闇祓(ヤミハラ)・・・感想
---------------●お話「うちのクラスの転校生は何かがおかしい――」クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが――。身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント!辻村深月『闇祓(やみはら)』特設サイト | カドブン辻村深月 初の本格ホラーミステリ長編「闇祓」kadobun.jp---------------●感想ヤミハラとは、「闇祓師」みたいな意味と、「闇ハラスメント」みたいな意味があり、要するに、闇ハラスメントと戦う闇祓師みたいな内容になっています。これは、オムニバス形式の小説で、そのどれもが、「世にも奇妙な物語」・・・みたいな内容で、最終的に、全ての奇妙な物語が1つに繋がります。この世の中には、真実は歪んでいるのに、一見して正しいことを言ってるように感じさせるのが得意な人がいて、そういう人がグループ内で、強い発言力や奇妙な信頼を有していると、この人の言葉は本当に正しいのか?みたいな疑問を抱きつつも、周囲の誰もがその人を信じているし、一見して正しいその言葉に返す言葉もなく、気づけば、その人の言葉にすっかり支配されている。・・・なんてことがある。特に、子供や女性のグループでは、そういう現象が起こりやすい。この物語の中では、そうしたグループの中で起こる奇怪な現象のことを、闇を押し付けたり闇を蔓延させる行為=「闇ハラ」と呼称している。そして、この物語の世界では、闇ハラが発生する周辺では、不可解な死を遂げる人が連続するため、闇祓師が闇ハラの震源地を捜し、お祓いをしようとしています。そういう物語、なのだけど、オムニバスの物語の多くが、闇ハラの加害者と被害者だけの物語で、闇祓師は最初と最後の話に出てくるだけ。だから、陰陽師的な内容を想像していた俺にとって、世にも奇妙な物語は、ちょっと退屈に感じる部分もありました。・・・が、そこはやっぱり辻村深月さんなので、最後まで読む楽しさのある物語。でもありました。世にも奇妙な物語が好きな人には、おススメかもです。---------------闇祓 (角川文庫)Amazon(アマゾン)
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