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西武鉄道は「レオライナー」こと山口線を老朽化及び利用客の伸び悩みを理由に廃止として、2029年を目途に路盤を再整備の上でBRTへ移行する事を明らかにした。
山口線はかつて多摩湖ホテル前~ユネスコ村を結ぶ「おとぎ列車」として運行していた路線をAGT化した上で1985年に開業。多摩湖と西武球場前の両駅を連絡するアクセス線として現在まで機能して来た。
しかし、開業から40年近くが経過して施設が老朽化した事と他路線と比較して利用客の少なさが顕著になっており、さらにコロナ禍による行動変容がこれに拍車を掛けた。このため、今後の費用対効果を考えてBRT化する方が経済的と判断され、今回の決断に至ったという。
西武鉄道は遅くとも2028年に山口線の運行を終了する方向で調整し、「さよなら運転」のイベントも計画している。
BRT化工事は現行の多摩湖~西武球場前の改良以外に、新たに西武園~多摩湖と西武球場前~上北台の区間を新規で建設した上で実施される。そのうち、西武園~多摩湖は西武園ゆうえんちの敷地を通るため用地買収の必要がなく、西武球場前~上北台は都市計画道路の整備と一体で行うので比較的早期に工事を着手できるとの見解を示した。
全長は6.3kmで、西武鉄道によると完成は2029年としている。これは西武球団が使用するベルーナドームが西武ライオンズ球場から数えて開場50周年(及びドーム化30周年)となる事に合わせたものである。愛称は「レオライナー」を継続使用する予定で、神奈中などで用いられている2両連接バスを導入する。料金は現行の鉄道運賃をベースにするという。
設置停留所と所要時間は以下の通りとなる見通し。
【バス停留所】
西武園(西武園線乗り換え)
- 西武園線の駅北口にホームを建設。
多摩湖(多摩湖線乗り換え)
- 現行の駅がルートから外れるため、東にある駐車場にホームを建設する。
西武園ゆうえんち
- 現行の駅施設をそのまま使用する。
西武球場前(狭山線乗り換え)
- 現行の駅を高架化する。これはベルーナドーム来客者の人の流れを阻害しないため。
村山貯水池
- 村山貯水池のやや南にホームを建設し、停留所付近に多摩湖観光用の多目的施設を設置する。
芋窪
- 蔵敷公民館付近にホームを建設。
上北台(多摩モノレール乗り換え)
- 多摩モノレールの北にホームを建設。連絡歩道橋を設置。
【所要時間】
なお、検討段階では西武園線についてもBRT化する話もあったが、将来的な新宿直通の復活を考慮して早い段階で路線存続を決定している。
多摩モノレール沿線に住む西武ファンは「月1回はドームまで応援へ行くのだが距離の割に不便な印象があった。このBRT化により渋滞を気にせず球場へ行く事ができる」と期待を込めて話していた。
以上
【参考リンク】
発表を基に作成した西武山口線BRT化のGoogleマイマップ
(今日は4月1日です)