に乗ってもらえないでしょうか。
工兵部隊4名のお力が是非とも必要です。」

丸芽特務大尉「何なりと。察するに先程の何かと関わりがあるのでしょう。」

ゴースト准尉「はい、ばらしてしまうとさっきの亜美戦隊長は、、、奈美准尉です。」

畑中副官「なるほど、そういうことだったのですね。合点がいきましたよ。」
丸芽特務大尉「なるほど、ところでどうして奈美准尉が変装を……?。」

奈美の夢見の話は極秘なのでそこは変えて話す。
ゴースト准尉「、、、実はとある情報筋の話から明日の会議は戦隊長をおびき出して、暗殺するようなのです。
今は懇意にしていただいている戦隊の上位部隊の南條中将と法務官の三芳中将とも連絡が取れていません。
それにその相手先はクーデターを画策している部隊とのことです。


できればつぶしておきたい思います。奈美准尉は純粋に戦隊長を護りたいからこうしているだけですが。
ただ、一人で乗り込ませては暗殺、もしくは拉致監禁されてどうなるか。橘副官も居ません。
ですから私が一緒に行きます。ですが、相手が強硬にでたら、、


2人では護りきれません。その時は個室に奈美准尉と菅中尉を押し込んでそいつらを足止めさせて騒ぎが起きたら
戻ってこられた戦隊長や南條中将そして法に詳しい法務官の三芳中将を連れて乗り込んできて欲しいのです。
できれば工兵部隊の戦術機を基地近くに2機ほどひそかに待機させてほしいです。」

と頭を下げてお願いする。
ゴースト准尉「そしてもう一つお願い事が。」

丸芽「何でしょう。」

ゴースト准尉「工兵部隊が使用するC4爆薬を少し定数外で融通してもらえないでしょうか。

万が一の足止めができない時はそれを使います。
使い勝手が良い様に服の中に仕込みいざとなったらそれを投げつけたいと思ってます。

コードを付けてボタン式で爆破させたいです。」
(たぶんそれを使う時は俺もろともだが、奈美さんを護れるならそれでいい。)

丸芽特務大尉「横流しした爆薬で自爆だって……?アホかあんたは。」
畑中副官「それを丸芽隊長に言うのは駄目ですよ。」

ゴースト准尉「(さすがにバレるか。。。)、、、そこは士官殿、部隊長に言う事ではないですが、、

私は元下士官として銀蠅調達ができますよ。
でもそれでは工兵部隊に迷惑をかけます。使用期限切れとか、廃棄処分回しにしたとかでお願いします。

どうしても必要なのです。」

再度脱帽式の最敬礼でお願いするゴースト。
ゴースト准尉「奈美准尉の思いを叶えてあげたいのです。」
と話す。

丸芽特務大尉「よろしい、脅しには使えそうな見た目だけの代物なら融通しましょう。

それで自爆したら私は地獄にあなたを殴りに行きますよ。」

ゴースト准尉「有難うございます。奈美さんと共に生きていきたい。だからなるべく自爆はしないつもりですが
支援が間に合わない場合は、地獄でどうぞ殴ってください。甘んじて受けます。
と時間が無いので申し訳ないですが早速お願い致します。」
と答える。

丸芽特務大尉「わかった。畑中、火薬庫に行ってくる。」
畑中「わかりました。」

ゴースト准尉「丸芽特務大尉殿、畑中副官殿有難うございます。いずれこの借りはお返しします。」
畑中「どうも」

丸芽特務大尉「これをどうぞ。起爆装置はセットしてある。バレるなよ。」
畑中副官「彼女の覚悟に報いるのは結構ですが、覚悟を持った人間を死なせるようなヘマは許されません。
奈美准尉とあなたの生存を最優先に。よろしくお願いしますよ。」 

とそこにドアの外で潜んでいたが直後、ドアが開き上月が入って来た。
上月副官「おやゴースト准尉、脅しとは言え自決用の爆弾を持つのは感心しませんね。」

ドキッとするゴースト。
ゴースト准尉「(う、バレてる。(汗))、、、解ってましたか。しかし護衛兵は2名です。
もしもの時は時間を稼ぎ、突入部隊を待つしかありません。
だから、最悪の状況を考えてお願いしようとしてます。奈美さんを死なせたくないし、思いを叶えてあげたい。。


だから。申し訳ないでありますが、見逃して下さい、、、どうしても見逃してくれないのなら自分はは元下士官の経験で
みんなに嫌われてもやりますよ。」
と小声で工兵達に聞こえないように上月副官に答える。

丸芽は渋い顔をしている。
(やばい、バレちゃいけない方にバレてるぞ。どうするゴースト准尉。)

細目になりゴーストを見つめながら上月は答える。
上月副官「貴方の気持ちは分かります、因みに戦隊長...いえ奈美准尉は爆弾を持つことを知っているんですか?」

上月副官「それに、暗殺を狙う連中に爆弾をちらつかせても自決を促す行動にでかねないと思いますが?」

ゴースト准尉「、、、いえ奈美さんは知りません。ですが、最悪の状況を考えるべきです。

あの話は内容が変わってしまうことによるある、想定を考えなければいけないと思います。

(それは奈美さんの死亡)」
と工兵達には言えないことを隠して話す。

ゴースト准尉「優秀な衛士を自決させるのは忍びないですが、ですが前にも奈美さんは狙われたのです。
どう行動するかは彼ら次第ですが、最悪の事態は防ぎたい。それならやつらの命は、、考慮しません。」
と渋い顔をして答える。

上月副官「分かりました。ですが爆弾を持つなら、せめて奈美准尉に話して下さい。
そうしないなら、私は無理矢理にでもその爆弾を奪いますので。」
上月は強く言った。

ゴースト准尉「、、、解りました。戦隊長室に戻りましたら話します、自爆も覚悟してますとは言えませんが。
それでも護ってあげたいですから。自分には返しきれない恩が奈美さんにありますし。学のない私はこれぐらいしか
してあげられないのですよ。」
と上月副官に言う。

上月副官「ゴースト准尉、気持ちは汲みます。ですがこれ以上自分を卑下するなら怒りますし、殴りますよ?
それ以上に、自決したら奈美准尉は後を追いかねない事は重々承知して下さい。何故かは聞かないで下さいね?」

ゴースト准尉「う、そこまでは考えてなったです。ですが逆なら、私も確かにそうするつもりです。
ご忠告感謝いたします。そうならないようにできる限り努力はしますが。そして卑下しないようにします。」
と上月副官の目を見て話す。
(戦隊のお兄さんでありお父さんだな。知ってたけどこの方は、優しくて素敵な方だ。
その方にがっかりさせたくはないな。)

その言葉を聞き、ため息を吐きながらも笑顔を見せる上月。
上月副官「卑下する有無の事は後日にして、とにかく絶対話して下さい。分かりましたね?」
と言う。

ゴースト准尉「う、はい、承知しました。後日お話しは必ずいたします。ですが万が一の時はご容赦を。」
と決意して答える。

そして丸芽と畑中副官に
ゴースト准尉「有難うございます。生きて皆で戻れるように努力します。(敬礼)」
こうして上月副官とゴーストも工兵部隊の部屋から退出した。

丸芽特務大尉「、、、はあ、難儀な事だ。うまく事が運ぶとよいが。」
畑中副官「そうですね。彼らの計画がうまく行くことを祈りましょう。
さて、秋村と君原を呼んで計画の詳細を詰めましょう。」
丸芽「そうだな、すぐに呼び戻して伝えよう。綿密に作戦案を立てねばな。」

そして工兵部屋から退出した上月副官とゴースト。

ゴースト准尉「上月副官、ちょっと戦隊長室へ戻る前に自室に行きます。
いえ、ちょっと拳銃の装備変更するのとこのC4をセットしてくるだけです。
言われたばかりで他の隠し事はしませんよ。」
と上月副官に言う。

上月は細目になりゴーストを見つめる。
上月副官「...分かりました、先に戦隊長室へ行ってますね。」

ゴースト准尉「有難うございます。(敬礼)、では。」
と駆け足で自室に戻る。

上月副官(さっきの事もありますし、隠しで何か別の事を考えて...いや流石に疑いすぎですね。)

そして、ゴーストは一度自室へ戻る。
戦隊の上着を一度脱ぎ、C4爆薬を腹側に装備する。スイッチはズボンの左ポケットに入れて導線は外から見えないようにする。

そして軍から拝領している陸軍用のシグ・ザウエルP220と亡くなった母方の陸軍軍人であった祖父がゴーストが生まれる前に
なぜか長女の孫は絶対に軍人になるなと思っていたらしく、元戦友のつてで東側の質の良いCZ75ファーストを

購入してくれていた。

それを並べて思案する。
ゴースト准尉「(、、、通常ならシグだが、、、今回は多人数相手に下手をすれば接近戦で相手しないといけない。と、なれば
お爺ちゃん、今こそ使わせていただきます。)」
とCZ75ファーストを腰に装備する。まだ戦隊の誰にも見せたことはない。奈月中尉とはシグでの対戦演習で負けっぱなしだが、
こいつなら正確に命中させることも相手の拳銃を破損させることも、親指飛ばしも出来る。
これで方が付けばいいが、いざとなったらC4を投げるしかないな。。。


あとは、、軍刀は置いて行こう。下手に下士官上がりの准尉が装備しているとおそらく警戒される。
と部屋の祖父の達の写真置き場に丁寧に両手で添えて置く。
ゴースト准尉「お願いです。奈美さんをどうぞ護れるように見守っていてください。
もしもの時はあの世でお叱りを受けます。」
と家族写真に話しかけて敬礼して、戦隊長室へ行く。

戦隊長室に入ると。
出張中であるため、真木さんと上月副官と亜美に変装した奈美と変装した菅中尉(秘書官風の外見)以外は誰もいなかった。
そこで奈美は胸ポケットに忍ばせている家族写真(早雲家の両親と真木さん達との2枚)を見つめていた。

ゴースト准尉「遅くなり、申し訳ありません。装備を整えていました。あと念の為、拳銃は軍から支給されたのではなく

個人所有のCZ75ファーストを装備して、工兵からいただいたC4爆薬を念のために仕込みました。

何かあったら最悪これを投げつけます。
工兵部隊と調整して準備できましたよ。奈美さん。

工兵部隊にも奈美さんの指示通り戦術機を伏せて配備をするようにお願いしました。」
と渋い顔をまたする。

奈美准尉「、、、いつもごめんなさい。でも亜美姉さんを死なせるわけには行かないです。だから。
でもC4まで準備するのは、、、ゴーストさん死んでもらっては困りますよ。」
と、驚いてたしなめる。

それを遮って言うゴースト。
ゴースト准尉「、、、いいよ、奈美さんの望むしたい事について行くし、護るよ。だけど人数が多いから
護りきれないかもしれない。その時はごめん。。」

首を横にふり奈美は答える。
奈美准尉「いいのです、ごめんなさい。これは私の我がままです。亜美姉さんには前世でもそして今回も小さいころから
ずうっと守ってもらって来てくれました。だから私も亜美姉さんを護りたいから。」
と言う。

ゴースト准尉「うん、そうだよね。戦隊長も素敵な魅力的な方だし、護りたいよね。

よしではこれで行動開始ですかね?真木さん。」


真木少佐「あぁ、行こうか。」
上月副官「ゴースト准尉、死にに行くのではない事を分かって下さいね?」

ゴースト准尉「了解です、真木さん。はい上月副官殿解りました。そこは生きて皆で帰りたいのは解ってますよ。
(だが、、想定が起こることはよくある。。その時は、、、。後であの世で甘んじて殴られよう。)」

こうして奈美と菅中尉とゴーストは会議に行くことになった。

関東のとある駐屯地近くについた亜美(奈美)達は密かに待機している真木たちに連絡を取る。
亜美戦隊長(奈美准尉)「ゴースト0、もとい、シルバーフォックス1よりローワ1へ、配置はどうでしょうか?。」

真木少佐「ローア1からシルバーフォックス1へ、手隙の班員(クーデター派捕縛の為、二人の中将から動員された連中)と
工兵共の配置は着々と完了してるよ。後、アタシのコールサインはローワじゃなくてローアだ。」

焦る、奈美。一息深呼吸して答える。いつもはこんな間違えはしないが、かなり緊張してるようだ。
亜美戦隊長(奈美准尉)「申し訳ない。そうでしたね。ローア1へ失礼した。事が起きましたらこちらの緊急SOSブザー音で支援行動を起こしてくれ。
(真木さんごめんなさい。)頼みます。」

真木少佐「シルバーフォックス1へ、了解した。バレてもアンタらだけでなんとかしようとするなよ?絶対だからな?」
そう言う真木の声は、分かりやすく心配していた。

亜美戦隊長(奈美准尉)「ローア1へ、ご心配有難うございます。そうします。」
ゴースト准尉「ゴースト1よりローア1、必ず戦隊長はお守りいたします。。ちゃんと個室に押し込めて、増援を待ちますよ。
ですから超宅急便をお願いしますね。」
と言う。

真木少佐「ローア1からゴースト1へ、任せておきな。アタシのは速達便だよ。」

上月副官「ローア2からゴースト1へ、急行しますから馬鹿な事はしないで、ちゃんと帰って来て下さいよ。」

ゴースト准尉「ローア1,2了解しました。できる限り努力します。(せめて奈月さんがいれば、悔やまれる)通信オーバー。」
と通信を切る。
そして、関東のとある駐屯地に到着し駐屯地営門で会議の依頼を受けて来たと衛兵に伝える。
しばらくすると尉官クラスの衛士が敬礼をして3人を会議室に連れていく。

そしてその頃の国連軍横浜基地の戦隊詰め所。
亜美戦隊長達が返ってくる。
戦隊長室に戻り、はぁと一息をついて、??ん、と何か違和感を感じて見渡す。



橘副官「どうされました?亜美。」



亜美が油断なく室内をみる。
そしてロッカーを見ると奈美の残留思念らしきものが見えた。
(亜美姉さんごめんなさい、でも私はいつも護ってもらってる亜美姉さんを護りたい)と

悲しそうな困った顔をこちらを見つめて、ふわっと消える。焦る亜美、ロッカーを開ける。
そこには予備の制服をかけてあったはずだがない。そして軍刀も。
その代わりに母親の形見の短刀と奈美の髪のルーズサイドテールをバッサリ切った物が置いてある。

ガタガタ震える亜美。泣きそうになりながら。
亜美戦隊長「奈美が、奈美が。私の代わりに。。。真木さんを至急呼び出して。それに奈月中尉も。」

何かを察した紫音はすぐに整備班に連絡をとる。
橘副官「整備班ですか?、至急真木少佐殿を戦隊長室に、もし奈月中尉が演習から戻っているなら一緒にこさせてください。」

戦隊長室に奈月は急行したが、整備班で来たのは落合だった。
奈月中尉「亜美姉さん!奈美とゴーストさんだけじゃない、真木さんと上月さん、そして工兵部隊の人達もいないよ!」



落合副長「一体何を...戦隊長、貴方は少し前に会議に出席すると言って出て行ったのでは?」
慌てる奈月と、理解が追いついてない落合はそう言う。



オロオロしてる亜美。二人に髪と短刀を見せる。
亜美戦隊長「、、、これ、奈美の髪、それに形見の短刀を置いて私の制服と軍刀を持ち出してる。
奈美が私の身代わりをしようとしてる。奈月、どうしよう。。


落合副班長、私は今戻って来たばかりよ。真木さん達もいないとなると。
してはいけないけど、戦術機部隊全隊に緊急出撃命令を出します。奈美を助けるわ。
いえ、これはみんなに命令することではない、私が独断で単独で出ます。」
と今まで見たことが無い、狼狽し、泣きそうな困った顔をして一人で奈美を助けに行こうとする。

その時戦隊長室のドアが開き、南條と共にいるはずの七瀬が入って来た。
七瀬秘書官「お待ち下さい亜美戦隊長、それでは奈美さんと真木少佐が実行した作戦が水の泡になります。」

亜美戦隊長「七瀬、さん?今何が起こっているのですか。奈美が危ない。そんなことさせたくない。」
と奈美の髪をぎゅっと握り締める。

七瀬秘書官「詳しく話しましょう。
貴方の暗殺計画が今日実行されます。
南條中将と三芳中将は直接介入しないよう遠ざけられ、とある駐屯地での会議中、貴方はクーデター派の凶弾に倒れる...。
そんな計画を未確定ながら我々は掴みましたが、確証は得られませんでした。


ですが、奈美さんが夢見で見たとの報告を菊間整備兵経由で知り、彼女とゴースト准尉の強い要望により、
真木少佐が上月大尉とその2人、工兵部隊、念の為お二人の中将が派遣していた捕縛部隊と菅中尉と菊間整備兵で、
暗殺が起こる駐屯地へ逆に乗り込む作戦を決行してます。
そして奈美さんが、貴方の変装をし身代わりになっています。」
七瀬は、先程現地に向かった菊間からの報告を伝えた。

亜美は愕然とした。。
亜美戦隊長「そんな、事が。。奈美が身代わりになんて嫌。、、、でも真木さん達もいる。
南條叔父様や三芳叔父様のバックアップもある。」
とブツブツ言っていたが、そこで普段の亜美に戻る。

キリっとした顔をして。七瀬に聞く。
亜美戦隊長「七瀬さん解りました。ここは私は動きません、ここ戦隊長室にいつも通り執務をして
奈美や真木さん達が帰ってくるのを待ってます。でよろしいですか?


南條中将の対応にすべて委ねます。奈月中尉、落合副長。狼狽して悪かったわ。皆通常勤務に戻って。
奈月、帰ってきたら奈美を褒めて抱きしめてあげて頂戴。」
と執務机の椅子に座る。握り締めた手は震えてはいたが。

七瀬秘書官「ありがとうございます。真木少佐達を信じて下さい。」
奈月中尉「姉さん...いえ戦隊長、了解しました。」
落合副長「了解です。機体、いつでも出撃出来るようにしておきますね。」

亜美戦隊長「うん、皆お願いね。私は執務をします。」
と出張中に溜まっていた書類を片付け始める。
(奈美、ちゃんとみんなと一緒に帰ってくるのよ。みんなあなたのためについて来てくれてるのよ)
と思いを込めて。

場所は再び関東のとある駐屯地に戻る。
会議室でいかに帝都東京を護るか、会議をしているが、、
ゴーストは思った。佐官クラスが一人もいない。しかも戦術機部隊の衛士で猛者ばかりじゃないか。
秘書官すらいない。やはり罠か。

奈美は亜美のようにふるまい、他駐屯地の部隊を含めて全員と議論を繰り広げている。
亜美戦隊長(奈美准尉)「ですから、我が戦隊は横浜基地より空挺降下で駆けつけるのが早いです。
防衛線に組み込むのではなく機動防衛戦で、BETA群のさらに後ろより攻撃をかければ挟撃できます。
その方が効率的に敵を殲滅できる。」

クーデター派の尉官衛士C「何を言っている。将軍殿下がおられる帝都東京に集中的に部隊配備し、拠点防衛するのが
この作戦の最大の目的だ。勝手に動かれては困る。」

嘉代子は思った。
菅中尉「(、、、こいつら、茶番ね。いちゃもん付けてどうにもならなくなったら動くきがするわ。
そのうち奈美准尉を下げないと。」

と会議と言うか作戦方針でもめていると。。
つかつかと一人の衛士が奈美の近くにくる。
クーデター派の尉官衛士B「貴様は、そんなに命が惜しいのか、部隊を殿下の盾にする気はないのか。」

それに対して奈美は立ち上がり、その衛士の前に立つ。
亜美戦隊長(奈美准尉)「そんな話をしているわけではないです。解らないのですか、殿下のお命は確かに重要。

でも民間人と避難民の
命も重要です。だからそれを逃がすためにも、負傷者を少なくするために各部隊が連携して

それにわれら戦隊は機動防衛戦を行うのです。」

ゴーストはあ、それ悪手だ。前にでたらだめだと思ったが遅かった。

それを聞いたクーデター派の尉官衛士Bは激高して奈美の腹を殴りつける。
奈美はよけることもできず、左わきにこぶしを食らって昏倒し倒れる。

クーデター派の尉官衛士B「??早雲少佐はもっと武闘派なはずだぞ、こんなので避けもできず倒れるのか?
あ、これはもしや妹の方か。全員こいつらを撃て、騙された。」
と会議室にいる衛士が銃を向ける。

すぐにゴーストと菅中尉は反応して全員の銃を撃って叩き落とす。
そして菅中尉が奈美を抱えて会議室を出る。
周りを見ると左から基地隊員が銃を持ってこちらに来ているのが見える。

それを見てゴーストが言う
ゴースト准尉「菅中尉殿、あっちの部屋で立てこもりましょう。時間を稼がないと。
奈美さんのポケットに入ってるボタンをすぐに押してください。」

菅中尉「解ったわ、今押した。あと5分ってとこね。それまで持てばいいけど。」
と護衛用のカバンを展開して奈美を護りつつ、空き部屋に入る。

だがゴーストは入らなかった。
菅中尉「??ゴースト准尉あなたも。」
ゴースト准尉「まだ時間がかかると思います。自分が時間を稼ぎます。」
と扉を閉めようとする。

菅中尉「あ、それならこの防弾カバン使いなさい。」
とドアが閉まる瞬間滑り込ませて外に出す。

そして銃撃戦が起こる。
1発肩に食らうがそれ以外をゴーストは何とかさばくが、弾が尽きる。

10人ほど集まってきてドアの前で守ってるゴーストに銃を向ける。
クーデター派の尉官衛士D「貴様、よくもたばかってくれたな。手を挙げろ。」

手を挙げるゴースト。ニヤリとしながら。
ゴースト准尉「、、、いいのかな、撃ったらこれ起爆するよ。」
と左手は例のC4の起爆スイッチを見えるように見せる。
そして制服の上の中の爆薬を見せる。

う、っと青ざめるクーデター派の衛士。
しばらく時が止まったように静かになる。
ゴースト准尉「、、、やった。時間稼げた。後は、、真木さん頼みます。」
と痛みに耐えつつずるずるとドアを背に座りこみ、気絶しそうになりながらも起爆スイッチは握り締めたまま言う。

外では、真木達突入部隊が合図を貰い即座に行動を開始する。
真木少佐「各員突入!捕縛が最優先だが、最悪の場合射殺も許可する。戦隊長に弓を引いた事を後悔させてやりな!」

各員の了解の合図と共に、ガスマスクを装着。催涙ガスと煙幕を投げ付け、

ライオッドシールドを構えさせた隊員を先頭に雪崩れ込む。
真木も帝国海軍から仕入れたのか、m870マーリンマグナムにゴム弾を装填して突入部隊を指揮する。

真木少佐「上月!アンタは武御雷を直ちに起動!工兵どもと共に基地正面で威圧しな!

アタシ達の後ろには斯衛がいると示すんだ。」

上月副官「了解です少佐、起動開始。因みに戦術機が出て来た場合は?」

真木少佐「アンタの判断に任せるよ。」

上月の操作で武御雷が起動し、基地正面に向かう。

それを見た基地側よりクーデター派が6機の撃震を出撃させ制圧させようとしてくる。
クーデター派衛士F「た、武御雷?なんで斯衛が。ええい、相手は1機、それに鈍重な工兵機体だ。
囲んで中距離戦で叩け。」
クーデター派衛士5名「了解。」
と囲むように展開するが。

瞬く間に一機の撃震の頭部は、武御雷の突撃砲により、吹き飛び転倒する。

上月副官「なるほど、6機による中距離からの引き撃ち戦法ですか。
確かに理にかなってますが、斯衛衛士ならこの程度...容易く倒させて貰いますよ。」

武御雷は右手に突撃砲、左手に長刀を装備し牽制射撃を行いながら接近して一機ずつ叩こうとする。
並の斯衛衛士でも6機相手は難しい筈だが、上月は大陸派遣からのベテラン。
奈月のような機動は無いものの、無駄の無い動きで撃震を倒していく。

援護している工兵部隊の面々。
秋村特務少尉「、、、隊長、うちらこれ居てもでくの坊じゃないですか?」
君原少尉「そうだな、秋村に同意。斯衛強すぎ。味方で良かったです。」
畑中副官「もう、ちゃんと援護しなさい。油断し過ぎよ。」
丸芽特務大尉「さすが、斯衛は伊達でも酔狂でもないという事ですね。お強い。大陸派遣でも帰ってきたお方だ。
それに姉妹の事を心配して自分のやるべきことを確実に対処している。」
とそれぞれ言っている。
丸芽はふと思った(、、、いつもどおりの優しそうな上月副官殿だが、、ひそかにこれ怒ってない?姉妹を案じて)

撃震が格闘戦を仕掛け、武御雷の長刀を落とさせるが上月は足蹴りをし怯ませると、直ぐ様突撃砲の弾丸を撃ち込む。
上月副官「確かに武御雷と撃震には性能差はありますが、この体たらくでよくクーデターを起こす気になりますね?
世を乱そうとしたこと、姉妹に手を出したこと。斯衛衛士として、戦隊の人間として...罰を受けて貰います!」

クーデター派衛士G「う、うるさい。我々は崇高な目的の為、将軍殿下のために決起するのだ。邪魔をするな斯衛。
お前らも一緒に殿下の為に不要な奴らを討伐するべきだ。なぜそれが解らん。あの姉妹は敵だ。

いずれ裏切るその前に討伐すべきなのだ。」
と言う。

上月副官「黙れ反逆者。次に殿下の名を出してみろ、貴様に名誉な戦死とやらをくれてやる。
そして...彼女達が裏切ると言うふざけた事を言う口は貴様か!」

上月の逆鱗に触れた衛士の乗る機体は、何も反撃させるのを許さず攻撃手段を奪ってから撃破された。

丸芽特務大尉「(あ、やっぱり無茶苦茶怒ってる。慕われてるな姉妹は。)、さて我々もちゃんと援護しますよ。
工兵隊前へ。上月副官殿、我々が引き付けてますので残りもお願いします。」
3名「了解、残りの機体を此方で引き付けます。」

工兵部隊の支援もあり、瞬く間に6機の撃震は撃破された。

上月副官「私とした事が、怒りを露わにするなんて...工兵隊の皆さん、大丈夫ですか?」
いつもの優しい顔に戻った上月は、工兵隊に声を掛ける。

秋村特務少尉「(、、、怖ぇぇー、上月副官殿怒らせちゃあかんやつだこれ。。)」
君原少尉「(、、、私もそう思った。おいたは絶対にしないようにしよう。)」
畑中副官「もちろん無傷ですわ。さすが上月副官一人で倒されるなんて。」
丸芽特務大尉「問題ありません、敵部隊クリアーです。それより基地周辺ににらみを利かせて突入部隊の支援をしましょう。」
と特に秋村と君原は上月副官のおでこに#(怒りマーク)が見えるように見えてちょっとガクブルしている。 

上月副官「いえ真木少佐なら、もっと早く出来たと思いますよ。引き続き突入部隊の支援、お願いします。」

丸芽特務大尉「(、、、上月副官殿でこれだ。真木少佐殿はもっとすごいのだろうな)了解、支援行動に移ります。」
こうして基地の戦術機部隊を制圧して突入部隊の支援へ移る。

基地に雪崩れ込んだ突入部隊は、抵抗するクーデター派を圧倒し次々と捕縛していく。

真木少佐「状況は?」
そう言いながらゴム弾を装填し、撃ってくるクーデター派に撃ち込み鎮圧していく。

鎮圧部隊員A「着々と進行しています。こちらの被害は軽微、日頃の訓練のおかげですね。」

真木少佐「油断するなよ。戦隊長...保護対象を確保するまで、いやした後も気を抜くな。そして、敵を逃すなよ!」

そうして進撃し、2人が立て篭もりゴーストが守る部屋の近くに到着し、敵を挟んだ。

真木少佐「其処のクーデター派に警告する。直ちに降伏しろ!貴様らの仲間はすでに捕縛されている、抵抗しても無駄だ!」

ゴーストはドアを背にして、ドアには血が下までこすり付いていて
何とか意識もうろうとしながらクーデター派の10人ぐらいをC4爆薬を見せて抑え込んでいる。
動けないクーデター派。
後ろから真木たちが来て降伏の言葉を聞いて衛士はがっかりとうなだれ。
降伏すると言ってきた。

真木少佐「よし、捕縛!」

衛士達は拘束されていき、真木はゴーストを抱き止める。
真木少佐「ゴースト!良くやった!流石アタシが見込んだ奴だよ!進級させてやりたい気分だ!。
だから...早く傷を手当てしてもらいな...メディック!」

ゴーストは意識もうろうとしながら答える。
ゴースト准尉「、、、良かった。真木さん、ごめんなさい。奈美さん、一発腹にパンチ食らってる。
自分の事は良いです、先に奈美さんを、おねがい、します。」
とそのまま意識を失う。

真木少佐「何!それでもアンタを後回しには出来ないさ。メディック、連れて行きな!急患だ!」

メディックに連れられて応急処置に向かったのを見て、直ぐに部屋の扉を叩く。
真木少佐「アタシだ、真木だ!クーデター派は鎮圧した、出てきな!」

警戒しながらドアを開く嘉代子。
まるで子を守る親のような感じで奈美を抱きしめ守っている。
菅中尉「、、、良かったですわ。もう少しおそければゴースト准尉、ボタンを押してたかもしれませんよ。
助かりました。でも奈美准尉が、肋骨が折れてるかも。」
と言う。

真木少佐「なんだって...!いや、これだけで済んだと思おう。早く診てもらおうじゃないか。」

菅中尉「はい、すぐに連れていきます。」
と奈美を両手で抱えて連れていく。

こうして亜美の暗殺未遂は失敗に終わった。

そして全員で国連軍横浜基地に戻り、奈美とゴーストは即、入院となった。
司軍医長が直接二人を見ている。

そんな中、ハンガーでタバコを吸っている真木の元に亜美が来ていた。
真木少佐「...今回の件、主犯はアタシだ。罰したいなら、アタシにしな。奈美は何も悪くないよ。」

亜美戦隊長「、、、解ってますよ。主犯なのは奈美准尉です。ですから、身内に甘いのはダメなんです。
奈美は復帰次第営倉に入ってもらいます。」
と言う。

真木少佐「だ、ろうね。軍隊として当たり前だよ。それをとやかく言う気はない、
だがアタシも奈美と共謀したのは事実だ。アタシも営倉に入るよ。」

亜美戦隊長「そうですね。副戦隊長と言う身分であるのに勝手に権限の無い端末を奈美に使わせたので。
助けてもらってこんな仕打ちは本当に心苦しいですが、ゴースト准尉も復帰次第ですが3人には営倉に入ってもらいます。
申し訳ありません。両親からも信賞必罰については特に身内にはそう教わりました。でも私にとっては真木さん達のおかげで
命拾いしました。だから、本当はこんなことしたくない。」
と涙を流す。

そこに隠れて様子を見ていた司軍医長が来る。
司軍医長「元気ないな~。うん、奈美ちゃんもゴーストちゃんも大丈夫だよ。
奈美ちゃん、少し、肋骨にひびが入ってるけどそこまでひどくないし、ゴーストちゃんは弾抜けてるし。
天才の私がちょちょいと処置しといたから。あとは安静にしてれば大丈夫。もう二人とも渋い顔してないで。
奈美ちゃん目を覚ましたから会いに行ってあげたら。」
と励ます様に二人の肩を叩き言う。



真木少佐「気にすんな亜美。それが部隊の長の役目だ、部下を甘やかし過ぎたら部隊練度は落ちるよ。
ちゃんと営倉に入るさ。」

明日香が元気よく言う。
司軍医長「はい、はい。そこまで。奈美ちゃんに会いに行くよ~。」
と二人の手を引っ張って連れていく。

亜美は涙をふき取り。笑顔になり言う。
亜美戦隊長「はい、お願いしますね。ちゃんと差し入れしますよ。司軍医長、待って。早いですよ。」
と苦笑しながら引っ張られて連れていかれる。

そして奈美がいる病室にて。
奈月が目を覚ましたことを聞いて先に駆けつけていた。

先に奈月はいて、奈美に話していた。

奈月中尉「奈美、私心配したんだよ?貴方はまた、私に言わないで...私はそんなに頼りないかな?」
亜美と同じく蚊帳の外だった今回、奈月はそんな事を言う。

痛々しい感じで首を振る奈美。
奈美准尉「、違うんです。ゲホ、ゲホ。時間がなかったので、す。急でしたし。

演習に出ていた第二小隊を呼び戻す時間がなかったから。
一緒に基地にいたら、奈月お姉ちゃんにも話してお願いして、ゲホ、ゲホ。頼りないわけないです。
いつも頼ってばかりで。ごめんなさい。」
と苦しそうに答え奈月の手を握りしめる。

奈月中尉「良いんだよ奈美、支えたいから頼っていいんだよ?今はゆっくり休んでね。」

奈美准尉「うん、奈月、ゲホ、お姉ちゃん。大好き。だから蚊帳の外だったと思わないでくだ、さい。
いつも頼りにしてます。確かに一緒にいてただけたらこんなことはなかったと思います。
奈月お姉ちゃんとゴーストさん達が居てくれるから私は、ゲホ。したいことができるのです。
いつもありがとうござ、い、ます。ゆっくり休みます。」
と言う。

奈月はそう見守る中で、真木と亜美が明日香に連れられて入って来た。
真木少佐「奈月、先に来ていたんだね。」
奈月中尉「はい、心配でしたので。私もあの作戦に参加できれば良かったんですが。」
真木少佐「良いんだよ、結果解決できたんだし万々歳だ。」

奈美准尉「真木さん、ご、ゲホ。めんなさい。真木さん巻き込んで、しまって。」
 

そして亜美には
奈美准尉「良かった。ゲホ、亜美姉さん。守れた。みなさんの、ゲホ、お陰で亜美姉さんそっくりに、

ゲホ、なれた。うれしい、です。」
と目を潤ませて言う。

亜美戦隊長「、、、もう素敵な髪まで切って。。私の事を守ってくれてありがとう。ゆっくり休んで。

でも後で営倉にはごめん、入ってもらうから。」

真木少佐「部隊の示しが付かんからな。仕方ないよ。アタシも入るしね。」

奈美准尉「はい、ゲホ、もちろん、入ります。ところでゴースト、さんは?」
殴られて昏倒し倒れてから目覚めるまで何も知らなかった奈美は聞いた。

真木少佐「ゴーストは、銃弾を喰らって治療中だ。明日香、ゴーストの容態は?」

あちゃー、やっぱり聞いてきたかと思い司は嘘をつかずに真実だけ話す。
司軍医長「大丈夫だよ、肩に一発食らっただけ、貫通してるし。おとなしくしてれば問題ない。
まだ意識は回復してないけど。そのうち目を覚ますよ。」

泣き出した奈美。
奈美准尉「、、、また、いつも。私の為に、ゲホ。私はどう恩を返せばよいのでしょうか。」
とベットから立ち上がりかけゴーストの所に行こうとする。

真木は奈美を抑える。
真木少佐「今更じゃないか。そんな気に病む必要はないよ、アンタが元気に一緒に居てくれれば十分恩は返せてるさ。」

亜美戦隊長「そうよ、一緒にいつもいて微笑んであげれば彼は喜んでくれるわよ。
さあ、泣かないの。早く復帰してもらわないと困るから。」
とベットに戻す。

ちょっと動揺している気がするので司は奈美を眠らせようと睡眠導入剤を飲ませる。
司軍医長「大丈夫だから。今は安静にして寝てようね。」
と3人に目線を送って、そろそろ戻ってもらうようにする。

奈美がうとうとし寝始める。
真木少佐「んじゃあ、そろそろ失礼するかね。」
亜美戦隊長「そうね、私も執務に戻ります。さすがに今回の件でまた書類が増えたので。」
と戻っていく。

奈月中尉「それじゃあ奈美、私も失礼するね。」
そうして3人は出て行った。
司も布団を奈美に掛けなおして出ていく。

朦朧としている意識の中で奈月に手を振る奈美。
そうして、奈美は寝ていると、誰かが苦しんでいる声が聞こえた。
助けられなかった部下、家族の苦渋のうめき声が。あこれゴーストさんの思いだ。
とそこで目が覚める。
夜中であった。

奈美はふらつきながら病室を出て、その思いが聞こえた方の病室へ病人服のまま行く。
あ、ここだと扉をそっと開け中を見る。
ゴーストが見えた。近くによると、うなされている様だった。

どうしようとオロオロしていた奈美であったが、失礼しますと
ゴーストのベットに入り負傷していない右肩に寄り添って手を握りしめ、片手で頭をなでる。
奈美准尉「ゴースト、ゲホ、さん、亡くなられた方々はそんなこと思ってませんよ。
(それにこれはお爺様?優しそうな方、確かゴーストさんが生まれる1年前に亡くなられた方では)。」
と夢に干渉して奈美が見えたものを送り込む。

ゴーストは苦しんでいた。夢の中で。家族をBETAに殺され、部下も戦死させて。みんな恨んでいるだろうなと。
苦しんで悲しんでいた。寒かった。ひたすら悲しく寒かった。だが、何故か途中から暖かくなってくる。
皆が優しそうに微笑んでる。生きろと言う。お父さん、お母さん、お姉ちゃん。

そして元ゴースト分隊の部下が敬礼して去っていく。

最後に、旧日本帝国陸軍の軍服を着た曹長の階級を付けた方が微笑んでゴーストを見ていた。
あ、これは母方のお爺ちゃんだ。写真で見たことしか無いが、この微笑んだ顔は間違いない、
そしてその軍刀も今ゴーストが持っているものと同じであった。

微笑みながら、よく護ったな。だが詰めが甘い。だからあの子も負傷し、お前も負傷することになった。
今後はそのことを忘れないように努力を重ねることだ。あとは今回は間に合わなかったから仕方のないことだが、
弥栄中尉殿も頼ること。彼女の銃の腕は抜群だ。こんな時こそ一緒に居てもらいなさい。
と話しかけて軍刀をゴーストに渡し敬礼して去っていった。

ゴーストは暖かい感じがして涙を流して、目を覚ます。
翌日なのかわからないが、朝の光が、差し込んでいた。
ふと、右腕を見ると奈美さんが手を握っていてくれている。
奈美准尉「、、、おはよう、ゲホ。ございます。いい家族ですね。それにお爺様素敵な、ゲホ、軍人さんでしたね。」
と顔を赤くしながら優しく微笑みながら言う。

ゴースト准尉「な、ななななんで奈美さんがここに。ていうか俺、そうか気を失ったんだ。」
とオロオロ赤くなる。

それをドアを少し開けて見ている明日香。
司軍医長「いけ、ゴーストちゃん。これは今度こそ押し倒すしかない。w」



そんな明日香を真木は後ろから首根っこを掴んで、こちらを向かせる。奈月も来ており、そっとドアを閉める。
真木少佐「このヤブ医者...アイツらの邪魔をするなとあれほど...。」

奈月中尉「そうですよ、見てはいけないですよ。」

明日香は首根っこをつかまれてみゃーと言いつつ。
司軍医長「ちがうもん、じゃましてないもん。外野から応援してるだけだもん。
少し見守るくらいいいじゃん。ちゃんとストップさせないといけないところはちゃんと医者として
見てあげないといけないもん。」
と言う。

そしてニマーとしながら。
司軍医長「で、二人は興味ないの?あの子たちの進捗がw」

真木少佐「じゃあかしい、それが邪魔になるんだっつうの。進歩なんぞ知らん、親友として2人はちゃんと

仲良くすればそれで良いじゃないか。」

奈月中尉「ま、まぁ気にならないと言えば嘘になりますけど...。」

明日香はやっぱりと思い。
司軍医長「ほらほらほら、気になるなら見守ってあげようよ~、二ヒヒ。沙奈江もその気持ちはあるのは解ってるよ。」
と言って、再び覗こうとする。

真木少佐「ダメだっつってるだろうが。せっかくだ、アタシとこのまま営倉にはいるか。アタシと頭冷やしに行こう。」
またもや首根っこ掴んで引き戻しそう言う。

司はしかたないな~と思いながら。
司軍医長「しかたないなあ。じゃあ沙奈江と一緒に営倉に入ってお酒飲むかw。」
なぜそうなるのか私悪いことしてないもんと一升瓶を見せて営倉に真木と一緒に行く。

真木少佐「守衛に酒取られても知らんからな。行くよ。」

司軍医長「私、悪いことしてないから大丈夫~。なんなら一人で飲むもん。沙奈江の監視ですっていうもんw。」
司は真木に引っ張られて連れていかれる。

残された奈月中尉。
そういえば昨日夜寝ていたら不思議なことがあった。旧日本帝国陸軍の曹長の軍人が
弥栄中尉殿、戦友として孫の事を頼みますと言っていた。あいつはそそっかしく危ないところがあるからと。
会ったことはないはずだがあの軍刀はゴーストと持っているものと同じであった。

奈月中尉「あの夢の軍人さんは...ゴーストさんの家族、なのかな...。」
不思議に思った奈月であった。

そして独立機械化工兵戦術機中隊待機部屋に場所は移動する。
丸芽特務大尉「後でゴースト准尉に渡したものを返してもらおうか。まあ空のケースに粘土を詰めただけの代物だし、
ブラフ以上の何にもならないから持っていてもらっても構わないが」
畑中副官「それならおそらくですが今ごろ爆発物処理班がバラしてると思いますよ。出処も問題になりかけましたし、
そのうちあなたもお叱りを受けるんじゃないですか?」
丸芽特務大尉「まあいいさ、元から出るところには出るつもりだよ」

(実際には亜美戦隊長は知っていて工兵部隊にはお咎め無しという事でC4もどきの件はもみ消していた。)

こうして亜美の暗殺は阻止することができ、クーデター派の一部は逮捕された。
だが主力のメンバーたちはまだ健在であった。

帝都守備連隊基地内
駒木中尉「、、、発案して暗殺まで企てて失敗するとは、まったく無能でしたね。あの方々は。」
沙霧大尉「問題ない、こちらの事はまだつかまれていない。南條中将と三芳中将か、やっかいな上官だ。
なんとか時が来るまでに時間を稼がねば。」

暗雲が立ち込める帝都東京。果たしてクーデターは実行されてしまうのか。
まだ未来は不安定であった。
END

南條の執務室にて、
七瀬秘書官「...早雲亜美戦隊長暗殺計画阻止作戦の報告は以上です。」

南條中将「七瀬君、これでクーデター派の一派は壊滅したと思うかな?」

七瀬秘書官「いえ、そんな筈はないかと。恐らく今回の件の逮捕者からの尋問でクーデター派の首領を割り出せれば。」

南條中将「無理だろうな、どんな手を使っても口を割らないだろう。時間稼ぎをされるのが関の山だろうな、
クーデターは起きる前提で動かなければならないか...。
香月博士に連絡を取ろう。起きてしまうであろうクーデターへの被害を最小限に防ぐためにね。」

こうして南條中将達は実行されてしまうだろうクーデターに備えて奔走するのであった。
今度こそEND