
暮らしの手帖第75号。発行日は昭和39年7月5日となっている。
先日紹介した70号(この号のちょうど1年前のものになる)に比べると、カラーページが少ないように思える。
ぐっときた写真はこちら。

このポージング!この表情!
浴衣リメイクシリーズ。第8号では浴衣ドレスだったっけど、今度は浴衣ムームーである。
裁ち方をみるとずいぶんシンプルなので、頑張って作ってみようかなとすら思えてくる。…ところで1枚目の写真のような柄の浴衣なんて存在するのか?と思ったが、1枚目は本来のムームーで、2枚目が浴衣の布を使用したものなのだね。
電気冷蔵庫の手入れ方法について。

某ネット情報によると、昭和39年当時の普及率は約40%らしいので、この雑誌の読者層である都市部の主婦家庭では50%を超えていたのではないだろうか。
さて、この号では写真や企画自体よりも、ある部分が気になった。
松江のお菓子の紹介。

左下さくらもちの紹介文章より「…(省略)とかくビニール製の葉が横行する昨今、珍重すべき一つだろう」
「ちょっとへんなもの」というタイトルで紹介されている、シューカラリング(靴のぬりかえクリーナー)。塗って3日目で、下のパンプスの写真のようにはげてくるという。

色を塗っただけの生卵。当然ゆでると色が落ちる(しかもひび割れたところから中に染料が入り込む)。通常の卵より1.6倍ほどのお値段。
即席うどんそばの食べ比べ。

昔ながらの家屋に無理やりレストランを増築した「いまの松江をしょうちょうしたような」建物。
この号が発売された昭和39年といったら、東京オリンピックである。戦後日本復興の象徴であり日本が最も元気だったころ、なんても言われている。こういう記事を見ると、やはり当時はまだまだ発展途上だったのだなと思わされる。
以前読んだ森茉莉の当時の随筆文では、市販のものや街並みについてけちょんけちょんに書かれている。年寄りだからかなと思っていたが、彼女の美意識ではこの時代を生き抜くには文句の100や200は言いたくもなっただろう。そんなことを思った。
最後に、ちょっと興味深い記事。

(ところで今回はスキャニングが雑すぎますね、自分…)
タバコについて。
「アメリカでは、タバコの害について、タバコの包装や広告にハッキリ書くようにという規則を公布した。…」「日本の専売公社なんて、核爆発で世界中が灰になっても、こんりんざい、そんなことを書きそうにないが、…」
花森安治がこう書いて41年後の2005年から、パッケージには健康被害について記されるようになったらしい。時代は変わるものね。でもアメリカで決まってから41年後とは。
ちなみに文中で「今年のはじめ、アメリカでタバコ有害説を発表したときは…」とあるので、それまでタバコの健康被害のことは誰も考えたことがなかったということが、情報がないのだから当然なのだけど、現代の人間からすると驚きなのであった。
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