【BLCD感想】サヨナラゲーム(2017年/南月ゆう/興津和幸×古川慎) | twilight

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【BLCD感想】サヨナラゲーム(2017年/南月ゆう/興津和幸×古川慎)

興津さんのメインを聴くのは久しぶり。
貫禄の安定感。
ユーモアのある演技も抜群に巧い。
間の良さは関西人の成せる技だろうか。

2歳下の野球部後輩という設定の古川さん。
野球部?!
全くイメージにないが。
しかし繊細で頭がいいキャラのようで。

攻めの妹の家庭教師が受け。
受け→攻めの好意は声だけでわかる。

攻めは女性が好きなので、
それがどうしてBLに?という流れに説得力を持たせられるか
が注目ポイントですね。

「明るくて面倒見のいい先輩に感謝する後輩」という鉄板の図式。
「好きな人だから」
「俺も」(※ただし妹のことを任せてもいいくらいには)
ああ。すれ違いラブですね。
攻めはすれ違っていることにすぐ気付くので、
展開が早くてストレスがない。
ここまでトラック1で進む。

受けちゃんの好意に気付いた攻めさんは、
あれこれ気をまわして考える。

家庭教師を辞めるから、会えなくなる前に
「一緒に野球を見に行きませんか」と誘ういじらしさよ。
攻めの言うように、気持ちを押し付ける気がないのもわかる。

「あいつと会うのも今日で最後」
壮大なフラグ。
携帯を忘れる
→仕事のトラブルで行けないことを伝えられない
→4時間35分も待っている
ああもう付き合っちゃえよ!!可愛いだろ受けちゃんが!!

「そんなに好きなの俺のこと」
直球で聞いちゃう!良さがある!
そういうキャラだよなー
と思わせる興津さんの演技。
告白して、振られて、「スッキリした」と笑う受けちゃん
を引き留める攻めさん!
「俺と付き合ってみるか?」
美しい流れ!!様式美!!

トラック3は受け目線に視点が変わり、
受け→攻めに好意を寄せるきっかけになった出来事や
ずっと想いを寄せていたことを語られる。
訥々と。純朴な想い。
学生時代のこういう経験は、一生ものですね。

受けちゃんの想いの道程や何もかもを軽やかに乗り越えて
「お前のこと可愛いなって思ったから」で
あっさりキスしてしまう先輩!

「ちょっと触らせてもらっていいか」
「こういうのに抵抗あるようなら付き合えないだろ」
「なんなんだよこの人?手慣れすぎ」
「イヤなの?ほんとに?」「気持ちよくない?」
「顔見えない。腕どけろって」
おお。テンプレだけど、良いものです…。
間違いない老舗のようだ。

しかし妹からの電話で中断。
いやー最後まで結ばれる時へ期待が募りますね!

「顔とか性別じゃなく単純に可愛いと思う。
自分でも驚くほど触れることに抵抗がなくて…」
真理のような気がする…。

同僚たちと食事する場面は、
地雷が地雷を呼ぶ地獄。
でも独占欲の表れでもあるので…
からの、自分の好きという気持ちをないがしろにされたようで
キレるかと思いきや…
お互いに引いてしまう。
分別があるからこそ。忖度ですよ。

妹はいい子ではあるが…
キンキン声で泣き喚くのはイヤホンで聴いている身にはつらいのと
社会人の兄が18歳の妹にこんなに恋愛相談しますかね?とは思う。

最終トラックで一気に回収。
興津先輩の「好きだ」が男らしくて笑ってしまった。

「お前が望むなら心も体も全部やる。
だからお前ももっと欲しがれよ。俺の事、諦めないでくれ」
ヒーローのように宣言。

でもそれで決着が付いて、
キャッチボールという極めて健全なことをしている最中
「お前とちゃんとしたい。セックス」

69の古川さんの自前SEェ…。
咥えながら声を出しているのがわかる演技も…。
わりと静かな濡れ場。この二人にしては軽め。
先の付録CDほど舌足らずではなく、
私が思う一番色っぽい古川さんではないけど、
これはこれでエロい表現であることはわかる。

コンパクトによくまとまった教科書のようなBL。
それを巧いキャストで聴ける喜び。
結構なお点前でした。
テンプレが様式美に昇華しています。