【BLCD感想】リンクス(2016年/キヅナツキ/前野智昭×村田太志/羽多野渉×野島裕史/古川慎×花江夏樹/新垣樽助×斉藤壮馬)
連作オムニバスで4CP(9人)も出てきて、人間関係が入り組み、キャラの描き分けも曖昧なので読みながら何度もページを戻る。
おしゃんでおセンチな雰囲気漫画、しかも絡みがない。
それを2枚組でCD化してどうするの?と思っていたが…
前野田村組と、メインの新垣壮馬組に絡みが足されている。
声が付くことでキャラの聴き分けができて、この点はCDのほうがわかりやすかった。
====
前野村田組→
オッサンのわりに村田さんの声が高くて行動様式も相まって乙女。
演技はキャラに合っているけど、色っぽいシーンで声が上がり更にキャンキャン言うのはさすがにうるさい…。
前野さんは独特の強張りが抜けて、上手になった?!
日常シーン、ラジオDJ、濡れ場のメリハリも完璧。
====
羽多野野島兄組→
鬱蒼とした野島兄の声でグッと締まる空気。
事後、ベッドの中で声を落として話す二人の距離感や表情が目に浮かぶ。
ベテランは違う…。
====
古川花江組→
古川さんは初めて聴く。
一本調子のキャラ?なのでこれでは実力のほどはわからない…。
花江くんは可愛くコミカルな役どころ。
特筆すべきことはない。
====
新垣壮馬組→
ギャーギャー言う新発田(村田)さんがうるせえよ…。
新垣さんが聴いたことのないトーン。
壮馬くんも乱暴な喋り方。
そして初対決。
回想シーンで秋葉の弾くベートーベンの月光を「メンヘラ女の貧乏揺すり」という佐渡兄…!
その兄が死んだシーンのモノローグに兄が弾いている設定のピアノをBGMとして被せている音量が中途半端。
生演奏には聴こえず、出だしは構わないが途中から音量を下げないと…せっかくの演技が堪能できない。
こういうところは大切に…。
新垣さんの響くバリトンで訥々と語られる不遇なモノローグ、
美人声で狂暴な兄(田丸さん)との対比…
新垣さんは少年声もジブリ的で自然ですね。
兄のやさしさ…
壮馬くんはいつもの儚さに加えて厭世的…。
耳で聴いて、こんなにも鮮やかな話やキャラだったのかとハッとした。
怒鳴る壮馬くんが凄くイイわ…。
「付き合いのセックスって何だよ!!いくら払ったら俺以外抱かなくなるんだよ言えよ!!」
直前の静かに泣く演技から、これ。
思わずリピート。
この後の壮馬くんも可愛くて可愛くて…。
すぐ場面転換してしまうのが悲しいほど。
仕切り直して、殴り合い罵り合い→再プロポーズ→煽り愛おせっせ❤
唯一のちゃんとした絡み?
このCPは一応この前に回想を含めて2回短い絡みがあるけど、何をしているかはわからない。
この3回目も短いが…。
====
おまけ→
ラジオ番組風。
壮馬「俺はフェ○嫌いじゃないでーす❤」
花江くんはえっちな空気を出すのが上手!攻めも聴きたい!
====
総括→
ドラマCDを聴き慣れている人なら、原作よりCDのほうがキャラや話は把握できると思う。
原作の雰囲気は大切にされている。
原作既読でメインCPの新垣壮馬組(特に新垣ファン)なら満足度は見出だせると思う。
====
特典CD→
CPごとのフリト。後輩に可愛がられることを浪川イズムと言うのかw
弊社の後輩に厳しい前野さん…なにそれ…キュン死案件…。
新垣壮馬組は…自分がイイと思ったシーンを二人も楽しく演じたという話だったので感無量。
鼻歌はドビュッシーの月の光だったの!?どこを拾うか?という話をしているけど、新垣さんのほうはあの拾い方だとショパンの夜想曲かと思った。
オシャレを連呼していた羽多野野島兄組を筆頭に、演者が原作を好きだと思っているのがよくわかるので、フリトを最後まで聴き終わる頃にはこちらも原作が好きになっていて、また読みたいと思わせる不思議な力を宿したCDでした。
これはアリだ…。
一番の聴きどころは、スタジオが狭いのに新垣壮馬の怒鳴り愛…!