今年、春の銀河祭りで、メイン撮影対象とした、かみのけ座銀河団 (Abell 1656) です。
こんなに銀河が密集したエリアが、かみのけ座には存在します。この銀河団を形成する銀河は1000以上あると言われていますが、まるで星より多いかのように見えますね。
PixInsightで、カタログ番号をつけてみました。
NGC番号、IC番号がわかります。PCGカタログ番号を表示しようとしたら、多すぎでエラーが出ました(汗
中央部をトリミング拡大してみましょう。
圧倒的な数の銀河が見えてきました。この画面内だけでも100以上数えることができます。それらが、2つの巨大楕円銀河(上のNGC 4874と、下のNGC 4889)により、重力的に支配されているそうです。空間密度の高い銀河団の例にもれず、銀河団中央付近では、ほとんどが楕円銀河とレンズ状銀河で構成されていますね。ちなみに、NGC 4889(Caldwell 35)は、かみのけ座銀河団の中で最も明るい超巨大楕円銀河で、NGC 4889内のブラックホールの質量は、太陽質量の約210億倍もあるそうです。(よくわからないくらい大きな質量です)
トップ画像の左上付近も、トリミング画像でご覧ください。
大きいのが、NGC4921になります。きれいなフェイスオンの棒渦巻銀河ですね。銀河団の周辺では、密集度が下がっても、模様や形の面白い銀河がたくさんあるようです。
地球から、3.2億光年も離れたところにある銀河団だそうで、宇宙の広さを感じられる天体写真になりました。
備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)
撮影データ:
AXP赤道儀 + NINA コントロール
鏡筒: ミューロン250CRS + RD CR 0.73x (焦点距離 1825mm F7.3)
ASI2600MM-pro (cooling -10℃)
オフアキシスオートガイド ASI174MMMini
Lum、Red、Green、Blue gain 100 180sec 各91、27、28、33コマ (露出合計 537分間)
撮影: 2025年3月20-23日の4夜 住宅地(自宅)にて
PixInsight(BlurXterminator, NoiseXTerminatorなども使用)で現像、Photoshopにて調整