火を入れる!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 

 オヤジの住んでいる、ここ北海道でも、あの日から一気に春が進み、今日もジャケットを着なくても日差しが暖かい。

 

 周りを見渡すと、一世代前のフェアレディZやロードスターが走り回りだした。

 

 特にロードスターはオープンカーの為に、この日の為に走り出したという感じで、オープンにして走っていた。

 

  今日は愛機アトレー改「やどかり号」のオイル交換と、春から乗り始めるS2000のフロント・タイヤの注文をしに、馴染みの車屋さんに行った。

 

 今までの流れから行くと、GW過ぎ明けにスタッドレスタイヤ交換と、休止しているS2000の保険の復帰で、GW明けからS2000を乗り始めるつもりだった。

 

 馴染みの車屋さんにいくと、息子さんが「ヤドカリ号」のオイル交換をしながら、「今日は天気も良いですが、そろそろSに火を入れるんですか??」と、聞いてきた。

 

 オヤジはこの息子さんの「火を入れるのですか??」という言葉が心に響いた。

 

 普通の人たちは、「Sに乗り始めるのですか??」とか、「エンジンかけるんですか??」と聞いてくる。

 が、「Sに火を入れる。」という言葉は、本当に車好きやバイク好きの人たちには、よくわかる言葉だと思う。

 

 車やバイクを単なる移動手段ではなく、心通い合うものの一部として認識している人達が使う言葉だと思う。

 

「良いですねぇーーー。その火を入れるという言葉。」

 

 結果、その言葉によってオヤジの心にも火が付き、今日からまた保険の復帰でSを乗り始める事とした。

 

 4月後半の夏タイヤ。北海道民は、まだまだスタッドレスである。

 

 さらに休止していた保険の再開で、7千円以上高くなるのだがそれは仕方が無い事である。

S2000のガレージを開けるために、カタナ様のガレージに入る。

 

「ヤドカリ号」のオイル交換を終えて、オヤジはほぼ、半年間眠っていたS2000の前に立った。

 

 うっすら埃をかぶり、もう何十年も眠っているように薄汚れている。

 

 狭いコックピットに潜り込み、ボンネットを開けて、バッテリーのマイナス端子をつないだ。

 

 キーを横にひねり、赤いスタートボタンを押す。

 

 瞬間、メーター周りに命が宿り、静かく図太い排気音があたりに轟いた。

 

 ガレージから静かにだしたオヤジは、しばらくアイドリングをさせておいた。

 

 そして、その足でガソリンスタンドの洗車場に向かう。

 

 洗車したS2000は今までみすぼらしかった姿から、一気に綺麗な貴婦人の姿へと形を変えた。

「綺麗だよ。お前!!」

 

 こうして、今年のオヤジとSの物語は、今始まった!!

 

 PS:夕方に娘と二人で食材を買いにバイパスで少し、エンジンを回してみたが、やはり天下のVTEC・エンジン!!

 超弩級の加速力で、一気にバイパスを走りきった!!

 

PSS:今までのオヤジの流れからしたら、今日はこのまま夕方までS2000で楽しいドライブなのだが、今年のオヤジは少し違う!!

 

 S2000にすぐに乗りたいのを、グッと我慢して、先日、DVDの棚を作って散乱して汚くなっていたガレージの片付けを行う。

 

実にきちゃないガレージ!!毎日、このきちゃない場所を見るたびに鬱になる。(笑♪)

少しは片付き、毎朝会社に行く前に、このガレージを見ながら出社!!

この時も至福のひと時である。

 

 

 

 

 

 

 

 もし、良かったら今のオヤジの生き方に、多大なる影響を与えてくれた、この二人のブログに遊びに行ってみて下さい。