自分の車として所有したのが、HONDAのバラードスポーツCR-X 1.5iだった。まぁ、自分でとは言っても、半分は親に資金援助してもらったものだが
エスハチの生産終了以来、HONDAが久々にスポーツの名を冠したクーペモデルだった。
ワンダーシビックと呼ばれた3代目シビック・バラードシリーズの1バリエーションとして生まれた車だ。
エンジンはシビックと共用のEW型、直4のSOHCのロングストロークのCVCCⅡ、燃料供給は電子制御のインジェクションである。
スペックも当時のネットで110PS/5800rpm、13.8kgm/4500rpmと至って平凡なもの。
このスペックで、当時一世を風靡した4AGを積んだAE86をサーキットのテストでは凌駕したのだ
この車をスポーツたらしめたのは、2×2と割り切って後席を補助シートとすることで可能のとなった2200mmと言うショートホイールベースと各所に樹脂パーツを使い800kgと言う軽量な車重だった。
後方のオーバーハングを減らすために大胆にカットされたリアデザイン。お世辞にも後方視界は良いとは言えなかった。バックは苦手だったのがいい思い出だ。
自分が選んだのは青色で、後に追加されたアナログメーター+アウタースライドサンルーフ(この頃からオープンには憧れていた)、タイヤは標準装備のスチールホイールに70ー175-13インチ。
で、モディファイとしてタイヤとホイールは交換した。
当時は、ちょうど60扁平が解禁されたころでCR-Xにもアルミ+60タイヤのオプションがあった。
だが、ここは標準と同じサイズのアドバンTypeDをチョイス。ホイールは無限のCF-48の13インチ。
アドバンのTypeD・・・当時としては過激な左右非対称パターンで、しかもアウトサイドがほぼセミスリック状態と言う如何にもなタイヤだった。
後にこのホイールの選択が大きな意味を持つことになるとは・・・その話はまたの機会に。
しかし、このCR-X 1.5iとの付き合いは短いものとなった。
その抜群の運動性能をもたらした2200mmと言うショートホイールベースは、両刃の剣でもあった。
ショートホイールベース故に、リアがリバースした時の立て直しに腕が必要だった。
乗り始めて10ヶ月ほどした年の暮れ、連れの家でひとしきり遊んだ深夜の帰り道に、それは起こった。
クランク状の連続するコーナー、まず初めの左コーナーをクリアし、次の右コーナーに向けてステアリングを切ったその瞬間、一気にリアがスライドを始めた。初めの左コーナーをクリアした時のヨーモーメントが残っており、その状態で右にステアリング切ったため、ちょうどフェイントモーションをかけた状態になってしまったのだ。必死にカウンターステアを当てるが、今度は逆に振られる。所謂、カウンターのおつりをもらうと言うやつで、そのままコースアウトしてクラッシュ
幸い、シートベルトをしていたので怪我は無かったが、車は全損状態
こうしてCR-X 1.5iとの短い付き合いは終わった。
ちょうど、その秋にインテグラでデヴューしていたHONDA、久々のDOHCエンジンZCがシビック、CR-Xに移植され、Siとして追加されていた時期だった。
初号機についで、壱号機としてCR-X Siを選んだのは言うまでも無い。
「認めたくないものだな……自分自身の若さゆえの過ちというものを…」