M74銀河(Phantom Galaxy) を長焦点鏡筒で撮っている間に、短焦点鏡筒で試していたのは、カシオペア座にあるクワガタ星雲〜シャボン玉星雲 〜 ケフェウス座の洞窟星雲付近。先日、👽 Kresnik 👽さんの素晴らしいお手本を見せていただいて、ピント調節の研究をしながら、住宅地でどれだけ写るのか試してみました。
付近の暗黒帯が出てこないかと精一杯炙っていたら、凄い色被りと一緒に、少しだけ暗黒帯らしきものが見えました。ちょっと炙りすぎですかね。この構図の欠点は、一番美味しいはずの画角中央付近には、見えていない暗黒帯しかないところ。自宅から洞窟星雲がはっきり写ったのは初めてで、これだけでも自己満足状態です。
洞窟星雲付近のトリミング画像も作っちゃいます。
コントラストを少し上げてみました。これだと、色カブリが少しだけ目立たなくなりますね。明るい門構えと、暗くなっている洞窟の入り口が見やすくなりました。我が家の環境では描出しにくいと思っていた洞窟星雲がここまで写るのは、この夜の空はかなり良かったのでしょうか。それでも蒼い色はあまり出てきません。Bフィルターのデータを多めに確保しようと考えいましたが、蒼っぽい光の多くは消えてしまいました。
クワガタ星雲も、これまでに撮ったのはピンボケ画像だけでした。こちらもトリミング画像をどうぞ。
こちらは色調を調整して緑カブリを抑えてみました。詳細なクワガタの姿が現れてくれました。右寄り上方のうっすら紅いところ(北の干潟星雲)付近の暗黒帯も淡く見えていて(多分、モニターの輝度をあげないと見えません)、鮮明に写るシャボン玉星雲やM52散開星団とともに、賑やかで楽しい写真になってくれました。蒼い色が隠れてしまったのは仕方ありません。これだけ狙ったとしても、住宅地の撮影として十分自己満足できています。
備忘録: 今回から撮影データを含めて、技術的な補記はこちらに記録します。
綺麗な夜空写真のみをご覧になりたい方は、以下を読む必要ありません。
撮影データ:
FSQ106EDP + RD0.73×(焦点距離 385mm) + SXP赤道儀
PHD2オートガイド (コーワ LM100JC + Superstar) ディザリング
QHY600PH (gain 60、 cooling -20℃)
L 60sec × 21コマ、Hα 600sec 6コマ、
R、G、B 180sec × 各7、6、11コマ (総露出時間 153分間)
APT (Astro Photography Tool) 3.8
2020年11月14日の夜 自宅庭にて
ステライメージ8 と キャノンDPP4 で現像 トリミング
ピント位置を意識して、Gフィルターでまず撮影。その後、Hαフィルターでピントを合わせ、RとLフィルターでピントを確認し、3つのフィルターで繰り返し撮影を継続した。最後に、一番良い夜空の条件で、Bフィルターでピントを合わせて撮影した。今回は、オフアキをやめて、100mmのコンパクトなガイド鏡で試してみた。深夜の残り時間に南東にある冬の大三角形方向の獲物を狙ったが、ガイド不良で断念。鏡筒を北寄りに向け直して、今回の画像を狙ったら、ガイドが安定したが、今度は対物レンズが結露して、これ以上の収穫なし。