負け犬の耐震偽装涙
耐震偽装問題で、居住者がマンションを退去しなければならなくなった。TVで、マンションでの最後のクリスマスや正月を一家そろって祝う様子が映し出され、二人の女性がそれを見いる。
A子:「全くひどい話よね。」
B美:・・・・・・・・。彼女は無言で涙する。
B美が、体の震えるのを必死にこらえながら涙するのを見て、A子は思った。
「この人はなんて純粋なのかしら。他の人の痛み・苦しみを自分のことのように感じているんだわ。」
では、B美の心の内をみてみよう。
「ああ、羨ましい。だんな様がいて、かわいい子供がいて。それにひきかえ、私には彼氏もいない。クリスマスだって一人ぼっち。私はなんてかわいそうなの。マンションを出て行くことくらい何だっていうの。」
B美にとっては、結婚して子供がいることが全てに優先するのであった。それ以外のことは、取るに足らないことだった。そして、彼女はこうも心の中で叫んだ。
「ふんっ、いい気味だわ。これ以上、他の人たちが幸せになるのをみるのは耐えられない。せめて、うまくいっていた人たちが不幸になるをみるのがせめてもの救いだわ。」