【BLCD感想】スローリズム(2009年/杉原理生/前野智昭×野島健児) | twilight

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【BLCD感想】スローリズム(2009年/杉原理生/前野智昭×野島健児)

 

高校時代の友人が週2回電話をしてくる。
他愛ない話がスローリズムの音楽のようで寝落ちしてしまう。
という冒頭の野島さんのモノローグにグッと捕まれる。
良作の予感。

「男が好きだから男子校に来た」「お前だけは絶対に好きにならない」

高1の言葉から12年。
お互いに好意を抱いているのは明白なのに、軽口は叩けても核心には踏み込めない臆病。
「ずっと友達で、一生付き合っていく」が重い。

言葉選びが詩的だが気になるほどではない。

友人役の安元さん&後輩役の寺島さんがナイスアシスト。話の上でも演技でも。
この4人しか出てこない。そういう意味でとても聴きやすい。

大声で想いをぶつけるシーンの電車の音が大きすぎるという意見を見るが、

それほどでもなかった。

「友達だけで終わるなんて嫌だ」と言うノンケに「ずっと付き合っていけるなら他には何も望んでいない」と答えたのは綺麗事ではなく本心だろうが、
「白状しろよ。俺が好きだって」「お前が口説かないなら、俺がお前を口説くよ」「お前が好きだ」までノンケに言わせて、
やっと「愛してる」からの~最後に一度ある絡みは、12年分の想いを込めた前野さんのやさしい攻めがよかったですね。
野島さんも控えめな声◎
しかし朗読かと思うほど前野さんが最中によく喋る。

巻末フリト。
安元さんは「前野」「寺島」と呼び捨てにするのか~。
安元さんと前野さんは「結婚したい」とのこと。
野島さん「恋愛ものは何回やってもいい。こういう大恋愛はなかなかできないので、作品でやれて幸せです」好感度の高い発言。

特典フリト。
メール事情やお酒事情で、紀章さんや下野さんや吉野さんなどのここにはいない人のプライベートな話が聞けて楽しかった。
自炊事情も、安元さんが「嫁にしたい声優」と言われている件も、聞かれてもいない自分の恋愛感もw結構珍しい話を和気藹々としていて、最後まで和やかな1枚。

派手さはないが号泣慟哭なしのリピしやすい良作だと思う。