真木と両親との話亜美編
時は1999年夏頃に。戦隊は着実に戦力を増強し、練度は上がっていた。
西には司令部への異動と中佐への昇進話があったがそれを蹴って戦隊に残る道を続けていた。
現在7月の初旬頃の真夜中。
暑い時期に奈美はうなされていた。。
何かの大規模な作戦が発動されている、その中でG弾を強硬に撃たれて戦隊が、
そして国連軍でさえも事前通達が無いままにその巻き添えを食らった。
ある日本帝国軍の士官はそれにかなりの怒りをぶつけている。。。
そこで目が覚める奈美。汗でびっしょりで、夢遊病のようにふらつきながら部屋を出て
ふらふらとあてもなく移動していた。どうすればいいのかと。頭が痛いと思いながらも
気が付いたら、、整備ハンガーに来ていた。
今週はアラート待機等の番は南條中将の部隊が即応体制なので夜間は誰もおらず
がらんとしていた。
整備班は寝ている中で、真木はタバコを吸っていた。
真木班長「うん?奈美か、どうした?斯衛軍人たる者...いや違ったね、
軍人たる者休める時には...ってどうしたんだいその汗は?」
真木はどう見てもおかしい奈美の状態にタバコをすぐに消して駆け寄る。
真木に駆け寄られた奈美はあぶら汗をかきながら崩れ落ちそうながら、真木を抱きしめて
そしてプロジェクションに近い力を使って夢見で見たことを見せる。
真木班長「な、なんだいこれ...。こんな事が本当に起きるってのかい?無駄死にも良い所...。」
見せられた物に困惑するも、内容に憤った。
震えながら答える奈美。
奈美准尉「、、、ごめんなさい。言葉にできないです。ここまでの事が起こってしまうかもしれないです。
でも、今なら皆さんがいます。何かできることは、ないでしょうか。」
とぐったりして言う。
真木班長「とにかく南條中将と亜美に言うべきだ。アタシも斯衛に具申してみるよ。今は休みな。」
そう言い、奈美の頭を撫でる真木。
奈美准尉「おね、がい、します。ごめん、なさい。」
と言い奈美は頭を撫でられ嬉しそうにしてそのまま気を失う。
真木は奈美を医務室に預け、戦隊長室に赴いた。
真木班長「亜美、失礼するよ。緊急だ、奈美が夢見したみたいだよ。」
亜美戦隊長「この所何も無かったのですが、そうですか。。
紫音、すぐに西と凜大尉、あと菅中尉と奈月中尉も呼んで。
コーヒーを人数分お願い。」
と言い先に状況を聞く。
真木班長「ついでに南條のオッサンも頼む。早急に伝えるべきだ。」
亜美戦隊長「もちろんです、今極秘回線で連絡しています。」
とそこに西と凜大尉、菅中尉、奈月中尉が急いで入ってくる。
亜美戦隊長「南條中将、夜中に申し訳ありません。緊急事項です。奈美が夢見を見ました。
今すぐ相談したいです。こちらの状況を知ってる人員を今集めています。」
奈月中尉「入ります。奈美が夢見をしたと聞いてきました。」
亜美は奈月にすこし待っててと言い通信に専念する。
同時に南條からの通信が入る。
南條中将「(なるほど、極秘とは言え漏れる事を考慮しよう。すぐに向かう。先に始めてくれ。)」
亜美は承知しましたと通信を切る。
西少佐「亜美、どうした?奈美ちゃん大丈夫なの?」
と声をかける。
凜大尉「何事ですか?緊急事項とはただ事ではなさそうですが。」
菅中尉はそれぞれが話しているので黙っている。
各自から言われて亜美は答える。
亜美戦隊長「ええ、奈美は大丈夫。今医務室で見てもらってるから。
今後の対策を考えたいので皆さんを呼びました。
たぶん来月の初旬に大規模反攻作戦が発動されると思われます。その時に
我々はもしかしたら、全滅の可能性があります。ですが今は、佐渡島の時のように
何か変えられるかもしれない。だから率直な意見を聞きたいのと今後のやれることを相談したいです。」
と簡単に説明する。
真木班長「奈美は、アイツは味方がいるにも関わらず何かデカい爆弾を使って、
味方諸共BETAを殲滅する夢見をアタシに見せたんだ。
本当だとするならば、その時点でBETAに勝てたとしても将来戦う衛士を沢山巻き込む事になる...。
そうしたら人類の劣勢に更に拍車がかかるとしかアタシには思えないよ。」
亜美戦隊長「私もそう思います。
、、、デカい爆弾。そこまでのであればG弾しかないと思いますが。。。
どこの軍が。味方もろともとは酷すぎる。推測ですがこれはやるとしたら米軍しかないと思います。
なぜなら国連軍まで巻き込まれていると考えるなら、参加国の中ではそれができるのが米軍しか無いはず。。」
と思案する。
西少佐「米軍の若手将校からはそんな話は出ていない。だが首脳部はG弾を評価しているはず。
なんせ、初期の頃それで月からの落着を止めたからな。だがそれを日本でやるとは。。」
真木班長「本当、馬鹿げた話だよ...。」
そんな中、南條が到着する。
南條中将「すまない遅れたよ。奈美ちゃんは今度は何を見たんだい?。」
真木が説明すると、南條は顔を歪ませた。
南條中将「巻き込まれると言う事は...G弾の無勧告投下だろうな。本来ならあり得ないが...米軍なら考えられる。
何せ日本が落ちれば、次はアメリカになる。完全に関係を断てないが、確実に全滅したいならやるかもしれん。」
亜美戦隊長「そこまでするとは。。どうするかは時間はあまりありません。
南條中将、ここは政治的な話になるかと。メインは南條中将にお任せするしかありません。
あとはその大規模反攻作戦で国連軍を含めてその時にできる限り撤退もしくは退避させられるか
我が戦隊はどこかのタイミングで他部隊に連携してできる限り生き残らせたいです。
それは許可いただけますか?このままでは、、、。」
と南條に提案する。
亜美戦隊長「あとは、これはどこまで我々が聞いていいのか解りませんが。。。
この大規模戦は何が行われるのですか。日本帝国軍、アジア連合軍、米軍、そして国連軍主導?
となるとかなりな事をやるのですね。」
南條中将「勿論だ、出来ることを精一杯やってくれ。
それに関しては、横浜ハイヴを放置する訳にはいかんからな...悲しいが、日本のみで対抗するのは難しいんだよ。」
亜美戦隊長「、、、横浜ハイヴを殲滅させるのですね。これは確かにアジアでの重要な反攻作戦ですね。
是が非でも達成させなければ。解りました。我々は現場でできることを精一杯行います。」
と、お墨付き?をもらい亜美はほっとする。
亜美戦隊長「では、上層部や各国との連携は南條中将にお任せします。
私は、、斯衛、特に現場の方々と連携したいと思います。
真木さん、時間がずいぶん経ってしまいましたが正式にですがご両親に謝罪と私たちの事と今後の話をしたいです。
お取次ぎ願いますか。
西、貴方はできる限り米軍の若手将校の方々と連携して。別にスパイしてという事ではないから。
連携できることはして、今後につなげたい。これだけの事がもし起こるのであれば、米軍とは
今後関係性がまずいことになると思うわ。
凜大尉は横浜ハイヴ殲滅作戦での我が戦隊の動きの基本方針を策定してほしい。
後から南條中将より正式に命令があるけど先に動ける内容は詰めておきたい。
菅中尉は衛士より対防諜関連を優先して。
奈月中尉は。。凜大尉の補佐と余力があれば、、可能であればゴースト准尉と連携して奈美のフォローをお願い。」
と各自に指示を出す。
南條中将「無論だ。衛士達の損失は人類敗北に拍車を掛けることになるだろう...。
それだけ人材は大事だ。なんとしても損失を減らせなければな。」
真木班長「うん?お袋にか?亜美の頼みなら断らない筈さ。取り次いでおくよ。」
奈月中尉「了解しました。」
西少佐「もちろん。そう言う伝手は切れないものだ。だが奢らず今まで通りの関係性を保つことをしておく。」
凜大尉「解ったわ。奈月中尉とあと東野中尉とも連携してやっておくわ。」
菅中尉「承知しました。我が戦隊には手出しさせませんわ。」
とそれぞれ答える。
亜美戦隊長「皆、有難う。宜しく頼みます。。とりあえず今日の所は解散で。
南條中将わざわざ来ていただきありがとうございました。」
と、解散させてから奈月中尉を呼び止めて話す。
亜美戦隊長「奈月、ごめん。この様子じゃ今日も徹夜になりそう。ゴースト准尉には一報は入れて医務室へ行かせてるけど
ちょっと奈美の様子見てあげてくれる?。ごめんね。長女としてふがいないばかりで申し訳ないけど。。」
と伝える。
奈月はそれを聞き頷く。
奈月中尉「はい...いや違った。うん、奈美の事は任せて姉さん。」
その返信に嬉しそうにほほ笑む亜美。
亜美戦隊長「うん、頼むわ。私の可愛いもう一人の妹の奈月。」
と言い執務に専念する。
翌朝、亜美は徹夜明けで戦隊の業務や調整事項、奈美の夢見の件で忙殺されていて
紫音にコーヒーを入れてもらい少し休憩してた。
亜美戦隊長「(、、、いつも時間が足りなさすぎる。その中でも最善の選択をしていかなければ)」
と目をさする。
そんな中、真木が入って来た。
真木班長「徹夜明けすまない。お袋から今日なら都合が付くみたいなんだけど...、流石にやめといた方が良いと思うが...。」
亜美戦隊長「いや、行きます。真木さんお願いします。できることはやっておきたいですから。
それに今を逃すとまたずるずると先延ばしし後悔することにもつながるかもしれません。
少しさっぱりしたいのでシャワーだけ浴びさせてください。」
真木班長「構いやしないけど...、疲れてる奴を連れて来て何言われるか...。」
真木は頭を抱える。
亜美戦隊長「ごめんなさい、これは私のわがままです。でも戦隊の未来のため、私達がより良い選択をするために
どうしてもしたいのです。大丈夫です。少ししゃっきりしてきます。支度に30分時間ください。終わったら連絡します。」
と少し足取りが重いものの戦隊長室を出ていく。
戦隊長室に残された真木。紫音が声をかける。
橘副官「真木さん申し訳ない。でもどうしてもやっておかないといけない事なのですよ。
あの姉妹は、、真木さんを、、皆を死なせなくないのですよ。だから自分達の事は後回し。
でもだから支えたい。これが終わったら一区切りですら、休ませます。だから申し訳ないですが、お願いします。」
と亜美の意を汲みたい紫音は言う。
真木班長「自分が倒れたら本末転倒だってのに...、あぁ分かったよ。」
頭を掻いて答える。
橘副官「そうですね。そこまではさせません。ちゃんと体調管理は私の方でも見てますので。」
二人は亜美を心配するもやりたい事をさせてあげるために動く。
そして急いで亜美はシャワーを浴びて正式な軍服に着替えて亜美は真木に連絡する。
亜美戦隊長「お待たせしました。しゃっきりしました。どこに行けばよいでしょうか。
今から可能です。」
真木班長「あぁ、お袋達が勤務している斯衛軍戦術機研究所に来いって言ってたよ。
場所は知ってるから案内できる、ついて来てくれ。」
亜美戦隊長「有難うございます。ではそちらの研究所に行きますか。」
と真木について行く。
到着した研究所にて、会議室に案内された。
真木舞香「いらっしゃい亜美戦隊長、こんな所に呼び出して申し訳ないわね。」
真木政宗「来たか沙奈江、なんの様だ?。」
沙奈江の母で斯衛軍技師中佐の真木舞香と同じく沙奈江の父で斯衛軍技術少佐真木政宗が出迎えた。
真木班長「んだよ親父もいたのか、用があるのはアタシじゃねぇよ。亜美戦隊長だ。」
亜美は立ち上がり最敬礼でまずは頭を下げる。
亜美戦隊長「その節は色々有難うございました。今回は私、早雲亜美が陸軍第零独立強襲戦隊の部隊長として
奈美の姉としてきました。」
と真木の両親に話をする。
真木舞香「コレはご丁寧に。良いのよ、そもそもウチの娘達が迷惑掛けたのですから。」
真木政宗「あぁ...ありがとうと言うならこちらが言うべき事だ。」
亜美は真木の両親に感謝しつつこれは、真木さん驚いてるだろうなと
お父様がこんなことを言うなんてとちらっと真木を見てから話す。
亜美戦隊長「そういっていただけると嬉しいです。すみません、これから話すことですが、
私達姉妹に関することを含めてご相談したいことがあり、お時間をいただきました。
まずは、、疑って申し訳ありませんが、この部屋の防諜は大丈夫でしょうか。」
真木舞香「防諜ですか?それなら適任者が既にやってますから大丈夫ですよ?ね?菊間君?」
そう言うと、天井からノック音が聞こえた。どうやら今回は姿を現さないようだ。
やれやれ、抜け目ないと思いつつも安心して。
亜美戦隊長「菊間整備兵なら問題ありませんね。では、お話しさせていただきますね。
まずは前回奈美准尉が正宗少佐殿にお見せした件は、あれは真木さんが戦死した先の未来の内容です。
そこには私たちはいません。私たちは同じ時代にはいませんでした。
ですがなぜか私たちは幸運にもこの今の世界にいます。
そして九州防衛戦で真木さんは生きたいと強く思っていた。その思いが通じたのです。
それに真木さんは得難い存在です。真木さんのおかげで両親を戦死させてしまった絶望から
私達姉妹は救ってもらいました。それに佐渡島防衛戦でも。。
だから私達姉妹は今を生きて行けてます。本当に助かっています。」
と一瞬真木を優しく見つめて視線を真木の両親に戻す。
真木班長「ったく照れるような事ばかり言いやがってこの!。」
そう言って亜美の髪をクシャクシャに撫でる。
真木舞香「あらあら...。沙奈江はいつの間にそんな立派になったのね。お母さん、嬉しいわ。」
真木正宗「...流石我が娘だ。」
真木班長「あっ?なんだって?」
真木正宗「斯衛の真木家としての役割は果たしているから問題ないと言っただけだ。」
真木班長「チッ、愛想ねぇクソ親父だ事。」
撫でられた亜美はこの時ばかりは奈美と同じように嬉しそうにほほ笑む。
亜美戦隊長「ごめんなさい。でもそれが私達姉妹の本心ですよ。
それに素敵なお父様ではないですか。不器用ではありますがそれでも
しっかり真木さんをほめてらっしゃいましたよ。」
と答える。
そして表情を改めて。
亜美戦隊長「、、、そして次が本題です。もう斯衛の現場の部隊に話が下りてきているか解りませんが、
おそらくですが、来月初旬に大規模反攻作戦が行われます。本土の領土の奪回作戦です。
斯衛軍にも出動要請が出るかと思いますが、、、問題はその作戦中、どうやら現場に無通告で
G弾を複数使われると思われます。奈美の夢見がそう告げてます。
できる限り、将兵を生かして返しあげたいです。上は南條中将から動いて頂いてますが、
現場で出来ることを私は考えています。
で、何が今の時点でできるか、そしてその日に何ができるか、
どれだけ救えるか解りませんが、相談させていただきました。
こんなあいまいな話で申し訳ありません、しかし救える将兵は救いたいです。」
と真木の両親に話す。
真木舞香「今更貴方を疑うつもりもありませんし、気持ちは痛いほど分かりますが...私はあくまで技術中佐。
確かに佐官クラスではあるけど一介の技術佐官の言葉を信じてくれるか...証拠を出せと迫られるのは確実にあるわ。
でも...出来ることはしたいわね。」
真木正宗「確かに、確実な証拠を出したいが君の存在を出す訳には行かん。」
亜美戦隊長「、、、はい、その通りです。私達は表に、特に能力については出せません。
それをすれば真木さんや支えてくれている方々にも迷惑をかけるどころか、自身さえどうなるか。。
それでも私達の両親はこう言った時は親しい戦友や友人達と協力して現場でできることをやっていました。
ですからどうか現場で出来る事を斯衛でもお願いしたいです。せっかく真木さんのご両親にもお目通りできたのですから。
人は宝です。一人でも多く助けたいです。」
と、懇願する。
真木舞香「そうね...ダメ元でも司令部などに声を掛けてみるわ。それに...菊間君、聴いているでしょう?
閣下にもその情報伝えて警戒をして貰ってくれないかしら?。」
了承したのか、ノック音が天井から聞こえた。
亜美戦隊長「有難うございます。上は上で南條中将が動いてくれますが、現場でできる事があれば
斯衛側でも宜しくお願い致します。菊間整備兵もよろしくお願いいたします。
ご理解有難うございます。」
話を聞いてもらえ亜美は安心した。全体的には何もできなくてもこうやって知り合えた方々の
知りあいだけでも最低限助けたいと思っていたから。
そして最後に戦術機の技術面について聞きたいことを聞いてみる。
亜美戦隊長「あと、これは答えられる範疇で構いません。無理ならこのまま自部隊で研究開発してみますが。
我が戦隊独自で戦術機の機体改修を真木少佐率いる整備部隊に依頼してます。
その中で、1点うまく行っていない点がありまして。
それは戦術機の基本OSの改修作業です。今の戦術機にはソフトウェア的に制限が多すぎます。
そこに目を付けて、菊間整備兵を中心に改良をしていますがうまく行っていません。
もし斯衛側で何かそんな研究をしているとか、その手の人材が友人等にいらっしゃればご紹介いただきたいのですが
可能でしょうか。詳しい話は真木整備班長もしくは実際に対応してくれている上の↑菊間整備兵に聞いて頂ければ。」
と天井に目線を送り伝える。
真木舞香「OS関係か...確かに例え機体をどうにかしてもソフトウェア関係の改良もしなければいけないわね。
機体ばかりの改良しか見てなくて、盲点だったわね...正宗さん、どうかしら?。」
真木正宗「確かに改良すべき所だろう。だが直ぐにどうにかなるなら、画期的な物は既に出ているはずだ。
不知火壱型丙がその例だろう、出力を上げ、OSによって稼働時間を延長をしたが操作が玄人向けになったからな。」
亜美戦隊長「なるほど、、そうですよね。不知火が基本今までのOSの到達点ですかね。
これを一新できるような事ができるのはなかなか難しいようですね。
玄人向けになるのはなるべく避けたいですね。新兵にでも動かしやすいOSが望ましいですね。」
亜美戦隊長「今すぐには無理かと思われますが、こちらも予算確保して長い目で見てやってみます。
もしよければこれからもこの手の事で交流ができると嬉しいです。
ご迷惑でしたら申し訳ありませんが。」
と恐縮して言う。
真木舞香「勿論、交流させて頂くわ。人類勝利の為にも協力できる事は協力しなければいけないわよ。ね、正宗さん?。」
真木正宗「あぁ...全てはこの国と臣民の為、そして人類勝利の為だ。」
亜美戦隊長「有難うございます。そう言っていただけると嬉しいです。
協力できそうなことがあれば、また連絡させていただきます。
本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。」
亜美は立ち上がり、会釈式の敬礼をして立ち上がったがふらつき倒れそうになる。
それを真木は支えた。
真木班長「言わんこっちゃない!徹夜明けで無理なんかするから!。」
真木舞香「なんですって?ダメじゃない亜美さん。戦隊の長が1番体調も大事にしなければ示しが付きませんよ?。」
真木正宗「そこまでして、我々に会いに来た事は有り難いが、寧ろ体調が良い時に来てくれれば良かったのだが...。」
亜美戦隊長「う、、ぐ(汗 申し訳ありません。この所、色々やらねばならないことがありまして。徹夜続きで。
申し訳ありません。でも大丈夫です。どうしても真木さんのご両親にお会いしたかったのと
今後の相談をしたかったので。また良かったら奈美と共にお会いできればうれしいです。
宜しくお願い致します。」
と言う。
真木舞香「沙奈江、此処の仮眠室の場所を教えるから亜美さんを休ませて。」
真木班長「お袋、良いのか?。」
真木舞香「あら?それなら...斯衛軍中佐として命令します。過剰に自身を酷使した早雲亜美少佐を、即刻仮眠室で休ませなさい。
強制的にでも構わないわ、復唱。」
真木班長「はっ!これより早雲少佐を仮眠室に連れて参ります!。」
亜美戦隊長「い、いえ。大丈夫です。まだ帰ってやらなければならないことがあります。
ですから。(汗)」
と答える。
真木舞香「悪いけど、此処は斯衛の管轄よ?そんな体調の人を返すなんて出来ないわ。」
真木正宗「まぁなんだ...。観念するんだな亜美少佐。」
真木班長「って事だ。そんな調子で仕事なんぞできやしないよ。休みな?。」
亜美戦隊長「あの、その(汗 今日は休みますから、戻らせてください。
ちゃんと引き継いで寝ますから。。」
と真木家の圧力に冷や汗が出そうになる。
真木舞香「あら強情ね。素敵だけど、今は素直に従いなさいな。」
真木班長「だなお袋。」
2人に両脇を抱えられ、抵抗できなくされた。
真木舞香「正宗さん、先に仮眠室を押さえてください。"必ず"亜美さんを連れていきますので。」
真木班長「って訳だ、早く行け親父。」
真木正宗「2人とも...分かった。押さえてくる。」
そう正宗は出て行った。
孤立無援な亜美。。うなだれて。。
亜美戦隊長「はい、解りました。従います。。。。申し訳ありません。」
とおとなしくしている。
あれよあれよと言う間に、仮眠室のベッドに横になった亜美。
真木舞香「私達は仕事に戻るわね。沙奈江、亜美さんがちゃんと休めてるかしっかり見張ってなさい?
快調になるまで出て行ってはダメだからね?」
真木班長「勿論だよ。最近オーバーワークだからなぁ。」
亜美戦隊長「はい、ちゃんと休みます。あの、ごめんなさい、真木さんお願いが。。。(ごにょごにょ)」
と恥ずかしそうに何か言った。
真木班長「ん?どうした亜美、トイレとか言って逃げるのか?。」
甘えるように膨れっ面になる亜美。
亜美戦隊長「もう、そんなことしませんよ。、、寝るまでで良いです。手を握ってもらえませんか。
寝ると、、、前世の最期の夢を見ることが多くて。少しでも今の夢が見たいので(真っ赤)。」
と言う。
そう聞いた真木は、一度驚くも直ぐに優しく微笑んだ。
真木班長「あぁ良いぞ。あっ、それなら...。」
そう言い、真木も亜美が横になるベッドに入り横になった。
真木班長「手を握るだけじゃなく、添い寝もしよう。これの方がもっと安心出来るんじゃないか?。」
まさかの添い寝にすごく恥ずかしそうになる亜美。
亜美戦隊長「は、恥ずかしい(汗 でもうれしい。これなら良い夢が見れそうです。」
と嬉しそうに手を握り、すぐに寝落ちする。やはりかなりのオーバーワークだったのかクーと少しいびきが聞こえる。
寝顔は安らかであった。
安心した寝顔を見た真木は、亜美の頭を撫でた。
真木班長「ったく、無理しずぎなんだよ...ゆっくりお休み、亜美。」
こうして、亜美は夢見がよくゆっくりと3時間ほど寝れた。
昼過ぎ頃に目が覚めた亜美。。。
亜美戦隊長「う、ん。。ここは。あそうか、倒れかけて寝かせられたんだ。。」
隣には真木が大きないびきをかいていた。
亜美戦隊長「、、真木さんも整備で色々やってもらって激務で疲れてるんだ。。そんな時に申し訳ない。」
と思いつつも真木の寝顔を見たことが無かったのでふふっといたずら心が出て、頬をつんつんする。
亜美戦隊長「、、、真木さんごめんなさい。そろそろ帰りましょう。」
真木班長「んあぁ?...って、アタシもいつの間にか寝てたのかい!
ったく、最近寝不足なのは自覚してたけど...あぁ、帰るか。アタシ達の居場所へ。」
亜美戦隊長「はい、真木さんのご両親に挨拶して家に帰りましょう。、、、
皆ちょっと交代でちゃんとお休みさせないといけませんね。
反攻作戦までに少し時間があります。3交代制にして完全にお休みさせましょう。」
と伝える。
真木班長「そうだな。」
斯衛の基地のゲートにて。
亜美戦隊長「ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。ちゃんと体調管理して行きます。
OSの件は真木整備班長や菊間整備兵から何か進展等あれば連絡いたします。
では(敬礼。」
と真木の両親に挨拶をする。
真木舞香「そんな畏まらなくて良いわ。
私達は、亜美さんと奈美ちゃんは親戚の叔父さん叔母さんみたいな扱いでいいからね?。」
真木正宗「OSに付いてはこちらでもなんとかしてみよう...まぁなんだ。気を付けてな。」
亜美戦隊長「そんなにも思っていただき有難うございます。
今度は奈美も連れてきたいと思います。その時は宜しくお願い致します。
親戚の叔父さん、叔母さん。。。嬉しいです。はい、有難うございました。」
と二人に言葉をかけて真木と二人で戦隊の基地へ帰る。
亜美戦隊長「、、、とても素敵なご両親じゃないですか。お父様も口下手なだけで
とてもいい方ですよ。奈美が取り持ってくれてよかった。」
と真木に話す。
真木班長「単に外面が良いだけだ...帰るよ亜美。」
そっけない言葉に亜美はやれやれと思うが、それ以上は言わないようにする。
そして戦隊に戻り二人で戦隊長室に入ると。。。
あらかじめ真木から連絡を受けてた紫音が顔は笑っているようだがお怒りなのと
西が戦隊長の執務机に偉そうに座って亜美の名前が本来置かれているネームプレートが変わっている。
そこには【第零独立強襲戦隊臨時代理戦隊長西武子少佐】
と書かれている。
隣で東野中尉がまたおバカな事をとジト目で西を見ている。
亜美戦隊長「あの、ただいま。これはどういう事?。」
真木班長「このまま帰しても、亜美がまたオーバーワークをするだろうから先手を打っただけだよ...。
ってか、なんだこのネームプレート。わざわざ作ったのかよ...。」
西の行動力に呆れる真木。
西少佐「もちろんですぞ。真木殿。これから一週間は私が代理で戦隊長を務めます。
とりあえず、亜美と真木殿は即刻今日から3日間休暇です。異論は認めません。
後は私が指揮を執ります。整備班にもちゃんと通達だしてますので宜しくおねがいしますぞ。」
とさらにふんぞり返って偉そうに言う。
亜美戦隊長「いや、あの私が決裁しないことがまだいっぱい、。」
それを聞いた紫音が笑っているが怒りマークが見える顔で亜美をお姫様抱っこして言う。
橘副官「亜美、、そろそろ自身の事をちゃんと考えてください。斯衛の基地で倒れかけたとかもう、本当に心配しました。
ですから強制的にお休みさせます。あと真木さんもちゃんと休んでください。」
と亜美をそのまま抱えて自室に強制的に連れて行こうとする。
亜美戦隊長「や、ちょっと紫音?これは。。(汗)」
真っ赤になる亜美。
橘副官「聞きませんよ。亜美が言う事聞かないので。」
それには真木も驚く。
真木班長「はぁ?アタシも?いやアタシは昨日休んだはず...。」
西臨時代理戦隊長「だめですぞ、二人とも激務なハードワークなの知ってますので
たまにはちゃんと部下のいう事を聞きましょう。紫音、真木殿も連れてって。」
と言う。
橘副官「承知しました。ではこのまま整備ハンガー経由で行きますので。」
亜美戦隊長「ちょ、ちょっと紫音本気??このままで行くの?西じゃないんだから。放して。」
と紫音の胸をポカポカと叩くが紫音は意に介さず。
真木班長「あーあ...、まぁとりあえずついて行くかね。」
と紫音は真木も連れてそのまま整備ハンガーに行く。
橘副官「失礼します。真木整備班長をお連れしました。このまま休息させてあげてください。
整備班もちゃんと3交代等でやって休息取ってくださいね。」
とお姫様抱っこしながら言う。
亜美は恥ずかしくて黙って顔を手で隠して見えないようしている。
上月副官「了解しました。少佐、何度も言ったのに...。
今日こそは大人しく休んで下さいよ?仕事は落合さんにお願いしましたから。」
真木班長「あぁ...、そこまで言うなら...。」
橘副官「上月副官、後はお任せしますね。私は、戦隊長を寝かしつけてきますので
失礼いたします。」
亜美戦隊長「だから、もう解ったから。ちゃんと休むから下して。。(真っ赤)。」
と周りの整備兵の目に耐えられず、また心の声が聞こえて恥ずかしがっている亜美。
真木班長「んな事言って休まないんだろ〜、アタシにはお見通しだよ?。」
目を細めて言う真木と違いないと整備班の中から聞こえた。
上月副官「そのセリフはそのまま少佐に返しますよ。貴方もちゃんと休んで下さい、なんなら橘副官みたいに...。」
真木班長「んな!分かってるよ!。」
橘副官「駄目です。どうせどこかで業務しようとしてますよね?解ってますよ?
それに私も一緒に休みます。だからこのまま連れてきます。」
と普段の物静かな紫音らしからぬ、強硬に連れて行く。
橘副官「それは良い考えですね。上月副官もどうですか、こうやって運べばおとなしくなるかと。」
上月副官「いや、今回こそ休まなかったら考えてみますよ。ね?真木少佐?。」
真木班長「...あぁ、ちゃんと休むから勘弁してくれよ。」
真木は上月に静かな圧をかけられていた。
橘副官「、、、まあ今回はそういう事にしておきましょう。
真木さんあまり副官を困らせると、、こうなりますよ。ちゃんという事聞いてくださいね。」
と普段は整備班には口を出さないようにしていたが、言っておく。
真木班長「...あぁ。」
橘副官「では、失礼します。」
と会釈をして紫音は整備ハンガーを出ていく。
亜美戦隊長「、、、西に副戦隊長になってもらって少し戦隊長業務を任せようかな。」
橘副官「それは、良い考えだと。戦隊も大所帯になりましたし、業務の分散が必要かと。
副戦隊長の件は良いかと。今日はもうその辺で。」
とまだ業務の事を考えている亜美に対して。
橘副官「でないと、そんなこと言ってると、寄り道しますよ。」
と、戦術機部隊の待機部屋による。
そこには昨日の夜から復帰していた奈美と奈月が待機していた。
奈月中尉「ね...戦隊長、戻っていたんですね。お帰りなさい。
倒れたと聞いて心配しましたし、奈美が血相変えて飛び出そうとしていましたよ。」
奈美准尉「、、、良かった。大丈夫そうですね。私心配しました。亜美姉さん、働き過ぎです。
だからゆっくり休んでください。橘副官さんもだからここまでしたのだと。(真っ赤)。」
その言葉に亜美は、恥ずかしそうに、申し訳なさそうに答える。
亜美戦隊長「、、、ごめんね。二人に心配かけて。でも今後は改善していくわ。
そうならないように西少佐を副戦隊長にして分担する。大丈夫よ。」
と答える。
橘副官「そういうことで、今日から三日間亜美戦隊長は強制的に休暇です。
私も一緒に休みますので、何かあったら基本的には西少佐にお願いしますね。」
と伝える。
奈月中尉「了解しました。ちゃんと休んでくださいね?。」
亜美戦隊長「うん、奈月、ありがとう。そうするわ。」
橘副官「では、そろそろ寝かせますので行きますね。」
と紫音と亜美は退出する。
奈美准尉「、、、まさか橘副官さんがあそこまでするとは。
普段はいつも亜美姉さんを優しく支えてましたが、さすがに今回は度が過ぎましたね。
でも、二人でゆっくりできるならこれで良かったのかも。。」
奈月中尉「確かに、これを機会にちゃんと休んでくれると私も嬉しいかな。
誰の目から見ても負担かかっていたのは分かるから。」
二人とも心配しつつもホッとしていた。
そして亜美の個室へ。
ベットに寝かされた亜美は甘えるように紫音に言う。
亜美戦隊長「、、、そうね。紫音に癒してもらおうかな。真木さんの添い寝はすごくよかったなあ。」
と挑発してみる。
挑発された紫音は眼鏡を取り、亜美の横に行き手を絡めて。
橘副官「、、、言いましたね亜美。そこまで言うなら私だって。」
亜美戦隊長「嬉しい。たまには二人でゆっくりしたかったし。」
と紫音の首に片手を回し、紫音に抱きつく。幸せな時間を久しぶりに取れた二人であった。
明星作戦開始まで1ケ月を切った日々の少し幸せな日々だったと亜美は後に回想していた。
END