ふたご座を漂うクラゲ星雲は、Hα、SII、OIII のナローバンドフィルターでも撮影しています。AOO画像を普通に現像してみると、

前回の画像よりも、凝った画像加工はしていませんが、RGBに少し似た配色です。

せっかく3バンドのフィルターを使ったので、SAO画像も作りましょう。

R、G、B に、SII、Hα、OIII  のデータを使用して、擬似カラー合成したものです。宇宙に漂うガスの元素のほとんどは水素ガスなので、Gに割り当てたHαの情報が圧倒的に強くなり、全体的に緑調の画像になってしまいます。クラゲ星雲は、比較的硫黄ガスの光が強く、緑が赤みがかって黄緑調になります。Sh2-249 の一部には、酸素ガスの光が強いところがあり、青緑がかっているところありますが、ちょっとわかりにくいですね。

緑が主体的な画像では、見栄えが今ひとつなので、赤みがかっているところはもっと赤く、青みがかっているところはもっと青く色調を変化させて表現させましょう。

このようにして、ハップルパレットでは表現されています。創造の柱をNASAが発表してから大人気の表現法になりました。どれぐらいカラーシフトさせるかで、画像作成者の好みによる違いも興味深いところです。

黄色と青色のみでは現実離れが強くて寂しいので、もっと赤っぽい色も追加したいと、SAO画像にAOO画像をブレンドする方法も流行しています。

こんな画像も楽しいですね。今回は、星の色には特別な加工はしていませんが、星が小さくなって控えめに表現されるのも、ナローバンド撮影の面白さです。月が輝いている時間に撮影しても、そこそこの画像データを得ることができるのも、ナローバンドフィルター撮影の利点です。気が付けば、総露出時間は10時間にも及んでいました。

 

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

赤道儀: ZWO AM5  N.I.N.A.コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 220MM mini

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6)

光学センサー: QHY600M  ( gain 26、cooling -10℃)

Hα、SII、OIII 各 600秒 16、23、21コマ (SHO合計露出時間 600分) 

画像処理: FlatAidPro、PixInsight、Photoshopなど使用

2月 12日、13日の夜 自宅にて撮影

 

これまで、カラーシフトをいろいろ試して、今の所、FlatAidPro が簡単でわかりやすいと思っている

日本のアマチア天体撮影家(ぴんたんさん)が作成してくださった

800万画素までの画像なら無料で使用できるのもうれしい

今回は、PixInsightでリニア画像作成を行い、単純なSAO画像を作った。

BlurXTerminatorを適応したものを、Fits画像で保存

FlatAidProで対数現像し、SAO画像のカラーシフトやAOO画像作成を行なった

数字で調整程度を指定しながら、おおまかな画像を確認できるのが極めて便利

パープルフリンジの低減までできてしまう  

何回かに分けて少しずつ調整することも可能だ

今回の画像は、FlatAidProで作った画像を、少しだけ強調処理

さらに、背景をニュートラルグレーに調整した程度の現像だ

このFlatAidProでも十分にカラーシフト楽しめると思う

 

そして最近、PixInsightに、NarrowbandNormalizationなるものが登場 

便利そうなので、これから試してみたい