Sh2-240は、ぎょしゃ座との境界線付近に存在する、おうし座の超新星残骸です。大きいけれど淡いため、撮影するのはとても難しい対象です。今年の秋、ようやく挑戦することができました。現像も容易でなく、1ヶ月以上かかってしまいました。

短時間撮影のRGB画像です。紅いフィラメントの絡まりが見えてきてますね。星の色を確保するためのデータのつもりだったのを、少し強引に少し強調してみましたので不鮮明です。

超新星残骸は、プラズマ原子の輝線が強いので、ナローバンドパスフィルターにも活躍してもらいました。

RGB画像にHOO画像データを加えています。フィラメント状に絡まるように見えることから、スパゲティ星雲と表現されることもあります。

SIIIフィルターでも撮ったので、SHOでのハッブルパレット画像も提示します。

これは、FlatAideProでカラーシフトしました。星の色は、RGB画像からいただきました。住宅地での撮影なので、光害による背景ムラの対策がなかなか大変で、何度もやり直していますが、それでもノイズが盛大なのはお許しくださいね。達人たちのように綺麗な画像を仕上げるには、相当な長時間撮影をするか、暗いところへ行く必要がありそうです。

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

鏡 筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72× (合成焦点距離 380mm 、合成F3.6)

赤道儀: ビクセン SXP赤道儀   N.I.N.A. にてコントロール

     オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 220MM mini

カメラ: QHYCCD  QHY600M  (cooling 0℃) 

撮 影: Lum、Red、Green、Blue  60sec、gain 26  各 26、12、12、12コマ(LRGB合計露出合計  62分間 )

     Hα、OIII、SII 300sec、gain 60  各 11、9、8コマ  (SHO合計露出時間 140分間) 

     総露出時間202分間

画像処理: PixInsight (BlurXTerminator、SatrXteminator、NiseXteminatorを含む)を主に使用

      SHOは、FlatAidePro にてカラーシフト  Photoshop にて調整

撮影地: 住宅地の自宅にて撮影

撮影日: 10月30日、11月3日の2夜

 

 

見掛けの大きさは、約4度ほどもある大きな超新星残骸

現在のレデューサーを手に入れてからでも、フルサイズセンサーでギリギリの大きな星雲だ

NINAを使いだして、雲などで画角が流れて移動しても、修正がしやすくなった

比較的安定した画角維持が可能になってきたので、今頃になって、この対象に挑戦してみた

評判通り、非常に淡く、光害地撮影で作品にするには、とても難しい対象だ