ついに一つも残らなかった | 耄碌爺のひとこと

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何しろ永いこと生きてきたので、思いでやら書きたいこと山ほどあって、支離滅裂・前後左右あたふたとやらせてもらいます。

 毎日通る道である。


 9月。ゴルフボールほどの大きさの柿が鈴なりの木があった。毎日通るたびに、沢山の緑色をした小さな柿が道に落ちているので、下を通る時当たるのではないかと、いつもひやひやして通り抜けた。


 落ちてきた柿は、何日か経つとまるで熟したような色になる。


 上を見上げると、その柿の木は随分と高く大きく、まだ沢山の青い実を付けている。


 カラスや小鳥たちの鳴き声がしきりとする。回りは孟宗竹の林である。


 1週間ほど前、通りかかった時、以前に比べてあまり柿が落ちていないのに気が付いた。見上げると赤くなりずっと大きくなった柿が8つ、朝の光を受けて光っていた。


 随分と少なくなったものだなと見上げながら通り過ごした。


2・3日見上げるたびに数を確認した。毎日8つ間違いなくあった。


 昨日のことである。2つになってしまっていた。下の何処を見ても一つも落ちてはいない。道路わきの溝の中まで覗いてみたのであるが、一つとして見当たらない。


 カラスにやられたのであろうか、上には残っていた8つの中で一番大きかったやつと、比較的小ぶりのものが残っている。


 それがついに今日は消えていた。