6月の梅雨の中休みには、幾晩か星空を楽しむことができました。その一つが、前々回の超新星のある回転花火銀河です。週末にも重なったので、自宅で機材出しっぱなしの連日撮影を強行しました。お天気が不安定で、頻回に雲がやってくる状況でしたが、自宅ですので、気楽に晩酌後撮影ww

星占い星座の深宇宙天体を、てんびん座さんからのリクエストを思い出して、探してみました。てんびん座には、系外銀河などもあるのですが、小さくて難しそうなので、比較的容易に撮れそうな球状星団を狙ってみました。

メシエナンバーもなく、あまり知名度は高くありませんが,なかなか見応えのある球状星団です。比較的大きな球状星団ですが、12等とかなり暗いです。眼視では、星がまばらなので、散光星雲のように分離して見ることが出来きるらしい。って、、、 

実は、すぐに曇ってしまった初日のデータのみで現像したRGB画像は

ほとんど散光星雲みたいですね^^;

翌日の夜も、高度が低下するまで撮影を追加してみました。その結果が今回の球状星団です。トリミング前の画像も供覧しておきますよ。

フルサイズ換算で約2800mmの焦点距離画角です。過程は窮状星団現像でしたが、やっぱり立派な球状星団ですね。以前にこのブログで紹介したメシエ球状星団のM68 や、うさぎ座の球状星団(M79)よりも大きくて立派な気がします。

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容を含むので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ: てんびん座の球状星団(NGC 5897)

AXP赤道儀 + ASIAIRPRO コントロール

鏡筒: ミューロン250CRS + RD 0.73x (焦点距離 1825mm F7.3) 

ASI2600MM-pro (cooling -10°℃) 

オフアキシスオートガイド ASI174MMMini

R、G、B gain 100 60秒 各 8、8、10コマ

L gain 100 60秒 49コマ (総露出時間 75分間)

2023年6月16日、17日の夜 自宅にて

PixInsightにて主な現像、Photoshopにて調整、NeatImage9でノイズ処理

 

以前から気になっている、ミューロン250CRS鏡筒の問題点

住宅地での撮影では迷光が入るのか、強力に強調処理すると、画像中央にリング状の影を生じる

ドーナッツに勾配をかけているような影なので、画像処理で消すのも容易でない

大きなフードをつけても、背面ファンを目張りしても消えてくれない

いつもはLEDパネルでフラットを撮っているけれど、今回は久々にスカイフラットを試した

それでも、思ったほど改善しなかった やっぱりフラットは難しい

少ないデータで、背景を無理やり消すと、淡い球状星団は散光星雲になってしまう

丁寧に強調処理をしていくと、微光星も明るくなって見えてくることはわかった