はくちょう座の十字の真ん中のγ星サドル周辺には、明るい散光星雲や暗黒星雲、散開星団などがあって、とても華やかなところです。単焦点望遠鏡で捉えるには絶好の領域と、自宅庭にて撮影を試してみました。未熟者には現像も苦労続きで、作品になるのに10日以上もかかってしまいました。
撮影データ:
FSQ106EDP + RD0.73×(焦点距離 385mm) + AXP赤道儀
オフアキシスオートガイド QHY5L-IIM + PHD2 guiding ディザリング
QHY600PH (gain 60、 cooling -20℃)
L 60sec × 7コマ、Hα 600sec 3コマ、
R、G、B 180sec × 各3、4、7コマ (総露出時間 79分間)
APT (Astro Photography Tool) 3.8
2020年11月12日の夜 自宅庭にて
ステライメージ8 と キャノンDPP4 で現像 トリミング
中央の明るい星が、はくちょう座γ星のサドル。うねった紅い散光星雲と、それを遮る暗黒帯が複雑な景色を醸し出しています。Hαフィルターでの撮影データを加えているので、紅いところが特に強調されて詳細な画像となりました。ステイホーム中の楽しみとしては大満足。でも、街中なので、青付近の波長の色が光害で溶けてしまってます。RGB各フィルターの撮影データも混ぜているのですが、暗いところで撮られるような雰囲気からは、かなりかけ離れた表現となりました。
中央付近を拡大して見てみましょう
明るい星、サドル左下に接しての、こんなに複雑な構造があるなんて、知りませんでした。サドルの上左寄りにはなれて、小さな星が群をなしているところが、“The Inchworm Cluster” という名前がついている散開星団(NGC 6910)。尺取り虫に見えますか? この散開星団(NGC 6910)は、The Rocking Horse Cluster(揺り木馬星団)とも呼ばれるようです。以前のモノクロ撮影では、ピンボケで一塊となって、天井龍に右目のように見えていましたが、高解像度に写し出すと、こんなに違って見えます。どの部分を見ていても、複雑な形をしていて、趣深い星雲ですね。
さて、ここからは備忘録
今回、Bフィルター、Gフィルター撮影時には、別にピントを取り直して撮影
LRHα各フィルターは、Hαでピントを合わせて、繰り返し交互に撮影
一所懸命にピントを合わせたけど、Bフィルターで星が大きくなる気がする
入手データの解像度が上がってくると、出来上がり画質への期待も高くなってしまう
ピントあわせが悪いのだろうか? もちろん、バーティノフマスクとか使ってます
バックラッシのせいか、滑るのか、EAFのピント位置の数字に再現性がない
いまだに、EAFで繰り返しピント位置を変更できないのが悲しい
まだまだ、修行不足だ〜