(A205)国鉄205系【第3版第36刷】 | BLUEのブログ

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スケールのでかいオレの投稿

さて、今日はブログ205回目と題して、国鉄最後の通勤量産車である205系に関する内容を投稿します。

 

205系は1985年に登場した形式で、全部で1461両が作られました。当初は201系を中央線に続いて山手線へ投入する予定でしたが、チョッパ制御の高コストが災いして断念しました。そこで、当時開発を進めていた211系を設計ベースとして、通勤型として使うためにさらなるコストカットを進めて完成したのがこの205系なのです。

 

なお、205系は構想からデビューまでわずか7ヶ月というものすごいスピードで開発された車両です。しかし国鉄では初のオールステンレスであり、デビューから30年以上経った今では、むしろ次世代の209系の方が劣化しているように見えるぐらいの非常に完成度が高い形式である事は間違いありません。

 

ドアは当初201系をベースとした「田の字」と呼ばれるものでしたが、山手線への投入が終えた後は標準の大きな窓となっています。また、1990年代前半には山手線横浜線6ドアが増結され、その後は209系・E231系へ波及しました(現在は絶滅危惧種)。

 

205系は私鉄のデッドコピー車がないので、この1回で完結とします。

 

令和6年6月26日更新(第3版第36刷)

本ページは増えるたび追記されます。笑

 


 

この形式は全て通勤型で作られています。スペックに関しては次の通り。

 

【基本データ】

起動加速度⇒2.4km/m/s

最高速度⇒100km/h

ギア比⇒85:14=6.07

制御装置⇒界磁添加励磁制御(1C8M方式)

モータ⇒120kW(MT61)

車体幅⇒2800mm(ストレート車体)

車体長⇒20m(4ドア車)

車体鋼⇒ステンレス製(ビードプレス加工)

MT比⇒以下の通り

  • 11両⇒6M5T
  • 10両⇒6M4T
  • 8両⇒4M4T(一部6M2T)
  • 7両⇒4M3T
  • 6両⇒4M2T
  • 4両⇒2M2T
  • 3両⇒2M1T
  • 2両⇒全M車

続いて、現存する本数・路線を記述します。ただし、富士山麓電気鉄道の6000系は省略します。

 

【所属本数】

南武線⇒2両編成3本 計6両

鶴見線⇒3両編成4本 計12両

仙石線⇒4両編成16本 計64両

奈良線⇒4両編成9本 計36両

合計⇒119両(全32編成)

  • かつては山手線埼京線などで走っていたが、新車投入で徐々に廃車が進んでいる。
  • 一部はインドネシアへ譲渡された車両がある。

以下、番台ごとに一覧とします。ただし、インドネシアへの譲渡編成は省略します。

 


 

(すでに営業運転を終えた形式)

JR東日本

【0番台】

投入路線:以下の通り

  • 山手線
  • 埼京・川越線(大崎~川越)
  • りんかい線
  • 京浜東北・根岸線
  • 横浜線
  • 中央快速線(三鷹~八王子)
  • 中央・総武線
  • 南武線(川崎~立川)
  • 武蔵野線
  • 京葉線
  • 外房線(蘇我~上総一ノ宮)
  • 内房線(蘇我~上総湊)

デビュー:1985年3月25日

 

 

1985年に登場した基本番台。山手線の「ヌシ」として活躍し、現在でも山手線で走っていたイメージを持つ人も多いだろう。汎用性が高く山手線以外にも多くの路線で走り、一時は京浜東北線中央・総武線でも活躍していた。なお、京葉線用に作られた編成は「メルヘン顔」と呼ばれ、最高速度が110km/hに引き上げられた。なお、横浜線用の6ドア車は1994年製造であり、209系の仕様が取り入れられていた。

 

2002年以降はE231系の投入で広域転配となり、E233系が導入されると編成単位での廃車が始まった。最後までオリジナルの形態で残っていた武蔵野線の0番台も現在はインドネシアへ譲渡されている。ただし、一部のモハは現在でも0番台のまま中間車として残っているケースがある。

 

【500番台】

投入路線:相模線横浜線(橋本~八王子)

本数:4両編成13本⇒合計52両

デビュー:1991年3月16日

 

 

1991年に登場した相模線電化用車両。他の番台とはかなり大きな違いがあり、先頭デザインが一新されて相鉄9000系と類似したものとなっていた(そのため、相模線は相鉄への復帰の噂が流れていたらしい)。ドアエンジンはゆっくりと閉まるタイプになり、動作はりんかい線の70-000形に近い。半自動対応であり、ドア横には開閉ボタンが設置されていた。

 

最近になって前照灯がLED化された編成もあった。ならばVVVFへの更新を期待したかったが、やはり製造から30年経っても未更新のままだったというのがネックとなり、2021年以降にE131系への置き換えが進み、さよなら運転もせずに全廃となった。

 

【600番台】

投入路線:宇都宮線(小山~黒磯)、日光線

本数:4両編成12本⇒合計48両

  • 内訳は宇都宮線用が8本日光線用が4本(1本が「いろは」)。

デビュー:2013年3月16日

(スペック)

起動加速度⇒1.7km/m/s

最高速度⇒110km/h

 

2012年に登場したグループで、京葉線埼京線で走っていた0番台を種車としている。日光線専用車と宇都宮線共用車とはラインカラーの色が異なっており、それぞれ日光色と湘南色に分けられていた。さらに、日光線運用の行先表示は和風な感じのあるレトロなフォントと配色になっていた。改造の際には4号車にトイレが設置されている。そのうち1本は観光列車「いろは」化改造が施された(しなの鉄道の「ろくもん」みたいな感じ)。

 

ただ、宇都宮線の一部をワンマン化する事となり、2022年になって一斉にE131系へ置き換えられて形式消滅となった。ただ、その前にE531系が黒磯以北での運用を開始しており、この時点で205系置き換えのフラグは立っていたか。

 

【1100番台】

投入路線:鶴見線

本数:3両編成9本⇒合計27両

デビュー:2004年8月25日

 

2004年に登場した先頭車改造車。先頭車はモハ・サハを1両ずつ改造したものである。なお、この番台を名乗っていたのは先頭車のみで、中間車の2号車は0番台のままとなっていた。

 

鶴見線は103系時代には10本が在籍していたが、205系転配時には利用者の減少で本数が9本に減らされている。今後の動向ははっきりしていないが、車齢を考えて全車廃車解体となるだろう。

 

【1200番台】

投入路線:南武線(川崎~立川)

本数:6両編成6本⇒合計36両

デビュー:2004年1月

 

2004年に登場した先頭車改造車。先頭車はサハを改造したものである。1100番台と同様にこの番台を名乗っているのは先頭車のみで、中間車は0番台のままとなっている。当然走行性能も0番台と変わらず、運用も0番台と共通とされていた。

 

2009年に仙石線へ1本捻出された。2014年以降はE233系への置き換えが進み、2016年にさよなら運転を実施した。先頭車改造車だったのがネックとなり、その後ナハ50編成の中間車を除けばインドネシアへ譲渡される事なく全車廃車解体となっている。

 

【3000番台】

投入路線:八高線(八王子~高麗川)、川越線(南古谷~高麗川)

本数:4両編成5本⇒合計20両

デビュー:2003年11月10日

 

2003年に登場した改造車。山手線で走っていた0番台を種車としたため、ドアは全て「田の字」である。先頭車だけでなく中間車も改造されており、半自動対応のためドア横に開閉ボタンが追加設置された。ただ、下回りはそのままであり、後述の5000番台のような極端な違いはなかった。

 

2017年には209系500番台が転配される事となり、この形式も玉突きで運用離脱となった。ただ、全車解体にはならず、現在でも2本が後述の富士急6000系として運転している。

 

【5000番台】

投入路線:武蔵野線京葉線(東京~海浜幕張)、中央線(西国分寺~八王子)

本数:8両編成36本⇒合計288両

デビュー:2002年11月23日

(スペック)

起動加速度⇒3.2km/m/s

制御装置⇒東洋製IGBT-VVVF制御(SC71)

モータ⇒120kW(MT74)

 

 

2002年に登場したVVVF改造車。武蔵野線のオリジナル0番台は京葉線のトンネル区間に対応させるため6M2Tとなっていた。ただ、転配車は武蔵野線で走る際に電動車が不足したため、4M4Tでも対応できるようにVVVF化したという。なお、5000番台となったのはモハのみで、クハ・サハは0番台のままとなっていた。ちなみに、VVVFの走行音は京成3000形と同じであり、メーカーや出力も同じとされていた。

 

2016年以降にE231系転配が進み、徐々に置き換えが進んでいった。ただ、機器自体はE231系よりも新しいものもあり、現在は全車両がインドネシアへ譲渡されている。

(現在も営業運転している形式)

JR東日本

【1000番台】

現在の路線:南武線(尻手~浜川崎)

過去の走行路線:山手線京浜東北線根岸線中央・総武線

製造本数:2両編成3本⇒合計6両

デビュー:2002年8月20日

 

2002年に登場した先頭車改造車。先頭車はモハを改造したもので、ステンレス車の先頭車という事で当時はかなり驚かれたらしい(当時の前例は東急7700系の7915Fぐらいだった)。前面は他の205系とは異なり、小田急3000形に近いものとなっている。先頭車しか存在していないため、形式はクモハのみとなっている。

 

207系と同様にJR東日本JR西日本では関連性が全くなく、車両番号の重複もない。今後は新潟からE127系が導入される予定だが、本数は2本とされている。このため、南武支線は101系と同様に最後まで205系が残る可能性がある。

 

【3100番台】

現在の路線:仙石線

過去の走行路線:山手線埼京線川越線(大宮~川越)

製造本数:4両編成19本⇒合計76両

残存本数:4両編成16本⇒合計64両

デビュー:2002年11月5日

 

image

 

2002年に登場した寒冷地対応改造車。先頭車はサハを改造したもので、全編成にトイレが設置されている(これは205系では初となる)。また、一部車両は2WAYシート(東武50090型みたいなロング・クロス転換シート)が導入されており、該当車は各車両ごとにラインカラーの色が異なるものとなっている。もちろん半自動にも対応済み。なお、仙石線は東北地方のJR路線では唯一の直流電化区間である。

 

かつては19本が在籍していたが、東日本大震災で2本が津波に流されている。さらに2024年以降にはE233系(またはE131系)への置き換えが予定されている。

 

JR西日本

【0番台】

現在の路線:奈良線大和路線(奈良~王寺)

過去の走行路線:琵琶湖線(野洲~京都)、京都線神戸線(大阪~加古川)、宝塚線(大阪~新三田)、阪和線

製造本数:7両編成4本⇒合計28両

残存本数:4両編成4本⇒合計16両

デビュー:1986年11月1日

 

1986年に登場した基本番台。番号は山手線との連番となっている。基本的には山手線の量産車と同一仕様で、ドアは全て「田の字」と呼ばれるものである。そもそも投入当時は国鉄であり、民営化直前といっても明確に区別するという考えはなかったようだ。山手線の10両(のちに11両化)に対して京阪神緩行線は7両という違いはあったが。

 

かつては8両編成だった時期もあるが、現在は中間車4両が廃車になって全て4両編成となっている。落成時より京阪神緩行線阪和線を行ったり来たりしていたが、最近になって225系の増備により玉突きとなり、奈良線への転配が行われた。

 

【1000番台】

現在の路線:奈良線大和路線(奈良~王寺)

過去の走行路線:阪和線

製造本数:4両編成5本⇒合計20両

デビュー:1988年2月22日

(スペック)

モータ⇒WMT61A

最高速度⇒110km/h

 

1988年に登場した派生番台。アーバンネットワークのダイヤに乗せるため最高速度は110km/hに向上している。0番台との違いは先頭車の前面窓の位置が逆になっている事。側面窓は大窓だがJR東日本仕様なので、関西ではかなり異彩を放つ感じに思える。なお、他の車両との併結運転はできない。

 

207系と同様にJR東日本JR西日本では関連性が全くなく、車両番号の重複もない。落成時から専ら阪和線を中心に使用されてきたが、225系の投入で奈良線への転配が行われた。

(私鉄へ譲渡された編成)

◆富士山麓電気鉄道

【6000系】

現在の路線:富士急行線

過去の走行路線:山手線京葉線りんかい線埼京線川越線八高線(八王子~高麗川)

製造本数:3両編成7本⇒合計21両

デビュー:2012年2月29日

 

 

2012年以降にJR東日本から譲渡された。改造の際にモハを先頭車化しているほか、ドアチャイムや自動放送装置まで設置され、JR東日本の現役車両よりもサービスが高くなっている。しかし、試作車4本(2段窓になっているのが違い)のうち3本が全廃にならずに譲渡されただけでも奇跡的というべきか。

 

6000の形式は205系が昭和60にデビューした事に由来する。ただ、富士急には211系やE233系も入線するので、普通に205系6000番台でもよかったのでは…と正直思ってしまう。まあ、JR四国では121系⇒7200系になった車両もあるからいいんだけどね(笑)。

 


 

こんな感じでしょうか。この205系の派生系列は211系となりますが、登場経緯から考えて211系の派生系列といった方がいいかもしれません。

 

今日はこれで終わります。今後はE231系への置き換えが進む度に更新する予定。205系は日本だと最長で11両編成だったけど、インドネシアでは12両編成を組成しているのもあるとかないとか。


※このブログは2014/11/15(土)にYahoo!ブログで投稿した内容を修正したものです。