今回の最接近を過ぎてからも、火星はまだまだ明るく輝いています。これまでと概ね同じ手技で、お天気の良い夜に何度か撮影を試みました。

これは、10月10日の夜の撮影分。南極冠が下になるように向きを揃えてみました。中央左よりの暗い部分がオーロラ湾。上の方の暗い部分がアギダリアの海。右寄りの鉤型に伸びている暗い部分が子午線湾(アリンの爪)です。ここを、火星の経度0度の子午線が通っていることになっています。

 

次は、10月15日の夜、衝の翌夜の火星です。

衝とは、火星、地球、太陽が一直線に並ぶ状態です。そのため、満月と同じで、まん丸になります。気流の問題か、シーイングが悪くて、殊更にユラユラしていました。そのため、とても不鮮明になってしまったのが残念です。

 

10月22日の火星です。

子午線湾が左よりになってきました。右端よりには大シルチスが見えてきています。やっぱり、大シルチスが見えてくると、見栄えがちがいますね。

10月26日の夜も火星を観察しました。大シルチスから小シルチスまで綺麗に写りました。高い高度も手伝って、今回最高の出来かも!?  これで、火星表面の模様を一巡したことになります。現在のデジタル技術のおかげで、付け焼き刃素人でも、これだけ超望遠撮影を楽しめることがわかりました。良い時代になったものです。

まとめに、向きと拡大率を揃えてみました。再現像画像も含む一覧をどうぞ。

これからゆっくりと小さく暗くなっていきますが、まだしばらくは火星観察の見頃が続きます。これを逃すと、こんなに明るく大きな火星は、次は13年後まで見られませんよ。高度などの撮影条件も加味すると、大接近になる15年後? 天体望遠鏡を覗ける方は、今のうちに楽しんでください。