- 民法講義〈1〉民法総則/成文堂
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単独著者による基本書として、受験生の一部にユーザーがいます。
学説の詳細な整理やレイアウト(後述)をもって、本書を予備校本のような本だという人がいますが、さすがに予備校本だってこんなに執拗に細かく学説を列挙したりはしていません。あくまでも試験対策という観点からですが、はっきり言ってやりすぎです。
本書の特徴を一言でいえば、学説列挙本です。もっぱら学説列挙のために、民法基本書の中でも膨大な分量(7冊組)になってしまっている本です。司法試験で学説の勉強はほとんど不要(特に民法は不要)ですから、あくまでも試験対策の観点からいえば、本書は頑張りどころを間違えているテキストだと評価せざるを得ません。
文章も非常に硬く、お世辞にも分かりやすいとは言えません。古い時代の基本書といった風です。
抽象的な解説が多いので、記述量が多い割には、疑問点の解消にもあまり役立ちません。
横書き・2色刷り・図表多数…といった、見た目の予備校本っぽさに騙されている人がいますが、本書を基本書として使用するのが論外なのは当然として、辞書として考えても、冊数の割に使えないテキストだと思います。
ちなみに、「予備校本っぽい」という修飾語は、個人的には、何よりも記述の分かりやすさに対して使われるべき言葉だと思います。その意味で、本書のようなテキストは最も予備校本から離れたテキストと評価すべきです。
おすすめ度⇒C