グランパスのホームゲームを毎試合、見に行っているサポーターの方なら、すでにご存知だろう。
売り上げがダントツのカリスマと呼ばれる売り子さんがいることを。
ご本人の許可を頂いたので、この機会に紹介しておこう。
moyoさんと言う売り子さんで、メインの仕事場はナゴヤ球場でのドランゴンズの2軍戦である。
その他、ドラゴンズの地方球場での1軍戦やグランパスの試合がある瑞穂、豊スタでも売り子をしている。
彼女は売り子さんとしては、珍しく固定の常連客を持つのである。。。そう言う筆者も、その1人なのだが・・・
名前は知らなくても、黄色のTシャツで、良く通る声で「ビール、いかがですか~」と売り歩いている売り子さんと言えば、分かる人も多いのでは。
彼女は、いつもトレードマークである黄色のTシャツで売り歩いている。
グランパスの最終戦12月4日、コンコースを吹き抜ける北風はまさに冬の風だった。
その寒風の中でさえ、いつもと同じ格好をして売り子をしていた。
その日にお願いして撮らせて頂いた1ショットが上の写真。
で、他の売り子さんはと言うと。。。ウィンドブレーカーで防寒対策してる日だった。
そう、mayoさんが売り上げNo.1である理由の一つに、その豊富な運動量がある。
売り子さんは売ってなんぼの世界、とにかくスピードが要求される。彼女はお客さんの呼ばれれば、走ってそこに向かうのである。当然、走れば汗をかく それゆえのTシャツなのだ。
もう一つ、他の売り子さん達と違うのは、ビールケースを肩から提げずに、両腕だけで抱えて売り歩いている事にある。これもまた、スピードを追求するための秘策なのだ。
ケースの上げ下ろしの時間さえも、無駄にしたくないと言う。
また、彼女がカリスマと呼ばれて、常連客が付くには、それなりの理由がある。
まずは、注文してからビールが手渡されるまでのスピード・・・とにかく速い。
しかも、ただ速いだけではなく、ビールの注ぎ方が抜群に上手い
こだわる人には、分かると思うが、たかが缶ビールであっても注ぎ方で味が変わるのである。
泡を立て過ぎても、泡が無くても不味くなる。
この辺りが絶妙で、500mlの缶ビールを紙コップの9分目ほどまでに、程よく泡立てたビールを提供してくれるのである。まさにプロフェッショナルのなせる業
一度、新人の売り子さんからビールを買ったことがあるが、その子はその日が初めて売り子をした子で、また、筆者が初めて買ってくれたお客さんだと言っていた。おぼつかない手つきで注がれたビールは泡が立ちすぎて、紙コップ1つに入りきらず、2つの紙コップを手渡されたことがあった。
たかがビールを注ぐと言っても、コツがあるのだ。
まぁ、これはこれで、いい思い出となったが(笑)。
後は、接客態度。必ず、お客さんの目を見て応対している。注文を受ける時、品物を渡す時、お金やお釣りの受け渡しなど、相手の目を見て、「お待たせしました。」や「ありがとうございます。」と言っている。
そして、笑顔を絶やさない。彼女自身のブログで語っているように、売り子と言う職業を天職と言い切っている。だからこそ、自然に出る笑顔なのである。
また、注意して見ていると分かるが、彼女はお客さんとの会話の楽しみながらも、流れるように一連の動作をこなしている。
缶ビールをケースから取り出して、プルタブを開けて、さらに反対側に専用の道具で空気穴を開けるまで、お客さんを見て会話をしながら、ノールックで手を動かしている。ここにもプロの技が見て取れる。
さすがに、ビールを注ぐ時には、そちらに視線を向けるが、この時の眼差しは集中した職人のそれになる。笑顔もいいが、このビールを注いでいる時の集中した横顔が筆者は好きである。真剣なプロフェッショナルの表情は、カッコいい。
たかが売り子、されど売り子なのである・・・プロフェッショナル・仕事の流儀
ちなみに、2008年3月20日の中スポで、ナゴヤ球場注目スポットとして・・・
売り上げナンバーワン!ナゴヤの「嬢王」と紹介された。