ぎょしゃ座の明るい散光星雲、勾玉星雲(IC405)、オタマジャクシ星雲(IC410)を含めて、クモ星雲、ハエ星雲付近を、380mm画角で撮ってみました。
一番好みの色合いである、LRGB現像です。F3.6で、2時間弱の露出時間ですが、散光星雲は淡いですね。それでも、メジャーな部分はしっかり描出されました。
アリクイ星雲を中央にしていますが、そこがあまりはっきりしません。M38散開星団の星々をアリに見立てて、それらそ狙っているアリクイの鼻の部分が見えているだけと言えましょうか。天の川の微恒星が明る過ぎて埋もれていることを差し引いても、普通に写したブロードバンド撮影では、淡い散光星雲は描出しにくいです。
注釈画像と、星図での位置画像も添えておきます。
Sh2-230 は、アリクイ星雲だと思うんですが、どこまでが含まれるのか、境界がよくわかりません。この注釈画像では、Sh2-230として、かなりの広範囲を示しています。
ナローフィルターでも撮ってますので、HOO画像をLRGB画像にブレンドしてみましょう。
微恒星にも暗くなってもらったので、全体的に輝度アップして表現しています。Sh2-230 はこんな感じかな〜 と、わかっていただけたでしょうか。
有名どころも、トリミング拡大してみましょう。まずは、勾玉星雲の頭付近
勾玉の穴付近の明るい星は「ぎょしゃ座AE(AE Aur)」という星で、オリオン座の方から秒速1000kmという高速で移動してきた星だそうで、「Runaway star」とも呼ばれてます。その星に照らされる反射星雲もあって、この星雲は、flaming star nebula(炎上する星の星雲)とも呼ばれています。
IC410も拡大してみましょう。
2匹のオタマジャクシが泳いでいるのがわかるでしょうか。これまで、ナローで強調しないと見えないと思っていましたが、今回、RBG画像でも確認できるとわかりました。
クモ星雲、ハエ星雲付近も拡大表示しておきますね。
蜘蛛が蝿を狙って、糸を吐いているかのようです。
SIIIフィルターでも撮っているので、SHOのハッブルパレット画像も供覧しましょう。
すこし、SIIIのオレンジ色が薄くなってしまいました。ナローはもっとたっぷりと露出時間を確保すべきですね。
この秋、いろんなバリエーションの画像を供覧できて嬉しいです。
備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)
撮影データ:
SXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール
オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 120MM mini
鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6) + ZWO EAF
光学センサー: ASI 6200MMPro (cooling −10℃)
Lum、Red、Green、Blue 各 30、25、22、22コマ、gain 100、60sec(LRGB露出時間 119分間)
SII、Hα、OIII 各 17、22、12コマ、gain 300、300sec(SHO露出時間 255分間間)
2025年9月27日、10月13日、17日の3夜 自宅にて撮影
画像処理: PixInsight (BXT、NXT、SXTを含む)、Photoshop 使用 (SHOカラーシフトには Flat Aide Pro 使用)







