ぎょしゃ座の散光星雲たちを、100mmマクロレンズとAPS-Cカラーセンサーで狙ってみました。先月の2度目の天体撮影の夜、魔女の横顔と同時撮影でした。接写(マクロ)レンズで天体写真を撮るなんて変な話ですね。手元にある100mmレンズで最も明るいのが、このレンズなんです。
天の川に重なるので、星々が一面にあります。星が少ないところは、暗黒帯が重なっているのでしょうか? 下の方、右寄りには、勾玉星雲(IC405、Sh2-229)やオタマジャクシ星雲(IC410、Sh2-236)などは、しっかりと写ってます。M38、M36散開星団もわかりやすいですね。でも、上の方には星しか見えません。以前撮影した、Sh2-223、Sh2-224あたりまでの画角設定です。なかなか簡単には捕まらない、淡い散光星雲たちですね。いろんな天体があるはずの場所なので、ステラナビゲーターの星図に、この写真を貼り付けて、場所を確認してみましょう。
ぎょしゃ座の五角形の星などと合わせて、小さな画像で表示させてみました。大きくご覧になりたい方は、画像を左クリックしてみてください。星座線で結ばれた、ぎょしゃ座の明るい星星は、カタカナ黄色表記しています。青紫のM番号は、メシエ散開星団です。散光星雲は、シャープレスカタログの番号をSに続けて記載しています。勾玉星雲(Sh2-229)は、S229 と、オタマジャクシ星雲(Sh2-236)は、S236 と表記されています。Sh2-223、Sh2-224 などは、S233、S224 などと表記されています。たくさんの小さな散光星雲の表記が重なってしまったのはお許しを。オリジナル画像を、部分的に拡大して強調処理をしても、淡いものは、存在すら分かりにくい状況です。
下の方のわかりやすいところを、200mmレンズとAPS-Cセンサーで撮って周囲を少し切り抜いたような画角に、トリミングして確認してみましょう。
勾玉星雲(IC405、Sh2-229)、オタマジャクシ星雲(IC410、Sh2-236)は、わかりやすくなりました。中央付近で輝くクモ星雲(IC417、Sh2-234)が綺麗ですね。でも、Hαの散光星雲が薄くて、蜘蛛には見えませんね。その左にあるハエ星雲(NGC1931、Sh2-237)はさらに分かりにくくなりました。アリクイ星雲に至っては、鼻先以外の紅いアミアミのところはよくわからない状況になっています。5年ほど前のSAO現像した画像で確認いただければ幸いです。住宅地の光害のなかでは、仕方がないですね。この辺を写し出すには、Hαフィルターなど、ナロー系のフィルターが必要でした。
悔しいので、一番良いところを、正方形にトリミングしておきます。
もう少しで、等倍表示になってしまいそうです。昔、遠征して暗いところで撮った画像はこちらをご覧ください。
「住宅地でも、赤道儀があれば、カメラレンズと最近のカラーカメラで、これぐらいは撮れてしまう」ということにしておきます。
備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)
撮影データ:
AXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール
オートガイド PHD2 + QHY5L-II + KOWA LM100JC
レンズ: キャノン EF100mm F2.8L マクロ IS USM (焦点距離 100mm F2.8)
光学センサー: ASI2600MC_Pro ( cooling -10℃)
フィルター: HEUIB-II
gain100 60sec 163コマ (総露出時間 163分間)
2025年1月26日の夜 自宅にて撮影
画像処理: PixInsight、Photoshop 使用
久しぶりの月のない時間がある程度確保できた夜だったが、お天気は下り坂の天気予報で、この夜も簡単撮影
翌日は仕事なので、主砲の設置をする気力はなかった
中小型の望遠鏡やカメラレンズなら、準備も片付けも、比較的容易にできる
寒〜い夜で、薄雲が何度も通過していたけれど、なんとか、ある程度は撮影データを確保できた
その後は、雪が積もって新月期は終了した
もう直ぐ月が小さくなるだろうが、来週はまた冬型の気象に戻って、雪が降り続くらしい