こんにちは。
採用面接をしていると、「手に職を付けたい」とか、「キャリアアップをしたい」という方がいらっしゃいます。
向上心であったり、新しいことにチャレンジするという気持ち、考えは、素晴らしいことだと思います。でも、今一度考えてみて頂きたいなと思うことは、
「手に職」って何?、「キャリア」って何?
ということです。そう言った方に、「将来の目標」とか「なりたい姿」を訊ねてみても、「わかりません」とか「特に考えてません」という方が多いのは驚かされます。加えて、「出世」や「起業」にも関心がないようです。ですので「キャリアップ」とは「出世」のことでもなさそうです。
そんな方には、「あなたの考えるキャリアアップとは?」とお訊ねすることも多いのですが、そこでよく聞くのは「専門知識あるいは専門技能を身に付けたいです」という回答。当社は、IT会社でプログラミングを得意としてますので、つまるところ「プログラミングの知識・技能」を身に付けたいということのようです。(もちろん、他の視点でのキャリアアップを考えている方もいらっしゃいます)
しかし、では、プログラミングを覚えて何をするのと訊くと、「まだIT業界のことよく分からないので、わかりません。身についてから考えます」と答える方が多い、そんな印象をうけております。私はこの背景に、価値観の多様化やそれに伴う社会不安があるのかなと思います。
拠り所になる「技術」は欲しいけど、多様な価値観の元では、明確に成し遂げたい何かがあるわけでもなく、がむしゃらに働くというのとも違う、だから出世レースで勝ちたいとも思わない。安心して暮らしたい。そんな感じではないでしょうか。これもひとつの考え方ですし、時代背景を考えれば、そう思われて然るべきだと思います。

ただ、こういう方にとっての「キャリアアップ」ということが私にはとても気になります。
「技術」、特にITの世界は、激的な速さで変化しています。あなたが身に付けた「キャリア」「手に職」は、10年後、いやともすれば5年後には、時代遅れになって価値を失うかもしれません。そう言った方の中には「自己研鑽を続けたい」こう仰る方も多くいます。素晴らしいことではありますが、やはり「何のための自己研鑽なのか?」私はそこに疑問を感じてしまいます。もちろん人それぞれの考え、思いがあるのは承知していますが、もしキャリアップや手に職が「安心」「安定」を得るためだとしたら、果たしてその「戦略」は如何なものだろうかと私は思います。
ITなどと言うある意味、ニッチな「技術」ではなくて、どの業界でもある程度共通して通用するスキルで、もちろん自己研鑽は何をするにしても必要ですが、なるべく「昔とった杵柄」がいつまでも使えそうな分野、業界を考えられた方が良いのではないかと思ったりもします。
私の知人にも、(IT以外の)大手起業で長く「人事」をされて来たか方がいますが、その方は会社でシニアのセカンドキャリアの支援をしており、彼のいる会社は65歳定年ですが、シニアの相談に乗ると観点からも経験豊富な方が求められるので、本人が望めば70歳いやあるいはそれ以上でも働けるのではないとのことでした。
IT(プログラマ)は、最近でこそあまり言われませんが、35歳定年説などと言われてましたので、それに比べたら、早期にキャリアチェンジを求められる仕事ではないかと思います。「コンピュータを相手」にしていた人が、急に「人を相手」にするポジションに変わるのは大変ですから、コミュニケーションを学ぶとか、マネージメントを学ぶと言った、そう言う意味での「キャリアアップ」として準備を進めておくと言うのは良いかもしれませんね。
誤解を恐れずに、ざっくり言ってしまうと、経験のあるエンジニアから見れば、「技術」を学ぶことは、「それ自体が好きだから」か「必要に迫られて」の大体2つに分類されるのではないでしょうか。少なくとも技術修得をキャリアップとは捉えていないのではないかそう思います。

「キャリアアップ」考える時には「キャリアプラン」とセットで考えた方が良いのではないか、ゴール(目標)を定めて、そのためのステップを考える、これが、やはり王道ではあると思います。ただ、ビジネスのスピードは早くなっております。また、定めたゴール(目標)の変更を余儀なくされると言うことも多いと思います。ですから、STEP1からじっくり取り組むことも確かに時には必要だと思いますが、そうではなくて、ゴールから先に考えて、最も必要なものから準に揃えていくと言う考え方が大切ではないかと思います。
プログラミンで言えば、つくりたいものがあったら先につくり始める。そこで必要な技術や知識は、重要なものかんら都度補っていく、こんなやり方です。プログラミングの本を1冊、あるいはスクール等でマスターしてからとは逆です。
野球を始めるのに、ルールブックを学んでから、基礎体力を養ってから、ではなくて、まずは見様見真似でやってみる、(特に男性であれば)子供の頃にそんな経験はないでしょうか。
それも価値観の多様化する時代において、最初にゴール(目標)を設定するのは、やはり難しいと感じる方もいらっしゃるかと思います。そう言う方であれば別の考え方もできると思います。「今ここにある」ものがあなたのキャリアです。ですから目標ばかりを気にせずに、まずは目の前のことを一生懸命にやる。状況(環境)が変わり、やることが変わっても、また「今ここにある」ものを一生懸命にやる。これの連続です。しかし、一心不乱に一生懸命にやること以上に大切なのは、時々後ろを振り返るとうことです。あなあの歩んで来た道は「階段」ではなくて「迷路」のようになっているかもしれません。しかし、それを回り道と考えずに、それがあなたが歩んできた貴重な「キャリア」だと考えてください。あなたは確実に「キャリアアップ」しています。一見すると、バラバラのことをしてきたような人生でも、あなたの中で、その「点」と「点」がつながっているはずです。それを繋げる「線」とはなか改めて考えてみる機会が必要だということです。キャリアの棚卸しというような言い方をすることもありますが、これは自分という人間を見つめる作業でもあります。その上で、これから起きるかもしれないことにも好奇心を持ってチャレンジしてください。失敗したってそれもあなたの貴重なキャリアです。
ゴール(目標)をもつ、あるいは好奇心をもつ (もろんその両方でも^^)
これが大切だと、私は思います。それに必要なもの、その過程で身に付けたもの、それが「キャリア」ということではないでしょうか。

