出雲奪回作戦前編
時は2000年5月頃に進む。
千葉県にある帝国陸軍習志野駐屯地の南條中将の執務室から始まる。
何か大規模な作戦が発動されるのか南條中将と秘書官の七瀬は忙しく調整作業を行っていた。
そんな中で南條中将は執務室で斯衛、厳密には斑鳩からの使いとして、真木舞香中佐が来ていた。
舞香中佐「お忙しいところ失礼しますわ中将。先日の件、大変感謝しております。」
南條中将「いえいえ舞香さん、貴方方も娘さんの沙奈江少佐も、私と戦隊にとってはかけがえのない存在です。
さて、出雲作戦でしたな。貴方の口から詳細は聞かせて頂けると言う事で良いですかな?。」

舞香中佐「勿論ですわ。斑鳩閣下から任されておりますので、お話させて頂きますわね。」
そうして、執務室にて戦隊と斯衛軍部隊による作戦の詳細が話された。
舞香との話後、南條は香月へ通信を繋げる。
南條中将「やぁ香月博士。耳に入れて欲しい話、作戦があってね。」
横浜基地の施設が完成に近いのがうれしいのか機嫌が良さそうな夕呼。
香月副司令「なによ、楽しそうに話しかけてきて、気味が悪いわね。あ、うちの伊隅達は貸せないわよ。」
と、最初からピリャリと言いたいことは言っておく。
南條中将「おや残念。これから戦隊と斯衛部隊の合同作戦があるから、それの共有だよ。
情報共有不足で不測の事態が起こるのは避けたいからね。」
香月の言う事を聞いてないのか、はたまたあえて無視しているのか、どこ吹く風で話す南條。
香月副司令「何が『おや残念』よ、そんなこと全然思ってないくせに。
ほんと、たぬきオヤジよね。
あ、もうじじいかしら。あまりにも孫を可愛がるデレデレなおじいちゃんにしか見えないけど」
と嫌味なのか、からかってる。
だが、斯衛の言葉には反応する。
香月副司令「日本帝国軍が動くのね、しかも斯衛軍主体の作戦ね。戦隊を一度戻して欲しいと。」
とズバリ見抜く。
南條中将「その通りさ。あぁ、事実だから否定しないさ。」
香月副司令「うちは戦隊を作戦参加のために一時的にお返しするで良いのかしら。
その他できることがあれば国連軍として支援するわよ。作戦内容を聞きたいわね。」
南條中将「あぁ、勿論話そう。国連軍は、支援をお願いしたい。」
香月副司令「了解よ。で、何をして欲しいの?」
南條中将「戦術機の武装と弾薬、そちらの方の根回しも頼みたい。」
作戦概要を聞きちょっとピクっとなる。
香月副司令「、、、武装と弾薬ね、それは大丈夫よ。しかしこの作戦目標遠くない?
出雲?しかも前線司令部(HQ)は岡山?こんなんで、ちゃんと成功するの。
出雲からは高級司令部がある京都まで350Kmもの距離よ。
あんたは舞鶴?海軍と共同するならそこが良さそうだけど。」
と作戦に不安を感じとる。
暗い顔をする夕呼。
香月副司令「、、、よほど斯衛は自信がある作戦のようね。
でも、今武御雷がようやく量産にこぎつけたとは言え、
まだそこまで前線に配備が追い付いてないと聞いているわよ。
戦隊を無事返してあげなさいよ。
そのままこき使ってやるんだから。」
とツンデレのように言う。
南條中将「勿論だ、死なせるつもりはない。彼女らはこの先必要だからな。」
香月副司令「そうね、私にとってもよ。研究が捗るわ。
で、戦隊は全員なの?工兵戦術機部隊?とか真木少佐とかも連れて行くの?」
南條中将「メインは斯衛だとは言え、戦隊の価値を示す機会なのは変わらない。
大々的に斯衛軍に戦隊の価値を示す為にも、なるべく全機出撃させる予定だ。
真木少佐は言わずもがなだ、彼女は斯衛軍からの出向で、先行型の武御雷を使っているんだ。
出ないわけにいかないだろう。」
南條中将「彼女が活躍したらしたで、斯衛からの要請が強くなるだろうな。
佐渡島での復帰戦以降、斯衛軍から再三真木沙奈江少佐の斯衛軍復帰を求められてるが、
本人が容赦なくその要請蹴ってるからね。
おかげで、斯衛側から色々と愚痴やら何やら聞かされて飯が更に不味くなるよ。全く。」
香月副司令「まあ、全力出撃よね。解ったわ。こちらとしては特に問題ないわ。
今は戦隊とは連携演習ぐらいなので。その先ね。必要なのは。
そうね、それは言われたら愚痴りたくなるわね。ご愁傷様。
、、、一つだけ言っておきたいことがあるわ。」
と横向きで顔だけ画面に向けていた夕呼はきっちり正面を向く。
南條中将「何かな?」
香月司令「、、、あまり姉妹に能力を使わせない事ね。
この前のうちの食堂でのうちの衛士とのいざこざで姉の方が倒れかけて
私が直接処置したけど、あれは半分は人間よ。生態的には作り物のまがい者だけど。
脳が追い付いて来てない。だから脳溢血に近い状態だったわ。
あまり危険な事はさせない方がいい。この先同じことが起これば
それこそ命の保証はできないわ。自我もなくなるかもしれないわ。」
と言う。
南條中将「...あぁ、私も能力の使いすぎは行けないとては尽くして来たが、結局2人は使ってしまう。
情けない限りだよ、叔父失格だな。」
香月副司令「、、、まあ仕方ないと言えばしかたないのかもしれないけど。このご時世。
叔父失格はないと思うわよ。あの姉妹があんたを見ている視線をみてそう思うわ。」
と答える。
南條中将「なら良いんだがな...さて、ついでだけどそのまま戦隊長に作戦を伝えてくれ。
私が行くなどよりも確実に早いし、準備も早く始められるからな。」
香月副司令「了解したわ。この後作戦の前準備等あると思うので、一時的に私の配下から外すわ。
好きに使ってちょうだい。でも任務が終わったら私の配下に戻すわよ。こき使うから。」
南條中将「いや、創設から支援している私の方が配下と言っても良いんだがね...。
まぁ今の所そうだから否定する気はないが。
私は別件で出雲作戦だけを見るわけにはいかなくなったからな...。」
恭次郎が司令部に行かない事を聞き顔を曇らせる夕呼。
香月副司令「またまた、この狸おやじが何をいってるの。
あんたが暗躍してるから姉妹が、戦隊が活躍できるのに。
しかし、、、この作戦いかに斯衛とは言え、さすがにきついと思うわ。
あんたが、司令部に居なければ何かあったら敗退するかもしれない。
戦隊をちゃんと帰らせてあげなさいよね。
でないと、私が好き勝手にこきつかえなくなるじゃない。」
南條中将「そうしたいんだが、反抗作戦の裏で色々やらかそうと言う不届者もいるみたいでね。
陸軍は私の管轄、戦隊に牙が向いてしまうのだけは避けなければならんからな...。」
香月副司令「、、、確かに帝国陸軍で不穏な気配があるわね。
そいつらが決起する恐れがあることをこちらでもつかんでいるわ。
何かあったら横浜基地に来なさい。匿ってあげるわよ。
今までのよしみで。それならあんたもこき使える。」
と冗談を交えて言う。
南條中将「ははは、最悪そうしようかとは思うよ。まぁ先ずは打てる手を打つさ。
出雲作戦は任せるよ、早めに片付けて来る。」
香月副司令「解ったわ。さっさと片付けて戦隊の支援をなさい。
私もできるだけこの基地の補給物資を戦隊に貸してあげるように手配しておくから。」
南條中将「それではな。」
そうして通信は切れた。
香月副司令「、、、まずは補給物資の手配をして、これは貸しにして後で返してもらう。
さて、戦隊の首脳メンバーを呼ぶか。」
と周りにいる香月副司令付きのオペレーターに声をかけ、手配と戦隊のメンバーを呼び出す。
すぐに出頭する4名(亜美戦隊長と橘副官、真木少佐、上月副官)
亜美戦隊長が香月副司令に頭~、中と敬礼の号令をかけて
真木少佐達も併せて敬礼する。
香月副司令「敬礼は不要よ。私嫌いなの。狸おやじから指令が来たわよ。
あんた達戦隊は一時的に私の指揮下から離れて斯衛主体の作戦である出雲奪還作戦に
出撃してもらう。一緒にこの基地の補給物資と弾薬を狸おやじに頼まれたから持って行っていいわよ。
あとはこの作戦指令書を見て頂戴。ちゃんと帰ってきなさいよ。解散。」
と電子データを橘副官に送り作戦に興味が無いのか他の作業で指令室より出ていく。
亜美は会釈式の敬礼を行い退出を見送り真木を見る。

真木少佐「ついに斯衛との合同作戦か...アタシも斯衛なのになんか変な感じだな。」
そう言いながら、真木は頭を掻く。

上月副官「出向と言う扱いですが、我々は斯衛ではなく第零独立強襲戦隊ですからね。」

真木少佐「そうだね、もしかしたら恭子に会えるからもしれないな。」
上月副官「少佐、崇宰様に失礼のない様にして下さい。周りの目もありますから。」
亜美戦隊長「いま、送られてきた内容をまとめた橘副官に作戦概要をざっと見せてもらいましたが、、、。。
これはちょっと不安を感じます。確かに斯衛は強い。一騎当千の方々ばかりです。
ですが、この時期にしかもまだ大阪以降先の九州よりの出雲地方とは。
もちろん私も行きたいです。両親の、せめて遺骨を回収したいので。
ですが、、、」
と何か嫌な感じがするのか一瞬うつむき。
亜美戦隊長「、、、ここでは国連軍の方々に聞こえてしまうので、戦隊の会議室で作戦概要の詳細確認等を
行いましょう。紫音、独立機械化工兵戦術機中隊の丸芽特務大尉と畑中副官、空挺輸送機部隊の葉吹大尉を至急呼んで。
詳細を詰めましょう。」
と国連軍側の司令室を出る。
真木少佐「何...?あぁ、そうしよう。」
戦隊の会議室にて詳細を確認する亜美達。
亜美戦隊長「この作戦どう思います。どうやら真木中佐殿が例のお方からの指示で南條中将あてに
来たみたいですが。。
私たちは側面支援?それは良いのですが。。。」
真木少佐「アタシと上月は強制出撃だな、それで問題は何かあるかい?」
亜美戦隊長「、、、前線司令部と最前線の出雲との距離が離れすぎです。
しかもまだ西日本を完全制圧もしていないはずです。
しかも、、高級司令部の京都から350kmも先ですよ。
舞鶴に海軍部隊もいますが、それも遠い。
これ、前線と司令部が分断されたら、戦線が崩壊してしまいます。
何かあったら、補給も受けられません。斯衛の上層部はどうしてこんな無茶を。
確かに出雲のBETA群の拠点を潰すのは必要ですが、後方との分断されてしまう事をどう考えているのでしょうか。」
真木少佐「...正気じゃないねこりゃあ。確実に補給を蔑ろにしてる、大した抵抗がないとたかを括っているのか。
斯衛衛士の腕と武御雷の性能を信じている自信もありそうだな、大陸と九州・中国地方での地獄の撤退戦を知らないと見たよ」
上月副官「慢心、でしょうか?斯衛がまさかそんな...」
亜美の話を聞き、重く見る真木と斯衛に慢心があるのかと不安に駆られる上月。
亜美戦隊長「確かに武御雷は強い。斯衛の衛士も強い。ですが、武御雷は1ケ月の生産量はまだ少ないはず。
前線にはまだそんなに配備されていないのでは。。真木さん、今一度可能であれば舞香中佐殿に意見具申を
お願いしたいです。もう作戦は決まっていて厳しいかと思いますが。。」
真木の話を聞きつつ。
亜美戦隊長「真木さん、独立機械化工兵戦術機中隊は今回防衛用に使いましょう。
前線での爆破等ではなく、補給物資と弾薬を多数積載してもらって。何かあったら斯衛にも融通しましょう。
空挺輸送機部隊は我々を送ったのちは後方の完全に安全な場所で待機。
何かあれば我々以外も構わない、空輸して後退してください。」
葉吹大尉「承知しましたわ。できることをやりましょう。」

独立機械化工兵戦術機中隊の丸芽特務大尉と副官の畑中中尉も同意する。
丸芽特務大尉「、、、これは厳しい戦いになりそうですな。しこたま補給物資と弾薬を積み込みます。」
畑中中尉「承知しました。工兵戦術機中隊は今回は補給部隊として動きます。」

亜美戦隊長「申し訳ない、それでいいでしょうか真木さん。ちなみに、真木さん達はだれか連れて行きますか?
第四支援小隊出しましょうか?」
と言う。
真木少佐「あぁ、一度お袋...舞香中佐に意見具申してみる。流石に2機じゃあキツイからね、お願いするよ。
だけど、正面から殴りに行く係は悪いがアタシにやらせてくれ。頼む。」
亜美戦隊長「はい、意見具申お願いします。了解です。
第四支援小隊を真木さんの小隊に付けますね。
正面はお任せします。私の戦隊本部小隊は真木さんの後ろから支援、状況に応じて両翼にも回るか他の斯衛の支援を行います。
右翼に第一中隊、左翼に第二中隊、少し後方に第五砲撃小隊の陣形で行きましょう。
良いですか?」
真木少佐「問題ないね。」
亜美戦隊長「解りました。ではその形で。私達戦隊は、この斯衛部隊の側面支援みたいですね。
この方は確か明星作戦でお会いした方でしょうか?」
真木少佐「あぁ!アタシの同期の桜、五摂政家 崇宰家の崇宰恭子だよ。
身分は違うけど、親友と呼べるのは後にも先にも恭子だけさ。」
亜美戦隊長「なるほど、同期の桜良いですよね。私も紫音と西が居ます。
二人が居ればこの上なく良い戦いがです。同期っていいですよね。」
とにっこり微笑む。
真木少佐「あぁ、良いもんさ。やっと話す機会が出来そうだよ。」
亜美戦隊長「良いですね。これは俄然やる気が出ると言う物ですが。。
まあ私たちもやることをやるように西達に展開して、当日までに演習で
対応しましょう。」
真木少佐「そうだね、任せる。アタシは中佐に意見具申をしてくるよ。」
そう言って、会議室を後にした。
舞香中佐「はい...あら沙奈江。どうしたのかしら?」
真木少佐「ようお袋。要件は分かってんだろ?。」
真木は母 舞香に連絡し、短くそれだけ言う。
舞香中佐「作戦での意見具申って訳ね、悪いけど覆せないわ。
私もあの作戦概要を見て、技術者としてだけど直ぐに具申したわ。
だけど、閣下も斯衛軍全体の勢いを完全に抑え切れなかったみたい。
無理にでも抑えることは出来るみたいだけど、色々と軍内部で亀裂が入る恐れがあるって言っていたわ。ごめんね沙奈江。」
真木少佐「良いさお袋、ハナから無理だとは思っていたさ...一つだけ聞きたいんだけどよ、
前線に行く斯衛部隊の衛士達を捨て駒にする。なんてのはない、よな...?」
舞香の言葉を聞き、内心募った不安を抑えられずそう真木は言った。
舞香中佐「あんな作戦だけど、少なくとも捨て駒扱いはしないわ。
もしそうなる様な時の為に、第零独立強襲戦隊が召集されたのでしょうね。」
真木少佐「なるほど、前線部隊のケツ拭きって訳か...あぁ、任せておいてくれお袋。」
舞香中佐「じゃあ、お願いね?真木沙奈江少佐。」
真木少佐「勿論であります、真木舞香中佐。」
そうして連絡を切る。
真木が母親と話している間、亜美は一度解散させて戦隊長室にて南條中将に連絡をとる。
亜美戦隊長「斯衛の出雲作戦計画案について意見具申があります。
今お時間ございますでしょうか?」
南條中将「時間はあるが...戦隊長、言わなくても分かるだろう?」
亜美の言葉に南條はいつもより重く口を開く。
亜美戦隊長「(やはり、と言うか南條叔父様がここまで口を濁すなら、もう決定は覆すことは
できないのか。ならば。。)
、、、承知いたしました。だた一言だけ。この作戦、失敗しますよ。
ですが南條叔父様が行けと仰るなら行きます、どこであろうとも。
両親もそう言うでしょう。」
と恭二郎の目を見据えて言う。
それは最後まで味方を戦線を護ってみせると言う決意を目線で伝える。
南條中将「私から伝える命令はただ一つだ...多くの戦友を守り、無事に帰還せよ。
1人も欠ける事は許さん。」
南條も亜美の目を見てそう言った。
南條中将「第零独立強襲戦隊の、役目を果たして来なさい。」
亜美戦隊長「、、、できる限りの事は致します。それが両親の願いでもありました。
ですが、戦隊で最後に帰還するのは私です。
指揮官は攻撃時は先頭に、後退時は最後にです。これだけは変えられません。
ですから全員は、、、いえ、失礼いたしました。(敬礼。」
と逃げるように通信を切る。
南條中将「こう言う時に、何か励ましの言葉を贈れない所が叔父失格の証だな...。」
そう1人愚痴る南條。
戦隊長室にて亜美は頭を抱えていた。
亜美戦隊長「(、、、やってしまった。せっかく南條叔父様が気をつかってくれているのに。
私は、、、。いやもうやってしまったことは仕方ない。任務を完遂すべく動くしかない。)
紫音、真木少佐と上月副官、西少佐と甲本大尉、それに丸芽特務大尉と畑中中尉、葉吹大尉、落合副長を会議室に呼んで。
これから出雲奪還作戦での戦隊の内容を説明するわ。それから作戦実行の近くまでに演習を重ねて攻勢も防衛戦も
できるようにできる限りやれることをしよう。」
紫音は、亜美の苦悩を見て、微笑み答える。
橘副官「、、、承知いたしました。大丈夫ですよ今回は、真木少佐殿達もいますからね。
戦隊全員で戦線を支えましょう。できる限りのことを想定して訓練しましょう。」

亜美戦隊長「そうね、そうしましょう。」
と紫音は戦隊首脳部メンバーに通達し、再度会議室に集まる。
真木少佐「中佐に連絡したけど、無理だったよ。そっちは...無理だったみたいだね。」
亜美戦隊長「、、、南條中将にも意見具申しようとしましたが、さすがに斯衛の作戦に
口を出すことはできなかったみたいです。政治で動いてます今回の作戦。
帝国陸軍の1部隊である私たちにどこまでできるか果たして解りません。
ですが、できることはしたい。なので攻勢作戦内容だけでなく、
何かあったときの防衛戦も考えて動きたいです。
できますか皆。我々は最悪味方の、斯衛の撤退時の対応を優先で動きます。」
と全員を見て話す亜美。
真木少佐「アタシ達戦隊の創設理由ってそうだろ?誰かが誰かの逃げ道を確保しなきゃならないんだ、
アタシ達がその役目をやらないで一体誰がやるんだってさ。」
西少佐「亜美、私はお前について行くさ。やりたいように命令を出せ。
その通りに動くさ。」
と片目の女男爵は不敵な笑みを浮かべて答える。

凜大尉「もちろんよ。もうあの中国地方防衛戦のような悲惨な戦いをしたくないわ。
私は今度こそ仲間を護りたい。」
と凜も答える。

葉吹大尉「戦隊長のやりたいことをどうぞ行ってください。私たちはそれを支援いたしますわ。」
とにっこり笑い答える葉吹。
丸芽特務大尉「もちろんだ。戦隊長。我々も九州の防衛戦では仲間を失った。
もうあんな思いは嫌だ。だが覚悟を決めた兵(つわもの)は、窮地にあっては無敵となる。
やれるさ、この戦隊ならな。」
畑中中尉「大きくでましたね、大尉。見栄を張るのも大概にした方がよろしいかと
普段なら言っていましたが……、今ばかりは私もその見栄に乗りましょう。」
真木少佐「つー訳だ戦隊長、指示をしな。アタシ達の為せる事を、為しに行こうじゃねぇか!」
亜美戦隊長「皆さん、、、有難うございます。では詳細を詰めて、後日全体に任務を伝えましょう。」
こうして亜美達は防衛戦を含めての出雲奪回作戦の戦隊の行動計画を立て後日作戦に参加する
戦隊隊員を大きな会議室へ集め、作戦概要を説明する。
亜美戦隊長「以上が、作戦内容となる。今回は斯衛部隊による、出雲地方の奪還作戦だ。
我々は、斯衛部隊の側面支援を第一に攻勢をかける。なお、HQは岡山に置くことと決定されている。」
ざわつく会議室内。
亜美戦隊長「、、、質問は随時受け付ける、だが、作戦はもう決まっていて我々には覆す権限はない。
前線でできることをするしかない。万が一に備えて今回は撤退戦と防衛戦のプランも想定した。
こちらもよく読み込むように。」
と言う。
奈美に小声で声をかける。
ゴースト准尉「(、、、京都から350㎞ぐらいありますよね。これ、補給やら後方の警戒やら大丈夫なんでしょうか、
さすがに斯衛といえどもこれはきついのでは。それぐらい余裕なのでしょうか斯衛にとっては)。」

奈美准尉「(さすがにそこまでの余裕は斯衛にあるとは思えません。それに西日本と九州地方も
まだ奪回できてない状態で。。これは確かに成功すれば西日本の橋頭堡になりえます。
ですが、、南條中将でも意見具申は出来なかったらしいので上の方で政治で動いてるかもしれません。)」

後ろでその小声の話を聞いていた洸騎は珍しく人前でしかめっ面になる。
八島准尉「(、、、まったくまたお上の都合で、これか。これはひと悶着どころでないことが
現場で起こりそうだな。。)」
と小声で愚痴っていた。

奈月中尉「な、なんですかこの作戦!斯衛の前線部隊が私達がいないと孤立しているのと同じです!
これじゃあ捨て駒と変わらないじゃないですか!」

奈月は声を荒げ、真木と亜美に強い目線を向ける。
真木少佐「アタシだって、納得出来ないさ。だが南條のオヤジさんも匙投げてる。
ならば、アタシ達はどれだけ斯衛部隊の損失を減らすかを考えるべきだ。」
真木は冷静に返した。
奈月中尉「ですが...!」
珍しく、武子が間に入る。
西少佐「、、、そこまでだ。亜美達もそこは解っている。解っていてどうしようもないんだ。
うちも上層部につてはあって、情報は得ているが、どうにもならなかった。
だから、前線でできる事をするしかない。
、、、こんなんだから上層部に行きたくないのは認めるがな。」
とボソッと最後のは言う。
凜もなだめる。
凜大尉「こういう上層部の命令は覆らないわ。それは九州と西日本、京都で散々味わったわ。
だから、現場で変えていきましょう。ね?奈月中尉。」
奈月中尉「...分かり、ました。」
血が出るほどに手を握りしめながら奈月は言う。
その表情を見て、手を優しく握りしめる洸騎。
八島准尉「、、、奈月さん、私たちにしかできないことをしましょう。
これは我々にしかできません。斯衛の方は、上からの柵があります。
だから前線でできる事をするべきです。我ら戦隊の思いを作戦にしましょう。
そこは戦隊長達も考えてくれてますよ。」
奈月中尉「洸騎さん...はい...」
八島准尉「うん、まずは自分の体を労わらないと。
それではまず自身を追い込んでしまいますよ。奈美准尉頼みます。」
奈月の手に包帯を巻きながら話す奈美。
奈美准尉「もう、あの頃の思いを誰にもさせたくないと思いますが、
だから現場で変えるしかないのかも。だから絶対生き残らないと。
それに斯衛の方々も支援しないと。」
とその表情は晴れていない。
ゴースト准尉「(、、、やはり俺でも何かまずいと思うぐらいだ。奈美さん何か解っているな。)」
と奈美の目を見て考える。
真木少佐「ゴースト!なんて顔をしてるんだい!
んなシケタ面を今しても何も変わらなねぇよ?」
強くゴーストの背中を叩く。
ゴーストはしまった顔に出ていたかと思い、小声で真木に言う。
ゴースト准尉「イテ、まったく。、、、申し訳ありません。そうですね。
しかし何かしら起こりえると考えた方がいいかもしれません。
あの奈美さんの表情をされる時は何かしら悪いことが起きる気がします。」
ゴースト准尉「そこを含めての何か対策考えた方が良い気がします。」
真木少佐「そうだな。亜美、なんか良い案はないか?」
亜美戦隊長「、、、そうですね。戦隊の補給ポイントと申請しておいて撤退戦の補給場所と拠点防衛用地点を構築しますかね。
ではどうでしょうか。工兵戦術機部隊可能ですか?」
真木少佐「確かに、本部とかなり離れているし前線用の補給地点と防衛陣地は必要だな。
良い案じゃないか。」
丸芽特務大尉「むろん、我が部隊にお任せを。陣地構築はお手の物だ。
補給場所に構築しよう中尉できるな。」
畑中副官「もちろんですよ。万が一の時は頑強に粘れる陣地構築を策定いたします。」
真木少佐「決まりだな。工兵隊は戦隊長の案通り、補給及び防衛陣地を構築。
陣地構築出来次第、砲撃部隊を展開して斯衛部隊への支援砲撃を敢行。
んで、第一・ニ中隊は側面からくるBETA群の処理、って所だな。」
亜美戦隊長「はい、それで行きましょう。
真木さん率いる遊撃分隊は独立して動いて頂いて構いません。
必要があれば戦隊の各小隊を引き抜いて率いてください。
その権限を付けておきます。」
真木少佐「あぁ、任せな!」
こうして部隊全員に通達され、演習を経て作戦計画に齟齬がないように進めて行った。
作戦実行一週間前、あわただしく戦隊は動いていた。
最後の打ち合わせで支援する斯衛部隊と最終的な打ち合わせを行うため、
該当斯衛基地へ亜美と真木達は向かった。
真木少佐「(これから起きる作戦は、アタシからみても無茶苦茶だ。
亜美と奈美が又しに行くような真似はしないで欲しいけど...最悪、アタシが盾にでも...)」
その心の声を聴き亜美は首を振ってこたえる。
亜美戦隊長「(、、、それはできません。奈美も同じ考えですよ。
生きるも死ぬも一緒です。盾になって欲しくないです。
その思いだけで十分です。私は戦隊長としてやるべきことをします。
奈美も電子戦術オペレーターとして考えてます。何か考えていることが
この前の会議の様子では何か有りそうですが。)」
と手を握って答える。
亜美の心の声を聞き真木は、
真木少佐「(そうか...アンタ達が幸せならアタシは...いや、そんな考えはよそうか。)」
そう思った。
真木は九州防衛戦で生き残ってから、整備班長になり、そして戦隊の副戦隊長となった今でも、
自身の生きる意味と言う物を見出せているのかと自問自答していた。
真木少佐「(...こればかりはアタシ自身が答えを出さなきゃならない。今回の作戦で何か見つけられれば良いが。)」
真木は思った。
戦隊の中で人一倍誰かの支えになろうと翻弄し続けていた。また、同時に一番多くの衛士を始めとした
戦友を失う所を見てきてそう思った。しかしその反面、真木の心は疲弊し続けていた。
亜美は真木の心内を再度知り、また奈美の想いから、何かこの作戦の結末に不安を覚えるのであった。
しかし、真木さんだけは護りたいと、せっかくこうして知り合えてここまで支えてくれた方だ。
私たちにとっての生きる意味でもあると思った。
亜美「、、、真木さん。やりたい事今回やっていただいて構いませんよ。
私たち姉妹は真木さんに本当に助けられました。だから良いのですよ。
護りたいこの思いに斯衛も陸軍もありません。
私の命令に従わなくても大丈夫です。私はそれを咎めません。」
と真木の目を見て答える。
真木少佐「...気持ちだけ受け取っておくよ。
アタシのやりたいことか、やりたいことって何だっけな...。」
そんな事を言い、遠くを見つめる真木。
なにか真木のつぶやきに違和感を覚える亜美。
奈美が何か不安を感じてる事がこれなのかと思うが奈美が心を閉ざしてしまっていて結論は出なかった。
亜美は気まずく無言になり、ちょうど斯衛の基地に到着した。
会議室へ通された亜美達。
そこへ二人の斯衛衛士が来て、敬礼し席に座り話す。
崇宰恭子大尉と篁唯依中尉であった。
崇宰大尉「久しぶりだな、沙奈江。いや、真木少佐殿とお呼びするべきか。」
少し、茶化すように久々に会う同期の桜である戦友に声をかける。
真木少佐「やめてくれよ恭子。アタシ達の間に敬語は不要だろう?
それに、少佐の階級は戦隊にいるからだ。斯衛に戻れば一介の大尉だよ。
それとも、アタシこそアンタ...貴方様を恭子様とお呼びした方が良いと思いますが?」
と逆に崇宰を茶化す。
やれやれと思う恭子。
崇宰大尉「、、、貴様、その言い方似合わないぞ。いまさらそんな呼び方されてもな、と
失礼した。早雲少佐殿。以前お会いした斯衛軍第16斯衛大隊所属の崇宰恭子です。
今回はよろしく頼みます。
こちらは私の副官を兼ねている篁唯依中尉です。
今回、作戦の側面支援助かります。詳細を確認いたしましょう。」
篁中尉「同じく斯衛軍第16斯衛大隊所属の篁唯依です。
宜しくお願い致します。
生真面目に敬礼して答える。
亜美戦隊長「丁寧なご紹介有難うございます。
今回はよろしくお願いいたします。」
と真木との茶化し合いをほほえましく思い答える。
真木少佐「だろ?だからいつもの感じで頼むぜ。
篁中尉か、アタシは真木沙奈江。斯衛から戦隊に出向した色物衛士、とだけ覚えていれば良い。
聞いたよ、帝都で壮絶な目にあったってね...。」
いつもの様に笑って、自己紹介をする真木。
篁中尉「、、、はい。帝都では色々ありました。真木少佐殿も、、色々有ったことは
聞いております。宜しくお願い致します。」
と一瞬顔を曇らせるがそれ以上は言わずに答える。
真木少佐「あぁ、宜しくな。(軽く彼女の戦歴を見たが、初陣で小隊全滅を経験したんだ...あぁもなるか。)」
無視意識に真木は篁に優しく微笑んでいた。
亜美も心の中の想いが聞こえてああ、この方もかと思った。確か奈月中尉とゴースト准尉の当時の報告で
少し聞いたが、あの後かなりの地獄を見た事を戦歴で知った。
ここで話すことではないと思い話さなかったが。
こうして両部隊は綿密に最終打ち合わせを行った。
そして打ち合わせ後、見送りする崇宰大尉。
その帰り際に真木は口を開いた。
真木少佐「なぁ恭子。止める気はねぇが、本当に良いのか?
強襲戦隊の少佐ではなく、アンタの親友としてだ。
アタシはまだまだ恭子と語りたい事や、共に色々やりたい事もある...この作戦、恭子自身は良いのか?」
それとなく聞こうとしたが、何か胸騒ぎがしたのか、包み隠せなかった。
一瞬困った顔をした崇宰大尉。
崇宰大尉「、、、良くは無い。だが、斯衛として武家としては命令には従うしかない。
我々は、。もっと上の政治的な話し合いでこうなっている。だから何も言えない。」
少し同期の親友の言葉に答えるが多くは言えないようだ。
真木少佐「そうか...アタシ達はアンタらの援護が主任務だ。
必要なら直ぐに呼んでくれ、恭子の為ならすっ飛んで行くからよ!」
真木は不安を吹き飛ばす様にそう言った。
だが、心の中の不安は飛ばなかった。
その言葉に驚き苦笑する。
崇宰大尉「まったく、お前はいつもそうだ。だが、今回はありがたくそうしてもらうとしよう。
部下たちも護らなくてはいけない立場だからな。」
と答える。
真木少佐「恭子、死ぬなよ。再会が靖国なんてゴメンだからな。」
その言葉には答えず、振り向かずに基地内に戻る崇宰大尉。
察していた亜美は少し離れたところで待っていたが戻り真木に声をかける。
亜美戦隊長「、、、やはり斯衛内でもなにやらありそうですね。
何とか作戦が成功すればいいですが。」
と小声で話す。
真木少佐「そうだね...アタシ達に出来る事をしよう。」
真木もその場を後にするが、その背中は物悲しく感じられた。
亜美は思った。いつも心強い、大きな背中が小さく見え、
そして悲しそうな感じがして何か不安が高まるのであった。
時は少し戻り亜美達が斯衛の基地についたころの戦隊基地内。
ゴーストが奈美の部屋のドアを叩いてる。
ゴースト准尉「奈美さん、大丈夫?一人で悩んでも仕方ない。みんなで考えましょう。
何かいい案があるはずです。(汗。」
ドアは開かない。自室なら安全か。しばらく一人にさせた方がいいのか。
と迷いつつ、衛士待機室に行く。
そこには奈月と洸騎が居た。
こちらはこちらで、洸騎が奈月を慰めていた。
そこにゴーストがしかめっ面で二人の正面に座る。
ゴースト准尉「、、、この作戦こんなので大丈夫なのか。。。俺は投げ出したくなってきた。」
と珍しく本気のような冗談を言っている。
奈月中尉「分からないよ...どう考えても無謀な作戦にしか思えない...。」
奈月はそう呟く。
八島准尉「そしてお上は責任はとらないだろうな。失敗したら現場の指揮官に全て押し付けて。。。
だがそうはさせない。玉砕なんぞさせてたるか。兵隊は消耗品ではない。
?ゴーストどうした。奈美准尉は。 さっきのあの表情はとても悲しそうだった。何か思いつめてなければいいのだけど。」
ゴースト准尉「、、、悩んでる。俺じゃだめだ。
ふさぎこんでる。肝心な時に何もできない。歯痒い。
奈月さん、お願いできますか。自分は無力です。」
と頭を下げて頼み込む。
奈月中尉「私...私、なんかで良いのかな...。」
ゴースト准尉「申し訳ない。自分では、、無理なようです。
今、真木さんも戦隊長もいない。ここは奈月さん、お姉さんの言葉なら響くと思いますよ。
それでダメなら無理かもしれない。止められない。この負の流れは。。」
と愕然として言う。
奈月中尉「...分かった。そこまで言うなら行ってくる。」
自身もそれが出来るのかと思いながら奈月は、足取り重くなれど奈美の部屋へ向かった。
奈月が去って二人は話す。
八島准尉「、、、奈月さんも奈美さんもこの状態はまずいな。
傷のなめ合いでもいいから何とか元気になって欲しい。」
ゴースト准尉「そうだな。。。クソ、不甲斐ない。」
と机にこぶしを叩きつけるゴースト。
奈月はどうすればよいか解らないまま答えが出ないまま、奈美の自室に着く。
奈月中尉「奈美、いるんでしょ?此処を開けてくれないかな?」
だが反応は無かった。
奈月中尉「...私にも話せないことって事なのかな?
いや、それで合っていると思うよ。私もどうしたら良いのかの答えは無い。
自分自身の答えを見出せて無いのに、貴方にどうこう言う資格なんてない...いっそのこと、
此処で自分の頭を銃で撃ち抜いたら、楽になれるかも知れないね。」
扉にもたれ掛かりながら、自身のホルスターから拳銃を引き抜いてそう呟く。
扉が開く。
泣きながら奈月に飛びつく奈美。
奈美准尉「いや、いや。奈月お姉ちゃん。それだけはやめてください。
私そんなことになったら生きてられない。うわあああああ。」
と大泣きする。
奈月中尉「本当は何か励ませれば良いけど、今の私にはそんな気の利いた言葉は言えない。
実際、こうでもしなければ奈美は出てこなかった...私の答えはやっぱり...」
大泣きをする奈美を半端無視する形で、奈月は言葉を紡いでいた。
奈美准尉「奈月お姉ちゃんが死ぬなら私も死にます。
生きていても仕方ない。それに何か、何が起こるか解らないのですが、
どうしようもないことが起こる気がします。それが何なのか
何も解らないのです。私は、、私は大好きな奈月お姉ちゃんを真木さんを助けたいのに。」
と崩れて座り込み泣き続ける。
奈月中尉「...少なくとも此処で泣いている暇はないんじゃないかな?
それで何かが変わるわけでもないんだから。」
奈月はそう呟くが、それ以外に自身に言える事はないと思い。ゆっくりとその場を離れようとする。
待って、待って奈月お姉ちゃん。と言いかけて手を奈月の腕を取ろうとしたが奈美は自分でもどうすればいいの解らず
その手を下してうなだれる。
そこにすっと現れる菅中尉。
右手で奈月の頬を叩く。
サングラスに隠れてその表情は見えない。が、悲しそうな顔つきであった。
菅中尉「まったくもう二人とも不器用なんだから。
奈月中尉、あなた義理とは言えお姉ちゃんなんでしょう?ならしてあげることは1つ。抱きしめてあげればいいのよ。
それに奈美准尉、貴方はもっと他人を頼りなさい。奈月中尉やゴースト准尉が居るのだから。
そうして一人で全て背負っていくつもり?そんなことしてたらあなた潰れるわよ。」
と優しく諭す。
奈月中尉「菅さん...私は...(言われなくてもそうはして来た。
それでも背負い込む奈美を見て、私は、もうどうして良いか分からないよ...)」
菅の言葉に奈月は顔を下に向ける。
小声で話す嘉代子。
菅中尉「、、、それでもね。良いのよ。あなたも悩んでることは解るわ。
それでも二人でいれば気持ちも落ち着くものよ。
貴方の励ましが奈美准尉の心を落ち着かせられるわよ。
これは私の母親としてのカンだけど。
貴方しかいないわ。お願い、二人で歩んでちょうだい。」
と言う。
そしてサングラスを外して悲しそうな顔でさらに伝える。
菅中尉「、、、私は娘達と最期に仲たがいをしたまま悔やんだまま別れたの。
そんなことさせたくない。だからちゃんと話し合って欲しいのよ。」
と言う。
奈月中尉「...奈美、おいで。」
菅からの言葉に応える様に、奈月は奈美に声を掛けて、両手を広げた。
奈美はその奈月の胸に飛び込む。
奈美准尉「、、、ごめんなさい。私またどうしていいのか解らなくなってしまって。ごめんなさい。
亜美姉さんと私、おそらく真木さんに嫌われます。この作戦の結末は解りませんが、、何かが。
どうすれば。」
泣きながら謝る奈美。
奈月中尉「それを探すのが私達のやるべき事だと思うよ。
答えが一つだとは限らないから。」
奈美准尉「、、、そうですね。変えたいです。変わりたいです。」
それを優しく微笑んで見守っている嘉代子。
菅中尉「そうよ、奈月中尉の言う通り。
そして、そこの角で様子を見ている二人の男の子、出てきなさいよ。
皆で探しましょう。」
と少し先の通路の角から心配そうにしてばつが悪そうにしている
洸騎とゴーストが出てくる。
奈月中尉「...とりあえず、ゴーストさん何か言う事はある?」
ゴーストに対して奈月はそう言う。
ゴーストはばつが悪そうに奈月の前に出てきて頭を下げる。
ゴースト准尉「奈月さんに押し付けて、申し訳ないです。」
ゴースト准尉「その上で、今の話を聞いていると。。現場で何かできることがあればいいですが。
できる事あるかどうか。」
とどうすればいいのか解らない二人であった。
困惑している二人に謝る奈美。
奈美准尉「、、、申し訳ありません。私にも今回は正確に見えてないのです。
曖昧な内容で。。一緒に皆さん探してもらえますか。」
と奈月たちを見て言う。
奈月中尉「勿論、抱え込むよりずっと良いよ。」
奈美准尉「奈月お姉ちゃん、、、有難うございます。大好きです。」
と泣き笑いをする。
奈月中尉「そこの2人も、ちゃんとしてね?」
ゴースト准尉「できることを探してみます。」
八島准尉「解りました。
(??前から思ったが奈月さんは何を言っているのか。自分には言えないことがあるのは解るが、、、
3人は知ってるような気がするが)」
と少し疑問に感じた。
ゴースト准尉「(、、、と言ってこの状態でできる事って、何かあったら盾になるぐらいしか。
探すしかないのだけども。。)」
そしてできる事を考えたが答えが出るわけでもなかった。
夜、明日の作戦決行の為戦術機の最終調整も終わり、全員が寝静まった頃。
真木は、横浜基地近くにある木の下でタバコを吸っていた。
真木少佐「...大事な作戦前だってのに、なんで寝れないんだ。しかもあんな縁起が無い悪夢を見るなんて。」
真木は明日の作戦で、恭子が目の前でBETAに食われ、そして自分自身に全てを否定されると言う悪夢を見てしまい、
寝れずにいた。
そこに心配した亜美が来る。
亜美戦隊長「真木さん、どうされたのですか。」
真木少佐「亜美か、嫌な夢を見てね...。」
そう言い始め、悪夢の内容を喋った。
真木少佐「奈美の夢見もこんな感じなのかね。」
亜美戦隊長「、、、そうですね。奈美の夢見と似ていますね。
ですが、、変えるために準備をしました。変えたいです。」
と真木を抱きしめる。
真木少佐「そう、だね...アタシが諦めたらダメなのは分かってる。でも、大陸でも九州でも、アタシは何も守れちゃいない。」
首を振る亜美。
亜美戦隊長「そんな事ありません。私達は少なくとも助けてもらいましたし、
奈月もそう、皆助けてもらったから今が有るのですよ。
奈美だって真木さんが居るから生きて行ける。」
と答える。
真木少佐「そう、だね。」
それでも真木は、親友を失う喪失感を恐れていた。
亜美戦隊長「恐れは解ります。私も両親を失いました。ですが、今回は支援が出来ます。
ですから全力出撃です。」
と答える。
真木少佐「あぁ、ありがとう。」
真木は静かに伝えた。
こうして夜は更けていった。
出撃4時間前。亜美は戦隊長室で考え込んでいた。
亜美戦隊長「(、、、最悪の事を考えて編成を変えるか。
私が直接奈美と警戒機で動けば、ゴースト准尉を機動編成で行ける。それなら色々対応できるはず)」
その思考を解っていた副官の紫音はため息をついて言う。
橘副官「、、、亜美、それをやったらゴースト准尉悲しみますよ。
それでも、やりますよね。その表情なら。」
と困った顔をしている。
亜美戦隊長「、、、そうね。だけどそれが一番いいと思う。
私は指揮に専念したいから。これが一番いいと思う。
紫音、整備ハンガーに行くわよ。」
しかたないなと思いつつも従う紫音。
橘副官「、、、仕方ありませんね。お供します。」
と二人で整備ハンガーに行く。
整備ハンガーにて。
出撃前の機体整備でバタバタしてる整備兵たち。
その整備兵達に紫音が声をかける。
橘副官「戦隊長入ります。整備班長もしくは副長お願いします。」
迎えたのは真木だった。
真木少佐「どうした?今はアタシに代わって落合が現場監督をしてるよ。」
整備班達の姿を遠目に見つめる真木。その目は、何か決意した意思を感じさせる。
真木が出てきたのを見て紫音は亜美の後ろに下がる。
決意した真木を見つめて亜美が言う。
亜美戦隊長「(この決意を無駄にさせたくない。できることをしたい)
真木さん、すみません。全力出撃前の整備班が忙しい時に。私の機体とゴースト准尉の機体の個人設定をそれぞれ
私とゴースト准尉のを追加で入れてください。機体変更をかけます。これは戦隊長命令です。」
とすまなさそうに普段は言わない事を言う。
真木はその言葉を聞き、静かに口を開く。
真木少佐「...佐渡島の時みたいなことをする気かい?
なら整備班長としても、副戦隊長としてもその命令は聞けないね。説明を求めるよ。」
断固として説明を要求した。
やはりそうなるかと思いつつも本心を言う。
亜美戦隊長「私は今回指揮に専念します。だからゴースト准尉には機動戦で第二中隊で甲本大尉と奈月中尉で動いて
欲しいと思いました。
それが一番いいかと思いました。だからです。決して佐渡島のようなことはしません。
ただし『指揮官は攻める時は先頭、後退する時は最後』だけは譲れません。だからこうした方が良いと。
それでは駄目ですが?」
とこちらも決意を交えて答える。
真木少佐「指揮官は攻める時は先頭、後退時は最後尾ってのは同意だが...佐渡島のような事はしないと言う言葉は、
すまないが信用出来ない。
納得できる様に、アタシを説得してみな。」
佐渡島の一件が出た影響か、簡単に飲み込んではくれない。
亜美戦隊長「第六警戒小隊は機動戦ができません。それならば本来の編成とは変わってしまいますが、
私が指揮を執りつつ警戒機で支援するのが良いかと、奈美と違う意味での連携が取れるので。
それにゴースト准尉の持ち味は元々機動戦ですから。甲本大尉と奈月中尉について行けるのを加味するとそれが良いかと。
いざと言う時に遊撃分隊の支援にも回せます。ある意味第二遊撃分隊として使いたいと思いましたので。
それに警戒機では好き勝手できませんので佐渡島のようなことはできません。奈美も後ろに控えているので。
これでもダメですか。」
真木少佐「...なるほど、佐渡島の時みたいな考えは無いみたいだし、
アタシの考えも何となく当たっていた訳か、落合!出来てるかい!。」
亜美の説明を静かに聞き、大声で落合を呼ぶ。
声に反応して落合が駆けつけた。

落合副長「はい!ゴースト准尉に回す、戦隊長専用機の高機動用機体は準備できてます!
警戒機も、片手間ですが後1時間でできる予定です。」
真木少佐「上出来だ副長、いや落合代理。
警戒機の方はアタシが代わる、数人人員を寄越してくれ。」
落合副長「了解です!。」
真木少佐「てな訳だ、他に質問は?」
少しほっとして笑みを浮かべて答える。
亜美戦隊長「はい、これ以上真木さんに怒られるのは嫌ですから。
それに、今回は嫌な予感がします。奈美も何か感じているので。
そのための保険です。有難うございます。
特に質問はありません。宜しくお願い致します。」
と頭を二人に下げてお願いする亜美。
紫音は思った。
橘副官「(、、、内容は解るが、これをゴースト准尉が素直に受け入れるのか。
私ならいや、亜美の判断に間違いはないはずだ。これは命令するしかないか。)」
と顔色を変えず真木と亜美の二人を見ていた。
真木少佐「何か...か...何も起きない訳無いとは思うけどね...。」
そう呟きながら警戒機へと真木は向かう。
紫音に出撃前準備をさせつつ、真木について行き警戒機に必要な設定を施そうとして言う。
亜美戦隊長「、、、ですね。あと今回、奈美には1度だけ私の命令以外での独断先行行動を許すようにしようと思ってます。
何か本人も解っていないですが緊急で必要な事があると思うので。」
とこれも真木には言っておいた。
真木少佐「大丈夫なのかい?過保護過ぎるとは思うけど、あの子に何か起きるかも知れないじゃないか...。」
亜美は嬉しそうに微笑む。
亜美戦隊長「有難うございます。その過保護、うれしいですよ。その『何か』の為に私が警戒機に乗り込むのもあります。
ある意味それも保険をかけてます。私が居れば何とかできるかと。絶対ではありませんが。。。
ゴースト准尉には悪いと思ってますが。指揮官として、姉として今回はそう判断しました。」
と手を動かしながら答える。
真木少佐「そうかい...亜美。アンタを信じるよ。今までも、そしてこれからも。」
亜美戦隊長「うれしいです。はい、私を信じてください。」
亜美は真木の言葉が嬉しく佐渡島のようなことはもう絶対にしないと固く心に誓った。
こうして出撃準備が整い戦隊の衛士が整備ハンガーに集まる。
そして亜美と真木の二人と橘、上月の両副官が前に出て訓示を始める。
亜美戦隊長「これより戦隊は斯衛の出雲奪回作戦の側面支援として全力出撃する。
今回は斯衛の支援だ。全て支援につぎ込む。また万が一の場合は遅延戦闘を展開するので
そのつもりで。
全員生きて戻るぞ。作戦内容は一部修正があるが基本変更なし。真木さんから何かありますか?」
と多くは言わずに真木に振る。
ゴースト准尉「(?、一部修正?戦隊長がこんな濁し方したことあったか。何だろう。何か引っかかる。)」
といぶかしがる。
真木少佐「アタシからも特には無いが、戦隊長。アタシの呼び方はさん付けじゃなくて副戦隊長じゃないのかい?」
と意地悪に言う。
一瞬ボッと顔を真っ赤にするがすぐに普段の顔色に戻して言う。
亜美戦隊長「あ、申し訳ありません。訂正。副戦隊長失礼した。ではカカレ。」
と言って逃げ出して機体の方に移動する。。
そして、ゴーストが奈美を誘い警戒機に乗り込もうとした時に
その後ろ姿に声をかける。
亜美戦隊長「あ、待て、ゴースト准尉。貴官には今回臨時で第六警戒小隊より外す。
私の機体を使って第二中隊の甲本大尉指揮下に組み込む。
代わりに私が警戒機のフォワードを務める。これはすでに決定事項だ。」
ゴーストがその言葉に振り返り唖然とする。
何かあると思ったがこれかと。
ゴースト准尉「!、復唱できかねます。直前でこの通達は。」
奈美もびっくりして亜美を見つめる。
真木少佐「悪いがゴースト、アタシもコレには納得している。今回は単独で乗って貰うよ。」
ゴースト准尉「(戦隊長だけじゃない、副戦隊長の真木さんもか。これは覆せない。
俺はお役御免か。。なら。。)、、、了解致しました。」
ゴーストの想いを聞き慌てる奈美。
奈美准尉「違います。違うんです。そういう事ではなくて、私も今知りましたが。
亜美姉さ、いえ。戦隊長は今回の作戦を考え抜いての結果だと思います。」
とゴーストの手を握りしてめて言う。
それを静かに見ていた上月が口を開いた。
上月大尉「戦隊長、副戦隊長。お二人とも言葉足らず過ぎます。
ちゃんと説明しないから、ゴースト准尉が自分はお役ごめんだと勘違いしているじゃないですか。」
助け舟を出した。
そこに紫音も言う。
橘副官「ほら、戦隊長言った通りではないですか。ちゃんと説明してあげましょうよ。
納得できればちゃんとゴースト准尉は従ってくれますよ。」
と言う。
亜美戦隊長「うん、そうだよな紫音。上月副官そうですよね。
ゴースト准尉、お役御免では無いよ。これからも奈美を護って欲しいのは変わらない。
今回は私が指揮に専念したいから。だからこうした。
それにこの方が、ゴースト准尉も動きやすいだろう。機動戦でかき回して警戒機を護って欲しい。
そこは変わらない。第二中隊は完全に機動戦で対応して欲しい、だから私の機体を預ける。
納得して欲しい。」
と伝える。
真木少佐「と言う訳だ、アタシも言葉足らずだったな、すまんゴースト准尉。」
二人に言われて良かったと思いつつ、こんな直前の配置換えをされるとは何かあり得るなと考える。
ゴースト准尉「、、、復唱致します。
ゴースト准尉は第六警戒小隊より第二中隊の甲本大尉殿指揮下にて機動戦闘に従事致します。
戦隊長の機体、謹んでお借りします。機動戦で機体を壊しても知りませんからね。」
と言う。
真木少佐「まかせろ、その為の整備班だ。」
真木の言葉に気合を入れるため、両手で頬を叩くゴースト。
ゴースト准尉「有難うございます。では全力で対応致します(敬礼。」
と奈美を一瞬見つめて戦隊長の機体に乗り込む。
ゴースト准尉「ゴースト1よりブラックキャット1、2へ。指揮下に入ります。
宜しくお願い致します。」
と手早く機体を操作する。さすが戦隊長の機体。これなら久々の機動戦だが無茶ができそうだと思いつつ。
凜大尉「ブラックキャット1よりゴースト1。直前でびっくりしたが。了解よ。
こき使ってあげるからそのつもりで。」
と言う。
奈月中尉「ブラックキャット2よりゴースト1へ、しっかり着いてきてね。
置いてかれても振り向かないかも知れないからね。」
ゴースト准尉「了解です。久々の機動戦ですがこの機体ならやれます。
どうぞこき使ってください。ちゃんとついて行きますよ。」
と二人に答える。
それを聞いていた亜美は
亜美戦隊長「(良かった。納得してくれてちゃんと動いてくれそう。上月さんのお言葉は毎回ありがたい事ね。)」
と思いつつ。
亜美戦隊長 「では、戦隊全力出撃、行きます。」
と言う。
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