命と出会う | 彼は彼で、必死で生きてる           

彼は彼で、必死で生きてる           

良いも悪いも善も悪も
優れているも劣っているも
社会や時代が引っ張った
一本の線の上か下か。あるいは右か左か。

静かに目や耳を澄ませた時
見えてくるもの聞こえてくるものって
何なのだろう?

GFコーチング高橋祐紀です。

ぬいぐるみに名前をつけて、
背中におぶったり
話しかけたり

そんなふうにして
暮らしていたことがありました。
まだ幼稚園に行く前だったかな。

どこかの家の押し入れの暗闇の中で
段ボールの中で
着ない服と一緒に、たたまれるように
押し込められていたぬいぐるみが
命を吹き込まれたのは、
僕と出会った時。

僕の身長くらいあったうさぎ。
背中におぶうと足が畳についていたような記憶があります。

名前はよく思い出せない。
「みみたん」だったような気がする。

ある時、ほりごたつに落ちて、
左の耳がこげてしまったみみたんに
僕は毎日語りかけていた。

そんな日常をみみたんは嬉しいと思っていたか?

こんな考え方をたぶん、アニミズムといいます。

いろんなものに、命やら精霊やら、妖精やらが
宿っている。そんな考え方。

みみたんはおそらく何も思っていない。
僕に語られ、引きずられ、こたつに落とされて、
それでも黙っている。

黙っているのに、みみたんは、
時に僕を慰め、
僕の寂しさを取り除いてくれ、
僕を喜ばせ、
時には相談にものってくれる。

「君がいなくなったら、
わたしはどうしていいかわからないわ」

みみたんは僕にそう呟く(と僕は心の奥で思っている)

そして、僕もみみたんに囁き返す。
「僕もおんなじさ」

みみたんをひとり置いていっていいのか
僕は時に迷っていたと思う。


時が流れ、
みみたんは、パンダのクンクンに替わり、
そしてさらに時が流れ、
クンクンは
たくさんの人間の友人たちに替わっていった。

   *
ひとつの視点です。

命ってなんだと思いますか?
誰かに与え誰かから与えられ、
誰かに生かしてもらい、誰かを生かしている。

人から大切に思ってほしい気持と
人を大切に思う気持ち。

人だけでなく、あなたに意識されたすべてのものが、
あなたの力になるために、
目覚め、起き上がり微笑みかけてくる。

そして、僕はあなたの意識の中に
生まれ出させてもらえるだろうか、なんて思うわけです。

お互いの意識のなかに生まれ出させてもらうことを
出会いと言うのでしょう。