4月6日(水) 瑞穂でのACL観戦の前に、名古屋市美術館で開催されていた『ゴッホ展』を見に行ってきた。
たまたま、会社の友人から招待券をもらっていたので
友人も筆者が絵を見る事が好きなのを覚えていてくれたようだ。
平日の午後3時ごろだというのに、市美術館の前には行列ができていて驚いた
聞けば、当日券を買う人の列とのこと。
幸い、筆者は招待券を持っていたので、すんなりと入れた。
中に入っても平日とは思えない人だった。休日に来ていたらと思うと、ぞっとする
没後120年ゴッホ展だが、ゴッホと言えば『ひまわり』と言うくらいの代表作である『ひまわり』の展示はなし。
ただ、サブタイトルが-こうして私はゴッホになった-と言うだけあって、初期の作品から、また年代ごとに彼に影響を与えた画家たちの絵も合わせて、展示されている。展示作品は123点
Ⅰ.伝統―ファン・ゴッホに対する最初期の影響
Ⅱ.若き芸術家の誕生
Ⅲ.色彩理論と人体の研究―ニューネン
Ⅳ.パリのモダニズム
Ⅴ.真のモダン・アーティストの誕生―アルル
Ⅵ.さらなる探求と様式の展開―サン・レミとオーヴェール・シュル・オワーズ
入り口を入ってすぐの所に最初期の作品と最晩年の作品が並べて展示されていた。作風の変化が良く分かる。ただ、この展示方法の意図には最初期から最晩年までの彼の作品に潜む一貫性を示すためだそうだ。
初期の作品は、模写や素描が多く見られた。彼が基本的には独学で成長した画家で、素描や模写で腕を磨いていった過程が分かる。
Ⅲ章、Ⅳ章では油彩がメインとなり、色々と画風を試行錯誤していること見て取れる。『カフェにて』もこの時代の作品になる。
そして、チケットやポスターのデザインにも使われている有名な『灰色のフェルト帽の自画像』。
独特のタッチと補色をうまく使った陰影、やはり印象に残る絵だ。
第Ⅴ章では、南仏のアルルに移ってからの作品が展示されている。ここで、今の私たちが抱くゴッホの作風に達する様が見られる。
あの『アルルの寝室』も展示されていた。
さらには、その絵と残されていた当時の部屋の平面図から、実物大のアルルの寝室が再現されていて、今回の展示の隠れた目玉。その前では人々の歩みも止まり、人だかりになっていた。
そして、『ゴーギャンの椅子』、『種まく人』と続く。
最後に、この作品展の目玉である『アイリス』が展示されている。
あの『ひまわり』のような周りを圧倒するような迫力はないが、その優雅な描画は『ひまわり』に劣らない存在感があった。
そんな作品群の中で筆者の目に留まったのが、第Ⅴ章のコーナーにあった『緑の葡萄畑』だった。この絵を見た時に、久々に、ぞくっとして鳥肌が立つのが分かった。
絵画鑑賞を趣味にしている人からなら、今更何を…だろうが、筆者は薀蓄を語るほどの知識は持ち合わせていない。
それだけに、この絵は知らなかったので、余計にそのオーラに魅せられたと言ってもいいだろう。
そんな余韻に浸りながら美術館を出ると、あの大きなドームが目に入ってきた。