真木と両親との話亜美編

時は1999年夏頃に。戦隊は着実に戦力を増強し、練度は上がっていた。
西には司令部への異動と中佐への昇進話があったがそれを蹴って戦隊に残る道を続けていた。

現在7月の初旬頃の真夜中。
暑い時期に奈美はうなされていた。。
何かの大規模な作戦が発動されている、その中でG弾を強硬に撃たれて戦隊が、
そして国連軍でさえも事前通達が無いままにその巻き添えを食らった。
ある日本帝国軍の士官はそれにかなりの怒りをぶつけている。。。

そこで目が覚める奈美。汗でびっしょりで、夢遊病のようにふらつきながら部屋を出て
ふらふらとあてもなく移動していた。どうすればいいのかと。頭が痛いと思いながらも
気が付いたら、、整備ハンガーに来ていた。
今週はアラート待機等の番は南條中将の部隊が即応体制なので夜間は誰もおらず
がらんとしていた。



整備班は寝ている中で、真木はタバコを吸っていた。
真木班長「うん?奈美か、どうした?斯衛軍人たる者...いや違ったね、
軍人たる者休める時には...ってどうしたんだいその汗は?」
真木はどう見てもおかしい奈美の状態にタバコをすぐに消して駆け寄る。



真木に駆け寄られた奈美はあぶら汗をかきながら崩れ落ちそうながら、真木を抱きしめて
そしてプロジェクションに近い力を使って夢見で見たことを見せる。

真木班長「な、なんだいこれ...。こんな事が本当に起きるってのかい?無駄死にも良い所...。」
見せられた物に困惑するも、内容に憤った。

震えながら答える奈美。
奈美准尉「、、、ごめんなさい。言葉にできないです。ここまでの事が起こってしまうかもしれないです。
でも、今なら皆さんがいます。何かできることは、ないでしょうか。」
とぐったりして言う。

真木班長「とにかく南條中将と亜美に言うべきだ。アタシも斯衛に具申してみるよ。今は休みな。」
そう言い、奈美の頭を撫でる真木。



奈美准尉「おね、がい、します。ごめん、なさい。」
と言い奈美は頭を撫でられ嬉しそうにしてそのまま気を失う。

真木は奈美を医務室に預け、戦隊長室に赴いた。
真木班長「亜美、失礼するよ。緊急だ、奈美が夢見したみたいだよ。」


亜美戦隊長「この所何も無かったのですが、そうですか。。

紫音、すぐに西と凜大尉、あと菅中尉と奈月中尉も呼んで。
コーヒーを人数分お願い。」
と言い先に状況を聞く。



橘副官「承知しました。すぐに取り掛かります。」



真木班長「ついでに南條のオッサンも頼む。早急に伝えるべきだ。」
亜美戦隊長「もちろんです、今極秘回線で連絡しています。」
とそこに西と凜大尉、菅中尉、奈月中尉が急いで入ってくる。

亜美戦隊長「南條中将、夜中に申し訳ありません。緊急事項です。奈美が夢見を見ました。
今すぐ相談したいです。こちらの状況を知ってる人員を今集めています。」

奈月中尉「入ります。奈美が夢見をしたと聞いてきました。」


亜美は奈月にすこし待っててと言い通信に専念する。

同時に南條からの通信が入る。
南條中将「(なるほど、極秘とは言え漏れる事を考慮しよう。すぐに向かう。先に始めてくれ。)」


亜美は承知しましたと通信を切る。


西少佐「亜美、どうした?奈美ちゃん大丈夫なの?」
と声をかける。


凜大尉「何事ですか?緊急事項とはただ事ではなさそうですが。」


菅中尉はそれぞれが話しているので黙っている。



各自から言われて亜美は答える。
亜美戦隊長「ええ、奈美は大丈夫。今医務室で見てもらってるから。
今後の対策を考えたいので皆さんを呼びました。
たぶん来月の初旬に大規模反攻作戦が発動されると思われます。その時に
我々はもしかしたら、全滅の可能性があります。ですが今は、佐渡島の時のように
何か変えられるかもしれない。だから率直な意見を聞きたいのと今後のやれることを相談したいです。」
と簡単に説明する。

真木班長「奈美は、アイツは味方がいるにも関わらず何かデカい爆弾を使って、
味方諸共BETAを殲滅する夢見をアタシに見せたんだ。
本当だとするならば、その時点でBETAに勝てたとしても将来戦う衛士を沢山巻き込む事になる...。
そうしたら人類の劣勢に更に拍車がかかるとしかアタシには思えないよ。」

亜美戦隊長「私もそう思います。
、、、デカい爆弾。そこまでのであればG弾しかないと思いますが。。。
どこの軍が。味方もろともとは酷すぎる。推測ですがこれはやるとしたら米軍しかないと思います。
なぜなら国連軍まで巻き込まれていると考えるなら、参加国の中ではそれができるのが米軍しか無いはず。。」
と思案する。

西少佐「米軍の若手将校からはそんな話は出ていない。だが首脳部はG弾を評価しているはず。
なんせ、初期の頃それで月からの落着を止めたからな。だがそれを日本でやるとは。。」

真木班長「本当、馬鹿げた話だよ...。」

そんな中、南條が到着する。
南條中将「すまない遅れたよ。奈美ちゃんは今度は何を見たんだい?。」
真木が説明すると、南條は顔を歪ませた。

南條中将「巻き込まれると言う事は...G弾の無勧告投下だろうな。本来ならあり得ないが...米軍なら考えられる。
何せ日本が落ちれば、次はアメリカになる。完全に関係を断てないが、確実に全滅したいならやるかもしれん。」

亜美戦隊長「そこまでするとは。。どうするかは時間はあまりありません。
南條中将、ここは政治的な話になるかと。メインは南條中将にお任せするしかありません。


あとはその大規模反攻作戦で国連軍を含めてその時にできる限り撤退もしくは退避させられるか
我が戦隊はどこかのタイミングで他部隊に連携してできる限り生き残らせたいです。
それは許可いただけますか?このままでは、、、。」
と南條に提案する。

亜美戦隊長「あとは、これはどこまで我々が聞いていいのか解りませんが。。。
この大規模戦は何が行われるのですか。日本帝国軍、アジア連合軍、米軍、そして国連軍主導?
となるとかなりな事をやるのですね。」

南條中将「勿論だ、出来ることを精一杯やってくれ。
それに関しては、横浜ハイヴを放置する訳にはいかんからな...悲しいが、日本のみで対抗するのは難しいんだよ。」

亜美戦隊長「、、、横浜ハイヴを殲滅させるのですね。これは確かにアジアでの重要な反攻作戦ですね。
是が非でも達成させなければ。解りました。我々は現場でできることを精一杯行います。」
と、お墨付き?をもらい亜美はほっとする。

亜美戦隊長「では、上層部や各国との連携は南條中将にお任せします。
私は、、斯衛、特に現場の方々と連携したいと思います。

真木さん、時間がずいぶん経ってしまいましたが正式にですがご両親に謝罪と私たちの事と今後の話をしたいです。
お取次ぎ願いますか。

西、貴方はできる限り米軍の若手将校の方々と連携して。別にスパイしてという事ではないから。
連携できることはして、今後につなげたい。これだけの事がもし起こるのであれば、米軍とは
今後関係性がまずいことになると思うわ。

凜大尉は横浜ハイヴ殲滅作戦での我が戦隊の動きの基本方針を策定してほしい。
後から南條中将より正式に命令があるけど先に動ける内容は詰めておきたい。

菅中尉は衛士より対防諜関連を優先して。

奈月中尉は。。凜大尉の補佐と余力があれば、、可能であればゴースト准尉と連携して奈美のフォローをお願い。」
と各自に指示を出す。

南條中将「無論だ。衛士達の損失は人類敗北に拍車を掛けることになるだろう...。
それだけ人材は大事だ。なんとしても損失を減らせなければな。」

真木班長「うん?お袋にか?亜美の頼みなら断らない筈さ。取り次いでおくよ。」

奈月中尉「了解しました。」

西少佐「もちろん。そう言う伝手は切れないものだ。だが奢らず今まで通りの関係性を保つことをしておく。」

凜大尉「解ったわ。奈月中尉とあと東野中尉とも連携してやっておくわ。」

菅中尉「承知しました。我が戦隊には手出しさせませんわ。」
とそれぞれ答える。

亜美戦隊長「皆、有難う。宜しく頼みます。。とりあえず今日の所は解散で。
南條中将わざわざ来ていただきありがとうございました。」

と、解散させてから奈月中尉を呼び止めて話す。
亜美戦隊長「奈月、ごめん。この様子じゃ今日も徹夜になりそう。ゴースト准尉には一報は入れて医務室へ行かせてるけど
ちょっと奈美の様子見てあげてくれる?。ごめんね。長女としてふがいないばかりで申し訳ないけど。。」
と伝える。

奈月はそれを聞き頷く。
奈月中尉「はい...いや違った。うん、奈美の事は任せて姉さん。」

その返信に嬉しそうにほほ笑む亜美。
亜美戦隊長「うん、頼むわ。私の可愛いもう一人の妹の奈月。」
と言い執務に専念する。

翌朝、亜美は徹夜明けで戦隊の業務や調整事項、奈美の夢見の件で忙殺されていて
紫音にコーヒーを入れてもらい少し休憩してた。

亜美戦隊長「(、、、いつも時間が足りなさすぎる。その中でも最善の選択をしていかなければ)」
と目をさする。

そんな中、真木が入って来た。
真木班長「徹夜明けすまない。お袋から今日なら都合が付くみたいなんだけど...、流石にやめといた方が良いと思うが...。」

亜美戦隊長「いや、行きます。真木さんお願いします。できることはやっておきたいですから。
それに今を逃すとまたずるずると先延ばしし後悔することにもつながるかもしれません。
少しさっぱりしたいのでシャワーだけ浴びさせてください。」

真木班長「構いやしないけど...、疲れてる奴を連れて来て何言われるか...。」
真木は頭を抱える。

亜美戦隊長「ごめんなさい、これは私のわがままです。でも戦隊の未来のため、私達がより良い選択をするために
どうしてもしたいのです。大丈夫です。少ししゃっきりしてきます。支度に30分時間ください。終わったら連絡します。」
と少し足取りが重いものの戦隊長室を出ていく。

戦隊長室に残された真木。紫音が声をかける。
橘副官「真木さん申し訳ない。でもどうしてもやっておかないといけない事なのですよ。
あの姉妹は、、真木さんを、、皆を死なせなくないのですよ。だから自分達の事は後回し。
でもだから支えたい。これが終わったら一区切りですら、休ませます。だから申し訳ないですが、お願いします。」
と亜美の意を汲みたい紫音は言う。

真木班長「自分が倒れたら本末転倒だってのに...、あぁ分かったよ。」
頭を掻いて答える。

橘副官「そうですね。そこまではさせません。ちゃんと体調管理は私の方でも見てますので。」
二人は亜美を心配するもやりたい事をさせてあげるために動く。

そして急いで亜美はシャワーを浴びて正式な軍服に着替えて亜美は真木に連絡する。
亜美戦隊長「お待たせしました。しゃっきりしました。どこに行けばよいでしょうか。
今から可能です。」



真木班長「あぁ、お袋達が勤務している斯衛軍戦術機研究所に来いって言ってたよ。
場所は知ってるから案内できる、ついて来てくれ。」



亜美戦隊長「有難うございます。ではそちらの研究所に行きますか。」
と真木について行く。

到着した研究所にて、会議室に案内された。
真木舞香「いらっしゃい亜美戦隊長、こんな所に呼び出して申し訳ないわね。」

真木政宗「来たか沙奈江、なんの様だ?。」

沙奈江の母で斯衛軍技師中佐の真木舞香と同じく沙奈江の父で斯衛軍技術少佐真木政宗が出迎えた。
真木班長「んだよ親父もいたのか、用があるのはアタシじゃねぇよ。亜美戦隊長だ。」

亜美は立ち上がり最敬礼でまずは頭を下げる。
亜美戦隊長「その節は色々有難うございました。今回は私、早雲亜美が陸軍第零独立強襲戦隊の部隊長として
奈美の姉としてきました。」
と真木の両親に話をする。

真木舞香「コレはご丁寧に。良いのよ、そもそもウチの娘達が迷惑掛けたのですから。」
真木政宗「あぁ...ありがとうと言うならこちらが言うべき事だ。」

亜美は真木の両親に感謝しつつこれは、真木さん驚いてるだろうなと
お父様がこんなことを言うなんてとちらっと真木を見てから話す。

亜美戦隊長「そういっていただけると嬉しいです。すみません、これから話すことですが、
私達姉妹に関することを含めてご相談したいことがあり、お時間をいただきました。
まずは、、疑って申し訳ありませんが、この部屋の防諜は大丈夫でしょうか。」

真木舞香「防諜ですか?それなら適任者が既にやってますから大丈夫ですよ?ね?菊間君?」
そう言うと、天井からノック音が聞こえた。どうやら今回は姿を現さないようだ。

やれやれ、抜け目ないと思いつつも安心して。
亜美戦隊長「菊間整備兵なら問題ありませんね。では、お話しさせていただきますね。
まずは前回奈美准尉が正宗少佐殿にお見せした件は、あれは真木さんが戦死した先の未来の内容です。
そこには私たちはいません。私たちは同じ時代にはいませんでした。


ですがなぜか私たちは幸運にもこの今の世界にいます。
そして九州防衛戦で真木さんは生きたいと強く思っていた。その思いが通じたのです。


それに真木さんは得難い存在です。真木さんのおかげで両親を戦死させてしまった絶望から
私達姉妹は救ってもらいました。それに佐渡島防衛戦でも。。
だから私達姉妹は今を生きて行けてます。本当に助かっています。」
と一瞬真木を優しく見つめて視線を真木の両親に戻す。



真木班長「ったく照れるような事ばかり言いやがってこの!。」
そう言って亜美の髪をクシャクシャに撫でる。

真木舞香「あらあら...。沙奈江はいつの間にそんな立派になったのね。お母さん、嬉しいわ。」
真木正宗「...流石我が娘だ。」

真木班長「あっ?なんだって?」
真木正宗「斯衛の真木家としての役割は果たしているから問題ないと言っただけだ。」

真木班長「チッ、愛想ねぇクソ親父だ事。」

撫でられた亜美はこの時ばかりは奈美と同じように嬉しそうにほほ笑む。
亜美戦隊長「ごめんなさい。でもそれが私達姉妹の本心ですよ。
それに素敵なお父様ではないですか。不器用ではありますがそれでも
しっかり真木さんをほめてらっしゃいましたよ。」
と答える。

そして表情を改めて。
亜美戦隊長「、、、そして次が本題です。もう斯衛の現場の部隊に話が下りてきているか解りませんが、
おそらくですが、来月初旬に大規模反攻作戦が行われます。本土の領土の奪回作戦です。
斯衛軍にも出動要請が出るかと思いますが、、、問題はその作戦中、どうやら現場に無通告で
G弾を複数使われると思われます。奈美の夢見がそう告げてます。


できる限り、将兵を生かして返しあげたいです。上は南條中将から動いて頂いてますが、
現場で出来ることを私は考えています。

 

で、何が今の時点でできるか、そしてその日に何ができるか、

どれだけ救えるか解りませんが、相談させていただきました。
こんなあいまいな話で申し訳ありません、しかし救える将兵は救いたいです。」
と真木の両親に話す。

真木舞香「今更貴方を疑うつもりもありませんし、気持ちは痛いほど分かりますが...私はあくまで技術中佐。
確かに佐官クラスではあるけど一介の技術佐官の言葉を信じてくれるか...証拠を出せと迫られるのは確実にあるわ。
でも...出来ることはしたいわね。」

真木正宗「確かに、確実な証拠を出したいが君の存在を出す訳には行かん。」

亜美戦隊長「、、、はい、その通りです。私達は表に、特に能力については出せません。
それをすれば真木さんや支えてくれている方々にも迷惑をかけるどころか、自身さえどうなるか。。


それでも私達の両親はこう言った時は親しい戦友や友人達と協力して現場でできることをやっていました。
ですからどうか現場で出来る事を斯衛でもお願いしたいです。せっかく真木さんのご両親にもお目通りできたのですから。
人は宝です。一人でも多く助けたいです。」
と、懇願する。

真木舞香「そうね...ダメ元でも司令部などに声を掛けてみるわ。それに...菊間君、聴いているでしょう?
閣下にもその情報伝えて警戒をして貰ってくれないかしら?。」

了承したのか、ノック音が天井から聞こえた。

亜美戦隊長「有難うございます。上は上で南條中将が動いてくれますが、現場でできる事があれば
斯衛側でも宜しくお願い致します。菊間整備兵もよろしくお願いいたします。
ご理解有難うございます。」
話を聞いてもらえ亜美は安心した。全体的には何もできなくてもこうやって知り合えた方々の
知りあいだけでも最低限助けたいと思っていたから。

そして最後に戦術機の技術面について聞きたいことを聞いてみる。
亜美戦隊長「あと、これは答えられる範疇で構いません。無理ならこのまま自部隊で研究開発してみますが。
我が戦隊独自で戦術機の機体改修を真木少佐率いる整備部隊に依頼してます。
その中で、1点うまく行っていない点がありまして。


それは戦術機の基本OSの改修作業です。今の戦術機にはソフトウェア的に制限が多すぎます。
そこに目を付けて、菊間整備兵を中心に改良をしていますがうまく行っていません。
もし斯衛側で何かそんな研究をしているとか、その手の人材が友人等にいらっしゃればご紹介いただきたいのですが
可能でしょうか。詳しい話は真木整備班長もしくは実際に対応してくれている上の↑菊間整備兵に聞いて頂ければ。」
と天井に目線を送り伝える。

真木舞香「OS関係か...確かに例え機体をどうにかしてもソフトウェア関係の改良もしなければいけないわね。
機体ばかりの改良しか見てなくて、盲点だったわね...正宗さん、どうかしら?。」

真木正宗「確かに改良すべき所だろう。だが直ぐにどうにかなるなら、画期的な物は既に出ているはずだ。
不知火壱型丙がその例だろう、出力を上げ、OSによって稼働時間を延長をしたが操作が玄人向けになったからな。」

亜美戦隊長「なるほど、、そうですよね。不知火が基本今までのOSの到達点ですかね。
これを一新できるような事ができるのはなかなか難しいようですね。
玄人向けになるのはなるべく避けたいですね。新兵にでも動かしやすいOSが望ましいですね。」

亜美戦隊長「今すぐには無理かと思われますが、こちらも予算確保して長い目で見てやってみます。
もしよければこれからもこの手の事で交流ができると嬉しいです。
ご迷惑でしたら申し訳ありませんが。」
と恐縮して言う。

真木舞香「勿論、交流させて頂くわ。人類勝利の為にも協力できる事は協力しなければいけないわよ。ね、正宗さん?。」
真木正宗「あぁ...全てはこの国と臣民の為、そして人類勝利の為だ。」

亜美戦隊長「有難うございます。そう言っていただけると嬉しいです。
協力できそうなことがあれば、また連絡させていただきます。
本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。」
亜美は立ち上がり、会釈式の敬礼をして立ち上がったがふらつき倒れそうになる。

それを真木は支えた。
真木班長「言わんこっちゃない!徹夜明けで無理なんかするから!。」

真木舞香「なんですって?ダメじゃない亜美さん。戦隊の長が1番体調も大事にしなければ示しが付きませんよ?。」
真木正宗「そこまでして、我々に会いに来た事は有り難いが、寧ろ体調が良い時に来てくれれば良かったのだが...。」

亜美戦隊長「う、、ぐ(汗 申し訳ありません。この所、色々やらねばならないことがありまして。徹夜続きで。
申し訳ありません。でも大丈夫です。どうしても真木さんのご両親にお会いしたかったのと
今後の相談をしたかったので。また良かったら奈美と共にお会いできればうれしいです。
宜しくお願い致します。」
と言う。

真木舞香「沙奈江、此処の仮眠室の場所を教えるから亜美さんを休ませて。」
真木班長「お袋、良いのか?。」

真木舞香「あら?それなら...斯衛軍中佐として命令します。過剰に自身を酷使した早雲亜美少佐を、即刻仮眠室で休ませなさい。
強制的にでも構わないわ、復唱。」
真木班長「はっ!これより早雲少佐を仮眠室に連れて参ります!。」

亜美戦隊長「い、いえ。大丈夫です。まだ帰ってやらなければならないことがあります。
ですから。(汗)」
と答える。

真木舞香「悪いけど、此処は斯衛の管轄よ?そんな体調の人を返すなんて出来ないわ。」
真木正宗「まぁなんだ...。観念するんだな亜美少佐。」
真木班長「って事だ。そんな調子で仕事なんぞできやしないよ。休みな?。」

亜美戦隊長「あの、その(汗 今日は休みますから、戻らせてください。
ちゃんと引き継いで寝ますから。。」
と真木家の圧力に冷や汗が出そうになる。

真木舞香「あら強情ね。素敵だけど、今は素直に従いなさいな。」
真木班長「だなお袋。」

2人に両脇を抱えられ、抵抗できなくされた。
真木舞香「正宗さん、先に仮眠室を押さえてください。"必ず"亜美さんを連れていきますので。」
真木班長「って訳だ、早く行け親父。」

真木正宗「2人とも...分かった。押さえてくる。」
そう正宗は出て行った。

孤立無援な亜美。。うなだれて。。
亜美戦隊長「はい、解りました。従います。。。。申し訳ありません。」
とおとなしくしている。

あれよあれよと言う間に、仮眠室のベッドに横になった亜美。
真木舞香「私達は仕事に戻るわね。沙奈江、亜美さんがちゃんと休めてるかしっかり見張ってなさい?
快調になるまで出て行ってはダメだからね?」
真木班長「勿論だよ。最近オーバーワークだからなぁ。」

亜美戦隊長「はい、ちゃんと休みます。あの、ごめんなさい、真木さんお願いが。。。(ごにょごにょ)」
と恥ずかしそうに何か言った。

真木班長「ん?どうした亜美、トイレとか言って逃げるのか?。」
 

甘えるように膨れっ面になる亜美。
亜美戦隊長「もう、そんなことしませんよ。、、寝るまでで良いです。手を握ってもらえませんか。
寝ると、、、前世の最期の夢を見ることが多くて。少しでも今の夢が見たいので(真っ赤)。」
と言う。

そう聞いた真木は、一度驚くも直ぐに優しく微笑んだ。
真木班長「あぁ良いぞ。あっ、それなら...。」

そう言い、真木も亜美が横になるベッドに入り横になった。
真木班長「手を握るだけじゃなく、添い寝もしよう。これの方がもっと安心出来るんじゃないか?。」

まさかの添い寝にすごく恥ずかしそうになる亜美。
亜美戦隊長「は、恥ずかしい(汗 でもうれしい。これなら良い夢が見れそうです。」
と嬉しそうに手を握り、すぐに寝落ちする。やはりかなりのオーバーワークだったのかクーと少しいびきが聞こえる。
寝顔は安らかであった。

安心した寝顔を見た真木は、亜美の頭を撫でた。
真木班長「ったく、無理しずぎなんだよ...ゆっくりお休み、亜美。」

こうして、亜美は夢見がよくゆっくりと3時間ほど寝れた。
昼過ぎ頃に目が覚めた亜美。。。
亜美戦隊長「う、ん。。ここは。あそうか、倒れかけて寝かせられたんだ。。」

隣には真木が大きないびきをかいていた。
亜美戦隊長「、、真木さんも整備で色々やってもらって激務で疲れてるんだ。。そんな時に申し訳ない。」
と思いつつも真木の寝顔を見たことが無かったのでふふっといたずら心が出て、頬をつんつんする。
亜美戦隊長「、、、真木さんごめんなさい。そろそろ帰りましょう。」

真木班長「んあぁ?...って、アタシもいつの間にか寝てたのかい!
ったく、最近寝不足なのは自覚してたけど...あぁ、帰るか。アタシ達の居場所へ。」

亜美戦隊長「はい、真木さんのご両親に挨拶して家に帰りましょう。、、、

皆ちょっと交代でちゃんとお休みさせないといけませんね。
反攻作戦までに少し時間があります。3交代制にして完全にお休みさせましょう。」
と伝える。

真木班長「そうだな。」

斯衛の基地のゲートにて。
亜美戦隊長「ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。ちゃんと体調管理して行きます。
OSの件は真木整備班長や菊間整備兵から何か進展等あれば連絡いたします。
では(敬礼。」
と真木の両親に挨拶をする。

真木舞香「そんな畏まらなくて良いわ。
私達は、亜美さんと奈美ちゃんは親戚の叔父さん叔母さんみたいな扱いでいいからね?。」

真木正宗「OSに付いてはこちらでもなんとかしてみよう...まぁなんだ。気を付けてな。」

亜美戦隊長「そんなにも思っていただき有難うございます。
今度は奈美も連れてきたいと思います。その時は宜しくお願い致します。
親戚の叔父さん、叔母さん。。。嬉しいです。はい、有難うございました。」
と二人に言葉をかけて真木と二人で戦隊の基地へ帰る。

亜美戦隊長「、、、とても素敵なご両親じゃないですか。お父様も口下手なだけで
とてもいい方ですよ。奈美が取り持ってくれてよかった。」
と真木に話す。

真木班長「単に外面が良いだけだ...帰るよ亜美。」
そっけない言葉に亜美はやれやれと思うが、それ以上は言わないようにする。

そして戦隊に戻り二人で戦隊長室に入ると。。。
あらかじめ真木から連絡を受けてた紫音が顔は笑っているようだがお怒りなのと
西が戦隊長の執務机に偉そうに座って亜美の名前が本来置かれているネームプレートが変わっている。
そこには【第零独立強襲戦隊臨時代理戦隊長西武子少佐】
と書かれている。


隣で東野中尉がまたおバカな事をとジト目で西を見ている。



亜美戦隊長「あの、ただいま。これはどういう事?。」

真木班長「このまま帰しても、亜美がまたオーバーワークをするだろうから先手を打っただけだよ...。
ってか、なんだこのネームプレート。わざわざ作ったのかよ...。」
西の行動力に呆れる真木。

西少佐「もちろんですぞ。真木殿。これから一週間は私が代理で戦隊長を務めます。
とりあえず、亜美と真木殿は即刻今日から3日間休暇です。異論は認めません。
後は私が指揮を執ります。整備班にもちゃんと通達だしてますので宜しくおねがいしますぞ。」
とさらにふんぞり返って偉そうに言う。

亜美戦隊長「いや、あの私が決裁しないことがまだいっぱい、。」

それを聞いた紫音が笑っているが怒りマークが見える顔で亜美をお姫様抱っこして言う。
橘副官「亜美、、そろそろ自身の事をちゃんと考えてください。斯衛の基地で倒れかけたとかもう、本当に心配しました。
ですから強制的にお休みさせます。あと真木さんもちゃんと休んでください。」
と亜美をそのまま抱えて自室に強制的に連れて行こうとする。
亜美戦隊長「や、ちょっと紫音?これは。。(汗)」
真っ赤になる亜美。

橘副官「聞きませんよ。亜美が言う事聞かないので。」

それには真木も驚く。
真木班長「はぁ?アタシも?いやアタシは昨日休んだはず...。」

西臨時代理戦隊長「だめですぞ、二人とも激務なハードワークなの知ってますので
たまにはちゃんと部下のいう事を聞きましょう。紫音、真木殿も連れてって。」
と言う。

橘副官「承知しました。ではこのまま整備ハンガー経由で行きますので。」
亜美戦隊長「ちょ、ちょっと紫音本気??このままで行くの?西じゃないんだから。放して。」
と紫音の胸をポカポカと叩くが紫音は意に介さず。

真木班長「あーあ...、まぁとりあえずついて行くかね。」

と紫音は真木も連れてそのまま整備ハンガーに行く。
橘副官「失礼します。真木整備班長をお連れしました。このまま休息させてあげてください。
整備班もちゃんと3交代等でやって休息取ってくださいね。」
とお姫様抱っこしながら言う。
亜美は恥ずかしくて黙って顔を手で隠して見えないようしている。

上月副官「了解しました。少佐、何度も言ったのに...。
今日こそは大人しく休んで下さいよ?仕事は落合さんにお願いしましたから。」


真木班長「あぁ...、そこまで言うなら...。」

橘副官「上月副官、後はお任せしますね。私は、戦隊長を寝かしつけてきますので
失礼いたします。」

亜美戦隊長「だから、もう解ったから。ちゃんと休むから下して。。(真っ赤)。」
と周りの整備兵の目に耐えられず、また心の声が聞こえて恥ずかしがっている亜美。

真木班長「んな事言って休まないんだろ〜、アタシにはお見通しだよ?。」
目を細めて言う真木と違いないと整備班の中から聞こえた。

上月副官「そのセリフはそのまま少佐に返しますよ。貴方もちゃんと休んで下さい、なんなら橘副官みたいに...。」
真木班長「んな!分かってるよ!。」

橘副官「駄目です。どうせどこかで業務しようとしてますよね?解ってますよ?
それに私も一緒に休みます。だからこのまま連れてきます。」
と普段の物静かな紫音らしからぬ、強硬に連れて行く。

橘副官「それは良い考えですね。上月副官もどうですか、こうやって運べばおとなしくなるかと。」

上月副官「いや、今回こそ休まなかったら考えてみますよ。ね?真木少佐?。」


真木班長「...あぁ、ちゃんと休むから勘弁してくれよ。」
真木は上月に静かな圧をかけられていた。

橘副官「、、、まあ今回はそういう事にしておきましょう。
真木さんあまり副官を困らせると、、こうなりますよ。ちゃんという事聞いてくださいね。」
と普段は整備班には口を出さないようにしていたが、言っておく。

真木班長「...あぁ。」

橘副官「では、失礼します。」
と会釈をして紫音は整備ハンガーを出ていく。

亜美戦隊長「、、、西に副戦隊長になってもらって少し戦隊長業務を任せようかな。」
橘副官「それは、良い考えだと。戦隊も大所帯になりましたし、業務の分散が必要かと。
副戦隊長の件は良いかと。今日はもうその辺で。」
とまだ業務の事を考えている亜美に対して。

橘副官「でないと、そんなこと言ってると、寄り道しますよ。」
と、戦術機部隊の待機部屋による。

そこには昨日の夜から復帰していた奈美と奈月が待機していた。

奈月中尉「ね...戦隊長、戻っていたんですね。お帰りなさい。
倒れたと聞いて心配しましたし、奈美が血相変えて飛び出そうとしていましたよ。」



奈美准尉「、、、良かった。大丈夫そうですね。私心配しました。亜美姉さん、働き過ぎです。
だからゆっくり休んでください。橘副官さんもだからここまでしたのだと。(真っ赤)。」



その言葉に亜美は、恥ずかしそうに、申し訳なさそうに答える。
亜美戦隊長「、、、ごめんね。二人に心配かけて。でも今後は改善していくわ。
そうならないように西少佐を副戦隊長にして分担する。大丈夫よ。」
と答える。

橘副官「そういうことで、今日から三日間亜美戦隊長は強制的に休暇です。
私も一緒に休みますので、何かあったら基本的には西少佐にお願いしますね。」
と伝える。

奈月中尉「了解しました。ちゃんと休んでくださいね?。」


亜美戦隊長「うん、奈月、ありがとう。そうするわ。」


橘副官「では、そろそろ寝かせますので行きますね。」
と紫音と亜美は退出する。

奈美准尉「、、、まさか橘副官さんがあそこまでするとは。
普段はいつも亜美姉さんを優しく支えてましたが、さすがに今回は度が過ぎましたね。
でも、二人でゆっくりできるならこれで良かったのかも。。」

奈月中尉「確かに、これを機会にちゃんと休んでくれると私も嬉しいかな。
誰の目から見ても負担かかっていたのは分かるから。」
二人とも心配しつつもホッとしていた。

そして亜美の個室へ。
ベットに寝かされた亜美は甘えるように紫音に言う。
亜美戦隊長「、、、そうね。紫音に癒してもらおうかな。真木さんの添い寝はすごくよかったなあ。」
と挑発してみる。

挑発された紫音は眼鏡を取り、亜美の横に行き手を絡めて。
橘副官「、、、言いましたね亜美。そこまで言うなら私だって。」

亜美戦隊長「嬉しい。たまには二人でゆっくりしたかったし。」
と紫音の首に片手を回し、紫音に抱きつく。幸せな時間を久しぶりに取れた二人であった。

明星作戦開始まで1ケ月を切った日々の少し幸せな日々だったと亜美は後に回想していた。
END
 

ムリーヤ輸送機改修計画

藤田中尉「砂原、テメェ輸送機を改造しやがれよ。」
始まりは藤田のこの一言だった。



砂原整備兵「は?いや、藤田さん何言ってるんすか。俺の専門は戦術機ですよ?
輸送機なんて弄れないですから。」

困惑する砂原に、藤田は詰め寄る。

藤田中尉「じゃあ兵器開発部のガラクタ置き場にある、
いかにも戦術機に付けるにしてはデケェ奴があるが、ありゃなんだ?。」

砂原整備兵「そ、それは...。」

藤田中尉「淀んでねぇでさっさと答えろ!。」

砂原整備兵「はい、輸送機用の追加ブースター...です...でもあれは単なる出来心で...。」

藤田中尉「輸送機弄れるんじゃねぇかよ!なら早く搭載してくれよ!。」

そう言って更に砂原に詰め寄る藤田。

その後ろからぬぅ~と出てきた葉吹大尉。
拳骨を藤田中尉の頭の上に落とす。
葉吹大尉「ふ、じ、た中尉?何を越権行為してるのですか?
しかも自分の上長に相談もなく、輸送機部隊の整備班を通さずに何をしてるのですか?(# ゚Д゚)。」
とおでこに怒りマークが入っている。



藤田中尉「ゲェ!葉吹の姉御!
いや、その...最近ムリーヤの機動力とスピードに不満があるから、
兵装の独自開発やら改造している砂原なら出来ると踏んでよ...。
話しても絶対やらないじゃねぇかと思ったから...。」
口を尖らせながら藤田はそう話す。

砂原整備兵「戦術機だけで精一杯なのに、勘弁して下さいよ。」

静かに切れている葉吹大尉。
葉吹大尉「その前にまず言う事が有るでしょう?
それとも拳骨がまだ必要ですかね。(# ゚Д゚)」

藤田中尉「すみませんでした。」
速攻で謝っていた。

それを聞いて優しい顔つきに戻る。
葉吹大尉「はい、よくできました。グラウンド50周で許します。
そして砂原整備兵、いきなり脅迫まがいな依頼申し訳ありませんでしたわ。
こちらでしっかり焼きを入れておきますので納めて欲しいですわ。」
と砂原に頭を下げる葉吹。

藤田中尉「えぇ!50周は勘弁...すんません!まま言いました!。」

直ぐに葉吹に睨まれ直ぐに謝る。
砂原整備兵「構いやしませんよ。ですが、輸送機の改造は面白そうっすね。」

葉吹大尉「そうですわね。確かに生存率が上がるならそれは興味がありますので
後日、正式にうちの整備班より戦隊長に上げられたらお願いしたいですわ。
それで宜しいすか砂原整備兵。」
と砂原に聞く。

砂原整備兵「良いっすよ。まぁ、開発部の連中が勝手に作った物ですからね。追加ブースターは。」

葉吹大尉「有難うございます。通れば正式に依頼したと思いますのでその時はよろしくお願いいたしますわ。」
と敬礼して藤田を連れてグラウンドに行く。

藤田中尉「姉御、結局依頼はしてくれるんだな。」

葉吹大尉「もちろんです。我々輸送機部隊は護衛手段がありません。
ですから改善するのは良い事です。ですからそれは良いですわ。
ですが、いきなり現場の戦術機整備班に話を持っていくのはダメですわよ。
はい、では一緒に走りながら聞きますわ。」
と答える。

藤田中尉「は?俺だけ走れば良いだろ...まぁ良いけど。」

葉吹大尉「部下がしでかしたことはすべて私の責任です。だから一緒に走ります。
で?何を見てどうしたいのかをまず聞きたいですわ。」
と藤田に言う。

藤田中尉「兵器開発部のガラクタ置き場に、明らかに戦術機に付けるにしてはでかいのがあったんだ。
で、砂原に詰め寄った結果、開発部の連中がまたもや趣味で輸送機用の追加ブースターを作ったんだと。」

走りながら聞く葉吹。
葉吹大尉「なるほど、、、それは藤田中尉以外でも扱える代物であるのか、そのあたりの確認も必要ですわね。
藤田中尉、そういうのはまず見た、思いついたなら私に言いなさい。
いきなり現場の方に迷惑をかけるのはダメですわ。
しかも彼らは戦術機の整備班です、しかるべき手続きを踏んでからですわよ。良い?解りましたか?。」
と言う。

藤田中尉「はいよ、分かったよ姉御。」

葉吹大尉「はい、よくできました。今後同じことをしましたら、、、
解ってますよね。拳骨とグラウンド50周以上の事をさせてあげますわ。
しかるべき手続きをこの後取ってくるのでしばらく待ってなさい。」
と藤田中尉のペースでグラウンド50周して藤田中尉の頭を撫でてその場を離れる。

藤田中尉「ったく、ガキ扱いすんなよ...。」

その言葉が聞こえたのか一瞬戻ってくる葉吹。
葉吹大尉「何か言いましたか?藤田中尉(# ゚Д゚)」

藤田中尉「なんでもないですよ。」

葉吹大尉「、、、それなら良いですわ。」
と言いシャワーを浴びて輸送機部隊の執務室へ戻る。

藤田中尉「本当地獄耳なこった。まぁ、前の上官に比べれば凄く良いから文句ないけどな。」
そんなことを呟いていた。

こうして葉吹は執務室で調整をする。
葉吹大尉「あ、整備班長?実はこう言う改善がありまして、はい可能であれば実施したいと考えてますが
いかがですか?整備に手こずらないなら良い?有難うございます。では戦隊長に相談して許可が出れば
戦術機整備兵と共同でお願いできますでしょうか?。」
と輸送機部隊の整備班にまずは許可を取り付ける。

そして亜美戦隊長に改善提案を依頼する。
亜美は戦術機整備班が承認すれば対応して良いと言ってくれた。
こうして夜遅くまで改善依頼書を作成し、翌日になった。

翌日藤田中尉と槙村中尉を呼び出し説明する。
葉吹大尉「と、言うわけで通りました。事前に戦術機整備班には戦隊長から話をしてくれていて調整会議よ。
これから戦術機整備班に相談に行くので二人ともついて来て欲しいですわ。」
と言う。

そんな葉吹の話に、槙村が藤田を細目で見る。
藤田中尉「んだよ、俺になんか付いてんのか?。」

槙村中尉「藤田...昨日姿が無いと思っていたがまた大尉や他の人に迷惑を掛けたのか?。」

藤田中尉「悪いかよ。既に姉御に処されたから、2度同じことは言うつもりはねぇよ。」

槙村中尉「はぁ...後で謝りに回らないと...。」


葉吹大尉「槙村中尉、そこは私がフォローしてるから大丈夫ですわ。じゃあ、行くわよ。」
と二人を促して戦術機整備班の整備ハンガーに行く。

ハンガーに着くと、砂原を始めとした兵装開発部が戦術機ではなく、輸送機をいじっていた。
砂原整備兵「葉吹大尉、来ましたか。丁度改造中と言う所ですよ。」

葉吹大尉「砂原整備兵、有難うございますわ。無理はしないでくださいね。」
と機体を見る。

砂原整備兵「輸送機整備班の連中の協力もあり、大きな問題は今の所ないっすね。
開発部で作っていた追加ブースターを搭載して、操作性の追従向上に、軽量化、更に追加装甲に使う
対レーザー蒸散塗膜加工と、出来うる限りの改造を施す予定っすよ。」

葉吹大尉「有難うございます、砂原整備兵。今度差し入れ持っていきますので。藤田中尉に作らせますわw。
ね、ちゃんと要望をしかるべき所を通してやればこう言う風にやってくれるのよ。
筋は通してね。藤田中尉?」
と娘をあやすように言う葉吹。

藤田中尉「おぉ!ムリーヤがまるで戦術機みてぇに動かせるって訳か!すげぇな!。」
葉吹のことを無視して、改造されている輸送機に目を輝かせる藤田。

槙村中尉「藤田!葉吹大尉に返事をしろって!。」

藤田中尉「おっと、はい!分かりました姉御!。」

ごごごとちょっと怒り始める葉吹(# ゚Д゚)
葉吹大尉「、、、うふふ。ちゃんと解ってますか?それならば良いですわ。」

砂原整備兵「ま、まぁそんなに時間は掛からないはずだから。試験飛行の準備をお願いします。」
葉吹の怒りの表情に引きながらも、砂原はそう言って改造作業に加わる。

藤田中尉「じゃあ副長達を呼ばなきゃな。」

葉吹大尉「そうね。宜しくお願い致しますわ。藤田中尉みんなを呼んできて貰える?」
と言う。

そして、副長達を呼び試験飛行をすると説明すると。。。
二番機副長「嫌です。」

藤田中尉「はぁ?今更じゃねぇかよ?」
藤田が機長を務める二番機の副長が、明確に拒否した。

二番機副長「何時も何時も、何でウチの機体だけ色々被弾して着陸していると思ってるんですか!
しかも、光線級の群れに突っ込んで被弾しまくって墜落したのだって、もう数えてませんよ!
それだけじゃなく、色々改造した輸送機に乗るって...お願いですから、勘弁して下さい!。」

藤田中尉「そ、そりゃあ俺がぶん回してるからな...。」

様子を見ていた葉吹は。
葉吹大尉「(そりゃそうよね。長年の付き合いですし)まあ仕方ありませんわ。
今回の試験飛行は藤田中尉がメイン、サブが私で対応します。
この改良は良い事だと思うので、ただみんな試験内容はちゃんと見て頭に叩き込んで欲しいですわ。」
と言う。

二番機副長「葉吹大尉〜!ありがとうございます!。」
喜ぶ二番機副長。藤田は、少し納得してないが葉吹の意見を肯定した。

藤田中尉「...了解姉御。改造した輸送機の試験飛行こそ、何時ものメンツでやった方が良い気もするけどな...。」

二番機副長「嫌です、絶対!嫌です!」

葉吹大尉「そうね。それは後で習熟訓練で対応して、今回は思いっきり回していいわよ。
ここで不具合等全部出し切る形で行きましょう。」

藤田は葉吹の言葉に、ニヤける。

藤田中尉「へぇ...良いぜ、飛んだ後に止めろと言っても聞かねぇからな?。」

ケロッとした顔で言う。
葉吹大尉「良いですわよ。たとえ気絶しても構わないわ。実践で何かあった時にどう対処できるかが
解るようにしたいので。好きになさい。」
と答える。

藤田中尉「よっしゃあぁ!腕が鳴るぜぇ!」
そう言って、輸送機の方に行く藤田を槙村が止める。

槙村中尉「まだ改造作業中だぞ藤田。大人しく待ってろ。」

藤田中尉「そうだったな...んだよ、焦ったいぜ。」

葉吹大尉「(まったく、現金な子ですわねえ。槙村中尉が倒れなければいいけど)」
とやれやれと思う葉吹であった。

2時間後、改造作業が終わりぐったりしている整備兵達。
砂原整備兵「お、終わった...慣れない作業で皆んな疲れ切ってやがる。
輸送機パイロット達、お待たせしたっすね。今燃料を...。」
そう言って砂原も、片膝を付いた。

槙村中尉「相当疲れているじゃないですか!試験飛行は後日にでも。」

砂原整備兵「いや、せっかく完成まで漕ぎ着けたんだ。鉄は熱いうちに打たないと。」

それを見ていた葉吹は。
葉吹大尉「、、、ですがここまで疲労が出てるのは、判断は戦術機整備班の真木少佐殿か落合副長殿に任せますが
確認して欲しいですわ。」

砂原が確認を取った結果。

真木少佐「ダメだ。」



落合副長「ダメです。」



即却下された。

真木少佐「アンタと兵装開発部、これで何徹目だと思ってるんだい?これ以上は許さないよ!。」

落合副長「休まないと、兵装開発だけではなく全体の整備精度にも響きます。
整備不良の理由が整備兵の体調不良なんて、笑えません。絶対休んで下さい。」

砂原整備兵「だ、そうです...畜生。」

葉吹大尉「ですわよね。。はい、調整はお任せします。
申し訳ありませんが後日よろしくお願いいたします。」
と頭を下げる。

藤田中尉「えぇ!直ぐにでも飛ばしてぇのに〜!」

砂原整備兵「直ぐにでも改良してぇのに〜!」

アホの2人による残念な雄叫びが上がる。

やれやれと思いながら。
葉吹大尉「藤田中尉、あのね、皆貴方達のようにできるわけではないし、
倒れてしまっては困るのよ。戦隊長が普段言ってる事をちゃんと解って欲しいですわ。」
と言う。

藤田中尉「整備兵あっての俺たち、だろ?
分かってるさ。ほら砂原、休んでこいよ。」

砂原整備兵「うぅ...直ぐ目の前に改良の余地ありそうなブツをみすみす放置するのは、俺のポリシーに...。」

真木少佐「さ〜は〜ら〜!。」

砂原整備兵「はい、すみません。直ぐに休んできます!。」

真木に睨まれ、駆け足で仮眠室に急行する砂原を始めとした兵装開発部の整備兵達。

藤田のその言葉ににっこりして
葉吹大尉「解っているのであればいいのよ。
では真木少佐あとはよしなに、輸送機部隊も整備班を含めて解散ですわ。
皆様お疲れさまでした。」
とねぎらう。

真木少佐「おう、作業終わった連中から片付けの2〜3班残して後は飯を食いにいけ。駆け足!。」
そう言って、今日は解散になった。

葉吹は真木達と相談し、一週間後に試験飛行となった。
そして当日。
再度戦術機整備ハンガーに集まる。

真木少佐「さて、砂原。これ以上の調整は不用かい?。」

砂原整備兵「そうっすね。これ以上は一度飛ばしてみないとなんとも言えないです。」

葉吹大尉「了解ですわ。じゃあ、藤田中尉思いっきりやっちゃっていいわよ。」

藤田中尉「了解!フライトの時間だオラァ!。」
そう言って、輸送機に乗り込む。

葉吹大尉「(まったく元気な子。まあそこが良い所でも悪い所でもあるけど)。」
とその後ろ姿を見ながらゆっくり乗り込む葉吹。

藤田中尉「内装は特に変わり無し。操縦桿は...へぇ、なんか握りやすい気がするじゃねぇか。
後は飛んでのお楽しみかな。」
手早く発進準備を整えていく。

葉吹大尉「(さすが優秀ね)、、、機長発進準備完了。任せましたわよ。」
副長としてやるべきことを手早く済ませて藤田に伝える。

藤田中尉「了解、管制塔...は今回はないか。滑走路に侵入する。」

輸送機は滑走路に侵入。特に他の航空機は入って来ない。

藤田中尉「滑走路クリア、各機チェック。オールグリーン。発進する。」

輸送機は改造前よりも、加速が速くなり、直ぐに飛び立った。

藤田中尉「ランディングギアアップ。こりゃすげぇ、加速度も段違いだ。」

葉吹大尉「、、、これはすごいですわね。離陸が早い。これなら作戦行動も早めに進められそう。
では、演習区域で項目試験を行いましょうか。」

藤田中尉「了解、これより演習区域に移動する。」

巡航速度で演習区域に移動すると巡航速度でも従来の輸送機よりも速く、早くに演習区域に到着すた。

藤田中尉「演習区域に到着。巡航速度でもこの速さ、こりゃあ項目試験が楽しみだぜ。」

葉吹大尉「では、機長好きに試験項目やっていただいて構いませんわ。
、、、ただ急降下だけは最後に。さすがに私が持たないかもしれないので。」
と言う。

藤田中尉「はいよ、姉御。」

それから試験項目をどんどんこなしていき、光線級レーザーでの回避項目に入った。

藤田中尉「そらよ!。」

いつもの通りに、レーザー警報と準備照射に合わせて回避した。
輸送機は藤田の操縦に遅れる事なく追従し、最小の動きでも回避してみせた。

藤田中尉「おぉ!思った通りに、しかもラグが無く動いてくれるぜ!
その分Gがキツイが...慣れてみせる!。」

葉吹大尉「(さすがね。良い腕をしていますわ。Gがキツイと言いつつ耐えられてる。
むしろ私が、耐えられないかも。)」
と副長として操縦の補佐を行いフォローしている。

バレルロールも行い、レーザーを回避した所で試験項目を全て終え、着陸した。
藤田中尉「すげぇぜ!コイツは!これが戦隊の輸送機になれば、輸送部隊の活躍も更に出来るぜ。」

葉吹大尉「いいですわね。これなら強襲空挺降下でも行けそうだわ。
皆、全機に改修作業が終わり次第、習熟訓練に入りますので。
戦術機整備班は無理のないようにスケジュールを組んでお願いいたしますわ。」
と言う。

真木少佐「戦隊長からも許可は降りたよ。一機ずつになるが、改修作業は行って行くよ。
そっちは任せときな。」

葉吹大尉「有難うございます。ではそれでお願い致しますわ。」
と答えて、解散を伝える。

数日後、突如南條に呼び出された亜美は彼の執務室にいた。
南條中将「すまない呼び出して、早速だが緊急で任務を受けて欲しい。」



敬礼して答える亜美。
亜美戦隊長「構いませんよ。どのような任務でしょうか。」



南條中将「光線級吶喊を頼みたい。しかも離れた2箇所同時にだ。
既に瓦礫ばかりの廃墟と化している市街地で、光線級の群れを観測した。
だがいかんせん数が多くてな、残り2箇所の所でコチラの戦力が疲弊してね...。

しかも、片方の群れは瓦礫の上に陣取っていて、
並の輸送機じゃあ撃ち落とされてしまう...そこで戦隊の出番と言う訳だ。」

少し考える亜美。
亜美戦隊長「、、、承知しました。支援砲撃で援護して選抜メンバーで突入で行けそうですね。
ちょうど今空挺輸送機部隊の機体改修が1機終わりまして、それなら対応可能かと。」

 

南條中将「あと一つ、2箇所目の群れの移動速度が速いと報告が上がっている。

其方に第二機動小隊を派遣して、速やかに群れを排除してくれ。」

亜美戦隊長「、、、そちらは第二機動小隊ご指名ですかなるほど。
承知しました。第一目標は第二機動小隊以外の選抜小隊で対応します。」

南條中将「頼んだよ、早速かかってくれ。」

亜美戦隊長「了解いたしました。直ちに戻り次第ミーティング、選抜小隊を編成、
明朝出撃で対応いたします。」
と敬礼をして帰って行く。

基地に戻り、紫音に話す。
亜美戦隊長「紫音、南條中将より光線級吶喊任務を頼まれたわ。
2個小隊選抜し対応する。
戦術機部隊、戦術機整備班、空挺輸送機部隊、空挺輸送機整備班の全部隊とのミーティングをすぐに行います。
会議設定お願いね。」

橘副官「承知しました。すぐに招集かけますね。」
と緊急任務のミーティングの対応を行う。

そして会議室にて。
亜美戦隊長「皆、お疲れ様。南條中将から緊急任務を受けました。
うちの戦隊ならできると思います。廃墟の地方都市部に巣くっている光線級吶喊任務です。
一個小隊を選出、もう一部隊は第二機動小隊で対応します。
忌憚ない意見と選抜小隊を選びます。」
と南條中将からのオーダーについて詳しく説明する。

凜大尉「任せて、私達ならできるわ。ね、奈月中尉。あとはもう1小隊ね。
ここは第一戦闘小隊で決まりでは。さすがに第三防衛小隊では無理でしょう。」
と甲本大尉が答える。



西少佐「えー、選抜小隊?誰か付けて欲しいな。
こんな瓦礫のある廃墟で光線級のレーザーよけながら吶喊なんて
うちはせめてエスコート役が欲しいよ。
何なら奈美ちゃんでもいいけど。もちろん私の膝に乗っけるけど、イテ。」



と横に座っている綾子にチョップされる。
東野中尉「こら、ロリコン少佐(# ゚Д゚)ですからそれが余計なのです。
ですが、この状況であれば最低限奈美准尉はできればつけて欲しいですね。」
とも言う。



奈月中尉「勿論です、慣れたものですよ。」



甲本にそう答えているのを横目に、藤田が立ち上がる。

藤田中尉「問題ねぇ。第一小隊は、俺とムリーヤ改が責任もって送り届けてやるよ。
これで文句ねぇだろロリコン眼帯。」
そう豪語した。

西少佐「可愛いくない、ガラの悪い子だね。まったく、喧嘩売るならいつでも買うけど。
うちに来てもらってる子たちを見習ってほしいものだわ。あと奈美ちゃんとか、
そんなガサツなのは優雅でないし嫁の貰い手ないぞ。
あ、槙村中尉がもらってくれるから問題ないかーw。」
ゴゴゴと燃えてる武子。

藤田中尉「興味ねぇな、って良いかげん自分がドン引かれていることを自覚しろよ。
見習う必要性も、可愛げなんてのも必要ねぇだろ。」
どこ吹く風と、適当に西へ返す。

西少佐「別に良いわよ。知ってるし、ドン引かれても。
うちに帰れば慕ってくる拾ってきた癒してくれる専属のメイドたちもいるし。(ニヤソ。」
とけろりとこちらもどこ吹く風でポンコツ顔で言う。

亜美戦隊長「、、、西のロリコン病は置いといて。そうね。奈美准尉は付けるか。
ただし、輸送機で。」
と思案する。

藤田中尉「戦隊長、今回使う改造した輸送機はムリーヤとは別モンだ。
加速度も機動力も段違い、下手したら奈美は気絶するぜ?なぁ、葉吹の姉御。」

葉吹大尉「、、、そうね。私でも急降下はブラックアウトぎりぎりですわ。
奈美准尉にはきついかも。。」

西少佐「それならば、やはり私の膝に。イテ。」

再びチョップする綾子。
東野中尉「だから、それがいけないのでしょ西先輩。せめて補助席でしょうが。(# ゚Д゚)」

亜美戦隊長「、、、そうね。そうすると西に奈美を付けるか。。。」

東野中尉「正気ですか?戦隊長。ロリコン少佐の毒牙に掛けるつもりですか。」

西少佐「し、しどい。そこまで言う?。」
とがっかりする武子。

藤田中尉「一応、奈美にも聞くべきだなこりゃ。どうする?正直言って輸送機に乗るのも、
あのロリコンの戦術機に乗るのもおすすめしねぇよ?。」
藤田は奈美に直接聞いた。

悩む奈美しかし、決心して答える。
奈美准尉「、、、正直なところ、改造した輸送機の急制動にはついて行けない気がします。
それに、直接戦域でオペレートしたいので、西少佐さんの機体の補助席ですかね。。。」
とびくびくしながらちらっと武子を見ていう。

藤田中尉「マジで言ってんのかそれ?既に乗りたくねぇ気が伝わった来るんだけどよ...。」

槙村中尉「コレばかりは藤田に賛同だが...。それ以外の案が思いつかない以上はな...。」
藤田と珍しく槙村も、奈美に同情した表情をした。

奈美准尉「、、、戦術機ならいつもと変わらないはずですし。
補助席なら何とか。それに西少佐さんはそんなことを言ってますが、
ちゃんと優しくしてくれるはずです。」
と何か思う所があるのか優しく武子を今度は見つめる奈美。

西少佐「ぐは、その顔は反則だよ。解ったよ。ちゃんとするから。
でも補助席に乗せるのと下すのはお姫様抱っこだからね。」
とニヤソとポンコツな顔をして言う。

藤田中尉「可哀想に...。」
槙村中尉「可哀想だな...。」
奈月中尉「可哀想...奈美、変なことされたら隠さないでね?。」
3人は奈美に対してそう言った。

同情の想いを感じ取った奈美。
奈美准尉「、、、恥ずかしいですけど。頑張ります。」
と真っ赤にして答える。



亜美戦隊長「西、解ってると思うけど妹に変な事したら怒るからね。」
とやれやれとため息を吐いて言う。

西少佐「亜美~、信用ないなあ。私が手籠めにするわけないじゃん。
ちゃんと女男爵の流儀と言う物があってな、ちゃんとエスコートするよ。」
と答える。

真木少佐「アンタらコントはそこまでにしな。
戦隊長、今し方落合から機体の準備は終わったとの報告を受けたよ。後は衛士の準備次第だ。」

亜美戦隊長「真木さん有難うございます。
では、第一戦闘小隊および奈美准尉と、第二機動小隊で対応します。
各小隊は準備を行い明朝0400時に出撃します。
以上、健闘を祈る敬礼。」

藤田中尉「しゃあ!遂に実戦投入だ、腕が鳴るぜ!」
敬礼後、意気揚々に藤田はその場を後にする。

槙村中尉「全く、そんなこと言ってまたスクラップにしてくるなよ?」

藤田中尉「ソイツは敵次第だ。落ちる気は更々ねぇよ。」

こうして、会議室より全員が出ていく。

奈美が困った顔をして座っている。

ゴースト准尉「(これは俺も行くべきか。でも選抜だから無理だろうな
奈美さん、大丈夫。西少佐殿はちゃんとエスコートしてくれるよ。」

奈美准尉「、、、いえそれは問題ないかと思うのですが、私が西少佐さんの
戦術機操作に耐えられるかです。正直。。。それに嫌な予感がします。西少佐さんに。。だから戦術機にしました。」
と言う。

ゴースト准尉「あの、西少佐殿にまさかがあるのか、、(いや戦場では最悪の事が起こることは、、、
良くあることだ。奈美さん何か見えてるのかな。。それはそれで心配だ)。」

悩みつつ、仮眠を取りに自室に戻る奈美。
皆解散していく。

明朝、選抜部隊が整備ハンガーに整列して亜美戦隊長が訓示を行っている。
隣には橘副官(大尉)もいる。
見送り組の衛士もちらほら見受けられる。

亜美戦隊長「話すことは一つだけ、戦死は許しません。
だから、万が一任務が達成できない場合や負傷しても必ず帰ってくること。
責任は私が取ります。以上、戦術機部隊、第一戦闘小隊、第二機動小隊出撃せよ。」

選抜部隊の各衛士は戦術機に乗り込む。
洸騎が奈月に駆け寄り。
八島准尉「お気をつけて、無事の生還を祈ってます。(敬礼」

ゴースト准尉「奈美さん、気を付けてね。大丈夫、いつも通りで大丈夫ですよ。」

奈美は緊張しながら答える。
奈美准尉「は、はい。ちゃんと第一戦闘小隊の支援に専念します。」

西少佐「ゴースト准尉、ちょっと奈美ちゃん借りてくよ。」
とひょいと奈美を持ち上げお姫様抱っこして戦術機に乗り込もうとする。

奈美准尉「あ、西少佐さん、は、恥ずかしいです。(汗。」
と真っ赤になりながら連れていかれる。

奈月中尉「はい、洸騎さん。行ってきます。」
洸騎に笑顔を向け答える奈月。

砂原整備兵「洸騎さんだってよ!ったくいつからそう言う関係になったんだ八島さんよ!。」
そう言って、砂原を始めとした整備兵が洸騎に群がっていた。

真木少佐「ったくアイツら...それにアホの西も...これから光線級吶喊だってのに...。
まぁ、変に緊張しているよりは良いけどよ...。」
呆れ顔でそれらを見る真木。

凜が呆れてそれを見ている。
凜大尉「、、、まったくいつの間に仲良くなったのだか。奈月中尉お熱いことで。」
と茶化す。

真っ赤になりながら戦術機から離れようとする洸騎。
八島准尉「ひ、秘密であります。」

武子は武子でニヤソとデレっとした顔をしながら奈美を抱えて戦術機に乗り込もうとして
後ろから蹴りを食らう。

東野中尉「こら、このへっぽこ女男爵。ちゃんと奈美准尉をエスコートしてくださいよ。」
とあきれ顔で言う。

西少佐「痛いなあ、大丈夫だよ。ちゃんと守るよ。」
とふくれっ面で言って乗り込む。

亜美戦隊長「各機、戦術機に乗り込み次第空挺輸送機に搭乗開始。
第一戦闘小隊は2番機、第二機動小隊1番機に。」
と指示を出す。

武子は手早く奈美を補助席に乗せて戦術機を起動させてそれにこたえる。
西少佐「バロネス1よりシルバーフォックスリーダーへ、了解。各機聞こえたな。
手筈通りに抜かりなく対応せよ。」
と答える。

速やかに、輸送機に乗り込んで行く戦術機達。
藤田、葉吹の2人も輸送機に乗り込み迅速に発信準備をしていく。

藤田中尉「こちら2番機、ナイトメア2。機体チェックオールグリーン。いつでも飛べるぜ。」

葉吹大尉「1番機、ナイトメア1もオールグリーンですわ。では出撃します。」
と言い、エンジンをスタートさせて2機が飛び立ってナイトメア2。
明朝の太陽を背にして出撃して行く。

総出で皆が帽子フレーをして見送る。

藤田中尉「奈美、それと第一戦闘小隊。特に具合悪りぃ奴はいないか?
こっからポイント別に分かれる、急行する為に速度を上げるからゲロるなよ?」

回線を開き、奈美を心配する藤田。

気遣ってくれている藤田に感謝しつつ答える。
奈美准尉「ゴースト0よりナイトメア2、有難うございます。急制動さえなければ問題ありません。
(あれ?名前で呼んでくれてる。もしかして。。嬉しい。」
と優しそうな笑顔で答える。

西少佐「バロネス1よりナイトメア2、うちはどうってとこないよ。
それに奈美ちゃん今回いるからすこぶる気分いい(ニヤソ。)
と答える。

東野中尉「バロネス2よりバロネス1。作戦行動中です。
控えてください(# ゚Д゚)。」
と切れ気味に言う。

藤田中尉「悪いがこの先、急制動をやる場面は出てくるかもしれねぇ。覚悟しておきな。」

そうして、途中一番機と分かれる場所に到達する。

藤田中尉「中継ポイント通過を確認、葉吹の姉御。気を付けてな。」

葉吹大尉「了解ですわ。ナイトメア2達もグットラック。」

凜大尉「お気をつけて。(敬礼」

奈美准尉「ゴースト0よりブラックキャット1、2。お気をつけて
大丈夫です。お二人なら必ずやり遂げられます。」

奈月中尉「うん、ゴースト0も頑張って。」

凜大尉「ブラックキャット1より各位、任務を成功させましょう。
グットラック。」

藤田中尉「グッドラック...そんじゃあ、飛ばすぜ!。」

藤田はムリーヤを加速させ、目標ポイントに向かう。

葉吹大尉もバンクしムリーヤを目標方向に向かわせて別れる。

そして、先に目標地点に着いたのは葉吹大尉側の1番機であった。
予定時刻通りで、支援部隊が重金属雲を展開させている。

葉吹大尉「いいタイミングね。ナイトメア1よりブラックキャット1、2。
降下せよ、今ですわ。」

凜大尉「了解、ブラックキャット2、降下後、機動戦にて速やかに光線級を補足。
殲滅するわよ。ついてきなさい。」

奈月中尉「了解、手早く終わらせます。」

降下を行い、手早く残骸のビル群を進んで進攻していく第二機動小隊。
途中、小型種の戦車級に遭遇するも、手早く片付け、目標地点に到着する。
いた、光線級集団だ。周りには小型種が少しいる。

凜大尉「一気に突入して光線級を潰すわ。一撃離脱よ。ブラックキャット2いい?。」

奈月中尉「いつものことですよ。思ったよりも少なそうです。」

凜大尉「そうね、いつもの事ね。少ないから一気に殲滅できそう。
では行くわよ。突入。」

甲本大尉の合図で、2機は一気にブーストをふかし、機動力を生かして小型種の一角を崩し、突入する。
そして瞬く間に光線級を殲滅した。

凜大尉「ブラックキャット2、離脱よ。すぐにこの場を離れる。
味方部隊がいる所まで後退する。」

奈月中尉「了解、あっちは大丈夫だと良いんですが...。」

凜大尉「、、、そうね。あっちは大変そう。でも西少佐はいつもふざけてる感じが
するけど、しっかりやる時はやるしそれをコントロールする東野中尉もいる。
そして奈美准尉も。大丈夫よ。あの3人なら。帰ってきたら奈美准尉を褒めてあげればいい。
でしょう?」
とウインクして答える。

奈月中尉「はい!そうしましょう、褒め倒します!。」

こうして第二機動小隊側の任務は完了し、空挺輸送機部隊と合流し戦隊の基地へ帰還する。

時は戻って第一戦闘小隊側。
藤田中尉が操縦する空挺輸送機部隊2番機。
空抵降下を行うポイント地点に近づいていた。

西少佐の機体の補助席で目標ポイント付近の索敵と支援部隊の無線を聞いている奈美。
ニヤニヤしながら真っ赤になっている奈美を見守って(楽しんでいたw)いたが
奈美が急に顔色が悪くなる。
武子はその顔色を見て心配して声をかける。
西少佐「奈美ちゃん、どうしたの?大丈夫?何かあった?」

奈美准尉「、、、これは。目標ポイント地点に重金属雲が展開されていません。
それに、支援部隊に問い合わせた所、BETAの一群の奇襲を受けて混乱しています。
、、、どうしますか。これでは降下するまでに撃たれてしまう可能性が高いです。」

武子は考える。
西少佐「、、、ナイトメア2、貴官はどう思う。作戦続行できるか?
強行空挺降下(パラシュートを使わない、ぎりぎりの低空降下)でも良いが、
貴官達を戦死させては男爵家としての矜持が許さない。
それなら作戦中止も視野に入れるが。」
と言う。

藤田中尉「愚問だな、こちとら重金属雲が無い状況でレーザーの雨の中を掻い潜ってきた事だって
一度や二度じゃねぇ、こちらの心配は無用だ。確かに、パラシュートを悠長に使う余裕はねぇよ。
だから、強行空挺降下になる。そっちはどうなんだ男爵様?」

西少佐「戦隊に強行空挺降下でへまをする衛士は居ないよ。
それに私なら完璧に奈美ちゃんをダンスでエスコートするように優しく
エレガントに着地してみせるよ。」
と普段とは違うニヤケた顔つきではなく女男爵として貴族としての
キリっとした顔つきて答える。

藤田中尉「よし奈美、降下地点を変更しな。急加速と急制動掛けて目標に素早く到達するから
、第一戦闘小隊は直ちに強行降下。後は俺が輸送機でレーザーの囮を務める...ってのはどうだ?。」
早口にそう言う藤田。

困惑して答える奈美。
奈美准尉「降下地点の変更は割り出し完了しております。
ですが、、、、、、信用してないわけではありません。
ナイトメア2達を危険にはさらせません。ですからすぐに強行空挺降下後に離脱してください。」

西少佐「それは危険だ。たしかにナイトメア2の腕は信頼している。だがそれでは。」
と答える。

藤田中尉「それじゃあ別働隊がいつやられちまうか分からねぇよ。
心配すんな、いまに始まった事じゃねぇだろ?夜にやった降下作戦でも、佐渡島での事も、
確かに輸送機は大破したがちゃんと帰って来てる。
そして、この輸送機の機動力は前のとは段違いだ!それに、危険なのは衛士だって同じだ。
仲間外れは御免だぜ?。」

不敵に笑う武子。
西少佐「その意気や良し。では頼んだぞ。
ゴースト0、『任務に変更なし、第一戦闘小隊はこれより、強行空挺降下を行い、オーダーを完遂せんとす。』
南條中将の司令部と戦隊本部に通信を行いなさい。」
いつものににやけた顔つきではなく戦隊の中隊長として、女男爵として指示を出す。

奈美はその不敵な笑みを見て。
奈美准尉「、、、承知しました。バロネス1の命令を受託します。
司令部と戦隊本部に連絡しました。了解とのことです。
作戦、続行します。ナイトメア2、降下ポイントはここでお願いします。」
と電子戦術オペレーターとしてやるべきことを確実にこなして行く。

藤田中尉「了解、目標地点に急行する。舌噛むなよ!」
サングラスを掛け、藤田はそう言って急加速を掛ける。



場所は変わり、奈美より通信を受けた南條中将が居る司令部の部隊。
南條中将「全く、想定外が起こる事は予想できてない訳ではないが、
強行降下か...作戦後に亜美ちゃんから詰められそうだ。」

ため息を漏らす南條に、七瀬が声を掛ける。
七瀬秘書官「心配はなされないのですか?」



南條中将「奈美ちゃんは心配だが、あの女男爵が下手を打たない事は信用しているし、藤田中尉の事だ。
また輸送機を壊すだろうが帰ってくるだろう。七瀬ちゃん、滑走路に消防車と医療班の準備宜しくね。」

そんな要請に、七瀬もため息を吐いた。

そこに亜美からも戦隊より通信が来る。
南條中将司令部付き通信兵「中将、戦隊の早雲戦隊長より通信が来ております。
内容は、
『作戦内容に変更なし、このまま戦隊本部としては現場の判断に任せます。』
以上です。」
と簡素に書かれていた。

南條中将「おや、詰められる事は無くなったか。こちらも承知したと返してくれ。」
戦隊の本部からは了解と反応があった。

こうして強行降下での作戦は承認されて作戦は続行となった。
そして場所は西少佐達の所に戻る。

奈美准尉「作戦空域に入りました。これより強行空挺降下に移ります。
ナイトメア2、合図お願いします。
合図後、第一戦闘小隊は降下願います。降下完了後、最適ルートで支援します。」

西少佐「バロネス1、了解。ナイトメア2、降下合図任せる。」



東野中尉「バロネス2も了解、ゴースト0無理しちゃダメよ。
ダメなら、ダメで気絶しちゃっても大丈夫だから。」
と心配して言う。



奈美准尉「バロネス2、有難うございます。
正直強行空挺降下はかなり厳しいかと、ですがバロネス1の対応で大丈夫だと思います。
駄目でしたら申し訳ありません。」

藤田中尉「了解...今だ!降下しな!。」

降下する直前、藤田は輸送機のスピードを落とした事により第一小隊の戦術機は降下できた。
だが、光線級のレーザーの標的になり一斉に向けられた。

藤田中尉「っと、来やがったぜ!。」

西少佐「バロネス1より2、降下開始。」
東野中尉「2、了解。降下します。」

と2機が降下していく。
そのまま低空で、姿勢制御を行い着地に備える。

東野中尉は難なく対応する。

ゾクッと嫌な気配を感じて奈美が武子に言う。
奈美准尉「バロネス1、緊急回避。1射線来ます。」


西少佐「ゴースト0、ちょっと乱暴なエスコートになる、ちゃんと補助席に掴まってね。」
しかし、西少佐が着地する地点は光線級のレーザーにより回避した為にずれる。

奈美准尉「、、、降下位置ずれます。これは瓦礫の上に(汗。」

西少佐「何とかする。それより、ゴースト0は自分の身を守って。」
と機体制御に専念しつつ奈美を気にする。

手を付きながら降下に成功するが、そのため左腕に負荷がかかり損傷する。
奈美は着地の衝撃に耐えられず、ぐったりしている。

東野が近づき通信で話す。
東野中尉「、、、バロネス1、ゴースト0無事ですか。。さすがに今のは危なかったですね。」

西少佐「うん、今のは危なかった。さすがにレーザー回避とそれで着地地点がずれて瓦礫だらけの
場所はきついわ。でも、、、ゴースト0のお陰で助かった。あれは直撃コースだったよ。」
よくやったと頭を撫でてあげたかったが、今はぐったりしているのとまだ作戦途中であった。

攻撃目標への場所はすでに奈美から最適ルートを聞けている。
このまま、休ませて東野と二人で攻撃を仕掛けようと考える。

その考えを読み取って答える。
東野中尉「2、了解。そうですね。それで行きましょう。」

西少佐「へ、何で解ったの?」

東野中尉「そりゃ、長い付き合いですからね。先輩の考えることは
ポンコツ顔から真面目な時までなんでも解りますよ。」
とにっこりし、答える。

まったくと思いつつ武子は答える。
西少佐「解ったよ。ではとっとと片付けて帰ろう。
長引けば長引くほどナイトメア2の機体が危険にさらされる。」
と二人は目標地点に残骸に隠れつつ移動する。

その頃、藤田の輸送機にレーザーが殺到していた。
藤田中尉「いつもながら多いな全く!だが、このムリーヤ改なら!。」

慣れた手つきで操縦桿を動かし、急制動を掛けてレーザーを回避していく。
藤田中尉「頼むぜ、いかに改良されたと言ってもキツイからよ。」

副長が泣きそうになりながら言う。
2番機副長「機長~、早く離脱しましょうよ。さすがに戦術機は投下してもう大丈夫でしょう。
うちらの方がやばいですよ。」

藤田中尉「もうここまで来たんだ、辺に離脱しようとすれば其れこそ格好の的だ。
くっちゃべる暇があれば計器と機体の損傷具合を見な!」

半泣きになりながら機体チェックをしながら答える。
2番機副長「(もう嫌だ。今度こそ、異動届を出してやる)わ、解りました。」

こんなやり取りが上空であった中、西達は目標ポイントに到達。
西少佐「、、、バロネス1より2、見つけた。突入するよ。後ろは任せた。」
東野中尉「、2了解。突入を支援する。」

と、二人は吶喊する。小型種を薙ぎ払いながら、近づく。
光線級が輸送機に向けてレーザーを発射する瞬間、西が右手の長刀で素早く、効率よく倒す。
狙いを武子の機体に向ける光線級が居るがそれに対しては東野が倒して行く。

だが左手が使えないのと脚部にも負荷が着地でかかっていたため、まだ数匹が残っていてレーザーを発射されてしまう。
西少佐「しまった。左手も使えていれば、。ナイトメア2、回避。」

藤田中尉「任せ、ん?」
避けようとした途端に、違和感を感じる藤田。それが仇となり数秒遅れ、遂に輸送機は被弾する。

藤田中尉「し、しまった!。」

その後のレーザーを回避するが数発掠める事になり、エンジン二つと、後部に被弾した。

東野中尉「あれって、まずいのでは。。。(汗」

西少佐「考えている暇はない、光線級をまず殲滅だ。」
とすぐに残りを殲滅する。

2番機副長「き、機長〜!。」

藤田中尉「ま、マズった...ここに来て操縦桿周りがガタがきてたか...副長、先に脱出しろ。
俺はこのまま光線級を引き付ける。
...今まで付き合わせて悪かった。帰ったら転属でもしてくれ。」

2番機副長「機長、何言ってるんですか。怖いですけど、最後まで付き合いますよ。」

と話していたが、光線級からのレーザーは来なかった。
どうやら西達が倒したようだ。

藤田中尉「どうやら無事に帰れそうだな。」

その瞬間、更に一つのエンジンが爆発し翼に炎が付いた。
試しにランディングギアを下ろそうとするも、案の定降りなかった。

藤田中尉「あぁ...こりゃあまた胴体着陸だな。大破確定だわ。」

2番機副長「、、、しょうがないです。今回の作戦も無理がありましたから。
でも生きて帰れるなら。それにこれなら怒られないでしょうさすがに。」
と泣きそうになりながら言う。

藤田中尉「あぁ、じゃあ帰るか。」

2番機副長「はい、絶対に帰りましょう。」
と答える。

ムリーヤ改は大破状態で、基地へ向け帰投していく最中。

藤田中尉「く...。」
突然の痛みを感じ自分の状態を見ると、脇腹と頭部に破片が刺さっており出血していた。

藤田中尉「アドレナリンが出ていて気付かなかっただけか...墜落してたまるかよ。」
そう言いながら、なんとか基地へ飛ぶムリーヤ改。

2番機副長「機、機長(汗)すぐに手当しないと。」
と席から離れて手当をしようとする。

藤田はそれを手を出して静止させる。
藤田中尉「やめな、手元が狂って墜落するからもしれない。このまま基地まで行く。」

2番機副長「しかし、、、解りました。
(あの時の早雲准尉だったらすぐに気がついて処置出来てたはずだ。
今回無理にでもこちらに乗せるべきだったか)。」
と渋々副操縦士として操縦のサポートに戻る。

そして、ムリーヤ改は基地に辿り着き胴体着陸を完遂させる。

藤田中尉「へへへ...やってやったぜ...。」
機内から脱出する前に、藤田は気絶した。

機体から出てきて倒れた藤田を見た葉吹大尉が駆けつける。
葉吹大尉「もう、いつも無茶して。衛生兵。槙村中尉、衛生兵を至急呼びなさい。」
と指示を出す。

2番機の副長も何とか脱出したが少し負傷していた。
2番機副長「機長、しっかりしてください。(汗)」

槙村中尉「了解!。」
槙村は駆け足で呼びに行った。

亜美は全体の指揮を取り空港消防隊の指揮や槇村中尉から
藤田中尉の状況を聞き待機させていた衛生兵部隊をすぐに行かせる。

その間に第一戦闘小隊も前線基地より亜美が手配した輸送機で帰還する。
武子がぐったりとしている奈美をお姫様運びしながら亜美に近づき報告している。

西少佐「、、、亜美すまん、奈美ちゃんに負荷かけてしまった。私は奈美ちゃんのお陰で無事だけど、それに藤田中尉も。」

亜美は珍しくシュン光線級のレーザーに撃たれても回避して低空での強行での戦術機降下、
しかも瓦礫の場所に降りても任務達成できたのよ。誇っていいわよ。」

西少佐「、、、それは奈美ちゃんと藤田中尉のお陰で任務を完遂できたんだ。だから。」

亜美戦隊長「そう思うなら、何か藤田中尉に西家当主として何かしてあげれば。
あ、奈美にもなにかしてあげてくれれば嬉しいわ。
今回の任務達成に関して南條中将から報奨かっぱらって来ないとね。」
と冗談を言う。

西少佐「解った。女男爵として藤田中尉と奈美ちゃんには必ず報いるよ。」
と衛生兵達が藤田中尉と副長を連れて行くのに混ざって奈美を医務室へ一緒に連れて行く。

槇村中尉を見つけて声を掛ける。
西少佐「槇村中尉、藤田中尉が起きたら伝えてほしい、今回の件、感謝すると。
西家の当主として恩を返したいと。なんでもいい、欲しいものがあったら1つ叶えると。」
それだけを伝えて藤田から離れる。

医務室のベッドにて、治療は済み、藤田は大いびきをかいて寝ていた。
槙村中尉「全く、大量出血していた奴とは思えないな...。」

数時間後。
藤田中尉「んあ?作戦は...確か成功したんだったっけか?」

目が覚めた藤田に、いきなり拳骨が飛んできた。
槙村中尉「おはよう、クソ寝坊助。人の心配を返してくれ。」

藤田中尉「起きた早々の怪我人に取る態度と行動かよ!」

槙村中尉「まぁ、それは良いとして。」

藤田中尉「良くねぇよ!」

槙村中尉「西少佐から伝言だ。今回の件、感謝と何か礼をしたいんだとよ。
伝えたからな?」

藤田中尉「ケッ!自分の口で直接言えば良いだろうに...。」

見舞いに来た亜美戦隊長と葉吹大尉は部屋の前で二人のコントを聞いていた。

ドアを開けて一言。
亜美戦隊長「元気ですねえ。」
葉吹大尉「いつも通りですわね。本当に、コントコンビには敵わないですわ。」
二人とも呆れている。

亜美戦隊長「それだけ元気ならもう退院でいいのかしら?。」

葉吹大尉「また機体を破損させて、しかも囮を買って出たそうですわよ。
副長が涙目でしたわ。グランウド100周ぐらいさせたら大人しくなりますかねえ。」
と二人が茶化している。

藤田中尉「ゲェ!戦隊長と葉吹の姉御!。」

その通りとばかりに答える。
槙村中尉「確かに、それが良いかと思います。」

葉吹大尉「『ゲェ!戦隊長と葉吹の姉御!』ではありませんわ。
その言い方やめて欲しいですわ。傷つきますわよ。」

亜美戦隊長「絶対クソババアどもがとか思ってますよねこれ。
まったく、どうリハビリさせてあげましょうかね。
それともせっかく改良した輸送機壊した費用を毎月の給料から差っ引きますかね。」

葉吹大尉「それ、良いですわね。そうしましょう。衣食住は
帝国陸軍が養ってくれてますからお金なくても生きて行けますわ。」
と井戸端会議のおばさんたちがしているように
笑っている顔ではあるがおでこに怒りマークを付けて話す二人。

藤田中尉「か、勘弁して下さい...。」
そう言って推し黙る藤田。

槙村中尉「ハハハ、日頃の行いの悪さが遂に出たな。」

藤田中尉「こればかりは否定できない...。」

亜美と葉吹はクスりと苦笑いし、
亜美はベットの藤田中尉の目線に合わせて足と腰を低くして諭すように話す。。

亜美戦隊長「嘘よ、中尉はちゃんと衛士達と共に戦ってくれた。
機体については戦術機整備班には申し訳ないけど、良いの。何回でも作れるから。
でも人は、そうはいかないの。だから、ちゃんと負傷しないで
帰ってきて。それが私の望み。誰も死なせたく無い。
葉吹大尉も同じ思いよ。だから心配させないで。お願いね。」
と亜美が優しく微笑む。
(葉吹以外は輸送機部隊の隊員は普段見たことがない笑顔で奈美のように優しさにあふれていた。)


葉吹もそうですわと、頷く。

藤田中尉「あ、あぁ。了解だ。(やはり奈美と姉妹だな。似てやがるぜ。)
って、脅かさないでくれよ2人とも!。」
奈美と似た笑顔を見て、少し困惑しながらもそう答え、直ぐに少し怒った。


槙村中尉「ハハハ、許してもらえて良かったな。」

藤田中尉「るせぇよ槙村。」

葉吹大尉「はいはい、そこまでですわ。コントコンビのお二人。
じゃあ、しっかり療養してね。」
と亜美と葉吹は出ていく。

2人は敬礼をし、亜美と葉吹を見送る。

藤田中尉「槙村、手ェ貸せ。あの格好つけ眼帯女の所に行きてぇからよ。」

槙村中尉「だと思ったよ。直ぐに喧嘩越しになったら、無理矢理にでもベッドに連行するからな?
と言うか、手を貸す必要ある怪我に見えないが?」

藤田中尉「良いから手ェ貸せよ!嫌なら嫌って言えば良いだろうが!」

槙村中尉「別に、単に理由を聞きたいだけだよ。まぁ、いいさ行こうか。」

槙村の手を借りて、藤田は西のところへ向かう。

武子は近くの病室に居た。
奈美を司軍医長に見せて、そのまま病室で奈美を看護している。
心配して見に来ていたゴーストが武子の普段とは違う気配に気を利かせて外で歩哨をしてる。



そこへ、頭とわき腹辺りに包帯を巻いた藤田と、彼女に肩を貸している槙村がやってきた。
藤田中尉「ようゴースト。ロ...西少佐はいるか?」

槙村中尉「ゴースト君、奈美さんの見舞いを兼ねて西少佐に会いに来たんだが、入ってもいいかい?。」

その負傷姿に曇った顔をして敬礼して答える。
ゴースト准尉「もちろんでありますよ。しかし、藤田中尉殿、かなり無理をしたとか。
一緒に戦っていただけるのはありがたいですが、無理はなさらないでください。
貴官達は替えの効かない優秀な輸送機部隊の隊員なのですから。」
と選抜で自分が出撃できなかった不甲斐なさに凹んでもいた。

藤田中尉「それを言ったら、テメェら衛士が一番代えが効かないんだからよ、
衛士の生存率上げるためなら俺だって体張るさ。」

槙村中尉「まぁ、こう言う奴だ。何されても聞かないぞ?」

ゴーストは信念は曲げないのだなとやれやれと思い扉をノックして二人が入ることを伝える。
ゴースト准尉「西少佐殿、藤田中尉殿と槙村中尉殿が来られました。入ってもよろしいですか。」

武子の声がする。
西少佐「入っていいぞ。」
と簡潔に答える。

藤田中尉「邪魔するぜ。」
槙村中尉「失礼します。」

2人は入室する。
藤田中尉「よう西少佐、何しけた面してんだよ?。」

西少佐「そんなことはないぞ。どうやって奈美ちゃんを癒してあげようかと
あんなことやこんな事を考えていたんだよ。(ニヤソ。」
とそんな顔を見せないようにうそぶく。

奈美は強行降下時の打撲がひどく、司が睡眠剤を飲ませて寝ている。

藤田中尉「少佐、いやロリコン眼帯女。嘘が下手くそだな、何故こちらに顔を向けねぇ...。
責任感じてんのか?。」
本来なら殴ってでも止めに入る槙村だが、静観していた。

藤田の眼光は鋭く、西を見つめている。
西少佐「、、、それは私が女男爵で指揮官だからだよ。
皆の前で下の階級の者にそんな姿をさらしていては失格だ。

で、用は何だ。さっそく何か叶えて欲しいことがあるのか
私にできないことは死人を蘇らせるぐらいじゃないかな。
空挺輸送機部隊の心意気に報いたい。なんでもいいぞ。」
と答える。

藤田中尉「別に、叶えて欲しい事はねぇよ。何か欲しいから体張ってんじゃねぇ...。
真木の姉御みてぇに、歯がゆい思いをしていた事があったからよ。
だから、あんな風に輸送機をダメにしても体を張ってる。
だが...なら、これでチャラにしてやるよ!。」
そう言って、西の胸倉を掴み平手打ちをした。

槙村中尉「ば、バカ!何やってんだ藤田っ!。」

藤田中尉「責任どうたら言うのは確かにそうだ!
だがな、んなシケた面して何の解決になるんだよえぇ!女男爵さんよ!。」

西少佐「、、、そうか。でも奈美を傷物にしてしまった。護ってやると言ってこの有様だ。
だが、藤田中尉、貴官の言う通りだ。それは有難う。

槙村中尉、構わん。不問にする。わざと焚きつけているのも解っている。
これでも男爵家の当主だからな。一応うちは民間企業だが謀略、暗殺なんでも経験してるし
その対処も知っている。」
藤田の行動を解っていると答える。

藤田中尉「...あぁそうかよ!だがな、強行降下になったのは俺の責任でもあるはずだ。
傷物だ?夜にやった空挺降下作戦の時だって、俺もアイツを傷物にした。
でもアイツは生きている、今だってそうだ。
最善の事をして生き残ったんだ。良くやったと思おうぜ?。」

首を横に振り答える武子。
西少佐「、、、違う。それだけじゃない。
あの強行降下の時、多分私一人なら光線級に撃ち抜かれて戦死してた。
奈美は、それを解ってたんじゃないのかな。だから。。私の機体に乗ると。
あれは、私一人なら避けられなかった。間違いなく戦死した。


だからだよ。良くやったで済む話じゃない。この姉妹は、、、本当に。
だから辛いんだ。」
と普段は絶対に下の階級の者には話さないことを言う。

藤田中尉「俺だって、気付いた時には奈美に手当てされていた。
もしかしたら暫く入院する羽目になる怪我になったんだろう、下手したら死んでたかもな...。
だが、そんな事を言って止めても、止まらないのがあの姉妹だ。
なら、俺たちが出来ることは分かるだろ?」

西少佐「、、、もちろん解っている。解っているが、護ってやれなければ意味がない。
逆に護られていることが多い。だからだよ。」

藤田中尉「じゃあそうやって、いつもいつもそんな気持ちを抱えたままにするってか?
辛いのは俺もだ、この戦隊で思わない奴はいねぇ。それでも次はと、やるしかねぇだろ?。」

西少佐「、、、もちろんそのつもりだ。次はもっとよりよく動いて見せるさ。
気持ちの切り替えができた。有難う。」
と女男爵流の流儀で頭を下げる。

藤田中尉「ったく、手間かけさせやがる...。」

西少佐「、、、もう戻れ、藤田中尉も負傷しているんだ。
そうだな、良いたばこがあるんだ。空挺輸送機隊で分けるんだな。
あとで届けさせる。」

藤田中尉「おう...じゃあ、邪魔したぜ。」
そう言って、ぶっきらぼうに出て行った。槙村は敬礼して藤田の後を追う。

二人が出てから座って一息つく。
武子はやれやれ、下の階級の者に心配されるとはな。私もまだまだだなと思う。
その手を握りしめる手があった。奈美が目をさましたのであった。

奈美准尉「、、、ごめんなさい。西少佐さん、結局私、強行降下に耐えられませんでした。
でも西少佐さん達が、藤田中尉さんたちがちゃんと帰還できたので良かった。。。」
と答える。

西少佐「奈美ちゃんのお陰だよ。有難う。でもね。自分の事も考えて、奈美ちゃんもそうだけど
亜美も居なくなるのは耐えられないから。」
と言う。

奈美准尉「そうしたいと思いますが、私にできることはできる限りしたいですから。」
痛々しい感じで笑顔を武子に向ける。

まったく、この姉妹は、特に奈美は優しすぎるんだからと思いながら
奈美の顔に近づき、おでこにキスをする。

奈美准尉「ひゃっ。え?、、ええ??な、何を。西さん?」
何を考えているのか、読めずその武子の行動に驚く奈美。



西少佐「まったく、優しいんだから。でもそこが大好きなんだよなあ。」
とガバっと両手を奈美の両肩に打撲しているので優しく手をかけて、、、奈美に迫る武子。

奈美准尉「、、、あ。西さん。駄目、、、です。(汗。」
さらに真っ赤になり、何を考えてるのか解らず困惑して目を閉じる奈美。

とそこにドアが開く。
そこには怒り顔の東野中尉と奈月中尉、八島准尉とゴースト准尉が居て
一瞬みんながあっけにとられるが、一番早く動き出した東野中尉が
武子の頭をひっぱたく。

東野中尉「私にはそんなことし、げふんげふん。、、、まったくこのロリコン女男爵。
いい加減にしなさい。。奈美准尉が困ってるじゃないですか。」
と羨ましそうに言う。

奈月中尉「やっぱり変なことしているじゃないですか!奈美大丈夫?」

西少佐「いや、あのその奈美ちゃんを癒してあげようかと。」

奈美准尉「あの、そのなんでもないです。(真っ赤。」
真っ赤になってその顔を見られたくないのか、今の武子の行動に驚いて
布団を頭までかぶってしまう。

ゴースト准尉「(、、、いいなあ。ではなくまあ西少佐殿元気になって良かった?かな)」

八島准尉「、、、ロリコン女男爵ですか、ようやく意味を理解しました。何と言っていいのか。」
とやれやれとため息をつく。



そこに司大尉も来る。
司大尉「こら、病室でうるさくしない。?どしたの奈美ちゃん。」
と頭で布団を被って顔を隠してしてる奈美を不思議がる。



奈月中尉「西少佐!貴方って人は!。」
奈美の姿を見て怒る奈月。

その怒った奈月を見て逃げ出す武子。
西少佐「だってだって~、奈美ちゃんを癒してあげたかったから。
まあ、後は任せるよ。」
とひらひら手を振って出ていく。
やれやれと思う奈月であった。
END

その頃の南條中将の執務室。

亜美と作戦結果等の話をしている。
亜美戦隊長「以上が今回の作戦結果です。その後の偵察情報でも光線級は認められません。
全て殲滅しています。」

南條中将「素晴らしい、流石亜美ちゃんの部隊だ。」

それをジト目で見て答える。
亜美戦隊長「、、、叔父様、おだてても何も出ませんよ。
所で、今回はかなり難易度の高いオーダーでした。
試作型の輸送機の改良機も大破、西の機体は強行降下の影響で中破。
この際、全ての輸送機を改良型にしたいのですがお願いできますでしょうか?
あとこの作戦の参加者には特別褒章をお願いします。」
と輸送機くださいと言うように手を出す。

南條中将「試作型輸送機の事は作戦前にデータを確認したよ。確かにあれは調達すべきだ、支援しよう。
だが、試作型は大破して同じ物を作るのにえらい時間がかかるようだし...。
とりあえず輸送機と、何か褒賞を出すよ。」

とりあえずはこちらの要求は全て通ったので安堵する亜美。
亜美戦隊長「はい、それで構いません。宜しくお願い致します。
今回、特に強行降下に変わったことにより、危うく西少佐を失う所でした。
作戦推移を見ていましたが、、、あれは西が一人で降下していれば間違いなく戦死してましたよ。
直接会って奈美を褒めてあげて下さい。お忙しいと思いますが。喜びますよ。」
と言う。

南條中将「勿論だ。後、西少佐のメンタルケアもな。
恐らく、彼女は奈美ちゃんを傷つけてしまい気負っているだろうからな。
それと...すまんがそのうち、斯衛軍部隊からの作戦参加要請が来るだろう。受けてくれるか?」

亜美戦隊長「もちろんですよ。士官学校以来の同期の桜ですから。
西の事はよくわかっているつもりです。
でも今回は奈美に任せてます。少しはフォローしてますが。
斯衛からの要請?それは例のお方からですか?
参加は可能ですが、内容次第です。裏の情報を含めて。」
とすこし警戒する亜美。

南條中将「何、対人戦をやらせるなどは私が許さんよ。そこは心配しなくて良い。」

亜美戦隊長「、、、解りました。真木さんのご両親経由であれば喜んでですが。
何分、私達は色々ありますから。
承知しました。南條叔父様のお言葉を信頼していますので参加いたします。」

南條中将「ありがとう。その時は頼む。」

では、と敬礼して通信を切る亜美。そして考え込む。
亜美戦隊長「(、、、斯衛が支援要請をか、うちの戦隊も有名になったものだ。
いや、南條叔父様が裏で動いてくれているからだろう。気を引き締めて参加せねば。)」
と新たに気合を入れて今後の戦いに思いをはせるのであった。
END

真木さん進級編

時は1999年に入り亜美や奈月が進級した正月以降のストーリーで
現在は2月頃、臨時首都仙台で東日本以降を防衛するために戦隊は遅滞防衛戦を展開していた。

斯衛軍より真木舞香中佐が急遽戦隊の基地に来られた。
亜美戦隊長「お久しぶりです。色々ありまして、ご挨拶ができず申し訳ありませんでした。
佐渡島防衛戦ではかなりの便宜を図っていただきありがとうございました。
今日はどのような御用で?。」
と戦隊長自ら出迎えて戦隊長室の来客ソファーで話す。



真木舞香「軍から、沙奈江を少佐に、上月中尉を大尉に昇進させる事が決まったのよ。
他に理由もあって、特に異議もなかったから決まったんだけど...沙奈江と上月中尉はいるかしら?。」

亜美戦隊長「お待ちくださいね。今、整備班に副官から戦隊長室へ来るように手配してますので
すぐに来られると思いますよ。」

その間に、橘副官が真木整備班長と上月副官を通信端末で呼び出しつつ
舞香にお茶とお茶請けを出しもてなす。



真木班長「来たぜ亜美。お袋が昇進話を持って来たってよ。」
呼び出しに応じ、真木が入って来た。



真木舞香「来たわね沙奈江。早速だけど、少佐に昇進の話受けてくれるかしら?。」


真木班長「あぁ...聞きたいんだけど亜美はどう思う?。」

それを聞いて亜美はにっこり微笑み。
亜美戦隊長「もちろん、良いことですよ。お祝いしないと。
なんなら。中佐に昇進されても良いのですよw


それだけの事をされて来ていますし、陸軍に出向してるから
何かと肩身が狭い思いをさせているので申し訳ないですが、
そこは関係ありません。

それに別の話ですが西は本当なら中佐に昇進して
司令部に異動命令が出ていたのですが、、、それを蹴ってまで私の元にいてくれるらしいですから。
真木さんも昇進して異動されてしまうのなら、、寂しいですが本人の意思がそうしたいのなら、、、ですが。」
と後半はちょっと寂しそうに言う。

真木班長「何言ってんのさ、アタシはどこにも行かないよ。アンタら姉妹を置いて行ったりするもんかよ。」

真木舞香「あらあら...、そんなに姉妹を気に入ったのかしら?私もだけど。
さて、真木沙奈江大尉。貴方を正式に斯衛軍少佐に昇進して貰うわ。一応聞くけど、
衛士としても復帰できた貴方なら斯衛軍で1部隊預けられるだろうし、なんなら引くて数多よ。異動しなくていいの?」
わざとらしく舞香は聞いた。

真木班長「おいおい、意地悪言わないでくれお袋。アタシはこの第零独立強襲戦隊を抜けるつもりはねぇよ。
アタシと仕事したい斯衛衛士がいるなら、戦隊に所属しやがれって話だ。」

亜美戦隊長「、、、私のわがままでここに居てもらって本当に申し訳ないです。
でもそういっていただければうれしいです。奈美も喜びますよ。今偵察任務でゴースト准尉と出ていますが。」
と嬉しそうに言う亜美。

亜美戦隊長「真木中佐殿も有難うございます。私は真木さん達に迷惑をかけっぱなしです。
私達にできることがあれば何でもしますので、いつでも言ってくださいね。」
と舞香にも言う。

真木舞香「あらあら...、なら私のことは舞香叔母さんと呼んでもらおうかしら〜。」


真木班長「お袋...にしても上月遅いな。」
 

そう呟いた直後、上月が入って来た。
上月副官「上月拓巳、只今参りました!すみません事務仕事が立て込んでいたもので...。」



亜美は舞香の言葉に恥ずかしそうにしつつも嬉しそうに答える。
亜美戦隊長「私にとっての義理の両親はもう逝ってしまって、戦友の叔父様方しかいないので嬉しいです。
、、、舞香叔母さん(小さい声で)」
と、上月副官が入ってきたのですぐに切り替える。

亜美戦隊長「上月副官、申し訳ないです。お忙しいところ、真木舞香中佐が来られて
真木さんと上月さんに昇進の通達とのことですよ。」
と伝える。

真木舞香「...亜美ちゃん!。」
舞香は上月と真木を尻目に亜美を抱きしめた。

真木舞香「あぁ...なんて良い娘なの。大丈夫、沙奈江や叔母さんが絶対に力になるから心配しないでね?。」
上月副官「し、昇進ですね。勿論お受けしますよ。」

亜美はもう真っ赤になって固まていた。なんか真木さんと同じだなあと。
亜美戦隊長「あはは(真っ赤)、いやその。有難うございます。できればこれは奈美にしてあげてください。
すごく喜ぶと思いますよ。上月副官も昇進おめでとうございます。」

真木班長「お袋...まぁ、亜美は凄く頑張ってるからこれくらいしてもらわねぇとな。
上月、大尉昇進おめでとう。」


上月副官「真木大尉、いや真木少佐もおめでとう御座います。」

それを聞いて亜美は。
亜美戦隊長「嬉しいです。これはたぶん私の正月の時の進級祝いですかね(*´∀`)。
それに真木少佐殿、上月大尉殿お二人ともご進級おめでとうございます。
これからも我が第零独立強襲戦隊の戦術機を宜しくお願い致します。
そして私直轄の戦隊本部小隊の遊撃分隊として今後ともよろしくお願いいたします。」
と立ち上がりお辞儀式の最敬礼を行う。

真木班長「ってな訳だ。上月、整備班と戦術機遊撃分隊との二足の草鞋だが、行けるよな?。」


上月副官「愚問ですね少佐。貴方のいる場所が私の場所なのは、今も昔も変わりませんから。」
 

真木班長「違いねぇや。」

亜美戦隊長「有難うございます。ついでな言い方で申し訳ないです。真木さん、

可能であればご進級されたので、、、
もし可能でしたらこの機会に副戦隊長に任命したいのですが良いでしょうか。
真木さんなら本来私の位置にいてもおかしくないので。。」

真木班長「うーむ、アタシ的には良いんだが...部隊は陸軍所属だ。そこに斯衛が副戦隊長としていても良いのかい?
南條中将の庇護があるからと言っても、軍内部に敵を増やすのは宜しくないんじゃないかい?」

寂しそうな顔をして亜美は言う。
亜美戦隊長「、、、元々私達姉妹は、両親に助けられて日本人として、早雲家に迎えられて、、、。

両親はその件で懲罰的な後方任務や補給基地司令と副官にさせられ、

私達も陸軍内部では特に高級将校には嫌われています。
だからそのことは今更です。それなら真木さんに力を存分にふるっていただく方がいいと思いますので。」

真木班長「あぁ...そうだったね。」
地雷を踏んだと確信し、申し訳ない顔をする。


真木舞香「なるほど沙奈江、副戦隊長になりなさい。南條中将だけじゃなく、斯衛の後ろ盾も得ることになるわ。」


真木班長「アタシと亜美で陸軍と斯衛の架け橋になるってわけか...良いよ、副戦隊長の任アタシ受けるよ。」

亜美戦隊長「いえ、真木さんが悪いわけではありません。こればかりは私達姉妹がいけないのです。
私達姉妹がこの時代に生きているからこうなったのですよ。いなければ両親は今頃、

優秀な1個護衛艦隊の司令官と副官だったと思います。
有難うございます。そうですね。架け橋になっていただけると嬉しいです。


基本的には整備班長を優先していただいて構いません。
私が今まで通り戦隊長業務は行いますので。例えばどうしても戦隊長として二つの事をしなくてはならない時とか
以前のBETA基地襲撃の時の防衛指揮とか私の不在時の対応をお願いしたいです。
宜しくお願い致します。」
と寂しそうに微笑む。

真木班長「おう、任せとけ。」

亜美戦隊長「嬉しい。。早速この部屋にも真木さん専用の副戦隊長の執務机作らないと
上月副官用の机も紫音の副官室に準備しますか。」
と冗談で言う。

橘副官「それは良いですね。副官室で一緒に事務作業しますか、上月大尉殿。」
と言う。

上月副官「勿論です。整備ハンガーに作った臨時事務所をこうも早く畳む事になるとは...寂しさ半分、嬉しさ半分ですね。」

亜美戦隊長「では予算をすぐに確保して。あ、でも整備ハンガーでも執務を行ってもらっても良いですからそっちも残しておきましょうよ。
整備班としての業務もあるはずなので。」
と素早く手配する亜美。

上月副官「戦隊長がそれで良いと言うなら。」

亜美戦隊長「じゃあそうしましょう。整備ハンガーの方も残します。
お二人のご進級祝いしないとですね。
あ、時間があれば奈美の手料理でも食べて行ってくださいと言えるのですが、
あいにく奈美は、第六警戒小隊は夕方ぐらいに基地に戻る予定ですので、、、

大したもてなしもできず、申し訳ないです。真木中佐殿。」

真木舞香「気にしないでちょうだい、単に昇進の通達をしに来ただけだから。

それじゃあ伝えた事ですから、

私は帰りますね。」

亜美戦隊長「あ、基地の正門までお送りいたしますよ。今度正式にそちらにお伺いさせていただきますので、
その時は宜しくお願い致します。」

真木舞香「えぇ、楽しみにしているわ。」

亜美と真木たちは舞香をお見送りして亜美は言う。
亜美戦隊長「さて、真木さんと上月副官の進級祝いをしないといけませんね。
明日夜やりましょう。奈美が戻ってきたら料理何か決めて、料理長と相談して作っておきますよ。
もちろん私も参加します。」
と戦隊長室へ戻りながら亜美は真木たちに言う。

真木班長「おう、楽しみにしてるよ。」
上月副官「ですね。」

亜美戦隊長「あ、申し訳ない真木さん、せっかくなので真木さんのご家族も呼びましょうよ、今更ですが
連絡とっていただいて良いですか?後で聞かせてくださいね。こちらは南條中将と三芳中将にも

連絡しておきますので。」


と言って亜美は戦隊長室へ戻り南條中将に連絡する。
亜美戦隊長「あ、南條叔父様、唐突なのですが、明日夜お時間ありますか?
先ほど、真木さんのお母様がいらっしゃいまして、真木さんが少佐に進級との通達がありました。
これを機会に、真木さんには正式に副戦隊長をお願いしました。


それで、明日の夜昇進祝いをやりたいなと。戦隊の家族のお祝いなのでできれば南條叔父様と三芳叔父様にも、
それに七瀬秘書官にも来ていただきたいなと思いまして。」
と話す。

南條中将「なるほど、それはめでたいな...。確かに斯衛軍との良い関係を築く為にいい方法だな。
隆文は、どうだろうなぁ〜姉妹の事じゃないから来ないんじゃないか?」
などと言う南條。



亜美戦隊長「またまた御冗談を。ちゃんと三芳叔父様にも伝えて任務が何か入っていたら仕方ないですが
ちゃんと3人で一緒に来てくださいよね。皆さんも戦隊の家族なので。」
と言う。

南條中将「分かった分かった、ちゃんと連絡するよ。」

やれやれと思う亜美。
亜美戦隊長「伝えましたからね、3人で来てくださいね。」
と通信を切る。

そして奈美に今度は連絡して、真木と上月副官の好きなものを整備班に聞いてきてと伝える。

奈美は整備ハンガーに行き、こっそり真木や上月副官の見えないところで、
落合や砂原、菊間に声をかけて聞く。
奈美准尉「お二人の好きな食べ物って何ですかね。。一応甘いものとか、
皆で食べられそうなものは準備しますが、できればお二人の好物を知っていたら教えてもらえませんか。」
と伝える。



落合副長「班長と上月さんの好物ですか...なら砂原さんと菊間さんの方が知ってるんじゃないですか?」


砂原整備兵「2人の好物?なんだったかな...姉御は甘味好きとは聞くけど。」

菊間整備兵「姉御は芋の煮っ転がしで、上月さんは豚汁です。
2人とも甘味は小豆を使った物が好きですよ。」

落合副長「菊間さんはなんでそんなに詳しいんですか?。」


菊間整備兵「今の時代、情報は1番重要なんですよ。」

奈美准尉「菊間さん、さすがですね。情報は確かに重要ですよね。
有難うございます。真木さんは芋の煮っ転がしで、上月副官さんは豚汁ですか。
それなら生前母から教えられてますので作れそうですね。ただお二人の好みに合うか心配ですが。
甘未は小豆ですか、、、人数を考えると、ぜんざいで白玉入れてみますか。
ちょっと料理長さんと相談しないといけませんね。量が足りるかどうか。。。。」
と思案する。

それを聞いた菊間は、突然奈美を引っ張り物陰に連れて行くと、メモを渡した。
菊間整備兵「書いてある番号に連絡してみて下さい。少しは融通をしてくれると思います。
代わりに、私が二足の草鞋を履いている事は御内密にお願いしますね?」

奈美准尉「あ、有難うございます。もちろんですよ。秘密は守ります。
その相手の方には菊間さんからのご紹介という事はお話ししても良いのですか?」

菊間整備兵「勿論ですよ。スパイ活動をしていると、融通を利かせてくれる所もありますからね...。

好きに使って下さい。」

奈美准尉「有難うございます。では早速連絡してみますね。」
と落合と砂原の元に戻り。
奈美准尉「皆さんありがとうございました。何とか献立できそうです。
明日は夜ここでいつものようにやりたいと思いますのですみませんが整備ハンガー貸し切りさせてくださいね。」
と伝える。

落合副長「了解しました。と言う事は、急ピッチでやらないとですね。」


砂原整備兵「よし、非番連中起こしてくるっ!。」

奈美准尉「あわわ、あまり皆さんご無理はしないでくださいね。
料理はお任せください。では。」
と整備ハンガーを出て通路の誰もいないところで先ほど菊間整備兵に教えられた番号に
電話をしてみる。

??「この番号を知ってるのは...菊間か?」
警戒している声で尋ねる話し相手。

奈美准尉「あの、、、申し訳ありません。菊間整備兵さんからご紹介されて連絡いたしました。
私、陸軍所属第零独立強襲戦隊の早雲奈美と申します。いきなりで申し訳ありません。」
と申し訳なさそうに話す。。

??「...菊間の奴から事前に話は聞いているよ。私は某斯衛軍基地の料理長、とだけ言っておこうか。
それで?私に何かようかな早雲さん。」

奈美准尉「有難うございます。料理長さん。お願いがございます。真木沙奈江さんはご存じでしょうか?
今日ご昇進されまして、私達でお祝いをしたくて。
でもこの緊急時に甘味がそこまでなくて。。可能でしたらぜんざいを作りたいのですが
小豆と砂糖を融通していただけないでしょうか。


私にできることが有れば何かお返しはしたいと思いますが。。。
何ができるか解りませんが。」
と困惑しながら伝える。

??「見返りは要らないよ。菊間には世話になってるし、借りもある。その借りを返すと言う形で、

小豆と砂糖を融通しよう。
真木沙奈江の事は知っているよ。九州防衛戦では世話になったからね。」

奈美准尉「真木さんのお知合いの方ですか、有難うございます。では申し訳ないのですが
すぐに陸軍第零独立強襲戦隊宛に送っていただけまか?
送料等はこちらで持ちますのでもしかかる場合は着払いでお願いいたします。


あの九州防衛戦を生き延びられたのですね。真木さんも危なかったですが、

生き残られて今は私たち陸軍の整備班長と衛士としても復活されて助けられてます。

ですから、その戦友さんであるのであれば、私も何かお返ししたいです。
もし、人手が必要であれば、、その時は呼んでくださいね。専門ではありませんが、

料理は私も母から教えられてますので。」
と伝える。

??「そうか...。分かった、直ぐに送ろう。」

奈美准尉「この度は急な事にもかかわらず有難うございました。
ではまた改めて後日お礼を。すみません。また連絡させてください。
失礼いたします。」

??「構わないさ、菊間に宜しく言っといてくれ。」

奈美准尉「はい、お伝えいたしますね。では、有難うございました。」
と電話を切る。

戦隊長室へ行くと、ちょうど呼ばれていた料理長と話し合っていた亜美が難しい顔をしていた。
亜美戦隊長「奈美、どうだった?料理は行けそうだけど、やはり甘味系がたりなさそうなのよ。
どうしたものか。」

奈美准尉「それも何とか菊間さんのおかげで手配できました。
真木さんや菊間さんのお知り合いらしい方から融通してもらえました。うれしい限りです。
お二人の好きな料理はどうやら真木さんは芋の煮っ転がしで、上月副官さんは豚汁が好きみたいです。
和食系でご飯と一緒に出しましょう。あとデザートはぜんざいの白玉入りで。」

亜美戦隊長「そう、それはありがたい事ね。できる限り恩は返したいわね。
じゃあ、芋の煮っころがしと豚汁は私と炊事班で、白玉ぜんざいは奈美に任せるわ。
うちの味が真木さんや上月さん達に喜んでもらえるようにがんばりましょう。
料理長、炊事班は和食でご飯とその他も併せてお願いね。
紫音業務は少しお願いね。」

橘副官「もちろんですよ。真木さん達のためにどうぞしてあげてください。」

戦隊の料理長「承知しました。大がかかりですが何とかなるでしょう。」
と亜美と奈美達は取り掛かる。

そして翌日夜。
整備ハンガーに戦隊のメンバーが集まる。

真木班長「昇進祝いか...中隊率いた時に一度だけ祝って貰ったっけね。」
上月副官「大尉昇進祝いでしたね。中隊全員ではしゃいでましたよね。」

奈美准尉「真木さん、上月さん。お二人は真ん中に。今日の主役なんですから。
、、、真木さんのご両親は忙しそうで駄目でしたか。残念ですが。
あ、南條中将と七瀬秘書官さんと三芳中将も来られましたね。そろそろ始めますか。」
と亜美が3人をアテンドして整備ハンガーにくる。

南條中将「いやはや、2人の昇進はめでたいね。これからも戦隊を頼むよ。ハハハ!。」

七瀬秘書官「中将...真木少佐、上月大尉改めておめでとう御座います。
中将と同じくですが、これからも戦隊を宜しくお願いします。」


三芳中将「、もう酔っぱらってるのか恭次郎。まったく。」


亜美戦隊長「さて、皆そろったので始めたいと思います。
今回、真木整備班長が少佐に、上月副官が大尉に進級されました。おめでとうございます。
喜ばしい事です。それに合わせて、真木さんには副戦隊長をお願いしました。
基本は整備班長として今まで通りで構いません。緊急時や私が不在の時は申し訳ないですが、
宜しくお願い致します。


話は長くなるのはどうかと思うので、お二人の好物を私達姉妹と炊事班で準備しました。
お酒も、今日は酒保解放します。皆、大いにお二人をお祝いして、飲み食いしてください。
では、乾杯。」

奈美准尉「皆さん、炊事班で夕食は配りますので芋の煮っころがしか豚汁はどちらか選んでくださいね。
あと甘味もあります。白玉ぜんざいです。ちゃんとご飯を食べてからですよ。
食べ終わった方から言ってください配りますので。」

真木班長「おぉ!煮っ転がし!あれ?アタシの好物言ったけか?。」
上月副官「確かに、豚汁は私の好物ですが...、言った事ありましたかね?。」

奈美准尉「いえ、昨日急遽あの後、整備班の皆さんに聞いたのですよ。
急遽でしたのでちょっと味付けがどうかと思いますが、、、炊事班の方と一緒に作ったので
大丈夫だと思いますが、、母に教えてもらった味が合うかどうかと言うのもありますが。」
と不安そうに奈美は上月副官に豚汁を、亜美は真木に芋の煮っころがしを渡す。

2人は好物を食べる。
真木班長「合う合わない所の騒ぎじゃないよ...美味しいじゃないか!。」


上月副官「うん、美味しいですよ奈美さん。」

二人の言葉にホッとし、喜ぶ姉妹。
奈美准尉「、、、良かったです。母に色々教えてもらえて。
お二人に喜んでもらえたなら。。。こんなにうれしいことはないですよ。」

そこに遅れてきた司軍医長。
司「あー、遅れた。酒飲み放題と聞いて通常の3倍で仕事終わらせてきた。
沙奈江の昇進祝いだ。やっほい、飲みまくるわ~。」
しんみりしている奈美を気遣うように陽気に話す司。



真木班長「ったく、アンタはただ酒飲みたいだけだろ!」

それを珍しく真面目に答える司。
司軍医長「そんなことないもん。ちゃんと沙奈江が評価されてるのは嬉しいよ。沙奈江はいいこだからね。」
と抱きかかえていいこ、いいこと頭を撫でる。

真木班長「いきなり、何をするんだいこのヤブ医者!。」
いきなり頭を撫でてきた手を反射的に掴み、逆に手刀を脳天にお見舞いした真木。

上月副官「少佐、流石にやりすぎでは...。」

真木班長「ふ、フン!いきなりするからだよ。(マズった、反射的に何時もの返しを...)」
真木は内心焦っている。

手刀を食らった司はいつもは皮肉で返していたが今回は、、、ガチ泣きした。。
司軍医長「ふぇぇぇぇーーーん。沙奈江がイジめる。もういいもん。

せっかく昇進祝いに仕事早く終わらせてきたのに。」
と本気でショックで酒瓶を抱えて医務室へイジけて帰って行った。

司の心の声が聞こえた奈美が低い声で真木に話す。
奈美准尉「、、、真木さん。。司さん悲しんでますよ、、、。」

真木班長「...悪いとは思うが私は謝らないよ。」

奈美准尉「真木さん。あのですね。司さんは、、、本当にずうっと真木さんの事を心配していたのですよ。
そしてやっと足が治って、戦術機に乗れて。自分の事のように喜んでました。
今回も患者さんがいるのに真木さんのために急いで全部処置して、手術して駆けつけてくれたのですよ。


なのに。司さんが可哀そうです。今回は本当に落ち込んでましたよ。。。
せめて後で話してあげてください。お願いです。」
と懇願する。



真木班長「...ちょいとタバコ吸ってくる。(つい反射でやっちまったな...)」
そう言い、そそくさとその場を後にする。

奈美准尉「はい、いってらっしゃいませ。(良かった。解ってくれた。)
戻ってきたらデザート出しますから期待しててくださいね。」
真木の手を一瞬取り(ちゃんと司さんと一緒に戻ってきてくださいね。)
と心の声で伝える。

司は一升瓶でやけ呑みしながら、さまよっていた。
司軍医長「沙奈江ちゃん、もう私の事不要なのかな。やっぱり私いらない子なんだ。
両親にも言われた。明日香はいらない子だ。司家にとってお前は恥だ、迷惑だ出てけと昔言われたし。これでいいのかな。」
とそのまま基地出ることを考えた。
(まあヤブ医者ででもできることがあるから1人でもなんとかなるし。。)



そんな目の前に、タバコを吸っている真木が現れた。
真木班長「ようヤブ医者。何処ほっつき歩いていたんだ?。」
真木班長「探したんだぞ...手刀してすまなかった...。」

司は鼻水を垂らしながら泣きわめく。
司軍医長「だって、だって。沙奈江、最近冷たいんだもん。前は冗談だと解ってたけど。
今は確かに少佐に進級したし、整備班の重責もあるけど、、、もう私はいらないんだよね。
戦隊を出ていくよ。私は所詮いらない子なんだよ。両親にも勘当された時にそういわれたし。」
と泣きながら出ていこうとする。

真木は徐に司の胸倉を掴み上げた。
真木班長「おい、言って良い冗談じゃないぞ。
アタシがいつ要らないなんて言った?アタシの主治医の癖に、腐れ縁のダチの癖に勝手にいなくなるのかよ明日香!
誰がアンタを要らないって言ったんだい?名前を言いな、今直ぐソイツをぶん殴って来るからよ。」

司軍医長「ウェーーーン。戦隊にそんな嫌な子はいないよ。
言われたのは両親と、今まで所属してた基地のやつら。
沙奈江が最近冷たいからそう思ってしまっただけだよ。
私は沙奈江が好きなんだよ。嫌われたくない。」
と鼻水が垂れたまま真木の胸に抱きつく。

真木班長「最近は忙しくて余裕無かったからな...。さっきみたいにいきなり来なきゃしないさ。
ったく鼻水くらいは拭けっての。」
そんな事を言いながらも構わず司を抱きしめる。

司軍医長「うん、ごめん。。沙奈江ちゃんと一緒に仕事したい。」
とちり紙をだして真木の服を拭く。

真木班長「構いやしないよ。さて、アタシも酒飲みたくなって来たし整備ハンガーに戻るぞ。

飲み直しに付き合えよ?戦友?」
真っ直ぐ司を見る真木。

その言葉を聞いて、司は満面の笑みを浮かべる。
司軍医長「うん、これからもよろしくね。少佐殿。」
真木の肩に手を回してほっぺにチューする。

真木班長「あぁ、一つ言っとくがそう言いう趣味はないからな?」

司軍医長「うん、私もないよ。冗談だよ。沙奈江は私の患者で腐れ縁の戦友だよ。」
といつものように自由奔放に真木の前をくるくる周りながら、一升瓶で呑みながら
整備ハンガーに戻る。

真木班長「帰ったぜ、呑み直すぞ!」

心配していた奈美がデザートを真木と司に渡す。
奈美准尉「心配しましたよ。司さん絶望してましたし。。。でもよかったです。
いつもと同じですね。はい、これ白玉ぜんざいです。食後のデザートです。

と、真木の横に座り少し小声で真木に話す。
奈美准尉「ごめんなさい、真木さん少しここでいいのでお話聞いてもらえますか。
さっきの事ではないです。」

真木班長「改まってどうしたんだい?」

奈美准尉「あのですね。今回真木さんと上月さんの進級祝いの料理ですが。。
どうしても戦隊では甘味の量が準備できなかったのです。
内緒にしてほしいのですが、菊間さんが教えてくれた方に材料を提供していただきました。
その方はとある斯衛の基地の料理長とだけ名乗ってくれました。
 

真木さんとは九州でご縁があった方と仰ってました。
私は、、このご恩をお返ししたいです。その方解りますか?」

真木班長「いや...分からないね。率いていた中隊の奴等の関係者かはたまた、
光線級のレーザーから庇った奴なのか...心当たりが多すぎるよ。」

奈美准尉「そうでしたか。。。あまり公にされたくないようでしたから。。
幸い連絡は取れるかもしれませんが、、何かできることがあったら言ってください
とお伝えしてますのでその機会にちゃんとお礼したいですね。」
とちょっとしょんぼりしているが気持ちを切り替えて。

奈美准尉「真木さんも上月副官さんも甘いものも好きなんですよね。
ちゃんとお代わりできますから行ってくださいね。」
と言う。

真木班長「あぁ、ありがとう。」

そこに亜美も来る。
亜美戦隊長「真木さん、上月さん進級おめでとうございます。
色々重荷をさらに増やしてしまうことになってしまい申し訳ないですが、
今後ともよろしくお願いしますね。
私達姉妹はお二人が居てくれてるからここまでこれたのですから。」
と奈美を見ながら真木と上月に話す。

真木班長「今更じゃないか、構いやしないよ。そうだろ?上月。」
上月副官「はい、我々も戦隊の一員ですから。出来ることをするだけです。」

亜美戦隊長「有難うございます。一緒に今後事もよろしくお願いしますね。」
と亜美と奈美は二人にお酒を注ぎ乾杯する(奈美はジュースですが)

周りで司軍医長が元気になっていて奈月中尉にちょっかいをだしてお酒を注いでいる。
慌ててゴーストが止めに入り、それを奪い取り代わりに呑む。

真木班長「全く、ヤブ医者め。ホラ、アンタはアタシと飲むんだよ。」
そう言って司を奈月から引き剥がす。

司軍医長「にゃー、奈月ちゃんと呑むの~。」
奈美准尉「奈月お姉ちゃん、大丈夫ですか。これオレンジジュースどうぞ。」
ゴースト准尉「はあ、やれやれ。お酒飲めない方にそれはアルハラですよ。」
とそれぞれいう。

奈月中尉「本当に飲めないのでやめてください!」



上月副官「彼女もそう言ってます、軍医長これ以上は私も怒りますよ?」

真木班長「ったく、前から奈月は飲めないって言ってるだろう。いい加減にしなよ。」

司軍医長「うー、ごめん、やり過ぎた。もうお酒で絡まないよ。
沙奈江付き合って~。」
と謝る。


ゴースト准尉「(良かった。まあちゃんと話は聞いてくれる方だしね。)
奈月さん、飲みたくなったら、前にも言いましたが、ゆっくりで、ちょっとでもいいから
一緒に呑みましょうね。」


奈美准尉「その時は私も一緒に少し飲みますよ。」

奈月中尉「うん、ありがとう。」

真木班長「ほら、そんなに飲みたいなら付き合ってやる。来な。」
奈月を尻目に司を連れて行こうとする真木。
真木に連れてかれて司は2人でいっぱい呑みまくる。

亜美、奈美は同じ視線で周りを見た。

尊敬する、そして母のような姉のような真木少佐率いる斯衛の整備兵達、
そして愛すべき戦術機部隊の戦友達、

さらに葉吹大尉達を中心に戦術機空挺輸送機隊の機長の藤田中尉や槙村中尉達。
そして独立機械化工兵戦術機隊の面々、司軍医長達の衛生兵部隊、基地の衛兵、その他隊員達。

そして、かけがいのない両親の戦友のお二人、南條叔父様と、三芳叔父様。と七瀬秘書官。

みんな楽しそうにはしゃいで真木と上月副官を祝った。
私達姉妹は人では無いまがい者。でも、、、いつまでみんなと共に生きて行けるか解らないが、
このまま愛すべき家族と一緒にずうっと生きていたいと思った。
と、、、その中に晴輝と、亜紀の姿がいたように見えて二人は少し嬉しそうにほほ笑んだ。



それを隣で呑みながらゴーストが見ていた。
ゴースト准尉「??戦隊長、奈美さん、どうされました。ちょっとうれしそうですね。」
と声をかける。

亜美戦隊長「いや、会いたい人たちが見えた気がしてね。南條叔父様達と三芳叔父様と一緒にいたような気がしたのよ。」
ゴースト准尉「??(もしや、、、)。」
奈美准尉「いえ、なんでもありまんよ。戦隊も大所帯になったなあと。皆さん良い方ばかりで。本当にうれしいです。」

こうして亜美達は真木と上月をもてなし、お祝いた。
みんな、それぞれ楽しそうに食べて呑んで交流を深めたそうな。
END