正月のオリオン大星雲で、住宅地でも多少ながら分子雲が写るとわかって、馬頭星雲付近も530mm画角で撮ってみました。まずは、RGB画像から

馬頭星雲と燃える木は、これまで何度も撮影に挑戦してきましたが、比較的写りが良いところのみの表現でした。今回は、住宅地のRGB合成でも、Hαで淡く輝く部分が広がってるのがわかりますね。星の色はここからいただくとして、さらに淡い分子雲も炙り出したいところです。Lum画像を確認したところ、激しい縞模様が出現してしまいました。これでは、Lum画像は使い物になりません。普通のLRGB現像は諦めて、HαとOIIIフィルターデータも使って、NBRGB画像を作って、淡い部分を思いっきり強調してみました。

NBRGB画像(下左)と、 Lumの代わりに Hαを使ったLRGB合成画像(下右)です。

     

淡い紅いところが、浮き出てきましたね。でも、分子雲を強調しようとした右の画像では、色が変になってしまいました。無理やりの強調で、やり方が悪いのもあるのですが、これではちょっと残念です。

違いがわからないとの声も聞こえてきそうですが、暗い部分をモニターの輝度を上げていただければ、多少の違いがわかりやすくなるかもしれません。

NBRGB の使用は諦めて、Lum の代わりに Hα を使い、最初のRGB画像とで LRGB合成してみました。

 

あまり分子雲は見えませんが、個人的には、この画像が一番しっくりきますね。短時間撮影なのに、これまでで最高の出来かもしれません。Lum画像がたっぷり使えれば、もっと分子雲を綺麗に表現できそうにも思えます。

光害がある住宅地からですが、もっと広い範囲も含めて分子雲に挑戦するのも、アリかもしれませんね。

同じような画像ばかりに付き合っていただき、恐れ入ります。ここまで根気よく閲覧してくださった方々、ありがとうございます。

 

P.S. 最初に記事をアップした時の上の H-RGB合成の画像がかなり暗かったので、色調を少し明るくして入れ替えました m(_._)m

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

赤道儀: ZWO AM5  N.I.N.A.コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 220MM mini

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP(直焦点距離 530mm F5)

光学センサー: QHY600M  ( gain 26、cooling -10℃) 

Red、Green、Blue   各 60秒 13、12、10コマ (RGB露出合計  35分間)

Lum  60秒 45コマ         

Hα、OIII 各 600秒  5、4コマ gain 60 (Narrow露出合計 90分間)

(NBRGB合計露出時間 125分間)、(H-RGB総露出時間  85分間)

画像処理: PixInsight、Photoshopなど使用

2月9日の夜 自宅にて撮影

 

 

久々に見た激しいシマノイズ。ダークのgainや温度がずれるとよく出るやつに似ている。

こんなに今回Lum画像で縞ノイズが激しく出てしまったのは、白飛びを防ごうと、Gain 0(最低感度)で短時間撮影としたのが良くなかったようだ。Gain 0 のダーク画像を見たら、そこには壮大な縞模様が出現していた。オフセットを調整すると変わるのかもしれないが、このままのやり方では、普通の天体写真には使えそうもないと思えた。

HαをLの代わりにLRGB合成すると、それらしくなることはわかったが、RGBにHaを混ぜ込んでからHαをLの代わりにLRGB合成すると、分子雲が赤くなってしまうこともわかった。モノラルセンサーでのフィルター撮影では、自由度が高くなる分、思った画像を作り出すのが容易でないことを実感した。