前回はこちら。
境界性パーソナリティ障害は、英語ではBorderline (ボーダーライン) Personality Disorder と言います。
自分と他者とのボーダーラインが曖昧になってしまうのです。
自己評価が低く、自分自身への愛情を自分で満たす事ができずに他者に求めてしまうため、自分と他者との線引きが難しくなってしまいます。
過剰に他者に愛情を求めますが、見捨てられ不安が限界まできてしまうと、今度は反対に自分からわざとその人から嫌われるように仕向けてしまいます。嫌われると、やっぱりそうだったんだ、思った通りだった、とある意味、自分の低い自己評価が正当化されて安心するのです。
なので、周りの人からすると、昨日まで重たいくらい愛情を求めて来たのに、今日は突然冷たくされたり、その振り幅があまりにも大きく、混乱してしまいます。
自分勝手な行動に見えるかもしれません。
でも本人は、相当苦しいのです。
そして周りの人も、その振り幅の大きさに振り回されて、疲れ切ってしまう。
あなたの大切な人がもし、境界性パーソナリティ障害で、あなたがそれを支えているのなら、あなた自身の心のケアも忘れないでください。
医師に診てもらっているのなら、周りで支える人もその医師に相談できることが望ましいです。パーソナリティ障害は、生育関係、対人関係が深く関わっていますので、周りで支える人と共に治療できる環境が望ましいのです。支える人のケアのためにも。
境界性パーソナリティ障害は年齢を経ていくと改善されていく事が多いと言われています。
DBT(弁証法的行動療法)という境界性パーソナリティ障害に特化した認知行動療法もあります。
診断されていなくても、傾向がある場合、障害の特性や治療について本を読んだりする事で助けになる事があります。
苦しいけど何がなんだかわからない、という状況から、こんがらがった糸が少しほぐれて少し抜け出す事が出来たり、周りの人も、振り回されてわけがわからない、と混乱していたのが、行動の理由がわかって少し整理されたりします。
パーソナリティ障害については、日本では近年認知が進み、良い本が多数ありますので、読んでみることをお勧めします。