暫定税率 | DRAGON

暫定税率

最近、ガソリンの暫定税率についてよく聞くが、暫定といいながら30年以上も続いているらしい。一方、2~3年前のことであるが、所得税であったか、選挙前には恒久減税と謳いながら、わずか数年で廃止されるということもあった。



日本語が乱れているとか、使われ方が正しくないとか言われているが、全く逆に使われている例も珍しい。これからは、「恒久」を「一時的」という意味に、「暫定」を「ずっと」という意味に変更した方がいいじゃなかろうか。



それはともかく、よく言われているように、暫定が30年以上も続いているのはおかしいし、道路財源だけを特別扱いするのもおかしい。それはまさに正論で、最後に述べるように、結論としてそれを支持する。



しかしながら、複雑な事情があるのも事実。例えば、東国原知事の宮崎県。宮崎県には、高速道路が一本もないとのこと。暫定税率による税金を払いながらも、さんざん待たされ、後回しにされ、ようやく自分の県の番になったと思ったら、やめようじゃないかと言われたら、そりゃたまったものじゃない。



他には、例えば、医療過疎の地域。近辺に医療機関がなく、高速道路もないことから、救急車で搬送するのに相当な時間がかかってしまう。



暫定税率が廃止されることで、これらの地域に高速道路が造られなくなるか、もしくは、かなり先になると言われている。



さらには、医療過疎の地域が雪深い地域であれば、事情はさらに複雑になる。暫定税率を廃止しないと、除雪のガソリンが高くなりすぎて、除雪も満足にできなくなる可能性が出てくる。



同じ地域でも、暫定税率を廃止するとしないとでは、利害が一致しない場合が生じてくる。同じ人でも、場合によって変化することもある。



単純に二者択一とはいかず、なかなか複雑である。中には、複雑なことであっても、それは、各人がそれぞれ思惑があるからであり、その思惑を捨てれば、案外、単純になるものだという考えを示す人もいるが、そう単純なものでもない。



欲の観点から見れば、確かにそうかもしれないが、例から分かるとおり、欲ではなく、死活問題である。そこで、思惑を捨てれば良いというのは酷である。



結局は、そう主張することは、強い者に利用されるのがオチであるような気がする。


理想から言えば、思惑を捨てるべきは強い者である。つまり、官僚や準役人などに税金を貪り食うことを止めてもらい、その分をもっと必要なところに回すべきである。



ガソリン税に戻るが、真に必要な道路か否かかも精査する必要がある。最初に暫定税率ありきでは困る。全て、一般財源化し、その中で優先順位を決めるべきである。暫定税率があったなら、真っ先に建設されるであろう必要な道路は、かなり優先順位を上げても良いと思う。それでも多少は遅れるかもしれないが、多少は我慢をしてもらったらどうかと思う。



なんか生意気なことをつらつらと書いてきたが、最後に一言。役人や政治家は、国民のためとうそぶきながら、自分の利権や既得権などの思惑だけに捉われているような気がする。